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嚢胞って何?腫瘍とは違うの?身体の各部位別にできる症状や原因を大公開!

健診や人間ドックで「嚢胞」があると言われた経験はありますか?何かできものだということはご存知でも、一体何なのか詳しくは分からずに、不安になっていませんか?また、「腫瘍」や「嚢腫」とどう違うのか、「がん」じゃないの?治療の必要は?など気になることがたくさんあります。今回は身体の色々なところにできる嚢胞についてまとめました。



嚢胞って何?

健診などでお腹のエコー検査をしたときに、肝臓や腎臓に嚢胞が見つかるという人は意外と多いもので、1~2個の小さな嚢胞があるのはきわめてよく見かけるものだそうです。

嚢胞というのは、身体のいろいろな部位に出来るもので、その部位により、「肝嚢胞」「腎嚢胞」「膵嚢胞」などと呼ばれます。しかし、身体の中に出来るものというと「腫瘍」や「嚢腫」などが思い浮かぶと思いますが、嚢胞とは何が違うのでしょう?嚢胞があると言われたらどうすればいいのか、症状や治療法なども気になりますね。

それでは、嚢胞とは一体何なのか、身体の各所にできた嚢胞についての症状・原因・治療法などをまとめましたので、ご自身が指摘された嚢胞について参考にしてください。

嚢胞とは?

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身体にできる球状の袋のこと

「嚢」というのは袋という意味で、「胞」とは膜に包まれたものをあらわす言葉です。つまり、「嚢胞」とは、膜に包まれた袋状のものということで、身体に出来た水を入れた風船のようなものです。

嚢胞は大きさも出来る部位も様々で症状がないこともあり、多くは健診や人間ドッグなどの超音波検査で、肝臓・腎臓・膵臓などに見つかるそうです。まず、問題になることはないのですが、定期的に超音波検査をして、嚢胞の大きさや数を見ていくことになるでしょう。

内容物は液体

嚢胞は水を入れた風船のようなものなので、多くの場合、中に溜まっているものは水様や半固形状の液体です。腫瘍性ではないので、ただ液体成分が溜まっただけの状態です。肝臓や腎臓の中に出来た嚢胞は中身が水分ですが、女性の卵巣にできる嚢胞の中身は古い血液というものもあります。肺に出来た嚢胞は、空気が入っています。

ちなみに袋状の腫瘍性の病変の場合は「嚢腫」と言いますが、この場合は中身が液体に限らず、固体のものもあるそうです。

害がないものが多い

嚢胞があっても、ほとんどのものは基本的に良性のもので何も処置をする必要はなく、放っておいて構わないことが多いそうです。但し、大きさや数などに変化が現れないかなどを見ていかなくてはいけないので、嚢胞が見つかった場合には、年に一度くらいのペースで超音波検査や、必要に応じて血液検査・尿検査などを受けましょう。

手術が必要なこともある

嚢胞は良性で心配することはあまりないのですが、あまりに大きいものは他の臓器を圧迫するなどの問題が出てくることがあります。また、嚢胞が肝臓や腎臓などにたくさん出来てしまうと、その臓器の働きが悪くなるという病気もあります。

さらに、がんが原因で嚢胞が出来ているケースもあるので、全て放置して良いものではありません。病状や部位によっては手術が必要となることもあります。

どう違うの?

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腫瘤

腫瘤(しゅりゅう)とは、身体にできた「こぶ」「かたまり」「しこり」のことで、病気の種類が何であっても、体にできた「かたまり」を腫瘤と言います。関節にできるガングリオンや、老廃物が溜まった粉瘤腫、もちろん良性または悪性の腫瘍も「腫瘤」に含まれます。

例えば、病院で「右の乳房に「腫瘤」があります。良性腫瘍か悪性なものなのか診断が必要です」と言われたとします。腫瘤と聞いて癌だと勘違いしてしまうことも多いようですが、この段階では癌と診断されたわけではありません。つまり、この場合は乳房に何かが出来てるから、これが何なのか調べましょうという意味です。

腫瘤の中でも、袋状で分泌物などの液体が溜まったものを「嚢胞性腫瘤」といいます。嚢胞性腫瘤には、卵巣に出来る「卵巣嚢腫」というものがあります。

腫瘍

腫瘍とは、ある細胞が体内で周辺組織とは関係なく過剰な増殖を行う細胞の塊のことで、良性と悪性があります。分かりやすく言うと、まわりの細胞や体の組織を無視して勝手気ままに大きくなったり、他の臓器へ飛び散ったりをする病気ということです。腫瘍の内部に液体を含んだものを「嚢胞性腫瘍」と言います。

