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下痢の原因が知りたい!8つの原因と考えられる4つの病気や3つの対処法・細菌や毒素、ウイルスなど10の特徴

下痢の原因がわからずに困っている人もいらっしゃると思います。下痢には、様々な原因があります。ここでは、下痢の対処法や食べ物・細菌・毒素・ウイルス・病気などが原因の場合の特徴などについて詳しくみていきましょう。



下痢の原因が知りたいんです

便の水分が異常に増え、液状やそれに近い状態を下痢といいます。下痢の症状が急に起こった人や、下痢が続いていて困っている人も多いかと思います。急にトイレに行きたくなったりするので、仕事や日常生活に支障が出て困りますよね。また、子供の場合は心配ですよね、そして、下痢をしている時の食事や下痢止めは飲んだほうがいいのかなど気になりますよね。

下痢は、何らかの原因により、腸の運動や、水分調節がうまくいかなくなった時に起こります。下痢の原因は様々で、食べ物や細菌・毒素・ウイルス・病気などが考えられます。ここでは、下痢の基礎知識を解説し、対処法、食べ物や細菌・毒素・ウイルス・病気などが原因の場合の特徴についてみていきます。自分や家族の方の下痢の原因が何なのか参考にしてくださいね。

下痢について知る

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下痢とは

下痢とは、便の水分含有量が増加して、軟便や水様便をきたすようになった状態のことをいいます。通常の便の水分含量は70~80%で、一般的に、便中の水分が80%以上になると軟便となって下痢が起こり、90%を越えると水様便になるとされています。排便回数の増加する事が多く、また腹痛を伴うこともあります。

下痢は大きく3つのタイプに分けられます。運動異常による下痢は、小腸や大腸の運動が活発になり過ぎ、腸管の内容物の水分が十分吸収されないうちに通過してしまう場合に起こります。吸収不良による下痢は腸管の水分吸収能が低下し、腸管の内容物の水分量が増加することによります。

分泌亢進による下痢は胃液、膵液、小腸液などの分泌液が著しく増加することによります。このほかにも、細菌、毒素、ウイルス、薬剤、病気などにより下痢の症状が起こります。

急性の下痢の症状

急性下痢は細菌やウイルスなどの感染によるものがほとんどです。特に生肉やレバ刺しなどで問題になった病原性大腸菌に代表される強毒性の細菌感染は、生命にかかわる場合もあり、十分な注意が必要です。そして、速やかに治療を始める必要があります。

ウイルス性の場合、吐き気やおう吐を伴う場合も多く、発熱や腹痛、頭痛やのどの痛みが起こることもあります。ただ、急性期を過ぎ回復すると治癒し、一時的な下痢で、その後の治療は必要ありません。

慢性の下痢の症状

慢性の下痢は、3週間以上にわたって続く下痢で、ほとんどは非感染性です。慢性の下痢は、消化器とくに小腸や大腸の病気によって発症します。腹痛を伴う場合が多いのですが、病気によっては、血便、粘血便、頭痛などを伴う場合もあります。また、吸収不良症候群などの場合もあります。

腹痛のない下痢について

腹痛のない急性下痢で、嘔吐があり米のとぎ汁様の便が出る時は、コレラやロタウイルス下痢症が考えられます。また、嘔吐、発熱、呼吸器症状がある場合は、ノロウイルス感染症が考えられます。

腹痛のない慢性下痢の場合は、ニコチン酸欠乏症や本態性低血圧症といった病気や、全般性不安障害といった精神的な病気の可能性もあります。自律神経の調節がうまくはたらかず、副交感神経が常に優位になっていたりすることが原因と考えられます。

病気が潜んでいる可能性のある下痢の症状

下痢の症状のほかに、食欲不振や悪心・嘔吐などがあり、便の色が白っぽい場合や血便がみられる場合は、慢性膵炎や大腸がんといった病気が潜んでいる可能性もあります。細菌性やウイルス性の急性の下痢の場合でも、便の色が変わっていたり、嘔吐の症状があったり、血便がみられることもあります。

