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憩室炎ってどんな病気?入院や手術が必要なことも?症状なども紹介

大腸憩室炎を知っていますか?昔は虫垂炎と間違えられていましたが、最近は食生活の欧米化などがすすみ憩室に痛みを感じる人が増えてきています。どうして憩室炎は起こってしまうのでしょうか。憩室炎になってしまった時の治療方法は?どのくらいの期間で治るの?そんな疑問に詳しくお答えします。



憩室炎の症状や治療とは

憩室炎という病気を知っていますか?右の腹部に痛みを感じ、受診する人が増えてきているそうです。日本人は右側、欧米では左に痛みを感じる場合が多いそうです。40歳以上になると発症率があがります。

便秘がちだったり、食生活が乱れていたりする方は注意が必要です。症状が軽いうちはいいですが、症状が進むと痛みをともない、入院などの治療が必要です。

そんな憩室炎の気になる症状や治療法にについてまとめてみました。

憩室とは?

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大腸の一部が飛び出ている

憩室とは消化管内部に存在する、消化管本体とは異なる小さな袋状の突起物のことを言います。大腸にできる大腸憩室が有名です。この突起は便秘により、腸の内容物が停滞し、腸内の圧力が高くなることが原因と考えられています。腸の構造上、血管が通る部分は、腸の壁が薄くなっており、圧力に対して弱くなっています。憩室はこういった場所に発生します。

その憩室は大きく2種類に分けられます。生まれつき憩室が存在する先天性のもの、と、食生活や生活習慣の影響などで起こる出生後のもの、すなわち後天性のものです。割合では、後天性のものが大部分を占めます。食生活の欧米化による動物性タンパク質の摂りすぎや、便通が悪くなる便秘が原因として挙げられます。また、年齢を重ねるにつれ、消化管の壁が弱くなります。このため加齢も原因として挙げてよいでしょう。

日本人は腹部の右側にあたる上行結腸にできることが多いです。大きな憩室がひとつだけで済む人もいれば、いくつも多発する人もいます。

この突起がどこにいくつあるかはレントゲンやCTでは正確にはわかりません。近年はエコーの発達により、内視鏡を行わずとも、正確に診断ができるようになりました。不安な方は、消化器内科を受診し、エコー検査を受けてみましょう。

憩室がある人は憩室症

憩室症とは腸内にポケットのような突出した突起がある人のことをいいます。大きい憩室がひとつある人もいれば小さな憩室がいくつもみられる場合もあります。

また、先天的に憩室がある場合もあります。胎児の7週目までに卵黄管と呼ばれる管が消失すると言われています。しかし、まれにこれが残ってしまう場合があります。それはメッケル憩室と呼ばれ、先天的な憩室となります。

先天的な憩室がある可能性は高くありません。ほとんどが後天的な憩室と考えられています。

憩室炎ってなに?

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憩室が炎症を起こした状態

憩室炎とは腸内の突起に炎症が起きた状態のことをいいます。突起状の憩室には便が入り込みやすい形状になっています。通常は便が入り込んでも排泄されますが、便秘になってしまうと憩室に入り込んだ便から細菌が繁殖しやすくなり、炎症を起こしやすくなります。

炎症が起きた場合、日本人の20~50歳位はほとんどが上行結腸のある右側に痛みを感じると言われています。憩室が炎症をおこさないように便秘などの症状がある場合は注意が必要です。

40歳以上の人に多い!

憩室は40歳未満ではあまり見られないという特徴があります。しかし、加齢とともに増加する傾向があり、憩室のある人の割合は90歳でほぼ100%と言っても過言ではありません。憩室を疑い、内視鏡検査を行った10人に1人で憩室が検出されるようです。

40才を過ぎると、一度病院で内視鏡などで憩室があるかどうかをみてもらうのもよいかもしれません。便秘にならなければ、後天的な憩室はできにくいですし、憩室も炎症がおこらなければ問題はないので、日頃から食生活などを注意することが大切です。

憩室炎になる原因とは?

