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強皮症とは皮膚や内臓も硬くなる病気!命の危機もあるって本当?皮膚石灰化などの6つの症状と4つの治療法など!

強皮症は皮膚や内臓までもが硬化とよばれる症状に見舞われる病気で、症状が進めば生命の危機に関わるとされます。原因は確定されておらず人により症状も様々であると聞けば、この病気を疑われる人は不安になって当然です。最近、研究が進んだことで検査法や治療法も様々あり早期に対処することが治療には重要とされています。そんな強皮症について詳しく知っていただけようにこの記事を書きました。



強皮症について知っていますか?

強皮症とは、硬化といわれる症状が皮膚や内臓など全身にあらわれる病気で、内臓の硬化(線維化ともいいます)がおこると、肺炎、腎病変などの重篤な症状に発展するかもしれない病気です。原因は特定されていないとされますが、近年研究が進み重篤な症状まで進むことはまれであるとの指摘もあります。

強皮症についてどんな病気であるか、原因、症状、治療法までを紹介することで、詳しく知ってもらえるようにこの記事を書きました。この記事を最後まで読んでいただければ強皮症についての一通りの知識が得られると思いますので、最後まで読んんでいただければ幸いです。

強皮症とは

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皮膚が固くなる変化

強皮症には皮膚だけが硬く変わっていってしまう限局性強皮症と、皮膚だけにとどまらず、内臓までもが硬く変化してしまう全身性強皮症の2種類があります。全身性強皮症でも病気の進行や内臓病変を起こす頻度は人により大きく異なるとされます。この病気は進行するかしないかにより全身性強皮症をさらに、びまん型全身性強皮症と限局型全身性強皮症に分類するとされます。

びまん型全身性強皮症は全身性強皮症の典型的な症状をしめすとされて5~6年以内は病気が進行することが多く、限局性全身性強皮症では進行がほとんどないか緩徐(かんじょ)であるとされます。

膠原病との関係

全身性強皮症は膠原病(こうげんびょう)に属する病気です。膠原病とは膠原組織(体の中の支持組織を構成している成分)にフィブリノイド変性と呼ばれる共有の変化を伴う病気の総称です。膠原病では全身性で結合組織や血管に炎症や変性が起こるため多臓器の症状があらわれるのが特徴とされます。

全身性強皮症では皮膚や内臓に硬化(線維化)を起こすことが特徴とされます。そのほかの膠原病としては、主に関節に炎症が起こる慢性関節リウマチ、皮膚に紅斑(こうはん)ができて腎、神経などを侵す全身性エリテマトーデス、主に筋肉を侵す多発性筋炎・皮膚筋炎などがあり、それぞれ治療法に違いがあるとされます。

※膠原線維(コラーゲン線維)は美容化粧品のCMなどで言う、皮膚の健康と潤いを保つコラーゲンと同じものとされます。コラーゲンは結合組織内に含まれている線維性のタンパク質で、細胞と細胞を結びつける働きがあるとされます。臓器などを形づくる役目もあるとされます。この皮膚の膠原(コラーゲン)線維が炎症を起こし皮膚の潤いが無くなり、皮膚が硬くなるコラーゲン線維病が強皮症とされます。

強皮症の原因

全身性強皮症の原因はいまだに不明な部分が多く、その全容は解明されていません。しかし、近年の研究により判明している現象から原因と考えられているものをいくつかご紹介します。まず、全身性強皮症の患者さんの約9割に、抗核抗体と呼ばれる自己抗体が検出されます。抗体とは、本来体に侵入してきたウイルスなどの異物を攻撃し排出する働きのあるものです。しかし、膠原病などの自己免疫疾患では、この抗体が自分自身の細胞を攻撃してしまう現象が起きます。

全身性強皮症で自分の細胞の核を攻撃する抗核抗体が検出される理由は明らかになっていませんが、この自己免疫の変化が、発症に深く関わっているのではないかと考えられています。次に、全身性強皮症では、線維芽細胞(せんいがさいぼう)でのコラーゲン合成が進んでいることが確認されています。この線維芽細胞は、皮膚や内臓のさまざまな組織を結びつけている結合組織を作っている細胞です。