下痢の対処方法について

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下痢を改善するには

下痢を起こした場合、その発生の原因となっていたものをすべて排出し、腸管内を空にすることが先決です。つまり、原因を取り除くことが大事です。食事は控えた方がよく、食事をとる場合には少量にした方が良いでしょう。

下痢や嘔吐により、脱水症状を起こしやすくなります。脱水や体内の電解質のバランスの崩れの予防のために、ミネラルの含まれるスポーツドリンク(ポカリスウェットなど)を少量ずつ水分補給しましょう。市販のスポーツドリンクは電解質濃度が低く、逆に糖質の含有量が多すぎるので、乳幼児用イオン飲料水の中では、アクアライト、アクアサ−ナ、OS1がより適切だそうです。

下痢の時の食事について

幼児でも大人でも食事療法が下痢についての治療の基本です。おもゆや野菜スープ、すりおろしリンゴから始め、消化の良いおかゆやうどん、ヨーグルト、豆腐などが望まれます。大人の場合は、パンもいいでしょう。食事の回数は1日5~6回に分けることにより1回あたりの食事量をおさえましょう。

食材は細かく切って、よく煮込んでやわらかくし、胃や腸に負担をかけないようにしましょう。脂肪の多い食事や菓子類、繊維質に富む野菜、きのこ、こんにゃく、海藻は下痢を起こしやすいので避けましょう。また腸管壁に刺激を与える香辛料やアルコール類は避けます。

下痢止めの使用について

下痢は、病原体を身体から排出しようとするひとつの防衛反応です。下痢に対して下痢止めを使用しても、治療期間は変わらないとの報告が多く、病原体を腸管内に停留させる欠点もあるため、強い下痢止めは使わない方が良いそうです。下痢は止めない方が回復を早め、下痢を止めずに、脱水にならない様に水分補給に努めることのほうが大切のようです。

食中毒の場合のように血便を伴うときは下痢止めは使用してはいけないのですが、体力を消耗したり脱水症状などの危険な状態を招くこともあるため、市販薬を上手に利用することも大事なことだそうです。下痢止めの使用はよく考えた方がいいようですね。

下痢の原因となる食べ方や食べ物

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暴飲暴食

急性の下痢の原因で多いのが、食べ過ぎた翌日に起こる下痢です。この下痢は大部分が消化不良による浸透圧性下痢です。腸は、食べた物を口から肛門に移動させるために、ぜん動運動を繰り返しています。ぜん動運動下痢のタイプに浸透圧性下痢があります。ぜん動運動が活発すぎると、食べた物が短時間で腸を通過してしまい、水分の吸収が不足して下痢をするものです。

アルコールの過剰摂取

アルコールは浸透圧(水分を引き付ける力)が高いため、水分が腸管から吸収されず、多量に保持されたまま存在するために下痢になってしまいます。また、アルコールには利尿作用があります。アルコールの過剰摂取により、体内から飲酒により摂取した水分以上の水分が失われます。排尿によりナトリウム、カリウムなどの電解質も失われます。脱水症状に気を付けましょう。

牛乳

牛乳を飲むとおなかを壊して下痢をする症状を乳糖不耐症といいます。これも、腸からの水分吸収が妨げられる浸透圧性下痢の一つです。乳糖不耐症は、乳糖分解酵素を欠乏しているため、あらゆる乳製品に含まれる乳糖が消化できない状態のことで、下痢や腹部のけいれん痛を起こします。

人口甘味料

糖分の消化吸収が良くないときや、人工甘味料を摂り過ぎたときなどにも下痢が起こります。

これは、未消化で浸透圧が高いため、腸で水分がきちんと吸収されないまま排便されるために起こり、浸透圧性下痢の一つです。

アレルギーのある食べ物

一般的に食物アレルギーとして知られているのは、即時型の食物アレルギーで、食べ物を摂取した直後(通常30分以内)にかゆみや蕁麻疹など皮膚症状や咳などの呼吸器症状、腹痛、下痢、嘔吐など消化器症状などを認めます。下痢や嘔吐などのの症状は、アレルギー源を体の外へ排泄しようとする働きです。

