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タモキシフェンは乳がんや骨粗鬆症に効果!?服用している人は子宮体癌に注意する必要があるかも。作用や副作用などのまとめ

大人の女性なら、気にしなくてはいけない乳がん。タモキシフェンは乳がん治療に使われるホルモン療法剤です。ホルモン療法剤は、化学療法剤より副作用は少ないと言われています。タモキシフェンの効果はどのようにしてあらわれるのか?副作用はどのようなものがあるの?タモキシフェンのまとめです。



タモキシフェンとは?

タモキシフェンとは、乳がんのホルモン療法剤に使われる薬のひとつで、成分「タモキシフェンクエン酸塩」を略してタモキシフェンと呼んでいます。医療用医薬品として販売されているタモキシフェンは錠剤で専門医による処方が必要な薬です。

乳がんを治療・予防をする薬

乳がんには、エストロゲンという女性ホルモンの影響を受けて増殖する「ホルモン受容体陽性乳がん」というタイプがあります。エストロゲンがエストロゲン受容体というエストロゲンをキャッチする部分に結合することで、がん細胞の増殖を促し、乳がんを進行させてしまうのです。

女性ホルモンの作用をおさえることで、がんの進行・再発を薬でおさえる治療法を「ホルモン療法」といい、ホルモン療法剤には大きく分けて3種類の薬が使用されます。閉経前は「LHRHアゴニスト製剤」、閉経後は「アロマターゼ阻害薬」が使われ、閉経前・後の両方で使われるのが「抗エストロゲン薬」です。タモキシフェンは、抗エストロゲン薬になります。

タモキシフェンは、エストロゲン受容体にエストロゲンが結合するのを阻止する作用があり、がんの進行を遅らせる、がん細胞を手術で取り除いた後の再発を防ぐための薬です。

タモキシフェンの作用機序

タモキシフェンが、がん細胞の増殖をおさえるメカニズムは、エストロゲン受容体にタモキシフェンが結合しエストロゲンが結合するのをブロックします。エストロゲン受容体にエストロゲンの結合を阻止することで乳がん細胞が増えるのをおさえる効果があります。つまり、がん細胞がエストロゲンを取り込むのをタモキシフェンが邪魔することで、がんの増殖をおさえることができると言われているのです。

タモキシフェンの特徴

ホルモン療法において抗エストロゲン薬は5年間と長い期間、場合によっては10年服用する薬です。

タモキシフェンは、がんの化学療法剤にみられるような細胞毒作用による骨髄障害、脱毛などの副作用があらわれないため、長期に渡って服用することが可能です。そのため、乳がんの進行を長期におさえる効果や、乳がんの手術後の再発防止のために服用される薬として世界規模で研究が行われているようです。

また、男性ホルモン作用がないので閉経の有無に関係なく投与することが可能であるとされています。

タモキシフェンの使用方法及び注意が必要な人

タモキシフェンが、がん細胞の増殖をおさえるメカニズムは、エストロゲン受容体にタモキシフェンが結合しエストロゲンが結合するのをブロックします。エストロゲン受容体にエストロゲンの結合を阻止することで乳がん細胞が増えるのをおさえる効果があります。つまり、がん細胞がエストロゲンを取り込むのをタモキシフェンが邪魔することで、がんの増殖をおさえることができると言われているのです。

タモキシフェンの特徴

ホルモン療法において抗エストロゲン薬は5年間と長い期間、場合によっては10年服用する薬です。

タモキシフェンは、がんの化学療法剤にみられるような細胞毒作用による骨髄障害、脱毛などの副作用があらわれないため、長期に渡って服用することが可能です。そのため、乳がんの進行を長期におさえる効果や、乳がんの手術後の再発防止のために服用される薬として世界規模で研究が行われているようです。

また、男性ホルモン作用がないので閉経の有無に関係なく投与することが可能であるとされています。

タモキシフェンの使用方法及び注意が必要な人

タモキシフェンは通常1日20mgを1~2回に分けて服用します。症状によっては、40mgまで増量することもあるようです。

妊婦又は妊娠している可能性がある人は禁忌

 

タモキシフェンを服用してはいけない人は、妊婦および妊娠している可能性がある方は服用が

できません。海外で、妊婦が服用し流産や胎児へ影響が出たとする報告があったようです。

タモキシフェンで過敏症が出た人は禁忌

タモキシフェンを服用して過敏反応が出た方も服用することができません。

薬を服用中の人は飲み合わせに注意

タモキシフェンと一緒に服用すると薬の効果に影響が出てしまうおそれがある薬があります。タモキシフェンのほかに使用している薬やサプリメントがある人は必ず医師・薬剤師に伝えましょう。

<飲み合わせに注意が必要な薬の一例>

・SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害剤(抗うつ剤・パニック障害の薬)

・ワーファリン等(血栓予防の薬)

・リファンピシン(結核などに使用される抗生物質)

・リトナビル(抗HIV薬)

