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卵巣嚢腫の痛みはどんな感じ?原因や症状・治療法などを詳しく解説

卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)を知っていますか?子宮筋腫と並んで、女性によく見られる良性の疾患ですが、卵巣嚢腫にはたくさんの種類があって、場合によっては不妊の原因になるものもあるのです。卵巣嚢腫になったとき、どのような症状が出るのでしょう?痛みはあるのでしょうか?気になる症状や治療法などを詳しく解説します!



卵巣嚢腫の痛みってどんな感じ?

卵巣嚢腫とは、子宮筋腫と同じく女性特有の病気で、その多くは良性の腫瘍です。初期のうちは症状が出ないことも多く、検診などで初めて気づく人もいるくらいです。卵巣嚢腫は場合によっては不妊の原因になるので、なんらかの治療が必要となることが多いです。

私は卵巣嚢腫(チョコレート嚢腫)を持っていて、最近手術で切除しました。卵巣嚢腫があるときには、下腹部の痛みや腰痛、腹部膨満感などの不快な症状が続いていて、現在はそれらの症状は全く無くなりました。

なかなか自覚することが出来ない卵巣と言う臓器。卵巣嚢腫で現れる痛みなどの症状や、卵巣嚢腫の原因・治療法について詳しく解説していきます。

卵巣嚢腫ってどんな病気?

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卵巣にできる腫瘍

卵巣は腫瘍が出来やすい場所と言われていて、様々な種類の腫瘍が出来ることがわかっています。卵巣の腫瘍には良性のものと悪性のものがあり、約80%が良性の腫瘍だと言われています。

良性の腫瘍は卵巣の中に袋状のものができ、その中に内容物が詰まっている形状になっています。これらを卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)と呼んでいます。

卵巣嚢腫にはその袋の中身によって、漿液性(しょうえきせい)嚢胞腺腫、粘液性嚢胞腺腫、皮様嚢腫、チョコレート嚢腫などの種類に分けられています。

卵巣嚢腫は卵巣のある場所の下腹部に鈍痛が続く、膨満感があるなどの症状が出ることもありますが、初期では無症状の場合もあり、がん検診などで偶然見つかることも多いと言われています。

ほとんどは良性の腫瘍

腫瘍というと、「悪性」かどうかが気になりますが、卵巣嚢腫はその殆どが良性の腫瘍だと言われています。ただ、中には稀に悪性のものや、良性から悪性に転化するものもあるらしいのです。

良性か悪性かの診断は、画像診断(超音波エコーやMRI)と血液検査の腫瘍マーカーなどである程度予測は付きますが、診断を確定するには腫瘍を取って良性、悪性を調べる病理検査を行う必要があるとのことです。

特に、卵巣のなかに充実性といって、硬いしこりのようなものがある場合は悪性が疑われます。また、卵巣嚢腫のなかのチョコレート嚢腫というタイプは、放置しておくと将来がん化するものが数%あることが指摘されているそうです。

注意の必要なタイプの卵巣嚢腫もあるので、気になる場合は婦人科を受診して検査をしてもらうことをおすすめします。

柔らかい腫瘍

卵巣嚢腫は触れると柔らかいタイプの腫瘍です。袋の中身が増えると、それに伴って風船が膨らむように腫瘍が肥大して行きます。それとは別に充実性腫瘍といって、触れると硬いタイプの腫瘍があります。

充実性腫瘍は悪性腫瘍によく見られ、固くなった組織が徐々に大きくなっていきます。充実性腫瘍には、腫瘍全体が充実性のものと、嚢腫と充実部が混在しているものがあるそうです。

初期症状はほとんどない?!

卵巣嚢腫の初期症状は、下腹部の鈍痛や、膨満感などですが、痛みなどの初期症状が全く無い場合も多いと言われています。そのため、婦人科のがん検診などでエコーを受けた時や、健康診断などで偶然見つかることがよくあるそうです。

卵巣嚢腫が見つかった場合は、嚢腫が小さい場合は経過を見ることもありますが、大きい場合はMRIや腫瘍マーカーの検査で、念の為に腫瘍が良性で有るかどうかを検査することになります。

原因はほとんどわかっていない

卵巣嚢腫が何故できるのか、その原因はよくわかっていません。チョコレート嚢腫の原因は子宮内膜症だと言われていますが、子宮内膜症の発生原因も今のところ解明されていません。

そのため、治療は痛みに対する対症療法か、ピルなどによる症状の緩和、もしくは手術で腫瘍を摘出する根本治療になってきます。

卵巣嚢腫にはどんな種類があるの?