最近注目されているのは、遅延型の食物アレルギーで、食べ物を摂取してから数時間~数日後に症状が現れるものです。頭痛やめまいなどの様々な症状が出ますが、慢性便秘・下痢などの消化器症状もあります。

遅延型アレルギーは、好きな食べ物でいつも食べていたりと摂取頻度が高いものでアレルギー症状がでることが多く、中止して初めて体調が良くなっていることに気づくことも多いそうです。下痢が続く場合は、アレルギーによるものかもしれませんね。

薬によるもの

薬剤を飲むと、副作用として軟便や下痢を起こすことがあります。これを、薬剤起因性下痢といいますが、抗生剤に起因する場合が多くみられます。抗菌作用により、腸内細菌の中の善玉菌まで殺してしまい、腸内細菌のバランスが崩れるために起こります。

耐性乳酸菌製剤は、抗生剤に耐性を持つ乳酸菌で、通常抗生物質と一緒に処方されます。抗生剤によって死滅してしまう善玉菌を補うため、おなかの調子がよくなり下痢を防ぐことができます。

細菌が原因の下痢の特徴

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サルモネラ

サルモネラの食中毒事例はここ数年間常に、腸炎ビブリオと一、ニを争う代表的食中毒です。健康な成人ではその症状が胃腸炎にとどまりますが、小児や高齢者では重篤となることがあります。原因食品は、特に卵で、鶏肉などでも起こります。

通常食後半日から2日の潜伏期を経て発病しますが、3~4日後の発病も珍しくないそうです。症状はまず悪心や嘔吐で始まり、数時間後に腹痛と下痢を起こし、38℃以上の発熱を伴います。下痢は1日数回から十数回で、3~4日持続しますが、1週間以上に及ぶこともあります。

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオによる食中毒の原因食品はほとんどが魚介類およびその加工品です。8月を発生のピークとし、7~9月に多発する細菌性食中毒の主要原因菌の一つです。潜伏期間は食後4~96時間で、主症状としては強い腹痛があり、水様性や粘液性の下痢がみられます。

まれに血便がみられることもあります。下痢は1日に数回から多いときで十数回で、しばしば発熱(37~38℃)や嘔吐、吐き気もみられます。下痢などの主症状は一両日中に軽快し、回復します。

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は食中毒の原因となるだけでなく、おできやにきび、水虫等に存在する化膿性疾患の代表的な菌です。そのため、健康な人でも喉や鼻の中などに高率で検出され、動物の皮膚、腸管、ホコリの中など身近にも存在しています。黄色ブドウ球菌は、食べ物の中で増殖するときにエンテロトキシンという毒素をつくり、この毒素を食品と一緒に食べることにより、食中毒が起こります。

この毒素は100℃30分の加熱でも分解されません。原因食品としては、穀類やその加工食品による食中毒が非常に多く、特におにぎりが発生件数の4割を占めています。潜伏時間は食後1~6時間(平均約3時間)で、はき気、嘔吐、腹痛が主症状で、下痢を伴うこともありますが、一般に高い熱は出ないそうです。

カンピロバクター

カンピロバクターによる食中毒は、肉の生食や調理時の不十分な加熱処理、また、調理器具や手指などを介した生食野菜・サラダへの二次汚染により起こります。潜伏時間は、2~7日(平均2~3日)で潜伏期間が長いのが特徴です。

腹痛、下痢、発熱が主症状で通常は、発熱や倦怠感、頭痛、筋肉痛等の前駆症状があって、次に吐き気や腹痛がみられます。前駆症状の後、数時間から2日後に下痢症状が現れ、下痢は1日10回以上に及び、1~3日続きます。腹痛は下痢よりも長期間継続し、発熱は38℃以下が普通だそうです。

毒素が原因で起こる下痢の特徴

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ボツリヌス菌

ボツリヌス菌は通常、酸素のない状態になっているビン詰、 缶詰、容器包装詰め食品などの長期保存のより食品(ビン詰、缶詰は特に自家製のもの)中で増殖します。ボツリヌス食中毒は、ボツリヌス毒素が産生され食品を摂取することにより起こります。