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大腸内圧の上昇

便秘が続くと腸の筋肉が発達します。筋肉が一部だけ発達すると、発達していない壁の弱いところに負担がかかります。ですから、排便時の力みなどにより、腸の壁の弱い部分が押し出されるようにして膨らみます。

この大腸内圧の上昇が原因で腸内に袋状の突起ができます。出血がしやすい場所というのはどこかと言えば当然ですが血管がある場所、特に動脈があるところです。

腸管ではより栄養を効率的に吸収するため、その障害となる筋肉は血管が存在する部分の周囲には存在しません。憩室とは、腸壁の一部が外側に向かって嚢状に突出した突起のことです。粘膜が膨らんだできた憩室には筋肉がありません。そのため、壁は脆弱で、さらに出血のもととなる動脈が存在するので出血しやすくなっています。

憩室から出血があったり、進行して穴があいてしまうと腹膜炎になったりと重症化してしまうケースもありますので腹痛などいつもと違う違和感を感じたら早めに病院にいくことが大切です。

食事の欧米化

憩室に炎症が起きた場合、日本人のほとんどが腹部の右側に痛みを感じて来院します。特に20~50歳位はほとんど右側に痛みを感じると言われています。右側とは腸の入口付近の上行結腸にあたります。

これが欧米だと左側のS状結腸、下行結腸に痛みを感じることが多くなります。

アメリカ人では有病率は年齢とともに上昇し40歳以下では5%未満であるのに対し、85歳になると65%以上にもなります。

日本でも食生活の欧米化により左に痛みを感じる場合が増えてきているので注意が必要です。

ストレスが原因になることも

大腸内圧が上昇する原因には2種類あります。1つ目は物理的に圧力が上昇することです。これの代表は便秘です。2つ目は副交感神経や交感神経といった神経系のバランスです。ストレスなどでこのような自律神経のバランスが崩れることでも大腸の内圧は上昇します。大腸内圧の上昇は憩室を作る原因となります。下痢や便秘が続いたりといった症状がある場合は、十分注意しましょう。

また、ストレスで自律神経が乱れることで、スムーズな排便が滞ることがあります。脳と腸は自律神経でつながっています。自律神経を乱さないようにするためにも規則正しい生活を送り、食生活にも気をつけるようにしましょう。日頃から腸内環境を整えておくことが大腸憩室炎をふせぐポイントになります。

憩室炎の症状とは?

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無症状の人も多い!

憩室炎は腸内にできた突起に炎症がおきなければ特に日常生活に問題はありません。また、炎症が軽微であればそのまま気がつかずに生活している場合もあります。憩室があるかどうかは内視鏡検査などしないとわかりません。

憩室が腸内にできても、炎症さえ起きなければ日常生活に支障はないため、憩室に炎症が起きて腹痛や下痢、便秘、出血などの症状が現れてはじめて、自分に憩室があることを知ることも少なくありません。

しかし、一度症状がでてしまうと腹痛、便秘、下痢、出血、発熱などの症状がでます。処置が遅れると合併症などの症状がでてしまうこともあります。

過敏性腸症候群に似た症状も

過敏性腸症候群では、3つのタイプに分けられます。下痢型、便秘型、交替型です。いずれも消化管に異常が存在しないため、検査でも異常を示さないという特徴があります。朝にお腹の調子が悪くなったり、大事な場面で下痢を起こしてしまったり、といった症状のほか、ガスが溜まりすぎるという症状もあります。憩室炎の場合もこれと同じ症状が起こる場合があります。

大事な会議の前や、通勤電車に乗っていて途中下車してしまったりするのも過敏性腸症候群の症状のひとつです。

腸は身体がリラックスしているときに、消化や便を肛門へと送り込むといった働きをします。しかし、不安やストレスが脳に伝わり、リラックスできない状態になると、腸の動きが悪くなってしまいます。下痢や便秘が続くことで腸内環境が悪くなり、憩室に停滞便が発生するようになります。こうした症状は憩室の炎症を引き起こす要因となります。

盲腸と間違われることも!