タモキシフェンの製薬会社

タモキシフェンは、先発医薬品としてノルバデックスという商品名でアストラゼネカ株式会社より販売されていました。その後、ジェネリック医薬品(後発医薬品)として、いくつかの製薬メーカーよりタモキシフェン錠が販売されています。

2016年2月現在販売されている製薬会社は以下の通りです。

  • タモキシフェン錠10mg/20mg「サワイ」(沢井製薬)
  • タモキシフェン錠10mg/20mg「日医工」(日医工株式会社)
  • タモキシフェン錠10mg/20mg「明治」(Meiji Seika ファルマ株式会社)
  • タモキシフェン錠10mg/20mg「バイエル」旧称:タスオミン錠(バイエル薬品株式会社)

当初、バイエル薬品株式会社は、タモキシフェンのジェネリック医薬品を「タスオミン錠」という商品名で販売していましたが2015年7月に、『タモキシフェン錠「バイエル」』と商品販売名を変更をしています。

タモキシフェンの副作用

ノルバデックスによって、進行中や再発の乳がん患者のうち、がん細胞が縮小したり消失した割合は30.2%とされていますが、反面副作用が起こることもあります。使用成績調査によると3762例中312例(8.29%)に副作用があったとの報告があるようです。

その中で最も多かったのが、月経異常や無月経(120例(3.18%))で、次に多かったのが吐き気や嘔吐、食欲不振(57例(1.51%))となっています。また子宮内膜異常も副作用として起こることがあるようですが、こちらは0.2~0.3%の低い割合となっており、軽度である場合が多いようです。

引用:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

生理不順や不正出血

タモキシフェンによくみられる無月経、月経異常、性器出血等の女性生殖器系の副作用は、更年期症状が起こるメカニズムとよく似ており、飲み始めに副作用症状が辛く数週間~数か月すると体が薬に慣れてきて和らぐようになるようです。

視覚障害や眼に関する異常

めったにない副作用ですが重大な副作用として、視力異常、視力障害の副作用が報告されています。視力異常、白内障、網膜症、網膜萎縮、視神経症、視神経萎縮等の視覚障害がおこる可能生があるため注意喚起されています。眼の異常を感じたら検査をしてもらいましょう。

タモキシフェンは遺伝子研究にも使われる!Cre/loxPとは?

Cre/loxPシステム

タモキシフェンはヒトにおいて、乳がんの治療に使う医薬品として使用していますが、ほかにも遺伝子を操作して動物実験にタモキシフェンが利用されることもあるようです。

loxPという特定のDNA配列にCreという酵素を反応させるとDNA配列が切ることができるそうです。DNA配列にloxPを2か所作っておくことで、間にはさまれたDNA配列を取り出すことができます。タモキシフェンを酵素であるCreに結合させることで、エストロゲン受容体から核内に酵素を取り込んで、DNAに酵素を反応させることができます。つまり酵素の働きを作動させることができるのがタモキシフェンというわけです。

Cre/loxPシステムにタモキシフェンがなぜ有用なのか

タモキシフェンが遺伝子実験で有用なのは、DNA配列を組み替える操作をコントロールすることで、特定の遺伝子配列がない状態の実験用マウスを人工的に作ることできます。意図した時期や部位で研究したい遺伝子を持っていないマウスを作ることができ、遺伝子研究の発展につながることが期待できます。

タモキシフェンは骨粗しょう症に効果がある?

骨粗しょう症への効果は未知数

タモキシフェンは、肝臓や骨などの乳がんではない部位ではエストロゲンと同じような作用を示すことが知られています。骨では骨粗しょう症の薬であるSERMs(Selective estrogenrecepter modulators)と同じような効果があると考えらています。

SERMsは、乳がんのエストロゲン受容体には結合せず、骨のエストロゲン受容体に対して結合する性質をもった薬です。閉経後に女性ホルモンが減ることで骨密度が低下するのをおさえる薬として使用されています。

タモキシフェンは骨粗しょう症の薬として認められてはいませんが、タモキシフェンの体内での働き、メカニズムの原理を考えると骨粗しょう症に悪い影響は与えないと考えられているようです。

タモキシフェンは子宮体がんの確率を高める?

そもそも子宮体がんとは?

子宮体がんとは、子宮の胎児を育てる部分の子宮内膜から発生するがんです。子宮の入り口付近の細くなっている部分は子宮頸部と呼ばれ、そこに発生したがんは、子宮頸がんです。子宮体がんと子宮頚がんはひとまとめにして子宮がんと呼ばれることもありますが、治療法などが異なるため区別して考えられています。

子宮体癌は、閉経後の50~65歳の女性に多くみられます。子宮内膜にがん細胞が増殖するので、子宮内膜癌とも呼ばれます。

子宮体がんの発生原因

肥満・高血圧・糖尿病などの基礎疾患があると子宮体がんのリスクを高めるようです。

また、早い時期に初潮を迎えた方、52歳以降に閉経を迎えた方、出産歴がない方、タモキシフェンを服用している方、月経異常がある方(出血過多、月経期以外の出血、長期にわたる無月経など)、エストロゲンを分泌する腫瘍がある方などが子宮体がんの発症リスクが高いと言わ