良性腫瘍は、いぼを例に取ると分かりやすいと思います。いぼは明らかに正常な皮膚とは違って、少しずつゆっくりと大きくなりますが、放っておいても大きな問題になることはほとんどありません。一方、悪性腫瘍は、周りの組織を破壊してその中に入り込んだり、転移などを起こすもので、身体に悪影響を及ぼすものです。

嚢腫

嚢腫とは、袋状の腫瘍の中に何かが溜まっている病気です。内容物は種類によって異なります。

腎嚢胞

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症状

腎嚢胞とは、腎臓に液体の入った袋状のものができる病気です。多くの場合は症状もなく、健康面でも無症状でほとんど問題ないのですが、時には5cm以上の大きさになることがあり、そうすると腎嚢胞の圧迫で腰部の鈍い痛みが出る場合があります。また、一部には悪性腫瘍を伴ったり、嚢胞がたくさん出来てしまって腎機能が悪化するケースも起こり得ます。

原因

腎嚢胞の原因は、残念ながら明確にされておりませんが、多発するタイプのものでは遺伝が関係しているものがあり、家族性に発生するそうです。また、嚢胞は加齢とともに増加し、60歳以上の方に多く見られるのも特徴です。

治療法

腎嚢胞はほとんどの場合で無症状なので、高血圧や水腎症、血尿などの合併症を伴っていなければ、特別な治療の必要はないそうです。腎嚢胞が見つかったならば、一度精密検査を受け、問題がなければ年に一度は健診を受けて様子を見ていきましょう。

もし、大きな腎嚢胞で腰痛を起こしている場合には、超音波で見ながら細い針を刺して嚢胞の中の液体を吸引します。その後、再度液体が溜まらないようにエタノールを注入するという治療法があります。

膵嚢胞

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症状

膵嚢胞は、正確には「膵嚢胞性疾患」と言い、良性のものもあれば悪性のものもあります。その名の通り、膵臓やその周辺にできる嚢胞のことで、いろんなタイプの嚢胞を総称したもののことを膵嚢胞性疾患と呼んでいる訳です。膵嚢胞性疾患はそれほど珍しい疾患という訳ではなく、日本人のおよそ100人に2人から3人に見られるということです。

最近、芸能人が膵臓疾患で活動の休止を余儀なくされるということが続きましたが、肝臓が「沈黙の臓器」と言われるのに対して、膵臓は「暗黒の臓器」などと言われたりします。症状が知らないうちに進んでいるという点では肝臓と同じなのですが、なぜそれが起こるのかについては分かっていないことが多いからだということです。

特に自覚症状もなく、たまたま健康診断などで見つかることも多い膵嚢胞性疾患です。膵臓疾患にともなって自覚症状が現れた時にはすでに手遅れという事態も考えられるので、定期的に健康診断を受けることが重要です。

原因

膵嚢胞はいくつかに分類されており、真性膵嚢胞は、先天性のものや、膵液がせき止められて出来た嚢胞で、大きさも小さいことが多く、合併症も稀だとのことです。

仮性膵嚢胞は、膵炎や外傷などが原因で生じます。炎症などで傷ついた部位に膵管から漏れ出た膵液が作用して、出血や穿孔などの合併症を引き起こすことがあります。自然に消える場合もありますが、感染や嚢胞内に出血することがあるので、経過観察が必要となります。

腫瘍性膵嚢胞は、膵管内に生じた乳頭状の腫瘍が原因です。この腫瘍が粘液を大量に作り、粘液が膵管内に溜まって嚢胞となるそうです。良性のものと悪性のものがあります。

治療法

腫瘍性の膵嚢胞では、嚢胞の大きさで粘液の量を見て腫瘍の悪性度を推測し、悪性の疑いがあれば手術による切除の対象になります。大きさは3cmを手術の基準としていますが、この時点ではまだ命を奪うような「がん」にはなってないことがほとんどです。悪性の疑いがなければ、年に数回の経過観察となるそうです。

仮性膵嚢胞の場合は、食事をやめて膵臓を安静に保つ治療が基本となります。それでも大きくなる場合には、状況に応じた処置が行われます。真性膵嚢胞はほとんとが症状がなく、合併症もなければ経過観察になるそうです。