ここでコラーゲン合成が進むと組織の繊維化が進み、どんどん硬く変化していくわけですが、このコラーゲン合成の機構に何らかの異常が起こり、全身性強皮症が引き起こされると推測されています。最後に、全身性強皮症の8割以上に血管の異常が認められます。この障害は、血管内の細胞で繊維化が生じ、血管の弾力が失われて血流が悪くなるために引き起こされます。これをレイノー現象と呼び、例えば冷たいグラスを手で握ると指先の血管が一気に収縮し、血流が低下して指先が青白~紫色になるという例が有名です。他にもこの血流の低下は全身で起こり、例えば肺では肺高血圧症を引き起こし、腎臓の血管では強皮症腎クリーゼを引き起こします。この血管障害はさまざまな組織が硬化していく前の段階との意見も多く、この血管障害を解明すれば原因究明の鍵になるのではないかと考えられています。

女性に多い

全国に全身性強皮症の人は少なくとも2万人以上いるとの指摘があります。男女の比率は、男性1に対して女性は9~10程度とされ、女性に多い病気とされます。25才~50才くらい(30才~50才代との主張もあります)の年齢で多く発症しますが、幼児から高齢者まで症例があるとされます。

強皮症の分類、種類

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限局性強皮症

限局性強皮症は、皮膚のみ(皮膚と皮下脂肪組織、筋、骨も入るとの指摘もあります)に起こる強皮症で内臓には起こらないものとされます。皮膚に硬化(線維化)を起こすものとされます。硬化をもたらす理由はわかっていないとされますが、全身性強皮症と同様に自己免疫が関連してしているとされたり、外傷が誘因とされたり、ボレリア感染が関与しているとの報告もあるとされます。

ただし、全身性強皮症にあらわれるレイノー現象はなく、手指の硬化もないことから限局型全身性強皮症とは明らかに区別されるとされます(限局という言葉が両方の病名に入ることから混同されることがしばしばあるので注意が必要であるとされます)。限局性強化症は、斑状(はんじょう)強皮症と線状強皮症に分類されるとされます。

線状強皮症

線状強皮症は小児に多くみられます。皮膚の硬化(線維化)が線状か、あるいは帯状(帯状強皮症)にあらわれます。前頭部におよぶものは刀傷に似た病変が現れる剣創状強皮症(けんそうじょうきょうひしょう)を起こし、眼瞼におよぶ場合は眼瞼委縮筋による閉眼困難などを伴うと指摘されています。また、頭皮におよぶものは頭の毛が抜け落ちてしまいます。これはまれに、顔の片側の三叉神経が通っている部分を中心に萎縮して痩せたり凹んだりする顔面片側萎縮症を引き起こします。

線状強皮症は四肢(しし:手足)に生じることが多いとされます。関節にまたがって症状があらわれた場合は関節可動域の低下を伴うとされ、また小児の場合は成長障害を伴うと指摘されます。

斑状強皮症

斑状強皮症(モルフェアとも呼ばれます)は20~40歳代の女性に多いと言われています。斑状強皮症では円形あるいは楕円形の皮膚の硬化(線維化)が生じるとされています。初期には病変周囲にライラック輪(lilac ring)と呼ばれる赤紫色の輪(大きさは数mm~30cm前後まで様々)があわられることがあるといわれています。

中心部の皮膚は、硬くなっていたり萎縮しており、まるで金属のようなテカテカとした光沢感があります。皮下脂肪組織を中心とする深在性、水疱を伴う水疱性などの亜型があるとされています。

全身性強皮症

全身性強皮症には、レイノー現象だけしかなく皮膚硬化(線維化)が全くない症状や、皮膚硬化が胸や腹などに拡大し内臓まで広がるような症状まで様々あるとされ、それらを分類するために、アメリカの内科医である”ルロイとメズガーらによる全身性強皮症の分類”が国際的に使われているようです。

この分類では皮膚硬化の範囲のみならず、自己抗体の種類、内臓病変の種類など様々な因子を加味して分類されているとされます。その分類は、比較的軽い限局皮膚硬化型全身性強皮症と、典型的な症状を呈するとされる、びまん皮膚硬化型全身性強皮症に分類されます。

限局型強皮症

局限(皮膚硬化)型全身性強皮症もまた”ルロイとメズガーらによる全身性強皮症の分類”によって厳密な診断の定義が設けられています。この病気は進行が非常にゆっくりとしています。前述した手指が冷たい物に触れると青白~紫色へ変化するレイノー現象が、長い期間続いた後に、皮膚の硬化が始まります。