日本人のほとんどは上行結腸と呼ばれる腸の入口に近い場所に痛みを感じることが多いです。そのため近い場所にある右側にある盲腸と間違えられることがよくあります。盲腸と憩室の症状は似ていることがあり、痛む場所も似ていることから、盲腸の手術をしたけれど、痛みがおさまらず、憩室だったということが昔はよくありました。

今はCTスキャンが普及したため、憩室の場合は血液検査で白血球が増え、CTで憩室まわりの脂肪に炎症変化があらわれます。こうしたCTの結果をみて盲腸と区別できるようになりました。

憩室の有無はバリウムや内視鏡検査で確認します。しかし、これ以上負担をかけると憩室が破裂してしまう場合は確認できません。また、炎症が強いときは、悪化させる場合もあり、症状の進行に合わせた検査が推奨されています。

臭いおならには要注意

憩室炎の前兆としてくさいおならがでることがあります。腸の中の憩室と呼ばれる突起に便が入り込み、便秘が続いてしまうと、便が腐敗し悪臭の原因となります。オナラには食べ物とそれを分解する菌の種類によって大きく2種類に分けられます。発酵型ガスと、腐敗型ガスです。

まず、オナラの成分から見ていきましょう。オナラは70%が食事や会話の中で無意識に取り込まれる空気です。残りの30%が腸由来のものになります。

発酵型ガスは主に炭水化物などを分解する際に発生します。不快な臭いはほとんどしません。

ビフィズス菌などの善玉菌が分解の役割を担います。このオナラが多く出るときは、食生活のバランスが整っており、かつ、腸内環境が良好であるということを示します。

しかし、腐敗型ガスは、臭いのが特徴です。これは腸内細菌であるウェルシュ菌などといった悪玉菌が原因です。これは、肉類などタンパク質中心の食生活を送っているときに発生しやすいと言われています。バランスの取れた食生活を送っていても、小腸で分解されなかったタンパク質が大腸で分解される際にも発生します。高齢者や過敏性腸症候群の方々では、腸内の悪玉菌多くなっておりオナラが臭くなるだけでなく、これが憩室に直結することがあります。

食生活の影響を受けやすいオナラですが、消化管が塞がるなどといった物理的な原因で臭いオナラが出ることがあります。そのひとつが憩室の便の腐敗による悪臭です。

くさいおならが出た時には、腸内環境が悪くなり憩室炎が起きているのかもしれません。便秘にならないように腸内環境をよくするように心がけましょう。

炎症が進むと血便・腹痛

憩室炎のキーワードとなるのが「突然起こる腹痛」です。押した時痛いと感じる部分が、憩室炎が起こっている場所です。炎症ですから、熱を持ったり、腫れたりする場合もあります。痛む部分は下腹部が中心となっているようです。

憩室炎単独では、下痢や下血を伴った腹痛がみられる場合が多いようです。炎症が悪化すると様々な合併症を引き起こします。憩室が破れることにより細菌が腹膜に広がり腹膜炎を引き起こしたり、繰り返す炎症により腸管が狭くなり腸閉塞を起こしたりします。

早めに病院に行くことによって薬も効きやすくなります。症状がひどくなるとそれだけ回復に時間もかかります。いつもとちがう腹痛や症状が出たときにはなるべく早く受診しましょう。

合併症にも注意!