潜伏期間は食後8~36時間で、初期に吐き気、嘔吐、胃けいれん、下痢が起こることがあります。視力障害、言語障害、嚥下困難などの神経症状が現れるのが特徴で、重症例では呼吸麻痺により死亡することもあります。

腸管出血性大腸菌O157

腸管出血性大腸菌O157は、下痢原性大腸菌(病原大腸菌)と呼ばれています。腸管出血性大腸菌O157は、牛などの家畜が保菌している場合があり、これらの糞便に汚染された食肉からの二次汚染によって、あらゆる食品が原因となる可能性があります。食肉の場合、中心部まで十分に加熱処理していないことが原因となります。

潜伏期間は平均3~5日で、症状は腹部の激痛で始まり、数時間後に水様下痢を起こすことが多く、1,2日後に血性下痢がみられます。血性下痢は、ほとんどが血液で、糞便を含まないことがあります。また、下痢が始まってから、約1週間後に、赤血球の破壊による溶血性貧血、血小板の減少や急性腎不全などの症状を示す溶血性尿毒症や、脳障害を併発することがあります。

セレウス菌

セレウス菌は、土壌細菌のひとつで、土壌や水など自然界に広く分布し、農作物等に汚染しています。この細菌は、食品中で増殖するとエンテロトキシンをはじめ、いくつかの異なる毒素を作り、毒素の違いにより、「下痢型」と「嘔吐型」の2つのタイプに分類されます。日本では、「嘔吐型」がほとんどで、焼飯、焼きそば、スパゲティなどの穀類加工品で起こります。

「下痢型」の原因食品は弁当、プリンなどで、体内で菌が増殖し、潜伏期間は食後8~16時間です。主な症状は、腹痛と下痢です。

コレラ

コレラは代表的な経口感染症の1つで、コレラ菌で汚染された水や生の食材を摂取することによって感染します。経口摂取後、胃の酸性環境で死滅しなかった菌が、小腸下部に達して、定着・増殖し、感染局所で菌が産生したコレラ毒素が細胞内に侵入して中毒を起こします。

通常食後1~3日以内の潜伏期の後、下痢を主症状として発症します。一般に軽症の場合には軟便の場合が多く、下痢が起こっても1日数回程度で、下痢便の量も1日1リットル以下です。重症の場合には、腹部の不快感と不安感に続いて、突然下痢と嘔吐が始まり、ショックに陥ります。

下痢便の性状は「米のとぎ汁様」と形容され、白色ないし灰白色の水様便で、多少の粘液が混じり、特有の甘くて生臭い臭いがします。下痢便の量は1日10リットルないし数十リットルに及ぶこともあります。国内で発生する患者の大部分は帰国者である場合が多いのですが、国内での感染例も少なくないそうです。

ウイルスが原因で起こる下痢の特徴

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ノロウイルス

ノロウイルスによる感染性胃腸炎は冬季の特に前半に多く発生します。保育園、学校、福祉施設などで発生した場合は、集団発生につながることがあり注意が必要です。ノロウィルスは85℃~90℃で90秒間以上の加熱により感染力を失います。

原因食品は、水やノロウイルスに汚染された食品、特にカキを含む貝が多く報告されています。また、感染者の便や吐物に接触したり飛散したりすることにより二次感染を起こすことがあります。感染者が、用便後の手洗いを十分に行わないで料理をすると、食品がウイルスに汚染され、その食品を食べることにより感染するおそれもあります。

潜伏時間は食後1~2日で、下痢、吐き気、腹痛、発熱(38℃以下)が主症状です。通常3日以内で回復します。感染しても全員が発症するわけではなく、発症しても風邪のような症状で済む人もいます。抵抗力が落ちている人や乳幼児では数百個程度のウイルスを摂取することで発症してしまうので注意が必要です。