硬化が現れるのは手や顔、足、腕と限定的で、他の部位にはほぼ現れないようです。そして、皮膚の硬化以外にも、皮膚への特徴的な病変が現れます。例えば、手や顔の毛細血管が拡張したり、血中カルシウム濃度は正常にもかかわらず皮膚に黄色や白っぽいボコボコとした発疹のようなカルシウム沈着が出ることがあります。

約70~80%に、細胞の核にあるセントロメアを攻撃してしまう自己抗体の一種、セントロメア抗体が検出されます。この抗体を持っている人は、皮膚の硬化の程度が軽く、内臓の硬化などを合併することが少ないと指摘されています。また、約2%以下の患者さんの中には発症後、十数年から数十年たった後に肺高血圧症を引き起こすことがあるようです。

びまん型強皮症

徐々に症状が進行する限局型強皮症に対して、びまん(皮膚硬化)型全身性強皮症はあるピークまでは症状が進行しますが、そこからは皮膚の硬化が改善されていく特徴があります。このびまん(皮膚硬化)型全身性強皮症も、”ルロイとメズガーらによる全身性強皮症の分類”によって明確な分類が行われています。レイノー現象は、初期症状としてではなく、皮膚の硬化が進行するとともにあらわれていきます。

皮膚硬化の現れる部位は限局型強皮症より広範囲に及びます。手や指、前腕だけでなく、胸や腹の方にまで広がりを見せることがあります。さらに肺や腎臓、消化管、心臓とった体の内側が繊維化されてしまい、合併症を引き起こすことがあります。さらに限局型強皮症で見られたセントロメア抗体は検出されず、代わりに抗トポイソメラーゼ I(Scl70)抗体(30%)、抗RNAポリメラーゼ抗体(15%)が検出されます。

抗トポイソメラーゼ I抗体とは、細胞の核にある酵素トポイソメラーゼIの働きを防いでしまう抗体のことで、この抗体を持っている人はぼぼ全身性強皮症と診断されると指摘されており、肺線維症が約80%の人にあらわれるとされます。抗RNAポリメラーゼ抗体を持っている人は、比較的広範囲の及ぶ皮膚硬化があらわれ、強皮症腎クリーゼを10%程度に合併するとされています。副腎皮質ステロイド内服治療で改善しやすいと指摘されています。

強皮症の症状

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初期症状

全身性強皮症の初期症状として有名なのがレイノー現象と皮膚硬化です。全身性強皮症の約80%以上が初期症状としてレイノー現象があったという報告があります。しかし、このレイノー現象は、実は健康な人でもまれに出ることがあり、さらにその他にも膠原病のような全身性強皮症以外の病気でもみられます。

レイノー現象が出たからといって全身性強皮症になったというわけではないので注意が必要です。また、初期症状が皮膚硬化だったという症例の報告もあります。他には、手のむくみや腫れがあったり、手がこわばった感じがあって動かしにくい、関節炎による関節の痛みが出ることもあるようです。

レイノー現象

レイノー現象(症状)とは、冷たいものに触れると手指が蒼白、紫色になる症状で、最も一般的には中央の3本の指に出現し,まれに拇指(ぼし:親指)に出現するとされます。冬に多くみられるとされ、精神的緊張によっても起こるとされます。手全体が真っ赤になる状態が続くこともあるとされ、しびれ感、冷感、違和感、痛みを伴うこともあると指摘されています。発作的な血行障害が原因とされます。

レイノー現象を防止するためには、冷感刺激をさけ、冬場には手袋、マフラー、厚手の靴下などによって十分な防寒を心がけること、携帯カイロで温めること、夏季はクーラーの冷やし過ぎに注意するとされます。また炊事などで水を使う場合は手袋と使ったり、お湯を使ったりする工夫が必要とされ、タバコは血行が悪くなるため絶対避けるべきと指摘されています。

このレイノー現象は原発性のものと2次性のものがあり、2次性のものでは全身性強皮症のような病気の合併症としておこるほかに、薬物による副作用によって起こることもあるとされます。