憩室炎が悪化すると様々な合併症を引き起こします。憩室炎のなにが厄介かといいますと、便が近くに存在するということです。便には数多くの良い菌・悪い菌が含まれているため、菌の温床といっても過言ではありません。憩室に細菌を含む便が入り込むことで憩室炎が起きます。

便がしっかり憩室におさまってくれれば、炎症だけで済みますが、憩室の用量を超えた便が入ってしまうと状況は複雑になります。そしてこれ以上耐えられなくなった時に、憩室の血管が破裂し、憩室出血を引き起こします。

血管の破裂で留まれば、まだ幸せな方です。憩室が破れてしまうと、便に含まれる細菌が腹膜に溢れてしまいます。そうして腹膜炎を発症します。腹膜に向けて穴が出来てしまうと腹膜炎が起きますが、近くに存在する臓器に穴が開口してしまうこともあります。例えば、膀胱と開通してしまえば、尿に便が混じるという複雑な状況に陥ってしまい、迅速な治療が必要です。

度重なる憩室炎では腸の壁が発達し、腸の内腔が狭くなります。その結果、腸が詰まってしまった状態である、腸閉塞を来します。また、憩室炎が悪化し、血管が傷ついた場合、その血管の修復を行おうと、血小板が集まってきます。腸から心臓へ血液が帰る途中、必ず肝臓を経由します。その際に、集まってきた血小板によって作られた血栓が血管を流れ、門脈を塞いでしまうことがあります。これが、門脈血栓症です。

憩室炎の診断は?

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血液検査

憩室に炎症が起きているかどうかの検査は、まず血液検査で行われます。血液検査の結果、炎症が起きている場合は白血球の数値が上昇します。

また、CRPという数値も上昇します。CRPはCreactiveproteinの略で、細菌のもつC多糖体に反応することからこの名がつけられました。細菌の侵入により組織が破壊された場合や炎症が起きた時に、このCRPの値が上昇します。このCRPは、健康な人、すなわち炎症反応が見られない人ではほとんど検出されません。医療現場では炎症を疑った際、まずこの値をチェックします。

CT検査

憩室炎が疑われるとき、血液検査で白血球、CRPの数値の上昇がみられた場合、次にCT検査を行います。

CT検査は、虫垂炎と憩室を鑑別する際に用いられます。虫垂炎では虫垂本体にしか炎症が見られません。憩室炎と診断するには、憩室周囲の脂肪組織に炎症がみられるといった所見が必要になります。

CT検査が普及する以前は虫垂炎と憩室炎の判別が非常に困難であったようです。そのため憩室炎にも関わらず盲腸の手術を施されたり、その逆のケースもあったようです。当然ですが、どちらも症状は改善しなかったようです。憩室が上行結腸にあった場合は、盲腸と痛みの部位がほとんど変わらないため、血液検査などでは判別が難しく、CT検査が必要となります。

軽度の憩室炎の治療方法は?

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抗生物質を内服

軽度の憩室炎の場合は抗生物質を服用することで様子をみます。この時よく渡される錠剤がクラビットと呼ばれる抗生物質で一日一回服用します。症状が進んでしまうと抗生物質を飲んでもなかなか効果がでないこともありますので軽度なうちに病院の診察を受けることが大切です。

自宅で療養する場合は消化の良いものをとり、炎症が起きている時は長時間炎症箇所をあたためすぎないためにお風呂などはシャワーですませるようにしましょう。

抗生物質の点滴を受ける

軽度な憩室炎の場合はクラビットなどを服用しますが、発熱や炎症の度合いが進んでしまい、強い痛みがある場合は、入院して点滴の処置が必要になり、点滴と合わせて食事は絶食になります。自宅療養だと絶食が難しいため、入院して抗生物質の点滴と合わせて絶食することで回復を早めます。

処置が遅れ憩室炎の炎症が広がり重症化すると腹膜炎に進展することもあるので注意が必要です。

消化の良い食事

炎症の程度が軽い場合は抗生物質などが処方されますので、必ず決められた期間で飲み切るようにしましょう。また、憩室炎を起こした腸は刺激に弱くなっています。ですから普段は影響のない食べ物でも負担になることがあります。消化の良い食事を摂ることをおススメします。

入院による治療を選択した場合、ほとんど必ず絶食療法を行います。物を口にできないのはつらいかもしれませんが、食事を摂りながらの治療と比べ、早く回復します。憩室炎でなくても負担がかかる肉などの動物性タンパク質、消化器全体に負担をかける脂っこいものは控えましょう。