ロタウイルス

ロタウイルスは、子供たちの重症の下痢の主な原因です。乳幼児期(0~6歳ころ)にかかりやすい病気で、感染力が強いため、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。ふつう、5歳までにほぼすべての子供がロタウイルスに感染するといわれています。

大人はロタウイルスの感染を何度も経験しているため、ほとんどの場合症状が出ないそうです。5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち、40~50%前後はロタウイルスが原因といわれています。冬季の後半はロタウイルスによる感染性胃腸炎が多いことが知られています。ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、汚染された食品を食べた後、潜伏期は約2日(1~3日)で発症します。

3~8日続く水様の下痢と嘔吐が特徴です。嘔吐から始まることがよくあり、39℃以上の発熱や腹痛が起こることが多く、咳や鼻水が見られる場合もあります。脱水症状がひどい場合には医療機関で点滴を行うなどの治療が必要になります。 下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいそうです。

中には、ロタウイルスに感染しても何の症状も示さない子供もいます。症状がなくても便中にロタウイルスが排出されていることがあります。患者から周囲の人たちへの主な感染経路は、患者の便の中に出てきたロタウイルスが、手などによって運ばれ、周囲の人たちの口の中に入ることによります。

気道の分泌物や体液にもロタウイルスが少量出て来ることが報告されていて、鼻水等による感染の可能性もあります。感染を広げないようにするには、オムツの適切な処理、手洗いの徹底などです。オムツを交換する時には使い捨てのゴム手袋を使い、捨てる場合はポリ袋などに入れます。

手洗いは指輪や時計をはずして、せっけんで30秒以上洗います。衣類が便や吐物で汚れたときは、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)でつけおき消毒した後、他の衣類と分けて洗濯しましょう。

ロタウイルスは感染力が非常に強いので、感染を完全に予防することは困難です。日本では、2種類のロタウイルスのワクチンが承認されていて、任意で接種を受けることができます。対象者はいずれのワクチンも乳児です。詳しいことは、医療機関で相談しましょう。

病気が原因で起こる慢性的な下痢について

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過敏性腸症候群

通常の検査では腸そのものに異常はないのに、腹痛や下痢・便秘といった便通異常を繰り返すような機能性疾患を「過敏性腸症候群」と呼びます。過敏性腸症候群には「下痢型」と「便秘型」、そしてその両者を繰り返す「混合型」の3タイプがあります。下痢型の過敏性腸症候群では、日常の生活活動に支障をきたすような下痢を認めることもあります。

腸は第二の脳と言われるように、昔から感情と消化管の関係は経験的に認識されていました。脳と腸は神経によってつながっているため、脳が不安やストレスを受けると、その信号が腸に伝わり、腸の運動に影響を与えることがわかっています。過敏性腸症候群の人は、この信号が伝わりやすいので、ストレスによって腸が過剰に反応してしまいます。

慢性膵炎

慢性膵炎は、膵臓の炎症が繰り返され、その結果、膵臓の正常な組織が壊され、線維化し、硬くなっていく進行性の病気です。 膵臓の正常な細胞が減り続けると、膵臓の働きが低下して膵液が十分に分泌されなくなり、食物の消化吸収がうまく出来なくなります。その結果、脂肪便と呼ばれる、やや黄色みを帯びた白色の、量の多い、脂の浮いた下痢便となることがあります。

症状としては、腹痛や背部痛があり、背部や左右の肩に広がることもあります。外分泌機能の低下による体重減少や脂肪便、食欲不振、倦怠感などが現れます。

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患には大きく分けて、潰瘍性大腸炎とクローン病があります。似たお薬や医療器具を使いますが、全く別個の疾患です。いずれも、原因不明の難病です。潰瘍性大腸炎は肛門直腸から連続性に口方向に向かって進む、粘膜表層の連続性の炎症です。症状は下痢、血便、腹痛、発熱、痩せるなどですが、大腸以外にも関節、粘膜、皮膚、眼など関節外症状を伴います。