爪上皮出血点

爪上皮出血点(そうじょうひしゅっけつてん)は爪の生え際にある甘皮の部分に症状が現れる、点々とした黒褐色の出血した跡のことを言います。爪上皮出血点は、上皮部分でUターンする微細血管の出血で末梢血管の異常をしめす兆候であるとさてます。

レイノー現象に加えて、この爪上皮出血点が認められると強皮症が疑われるので、詳しい血液検査が必要であるとされます。爪上皮出血点は自分で症状が出ているかを確認できるとされます。

皮膚硬化

全身性強皮症の皮膚硬化は、つま先から硬化していき、そこからどんどんお腹の方へと広がりを見せていくと言われていますが、必ずそういった広がり方を見せるわけではなく、硬化の仕方には個人差があります。皮膚硬化の初期では皮膚が硬く、つかみにくいだけで病気とは認識されないこともあるようです。

この皮膚硬化の症状が進行すると、硬い感じだけではなく、皮膚がピンと張った感じや、ツヤツヤと金属のような光沢感が出てきます。また、顔の皮膚に硬化が出た場合は、顔の皮膚が硬くなるためにうまく顔を動かせなかったり、笑いにくい、口がうまく開かないなどの症状が報告されています。

皮膚石灰化

多量のカルシウムが皮下に沈着することで黄色、あるいは白色の硬い丘疹、結節ができることを言うとされます。全身性強皮症や皮膚筋炎では、血中カルシウム値が正常であっても皮膚石灰化があらわれることがあると指摘されています。

逆流性食道炎

普段は胃の入り口が下部食道括約筋によって閉じているため胃酸が胃から食道へ流れ出ることがないのですが、強皮症によって食道と胃の境目にある下部食道括約筋が線維化(硬化)しだすと、逆流性食道炎を起こすことがあります。この逆流性食道炎は、胃から食道の方へ胃酸が吹き出して食道が焼けただれ、胸焼けや胸のつかえを感じるようになる病気です。

この逆流性食道炎の治療は、プロトンポンプ阻害剤という薬を処方したり、1回の食事量を少なく、食事回数を1日3回より多くに分けて食べる、食後にすぐ横になると胃酸の流出が起きやすいので横にならないようにするといった方法で対処します。

普段は胃の入り口が下部食道括約筋によって閉じているため胃酸が胃から食道へ流れ出ることがないのですが、強皮症によって食道と胃の境目にある下部食道括約筋が線維化(硬化)しだすと、逆流性食道炎を起こすことがあります。この逆流性食道炎は、胃から食道の方へ胃酸が吹き出して食道が焼けただれ、胸焼けや胸のつかえを感じるようになる病気です。

この逆流性食道炎の治療は、プロトンポンプ阻害剤という薬を処方したり、1回の食事量を少なく、食事回数を1日3回より多くに分けて食べる、食後にすぐ横になると胃酸の流出が起きやすいので横にならないようにするといった方法で対処します。

強皮症腎クリーゼ

腎クリーゼは全身性強皮症の重篤な合併症の一つであるとされます。びまん型全身性強皮症の12%、限局型全身性強皮症の2%で発症するとの英国での調査報告があるとされます。日本では欧米より少なく5%との調査報告や、正常血圧を呈する腎クリーゼが10%あるとの調査報告もあるとされます。

高血圧緊急症(頭痛、悪心、嘔吐、視力低下、呼吸困難、不穏状態、錯乱、けいれんなどの症状を呈する)を伴い1~2か月程度後に腎不全をきたすとされます。腎不全のような症状まで呈すると透析での治療が必要になるとされるため、早期の治療が必要と指摘されています。

以前は重篤な合併症であったもののACE阻害薬という高血圧の薬によって十分に治療しうるものとなっとされています。全身性強皮症に対するステロイド投与は腎クリーゼの誘因とされる説があるため、ステロイド投与中は血圧と腎機能を検査で確認する必要があるとされます。

強皮症の経過

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浮腫期

全身性強皮症は、以前は時間の経過とともに症状がどんどん悪くなっていくものだと考えられていました。しかし、近年では、患者さんごとに症状や硬化が進行するスピードが違い、個人差があることが知られています。どんどん進行するケースもあれば、硬化が非常にゆっくりだったり、硬化が一旦ピークを過ぎるとおさまってきたりと、どのように進行していくのかを推測するのは困難であると考えられています。