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漿液性嚢腫(しょうえきせいのうしゅ)

漿液性嚢腫(しょうえきせいのうしゅ)とは袋の内容物がサラッとした液体の卵巣嚢腫のことを指します。月経の始まる思春期以降、年齢を問わず見られるタイプで、卵巣嚢腫の中でもっとも多いと言われています。漿液という卵巣から分泌される液体が溜まったものを言うそうです。

粘液性嚢腫(ねんえきせいのうしゅ)

粘液性嚢腫(ねんえきせいのうしゅ)とは、粘度の高いドロッとしたタイプの液体が袋の中に溜まって出来る嚢腫です。30~40才代に多くみられます。粘液が増大して嚢腫が肥大しやすいため、直径が10cmから大きいものだと30cm近くになるものもあります。左右どちらか片方の卵巣に発生することが多く、両側見られるのはきわめて稀だといわれています。

皮様性嚢腫(ひようせいのうしゅ)

皮様性嚢腫(ひようせいのうしゅ)とは卵巣の中の卵のもとになる細胞から発生した腫瘍です。あらゆる年齢の女性にみられますが、最も多いのは20~40歳で、妊娠中に発見されることも少なくないそうです。

大きさは直径5~10cmのものが多く、両側の卵巣にできることもあります。中身は脂肪であることが多いですが、卵のもとになる細胞から発生するために、場合によっては嚢腫の中から髪の毛、歯などが見つかることがあるそうです。

チョコレート嚢腫

チョコレート嚢腫とは、嚢腫の袋の中身が古くなった血液で、その血液が溶けたチョコレートに似ていることからこの名前がついています。子宮内膜症が原因で出来ると言われています。

子宮内膜とは、本来子宮の内側にしかないはずの細胞ですが、この子宮内膜にとてもよく似た細胞が、なぜか身体のさまざまな場所に勝手に発生し、そこで活動してしまうのが子宮内膜症です。月経周期に伴って出血してしまうために、血液が溜まったり、癒着が起きたりすると考えられています。

子宮内膜に似た細胞が卵巣内にできて、活動することでチョコレート嚢腫ができると言われています。チョコレート嚢腫も月経周期に伴って大きくなっていくことが多いそうです。

また、チョコレート嚢腫は年齢が上がると共に、がん化する可能性が上がることが指摘されていて、40歳以上で、大きさが6センチを越えるものは、手術を検討することが勧められています。

卵巣嚢腫の症状にはどんなものがある?

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嚢腫が肥大すると頻尿や便秘などが起こる

卵巣は腹腔内でぶら下がっている状態にあるので、卵巣嚢腫は初期の嚢腫が小さいうちは症状が出ないことも多いと言います。しかし、嚢腫が肥大してくると、膀胱や腸を圧迫して、頻尿になったり、便秘になったりといった症状がでることがあるそうです。

頻尿や便秘はその他の原因でも起こるので、痛みなどの他の症状がない場合は、卵巣嚢腫が原因だと気づくことは難しいかもしれませんが、下腹部痛や生理痛などの症状がある場合は、卵巣嚢腫の可能性も考えられます。

腰痛やチクチクした痛みを感じることも

卵巣嚢腫の初期には痛みなどの症状は出ないことが多いと言われています。卵巣嚢腫が出来ると卵巣は腫れて通常のサイズ(2~3センチ)より大きくなります。腫れた卵巣が腹腔内を圧迫することで、腰痛が出ることがあると言われています。腰痛は悪い方の卵巣がある側にズシンと重い感じで起こることがあります。

また、下腹部のチクチクとした痛みやひきつれるような痛みを感じる人もいます。特にチョコレート嚢腫は周りの臓器と癒着している場合が多く、癒着が痛みを引き起こすと言われています。チョコレート嚢腫は子宮内膜症が原因のため、生理痛や排卵痛などを感じる人も多いそうです。

激痛や吐き気が起きた時は茎捻転かも!

卵巣嚢腫の痛みで注意が必要なのは、急に下腹部に激痛が起こった時です。卵巣嚢腫は大きさが5センチ以上になると、卵巣茎捻転といって、卵巣がぶら下がっている根元からねじれてしまうことがあるのです。

この場合激しい痛みが起こるだけでなく、吐き気や嘔吐、冷や汗など時にはショック状態に陥ることがあります。卵巣茎捻転は緊急手術が必要な場合が多いので、大至急病院を受診するようにしてください。

卵巣嚢腫で発熱することも有る?!

卵巣嚢腫の症状で発熱が見られることはあまりありませんが、チョコレート嚢腫が何らかの原因で炎症を起こすことがあり、その場合に発熱することがあるそうです。

発熱以外に、下腹部痛など炎症を思わせる症状がある場合は注意が必要です。

卵巣嚢腫の治療法って?