食物繊維の多いものは普段は便秘の予防になるので積極的に食べると効果的ですが、憩室に炎症がある時は腸に負担をかけないため、逆に繊維の少ない流動食のようなものが理想です。炎症が広がらないように食生活は慎重に選びましょう。

憩室炎が起きなくても、腹痛がある憩室症の人もいます。繰り返す憩室炎では腸閉塞につながるといったことを先程紹介しました。腸が細くて狭いだけでなく、腸が活発に動いているのが特徴です。腸内細菌バランスの乱れが症状に影響するとも言われています。

食事により腸内細菌バランスを整えることが必要です。それにより便秘を起こしにくくなり、便も憩室に詰まりにくくなります。食物繊維は便通を促すだけでなく、知覚過敏になった腸の痛みを和らげます。腸にとって良い菌とされている乳酸菌を含む食品の摂取は、炎症を抑える作用もあり、症状の改善につながります。

治療期間はどのくらい?

痛みが軽度で抗生物質の服用のみの場合は、4~5日様子をみます。自宅で食事を消化のよいものにして安静にしていればそのまま治る場合が多いです。炎症が進み、入院してしまうと一週間前後、絶食と点滴を行います。血液検査で炎症反応が下がるまで入院は継続されます。

憩室炎は処置が遅れると炎症がひろがってしまいます。しかし血液検査の炎症反応も初期の段階だと反応がでないこともあります。血液検査で炎症があったり、発熱や下痢、出血などがみられると回復に時間がかかります。

憩室炎はほとんどが抗生物質の投与で治りますが、憩室の炎症が進んで腹膜炎になってしまうなど、緊急の場合は手術が必要になります。手術になると長期の入院が必要になります。

重度の憩室炎の治療方法は?

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入院して食事制限

自宅では食事制限が難しいため、憩室炎の炎症が起きている場合は入院治療がすすめられます。まず抗生物質を投与し、食事のかわりに点滴を投与します。そうして絶食をすることで炎症はひいていきます。

自宅だと絶食ができないため炎症が進んでいるとクラビットなどの抗生物質では炎症をおさえることが難しくなります。

炎症の血液反応が下がって、回復してくると消化のよいものを少しづつとるようにします。ここで腸にふたんのかかる食事をすると憩室は再発の可能性もあります。食事は慎重にとるようにしましょう。

自宅に戻ってもしばらくは抗生物質の服用を続け、再発しないようにすることが大切です。

手術が必要な場合も

憩室炎は入院して通常は一週間程度で回復に向かいます。しかし症状が悪化してしまった場合手術が必要になる場合があります。憩室はほとんどが便秘などが原因の後天的にできる腸内の突起です。盲腸とちがい、手術して憩室をとることはほとんどありません。そのため再発の可能性が高いと言われています。

では、どういった場合に手術が必要となるのでしょうか。

1.腹膜炎を起こした場合。

2.絶食、抗生物質投予等の保存的治療を行っても、軽快せず、膿瘍と呼ばれる炎症が進んで化膿した状態になってしまった場合

3.炎症から腸に穴が空いてしまった場合。

4.出血量が多い場合。

5.何回も炎症を繰り返し、内科的治療で改善が見られない場合。

6.腸閉塞の症状が強い場合。

腹膜炎や憩室周囲に膿がたまったときは緊急を要します。腹膜炎では死に至ることも少なくないため、生理食塩水で徹底的に洗い、洗浄液もお腹の中に残さないように注意して行います。ドレナージという処置を行い、膿を体外へ排出するといったことも行われます。

憩室炎を繰り返したりしている場合腸管がせまくなってしまう場合があります。腸閉塞などを引き起こすと手術が必要になります。

憩室炎がこうした合併症を引き起こす可能性は高くありません。日頃から食生活や便秘をしないようにするなど注意し、憩室炎になってしまった場合は、無理をせず早めに受診するようにしましょう。

入院期間はどのくらい?