肝嚢胞

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症状

肝嚢胞は、嚢胞が肝臓にできたものです。多くは症状がないので、これもやはり健診や他の病気のための超音波検査などで偶然見つかることが多く、50歳以上の女性に多く見られます。複数の嚢胞ができていることもあり、大きさも様々です。

無症状なことが多いのですが、嚢胞が大きくなると自分でもお腹にこぶ状のものが触れるのが分かりますし、腹部膨満感、腹部鈍痛、胃の不快感、吐き気などを起こすこともあります。肝臓は先述したように、「沈黙の臓器」と呼ばれており、疾患の初期には症状が現れないことがほとんどです。

そのため、膵臓の場合と同様、定期的に健康診断を受けることが重要となります。また、明らかは右腹部の張りが感じられるような場合には、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

原因

ほとんどが先天性で良性のものです。後天性の肝嚢胞としては、外傷後や肝炎などによるものや、良性の腫瘍性疾患や悪性の嚢胞性腫瘍、寄生虫の感染で嚢胞が作られたりというケースもあります。

治療法

先天性の肝嚢胞で症状がない場合には、定期的な経過観察のみで治療は必要ないそうです。但し、嚢胞が大きくて圧迫症状が強い場合や、感染、出血、破裂などの合併症を起こした場合には治療が必要になります。

この場合は嚢胞を超音波で見ながら、細い針で嚢胞の中身を吸い出します。その後、嚢胞壁の細胞をアルコールなどで死滅させます。場合によっては開腹手術、内視鏡手術となることもあります。

そのほかの原因がはっきりしている炎症性・腫瘍性・寄生虫性の場合には、その原因に応じて治療方法が選択されます。

ラトケ嚢胞

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症状

ラトケ嚢胞ってあまり耳馴染みのない疾患だと思いますが、脳の下垂体周辺にできる腫瘍の一種のことをいいます。自覚症状がなくて健康診断でたまたま見つかるようなこともあれば、視力低下や視界がぼやけるなどの視覚の異常から見つかるようなこともあるということです。

ラトケ嚢胞は下垂体自体に出来ることもあれば、下垂体の入っている「トルコ鞍」という部分に出来ることもあります。下垂体はさまざまなホルモン分泌にも関わっているため、ラトケ嚢胞が見られる場合には、体に様々な変調をきたすことも考えられます。

もし、原因がよくわからないのに視力や視覚に異常が出た場合や、月経不順や体がだるいなどの症状が見られる場合には、一度お医者さんに相談してみることをおススメします。

原因

ラトケ嚢胞は、赤ちゃんがお腹にいる時の成長段階になんらかの問題がある場合に発生すると言われています。

治療法

ラトケ嚢胞は、下垂体やその周辺に嚢胞ができる疾患のことをいいますが、その中には粘液が入っていることが多いそうです。もしも、その粘液によって膨張した嚢胞によって、神経圧迫などが起こる際には、手術という選択肢がとられることがあります。基本的には、中の粘液を抜くことが手術の目的となります。それによって、8割方の患者さんに視力が戻るということです。

また、ラトケ嚢胞は先述したように、無症状でたまたま見つかるようなことも多いです。そのような場合には、定期的に検査を行って、問題がないようであれば特に手術を行わに経過観察します。

歯根嚢胞

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症状

歯根嚢胞は、あごの骨の中に出来る嚢胞で、最も頻度が高いものです。症状がないままに進行してしまうことがあり、あごの中に膿が多く溜まって歯茎に膿の出口となる穴が出来ます。すると歯茎に白いおできのようなものができて、潰れてはまた膨らんでということを繰り返します。

また、噛んだ時に痛みが出たり、歯根嚢胞が大きくなるとこの圧力で歯が浮くような感じがすることもあるそうです。特に疲れたり、寝不足など体調が悪いときには突然腫れや痛みが強くなる場合もあります。

原因

歯根嚢胞の原因は、細菌感染です。虫歯の原因となる虫歯菌(ミュータンス菌)によってう歯(虫歯のことです)が進行すると、徐々に深い場所へと感染が広がっていきます。それが歯根に達した場合に、歯根嚢胞が発生します。

歯根嚢胞は顎にできる嚢胞の半数を占めるということですが、じつは体に細菌がまわってしまわないように、顎に嚢胞を作って、そこに細菌をため込んでいるとも言えるそうです。