典型的な進行をみせる全身性強皮症の場合には、浮腫期(ふしゅき)、浮腫期硬化期(ふしゅきこうかき)、硬化期、萎縮期(いしゅくき)と進行のしかたを分類しています。一番最初の症状である浮腫期は、手の指や腕の皮膚がただむくんだような感じになる時期を指します。

浮腫性硬化期

浮腫性硬化期(ふしゅこうかき)は、皮膚のむくんだ感じから少し皮膚が硬く、弾力がなくなってしまい、皮膚を掴もうとしても硬くてつかみにくい感じになります。

硬化期

硬化期では、皮膚が硬くなって、硬い皮膚の表面がテカテカとメタリックのような光沢感が出てくることがあるようです。

萎縮期

萎縮期(いしゅくき)では、皮膚の硬さは改善しますが、ハリがなくなりシワシワとした状態になります。また、皮膚だけでなく同時に内臓の方にも症状が出るケースもあり、急速に症状が進行してしまい生命の危機に瀕する場合もあれば、発病後何年かで進行が止まり、その後、全く進行しない症例もあるとの報告があり個人差があるようです。

皮膚硬化の程度を分類する方法にスキンスコアというものがあります。これは、なし(0点)・軽度(1点)・中程度(2点)・高度(3点)に分類して、体の17カ所(手指、手背、前腕、上腕、大腿、下腿、足背(ここまで左右)と顔、前胸部、腹部)で記されます。スキンスコアは皮膚の見た目や触った感じで硬化の具合を判断し記載する方法であるために、記録するのは常に同じ検者が記載しないと判断に差が生じてしまうというデメリットがあるので注意が必要です。

このスキンスコアは継続して記録していくことで、治療の成果を知ることができたり、病状が今後どのように進行するかをある程度推測することが可能です。例えば、びまん型強皮症では発症後3~5年間はどんどん症状が進行し、スキンスコアも増えていきますが、ピークを過ぎるとその後ゆっくりとスキンスコアが低下し、症状が落ち着いていきます。限局型強皮症では症状の進行が非常にゆっくりなために、スキンスコアそのものが低く推移して大きく変化することはないといわれています。

そのため、スキンスコアをみていけば硬化のピークを知ることができます。スキンスコアが増えている時は今後も皮膚硬化や内臓の方に現れる病変が進行する可能性が高く、スキンスコアが低下してきたらピークを過ぎたため、進行が落ち着いてきたことを知ることができます。

強皮症の検査、診断基準

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血液検査

血液検査では、全身性強皮症の人にみられる抗体が検出されるかどうかを検査するとされます。全身性強皮症の人の約90%で抗核抗体(自己抗体)が検出される(陽性になる)とされます。

抗核抗体の中でも、抗セントロメア抗体、抗トポソメラーゼ?抗体、抗RNAポリメラーゼ抗体、抗U1RNP抗体などが陽性になるとされます。これらの抗核抗体は健康な場合、ほとんど陰性になるとされ、全身性強皮症の診断に非常に有力であると指摘されています。

特に抗セントロメア抗体、抗トポソメラーゼ?抗体については高率で血液検査で陽性になると指摘されていてこれによる免疫異常が、全身性皮膚硬化症の原因とされる理由になっているとされます。また、血管の壁を覆っている血管内皮細胞を障害する因子が血液検査で陽性となるとも指摘されています。

尿検査

びまん型全身性強皮症においては、腎臓に病変があらわれることがあります。そのため、腎臓の状態を知るために血液検査とともに、尿検査や血清中のレニン活性、腎機能検査を行う場合があります。

皮膚生検

皮膚生検は、皮膚の硬化(線維化)の有無を確認するために行うとされます。局所麻酔をかけた上で皮膚の一部を切り取って顕微鏡で皮膚硬化を判断するとされます。実際の手順としては、皮膚症状がある部分を写真で記録し、血圧を測定、検査部位によっては周りの毛を一部剃るなどし、局所麻酔薬を検査部位の周囲に注射し、検査部位をメスなどで切り取るとされます(5ミリ~10ミリぐらい)。