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小さいうちは経過観察で様子をみることも

卵巣嚢腫の大きさがまだ5センチに満たないくらいで、悪性である可能性も低いと診断されている場合は、特に積極的な治療を行わず、3~4ヵ月ごとの経過観察で良い場合もあります。

卵巣は卵巣嚢腫以外でも、月経周期に伴って大きくなったり、小さくなったりしているので、卵巣の腫れが嚢腫でなく、生理的なものの場合は経過観察中に無くなってしまうこともあるそうです。

痛みが強い場合は、痛み止めを服用

卵巣嚢腫による痛みがひどい場合、痛みを緩和緩和するために、消炎鎮痛薬が処方されることがあります。卵巣嚢腫による痛みは、我慢できないほどの痛みが長期間続くことはあまりありませんが、生理痛などがある場合は、月に数回なら、薬を服用することも可能でしょう。

薬を飲む頻度が月に数日で収まらない場合は、手術などの積極的な治療を考えるほうが良いでしょう。

手術は腹腔鏡手術が主流

卵巣嚢腫が大きくなってきた場合5センチを越えたあたりから、卵巣茎捻転の危険性が高まって来ます。卵巣茎捻転は殆どが緊急手術による卵巣摘出になってしまうのと、激しい痛みが突然襲ってくることから、それを避けて、前もって手術をするという選択肢を選ぶ人もいるといいます。

手術は今後妊娠を考える年齢の人なら、嚢腫部分のみを摘出し健常な部分を残す、卵巣嚢腫摘出術を行います。嚢腫を取った方の卵巣も手術後機能することを期待します。

閉経が近い場合や、妊娠を望まない場合は、卵管・卵巣も含めて嚢腫全体を摘出する付属器切除術を受けることが多いです。また、卵巣嚢腫に少しでも悪性の可能性がある場合は付属器切除術を選択することになるそうです。

手術には開腹手術と腹腔鏡手術があります。現在は患者さんの負担が少ない腹腔鏡手術が主流になっています。それぞれのメリット、デメリットは以下の通りです。

・開腹手術のメリット…視野が広くとれるので、癒着をはがしたり細かな作業がやりやすい。

・開腹手術のデメリット…術後の傷の痛みが強いのと、傷の回復に時間がかかる。

・腹腔鏡手術のメリット…傷の痛みが少なく、術後の回復が早い。

・腹腔鏡手術のデメリット…手術時間が長くなる。癒着がひどい場合は、開腹手術に切り替え

る必要がある。などです。

卵巣嚢腫は手術によって、完治することが出来るのですが、残念ながら再発することが多いのが現実です。反対側の卵巣に同じ卵巣嚢腫が出来たり、違うタイプの卵巣嚢腫ができることもあります。その場合は再手術を受けなくてはなりません。

卵巣嚢腫と妊娠は関係あるの?

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症状により妊娠は難しいことも

卵巣嚢腫が直接不妊の原因になることは少ないですが、チョコレート嚢腫というタイプの場合は、卵巣嚢腫の原因が子宮内膜症という疾患であるために、不妊の原因になることがあるそうです。

子宮内膜症は卵巣だけでなく、腸管、腹腔内、など様々な所に病巣を作ります。チョコレート嚢腫も周りの臓器と癒着をしていることが多く、その場合は腹腔鏡手術などで癒着を取り除く手術を行って、不妊を改善する治療が行われています。

手術によって、妊娠しやすくなる場合も

卵巣嚢腫の手術を行う場合、その後妊娠を望む場合は卵巣嚢腫摘出術といって、卵巣の嚢腫の部分だけを取って、健全な部分を残すようにします。残った卵巣は、正常に機能する場合もありますし、排卵障害などが起こることもあります。

チョコレート嚢腫のタイプの卵巣嚢腫を手術する場合、たいていは子宮内膜症の病変も一緒に摘出したり、病変を焼灼(しょうしゃく:焼くこと)したりするので、子宮内膜症の症状は軽くなることが多いです。その場合、手術をすることで、妊娠する可能性が上がることがあるので、妊娠に向けて積極的に手術をする場合もあるそうです。

自分の卵巣嚢腫のタイプを知って、適切な治療を!

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卵巣嚢腫にはたくさんの種類があることがわかりました。原因や症状も様々ですが、中には不妊の原因になるものもあるので、出来れば早めに見つけて対処法を考えたいですね。

卵巣嚢腫は、初期は無症状のことが多いですが、婦人科の検診で行われる超音波エコー検査で簡単に見つけることが出来ます。確率は低いですが、卵巣がんに繋がる卵巣嚢腫もあるので、特に症状が無くても、婦人科の検診は1~2年に一回は受けておきたいですね。