治療法

嚢胞が小さいものであれば、歯の内部から治療します。細菌によって汚染された根の中を、細い針金のようなものでこすり落として消毒し、薬で密封して細菌が入り込めないようにする方法です。

ただ、この方法では歯の根が曲がっていて細菌を落としきれないなどの場合には、歯茎の方から切開して歯根嚢胞を取り出します。いずれの方法も向かない場合には、一度歯を抜いて歯根嚢胞を取り出し、再度歯を植えるという治療法もあります。

粘液嚢胞

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症状

口の中には唾液を分泌するたくさんの「小唾液腺」があります。粘液嚢胞は、この小唾液腺からの唾液の分泌がうまくできずに、唾液が溜まってしまう嚢胞です。

下唇に出来ることが多く、直径5~15mmほどのものです。なんとなく腫れている感じがしますが、痛みなどはありません。嚢胞を噛んでしまったり、針を刺してつぶすと中に溜まっていた唾液が流れ出ますが、数日でまた水ぶくれのようになります。何度も繰り返し口内炎ができていると勘違いされることも多いようです。

原因

唾液は小唾液腺で作られて「導管」という管を通って分泌されますが、この導管が傷ついたり詰まったりして唾液が漏れ出し、粘液嚢胞になります。導管が傷つく原因は、噛んで傷つけてしまったり、矯正器具や義歯の金具で傷つけたりということが挙げられます。また、口内炎、ケガをして歯が欠けた、虫歯で穴があいたというケースも考えられます。

治療法

粘液嚢胞は破れても再発するので、手術によって摘出することになります。手術といっても外来手術で10分程度で終わります。局所麻酔をして、粘膜を切開し、嚢胞を摘出するのですが、そのときに嚢胞の周りにある小唾液腺も摘出します、傷口は縫合して1週間ほどで抜糸します。術後は多少腫れますし、抜糸後も若干腫れが残ることがありますが、徐々に治まっていきます。

正中頸嚢胞

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症状

正中頸嚢胞とは、胎児のときに甲状腺が作られる過程で、管の一部が退化せずに残ってしまって袋になったものです。頚部の真ん中にできるので正中頸嚢胞と言われます。

通常は生まれたときから症状があるわけではなく、ある程度の年齢になってからプヨプヨした嚢胞に気づいて診断されるそうです。痛みや異物感などはありませんが、つばを飲み込んだりするときに上下に動くのが特徴です。但し、感染したり、やぶれたりすると、小さな孔から常時分泌物が出続けることがあります。

原因

正中頸嚢胞は、胎児期の甲状腺が作られる過程が関係しています。甲状腺が出来始めのときには、舌の奥あたりに現れ、のどの真中を通って気管のあたりに下がってきて甲状腺になります。この時に甲状舌管という細い通り道が一時的に作られるのですが、本来は甲状腺が出来上がれば退化して無くなります。しかしこれが無くならずに残ってしまうと、嚢胞となってしますのです。

治療法

正中頸嚢胞の治療では手術が行われます。手術では嚢胞の他に残ってしまっている甲状舌管を舌の奥のほうまで辿って、全て切除することになります。そのために嚢胞と一緒に舌骨の一部も切除して、甲状舌管を見つけ出す必要があります。

しかし手術をしても3%の再発例の報告があるそうです。また、成人してから癌が発生したケースもあるので、頸に小さな腫れを見つけたら早めに小児外科を受診しましょう。

婦人科系の嚢胞

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バルトリン腺嚢胞

バルトリン腺とは外陰部の膣口の両側にあり、非常に小さいものですが、性交時に必要な潤滑液を分泌する働きがあります。このバルトリン腺が詰まったときに生じるのが、バルトリン腺嚢胞です。女性の2%ほどに生じ、20代の女性に多く見られます。

ほとんどの場合は症状がありませんが、大きくなってくると座る・歩くなどの動作や、性交の妨げになることがあります。また、感染を起こすと痛みのある膿瘍となることもあるそうです。

バルトリン腺嚢胞は、40歳以下で無症状であれば基本的に治療をする必要はないということです。また、症状が軽症であれば、血行を促進して清潔にしていることで自然に治ってしまうということです。方法としては「温座浴」といって、少量の湯船に1日数回浸かるという方法があります。また、手術で内容物を吸収したり、排出口を作ることもあるそうです。