X線検査

全身性強皮症で、内臓の硬化(線維化)の恐れがある場合は、X線検査(レントゲン写真)での検査が必要になるとされます。間質性肺炎や肺線維症では通常胸部X線写真で診断するとされ、軽度の硬化症の検査ではCTが必要であると指摘されています。間質性肺炎、肺繊維症は進行の程度が人により様々とされるため、定期的な検査が必要との指摘もあります。

心電図

心電図を用いて、不整脈や電導障害、肺高血圧症を疑う所見の有無や程度を検査するとされます。

強皮症の治療

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血管拡張剤

全身性強皮症は、人によって症状のあらわれかたが様々で治療法も多岐にわたるとされますので、医師の説明を良く聞き、どのような治療が実施されるかをしっかり理解することが重要です。レイノー現象のような血管障害は血管拡張剤を用いて治療を行います。この血管拡張剤は、しもやけの治療にも使われ毛細血管の拡張作用があるビタミンEや、高血圧症の治療によく使われる血圧降下作用のあるカルシウム拮抗剤があります。

また、皮膚硬化が進行してしまい、皮膚に潰瘍(かいよう)がある場合は、その治療のためにプロスタグランディンを薬として服用したり、注射して使用する場合もあるようです。

副腎皮質ホルモン

副腎皮質ホルモンは膠原病の治療に広く使われるとされます。全身性強皮症では、比較的に早期の初期症状で使われたり、炎症が強いケース、筋炎などの他の膠原病を合併している場合に使用されるとされます。皮膚の硬化に効果が認めらるとされます。

しかし大量の使用については、副作用の心配があるため、1日2~3錠程度で限定的に使用されると指摘されます。シクロホスファミドという薬剤と併用すると効果を増強する可能性があるとされます。その他、Dペニシラミン、ボセンタン、シクロスポリン、タクロリムス、大量シクロフォスファミドと組み合わせた自己末梢血幹細胞移植が有効との報告があるとの指摘があります。

シクロホスファミド

シクロホスファミドは免疫抑制剤の一種です。多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、肺がん、乳がんなどの治療に用いらます。点滴あるいは内服薬として使用され、副腎皮質ホルモンと一緒に使われることが多いようです。このシクロホスファミドは強皮症によって肺が繊維化し弾力がなくなって呼吸がうまくできなくなる間質性肺炎(かんしつせいはいえん)や、皮膚の硬化に投与期間中には有効であることから用いられることがあるようです。

また白血球減少、悪心・嘔吐、脱毛などの副作用があるとされます。またシクロホスファミドの添付文書には、全身性強皮症のような治療抵抗性のリウマチ性疾病に投与する場合は、緊急時に十分対応できる医療機関において、本剤についての十分な知識と治療抵抗性のリウマチ性疾病治療の経験を持つ医師のもとで行うこととされています。

肺高血圧治療薬

全身性強皮症で肺の結果に硬化があらわれることにより息切れなどの症状をきたす肺高血圧が

みられる場合があるとされます。その際には、血管を拡張したり、血栓を予防する内服薬が使用されるケースがあるとされています。

肺の血管を拡張させる効果を期待して、バラプロストナトリウム(プロスタグランディン製剤)やエンドセリン受容体拮抗剤、5型ホスホジエステラーゼ阻害薬などの肺高血圧治療薬が使用されるとされます。

その他、消化器症状に対しての治療薬、関節炎の炎症を抑える治療薬、皮膚潰瘍の細菌感染に対する抗生物質、腎症に対して血圧を低下する治療薬などが用いられると指摘されています。

まとめ

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強皮症はいまだ原因がはっきりとしていない病気で、皮膚や内臓が硬化(線維化)する膠原病の一種であるとされます。局限性強皮症は皮膚のみに限定して硬化があらわれるとされる病気で膠原病ではありません。内臓の硬化まで症状が進むものを全身性強皮症といい、症状が進むと肺線維症、腎病変など生命の危機に瀕するまでになる場合もあるとされます。

強皮症は、レイノー現象、爪上皮出血点といった比較的軽い症状からあらわれるとされます。10年以上も症状が持続することがあるとされる一方で、全身性強皮症では急性に腎不全などの症状まで発展することがあるとされます。

血液検査などの検査で正しく診断をしてもらえれば治療法などの研究が進んでいるとされますので、自覚症状があり強皮症が疑われる場合は、早期に皮膚科を受診することが大変重要でしょう。