クローン病は、口から肛門までどの臓器にも起こりうる、全層性の炎症性疾患です。繰り返す腸管の炎症から出血したり、潰瘍が出来て腹痛下痢になったり、その潰瘍が治って腸が狭くなって腹痛や腸閉塞になったりします。

潰瘍が深くなると、隣の腸の間に瘻孔(ろうこう)を作って食べ物が抜け道を作って肛門に進んでしまうために消化吸収されずに痩せます。おへそや皮膚、膣、膀胱に外瘻(がいろう)を作って、腸液や便や尿が、本来の場所じゃないところから出てきたりします。肛門病変ができると肛門痛や腫れで、日常生活が阻害されてしまいます。

大腸がん

大腸は、食物の消化吸収を行う消化管の最後の部位を占めます。大腸がんが最も多く発生するのは肛門に近い場所から、直腸とS状結腸で、次いで上行結腸に数多く発生します。大腸がんは近年急激に増加していて、日本全体で肺がん・胃がんに次いで3番目に大腸がんで亡くなられている方が多くおられる病気です。

大腸がんの症状として多く認められるのは、血便、便秘や下痢、腹痛、腹部膨満、貧血などですが、初期には、ほとんど自覚症状はなく、大腸がん検診や人間ドックなどで、便に混じった微量の血液を検出する便潜血検査で見つかることがほとんどです。血便は直腸がんやS状結腸がんの症状として非常に頻度の高い重要なもので、痔核の症状に似ていますので要注意です。

その他の原因について

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冷えが原因の下痢

冬の寒さや真夏に薄着や長時間エアコンの効いた部屋で過ごすなどすると、身体や内臓が冷えやすくなります。また、冷たい食べ物を口にすることにより、腸が冷える「腸冷え」が起こります。冷えやストレスで血の巡りが悪くなると、腸は排泄することで温めようという防御反応が働きます。これが過剰に働くと、慢性的な下痢になってしまいます。

腸冷えは様々な身体の不調につながります。腸冷えは免疫低下につながり、風邪をひきやすくなったり、アトピー、アレルギーなどにかかりやすくなります。カイロなどで腹部を温めたり、冷たいものを摂りすぎないなどしましょう。

頭痛を伴う下痢

感染症による下痢の場合、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢ですが、頭痛、発熱、腹痛、悪寒、筋肉痛、咽頭痛などといった風邪に似た症状を伴うことがあります。

偏頭痛は頭の片側もしくは両側のこめかみを中心に、ズキンズキンと激しく痛み、ひどい場合には吐き気や嘔吐を伴い日常生活も妨げられる頭痛です。女性に多く、男性の約4倍とされています。偏頭痛時に腹痛や下痢、発熱などの症状がでることがあります。過敏性腸症候群では、腹痛、便秘又は下痢の症状以外に、頭痛、疲労感、抑うつ、不安感、集中力の欠如などもみられます。

まとめ

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下痢の原因としては、暴飲暴食、アルコールの過剰摂取、牛乳や人口甘味料、アレルギーのある食べ物、抗生剤などの食べ物のほかに、サルモネラや腸炎ビブリオなどの細菌、ボツリヌス菌や腸管出血性大腸菌O157などの毒素、ノロウイルスやロタウイルスといったウイルス、過敏性腸症候群や慢性膵炎、炎症性腸疾患、大腸がんなどの病気、内臓の冷えや偏頭痛などが考えられます。

急性の下痢の場合は、一時的で数日で治りますが、3週間以上続く場合は慢性の下痢です。便の色や血便が出るなどの場合、病気が潜んでいる可能性があるので、便の観察をすることも大事です。

対処方法としては、原因を取り除くとともに脱水症状にならないようにこまめな水分補給をすることが大切です。下痢の時の食事については、少量ずつ消化の良いものを食べるようにしましょう。下痢止めは、使用したほうがいい場合と使用しないほうがいい場合があるので考えて使用するようにしましょう。

下痢に改善がみられない場合は、何らかの病気の可能性もあるので、病院を受診しましょう。特に乳幼児や高齢者の場合、脱水症状など起こしやすいので注意が必要です。