ただ、何度も嚢胞が再発する場合には、切除することもあるそうです。尚、40歳以上になると、全ての方で治療が必要となり、治療の際には「がん」がないかも調べる必要があるとのことです。

チョコレート嚢胞

子宮内膜症は、本来子宮の内側だけにある子宮内膜が、他の場所に出来て増えていく病気です。その中で、卵巣の中に子宮内膜が出来て症状がすすみ、嚢胞となることがあります。月経のときに子宮内膜が剥がれ落ちて出血しますが、嚢胞内なので出口がないために古い血液がたまり、卵巣が腫れてくるのが「チョコレート嚢胞」です。子宮内膜症性卵巣嚢胞とも呼ばれます。

症状は月経痛、性交痛、慢性骨盤痛があし、不妊の原因にもなります。まれなケースですが、破裂した場合には激痛が起こります。また、卵巣がんの原因になることもあるそうです。

まったく症状がなければ経過観察となるようです。低容量ピルなどの薬でホルモン療法が有効な場合もありますが、直径5cmを超えると手術が必要となります。卵巣ごと摘出する全摘術と、嚢胞だけを摘出して卵巣を残す核出術がありまますが、核出術の場合は、一般に20~30%の再発の可能性があると言われています。

多嚢胞性卵巣症候群

卵巣は平均して毎月ひとつずつ成熟した卵子を排卵します。卵巣の中にはたくさんの卵細胞があるのですが、それは卵胞という袋に包まれていて、卵細胞が発育して大きくなると破裂して排卵が起こります。多嚢胞性卵巣症候群では、この卵胞がたくさんできて、ある程度大きくはなるのですが排卵が起こらないという病気です。

排卵が起こりにくいので、無月経や月経不順が起こるだけでなく、不妊の原因にもなるそうです。また、卵胞の中で男性ホルモンが作られるので多毛やにきびなどの徴候が見られたり、黄体ホルモン不全により月経過多や出血がとまらないなどの症状が起こることもあります。

多嚢胞性卵巣症候群の根本的な治療法はまだわかっていません。排卵に障害を起こすので、妊娠を希望される場合は排卵誘発法が行われます。薬の内服や注射などの方法があります。

嚢胞性ヒグローマ

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赤ちゃんの病気

胎児の後頭部から首の後ろ背中にかけて浮腫があることがあります。浮腫とは皮下に水分が多くたまっている状態で、超音波検査で診断されます。NTと呼ばれ、染色体異常との関係で注目されています。

ただ、NTは程度の差はありますが、どの胎児にも見られるものですが、これがに嚢胞状に腫大しすることがあり、これが「嚢胞性ヒグローマ」です。

嚢胞性ヒグローマは、ターナー症候群やダウン症という染色体異常との合併が問題とされますが、頸部の大きな異常なので流産や胎児死亡を来すこともよくあり、生まれても致死的な状態とのことです。通常、妊娠中に治療を行うことはなく、経過を慎重に観察します。

難病と言われる嚢胞性線維症

日本人の発症は少ない

嚢胞性線維症は、細胞の間の塩分と水分の移動を調節しているたんぱく質の遺伝子に異常が生じる病気です。気道や消化管の粘液や分泌液の粘り気が強くなり、気道が詰まってしまい、感染や炎症、気道の閉塞を起こしたり、膵臓からの分泌が妨げられて食べ物の消化がうまくできなくなったりします。

この病気は、両親が共に病気の遺伝子を持っている場合に発症する可能性があり、アメリカ人では30人に1人は遺伝子を持っているそうです。白人に多く見られる病気ですが、日本人の発症は非常に少ない病気です。

多種多様な嚢胞!症状がなければ心配のないことも

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嚢胞は身体にできる液体が溜まった袋状のもので、それは身体の至る部位にできる可能性があり、その部位によって様々な病名があります。ただ、身体にできるものといっても、腫瘍とは異なり、症状がなければ経過観察でいいケースも多くありました。もともと症状がないので、何かの検査のときに偶然見つかるケースが多いようです。

中には膵嚢胞のように膵がんの恐れのあるものや、婦人科系の嚢胞では不妊の原因になるので治療が必要となることもあります。また、嚢胞が大きくなって臓器を圧迫したり、臓器の機能を脅かす可能性もありますので、嚢胞が見つかった場合には医師の指示に従って、定期的な検査や適切な治療を受けましょう。