憩室炎を起こした場合の入院期間は通常1週間程度です。血液検査で炎症反応が下がり、重湯やおかゆなど流動食のようなものから食事を再開します。退院してもすぐには通常の食事には戻れませんので、退院後もしばらくは油っぽいものや肉など、腸に負担のかかる食べ物ではなく、消化の良いものをしばらく摂り続けたほうがよいでしょう。

炎症が落ち着くと内視鏡などの検査を行う場合があります。炎症が置いているときにバリウムなどの検査を行うと悪化してしまう可能性があります。たいていは炎症がおさまってから検査を行い、憩室の場所などを確認します。

入院の間の抗生物質、栄養剤、検査費用などを含めて健康保険の割負担で1日1万円+αだと思います。もし救急で診察の場合は救急料金になります。一週間入院すると7~8万円程度の出費になります。

医療保険などに加入していなかった場合、急に7~8万円程度の出費になると大変かもしれません。

憩室があることを炎症をおこしてからはじめて知る人も多いです。便秘がちな人や40才を過ぎた人は一度検査をすることをおすすめします。

術後の定期検査は必要?

憩室炎で入院した場合、退院後に何回か病院に通いますが、炎症がなくなり、回復すれば通院する必要などはありません。しかし、憩室はひとつだけある人もいますが腸の中にたくさんできる人もいます。炎症がおきた憩室以外の憩室に炎症がおきることもありますし、憩室がない人も、食生活や加齢にともない、憩室が出来る場合があります。

憩室炎が治ったあとも定期的に検査をすることで、憩室やそれ以外の病変のチェックにもなります。憩室炎が増えてくる40才以上の人や憩室炎を繰り返している人、手術をした人は内視鏡やバリウム検査も定期的に受けておくと安心です。検査の内容や頻度についてはかかりつけの病院に相談しましょう。

憩室炎は再発する?

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再発の確率は約25%!

憩室炎の再発の確率は約25%と言われています。なぜこんなにも再発率が高いのかというと、盲腸とちがい手術することがほとんどないからです。膿瘍や腹膜炎などの重い合併症を発症しない限り、憩室炎で手術をすることはありません。

手術をしてもまた別の場所に憩室ができ炎症を起こす可能性もあります。抗生物質で炎症がおさまっても憩室がなくなることはないのです。

再発を防ぐには食生活や生活習慣の改善で便秘などを抑え、検査などで憩室の場所を把握しておくなど日頃から気をつけておく必要があります。

憩室がある限り再発の可能性が

憩室は一度できてしまうとなくなることがない病気です。しかし、憩室があることを知らないまま生活している人も多くいるので、便秘や食生活などに気を付けていたらそれほど神経質になることはありません。

まず、第一に便秘に気をつけるようにしましょう。

そして、憩室の痛みのようなものを感じたらすぐ病院にいくことです。炎症が進むと入院になってしまいますが、症状が軽いうちであれば抗生物質の服用で治る場合もあります。

憩室炎には予防が大切

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食物繊維をとる

食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維と呼ばれるものがあります。

水溶性食物繊維と呼ばれる水分と結びつきやすい食物繊維は、水分の吸着により便を柔らかくし、腸を通過しやすくしてくれます。特に、わかめや昆布、ヒジキなどの海藻類、こんにゃくなどのイモ類、フルーツなどに含まれる水溶性食物繊維には、便の水分を保つ役割があります。腸内細菌バランスの面では、善玉菌を増やしてくれるため、毎日の食事には欠かせませんね。

不溶性食物繊維は、日本人に馴染み深い蕎麦や大豆、小豆を始め、ゴボウ、イモ類、キノコ類などに含まれています。ただし、水溶性食物繊維と反対の働きを示し、便に硬さをもたらします。水溶性食物繊維と水分を組み合わせることで、無理のない排便を可能にし、憩室炎の原因となる便秘の予防に最適です。