れています。

タモキシフェンが子宮体がんの危険因子になる理由

エストロゲンそのものに細胞等の組織を発育させる働きがあり、子宮内膜の細胞分裂を速める作用もあることが知られています。タモキシフェンは、子宮ではエストロゲンと同じ働きをします。したがってタモキシフェンを服用することで子宮内膜の細胞が刺激を受けて、異常に細

胞が分裂するリスクが高くなる可能性があるとされています。タモキシフェンの服用により、1000人中2~3人(0.2~0.3%)に子宮内膜異常の副作用が出るとされていますが、2年以上の長期服用の場合は若干その割合が1000人中6人(0.6%)に上

がると報告されています。また、海外ではタモキシフェンの長期服用をしていた50代以上の患者さんの子宮体がんの発生率は2~4倍に増えたそうです。

もともと日本人女性の子宮体がんの発生率は発生率は1万人に2人と低い割合ですが、長期的にタモキシフェンを服用している場合は定期的に子宮がん検診を受けたり、不正出血等の異常があれば医師に申し出ましょう。

タモキシフェンは効果的な薬?

3割の人にしか効果はない?

薬を飲むなら、やはり効果がどのくらい得られるのか気になるところです。

タモキシフェンを続けて5年間服用することで、乳がんの再発リスクを約半分に減らせ、さらに再発リスクを減らせる可能性があれば、さらに5年間服用することもあるようです。

どのくらいの効果があるか、日本でのノルバデックス錠10mgの臨床成績(調査数268例)を見ると、30.2%に効果があったとされています。そのうち完全に腫瘍が消失したのが9.0%で、30%以上の消失が見られたのは21.3%となっています。3割と聞くと低いようにも感じますが、タモキシフェンは有効な治療法であるといわれ多くの患者さんに使用されているようです。

閉経後の乳がんに使われるアロマターゼ阻害剤

閉経前と閉経後では、体内のエストロゲン分泌のメカニズムが違います。エストロゲンは卵巣、そして副腎と末梢脂肪組織で主に作られています。閉経前のエストロゲンは卵巣で作られますが、閉経後は副腎皮質から分泌されるアンドロゲン(男性ホルモン)が、末梢脂肪組織でアロマターゼという酵素の働きにより、男性ホルモンをエストロゲンに変化させています。

そのため閉経後の乳がんにはアロマターゼの働きを阻止して、男性ホルモンからエストロゲンに変化するのをおさえます。

エストロゲンの変化の抑制には、抗エストロゲン薬とアロマターゼ阻害薬が効果があるとされ、閉経後の乳がん治療にはこのどちらかを使用します。以前は併用もされていましたが併用で効果が落ちたとされ、現在はどちらか1つを使用するようです。単体での使用効果は、アロ

マターゼ阻害薬の方がタモキシフェンより20%ほど効果が高かったとのデータがあるようです。

このようなことから「乳癌診療ガイドライン」(日本乳癌学会)では、閉経後の治療には、アロマターゼ阻害薬の服用を5年続けることを推奨しています。また、タモキシフェンの2~3年の服用後からの切り替えでの再発は30%減少、5年服用後からの切り替えでは40%減少との報告もあり、閉経後の治療にはアロマターゼ阻害薬に変更することが推奨されているようです。

タモキシフェンとアロマターゼ阻害剤との併用

閉経前も閉経後も服用ができるタモキシフェン。アロマターゼ阻害薬と一緒に服用するとさらに効果が高まりそうな気がします。しかしながら、タモキシフェンとアロマターゼ阻害薬と併用したときの臨床データは、単独で服薬した時と併用した時と有効性に差がなかったという結果になったようです。

そのため、日本乳癌学会「乳癌診療ガイドライン」では、タモキシフェンとアロマターゼ阻害薬の併用は有用ではないので、すすめられていません。(推奨グレードD)

コーヒーはタモキシフェンの効果を高める?

1日にコーヒーを2杯以上飲む人は、乳がんのリスクが低いという研究発表がありました。タモキシフェンを服用中の方で、毎日コーヒーを1杯よりも2杯飲んだほうが、再発や転移が少なかったとも報告されています。研究者は、コーヒーがタモキシフェンの効果を高める効果があるのではないかと考えているようです。コーヒーの飲みすぎで胃に負担がかからない程度に、1日2杯以上飲んで損はないようです。

まとめ

タモキシフェンは、閉経前も閉経後も服用できる薬です。副作用も少なく、乳がんの再発・進行のリスクを低下させるのであれば、服用することを前向きに検討するのがよいかと思います。

疑問に思うことがあれば、納得がいくまで医師とよく相談をしましょう。乳がんとの闘いは長期戦です。不安なまま薬を飲んで治療をしても、心にも体にもよくないです。