脂の多い食事を避ける

憩室炎を予防するためには肉やジャンクフードなどの脂肪の多い食事は摂りすぎないようにしましょう。

肉などの動物性タンパク質を分解するためには多くの時間を要します。そのため便が腸内に存在する時間が長くなります。それにより、腸の内圧が高くなってしまいます。

また、便の量が少なくなってしまうため、食物繊維を多く含む便よりもたくさん腸が動く必要があります。この過剰な動きにより、腸の壁に傷がつく場合もあります。傷がついてしまうと、そこに細菌などが入り込み、炎症を起こしてしまいます。

水分をしっかり取る

水分をしっかりとることで憩室の原因になる便秘を予防しましょう。スムーズな排便を促すには、特に朝が重要です。朝起きてから飲むコップ一杯の水分は、空腹の胃腸に刺激を与え、排便を促してくれます。水分が不足すると便が硬くなり、排便が滞る原因になります。水分をしっかりとることで便がやわらかくなり便がスムーズに出るようになります。

水分は積極的にとっていきたいですが、冷たいもののとりすぎには充分注意しましょう。

腸を冷やすことは便秘の原因になります。冷たい飲み物やアイスクリームの大量摂取は腸を冷やしてしまいます。身体を冷やすことは代謝機能の低下につながります。これは冷えによる血行不良が原因です。胃腸の活動が悪くなる原因に、自律神経のバランスの乱れがあります。こちらも便秘を引き起こします。体が冷えすぎないように注意して水分を取るようにしましょう。

軽い運動も忘れずに

腹筋をきたえよう

腹筋は、排便時の重要な筋肉です。筋肉が発達するとその部位に流入する血液の量も多くなります。そのため、胃腸の動きが活発になります。筋肉をつけるだけでなく、腹式呼吸を心がけることでも便秘の予防につながります。腹式呼吸を行うことで、自律神経が刺激されます。簡単に言えば、身体がリラックス状態になります。消化管運動はリラックスしたときに活発になります。ですから、便を送り出しやすくなるのです。

お腹のマッサージをしてみよう

筋力トレーニングや腹式呼吸といった身体の内側から改善していくもののほかに、身体の外側からマッサージをするという方法もあります。腸の動きは食べ物を食べた後に活発になります。また、リラックスしている時や寝ている時も腸は活発に動いています。食べた物は口から入り、3~5時間後に腸に到着します。このくらいの時間を目安に、仰向けに寝た状態で、おへそを中心に腸の走行に沿って手を柔らかく押し当てるのが効果的なようです。

お腹のマッサージはお金もかからずいつでもできるので毎日やってみるといかがでしょうか。

ストレスを溜めないようにする

ストレスも便秘の原因となります。脳と腸は自律神経でつながっていて、大腸のはたらきは、ストレスによる精神疲労などで乱れることがあります。

自律神経には交感神経と副交感神経という2種類の神経系があります。分かりやすく説明しますと、交感神経は活動するための神経、副交感神経は身体を休めるための神経、と考えるのが良いでしょう。例えば、運動をしているときに腸を動かしていては効率が悪いですよね。ですから、運動している時には交感神経系が働き、酸素を多く取り込んだり、脈が速くなったりして、運動しやすい状態を作ってくれています。

よく睡眠をとらないとお腹の調子が悪くなるのは、腸が副交感神経の影響を強く受けるからです。副交感神経は睡眠時やリラックスしているときに働きます。腸では、副交感神経により、排便が促されます。

まとめ

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憩室炎は憩室がある人はずっとつきあっていかなくてはいけない病気です。一度発症すると再発率が高いため食事や生活習慣に気をつける必要があります。しかし憩室があることに気がつかない人も多くいるくらいですから、発症さえしなければ問題のない病気です。肉やジャンクフード、脂肪分の多い食べ物などは控え、食物繊維を多く含む食材を選び、適度に運動しストレスをためないなど、積極的に生活習慣を改善して憩室炎を予防しましょう。