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胆嚢腺筋症って何?3つの分類種と3つの症状や検査方法を詳細解説!

胆嚢腺筋症という病気をご存知でしょうか?実際には症状が出なければ、病気というほど悪さはしません。ですが、注意しなければならないあの病気を合併することもあるのです!病気の解説をはじめ、どんな検査を受けるのか、どんな治療があるのか、を説明します。



胆嚢腺筋症と言う病気知ってますか?

胆嚢腺筋症をご存知でしょうか?胆嚢の病気であることは分かるかもしれませんが、あまりなじみのない方も多くいらっしゃるはずです。胆嚢腺筋症は、簡単に言ってしまいますと、胆嚢の壁が厚くなることです。

胆嚢にはロキタンスキー・アショフ洞というものが存在しますが、このロキタンスキー・アショフ洞は胆嚢自体の粘膜から胆嚢壁の筋肉の層にまで入り込んでいます。これが、多発することにより胆嚢腺筋症が生じます。

胆嚢腺筋症とは?

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胆嚢良性腫瘍の1つ

胆嚢腺筋症は、症状があった場合は手術の予後は良く、症状がない場合でも積極的な治療を行う必要がないことなどから、胆嚢良性腫瘍の1つとして考えられています。人間ドックではおよそ1%に見つかるもので、あまり頻度は高くないかもしれません。

いろいろ調べていきますと、胆嚢腺筋腫症、と胆嚢腺筋症という2つの言葉が出てくるかもしれませんが、どちらも同義的に使われています。英語を日本語に訳した時に、わずかなニュアンスの違いが出てしまったのだろうと思われます。

原因

胆嚢壁の慢性炎症が原因となると考えられています。では、この慢性炎症はなぜ起こるのでしょうか?

それは、胆石です。胆石とは、胆汁中に溶けているコレステロール、ビリルビンなどの物質が様々な原因により胆汁中に溶けきれなくなり、結晶になり、最終的に石となってしまったものを言います。胆汁中にそれらの物質が過剰に排出されたり、胆道の感染症になったりすることで起きると言われています。

胆嚢腺筋症のおよそ90%に胆石を伴うようです。しかし、胆嚢腺筋症によって、慢性炎症や胆石症を引き起こすこともあり、その前後関係、どちらが先でどちらが後かは、詳しく解明されてはいないようです。

50代の女性に多い

胆嚢腺筋症は50代の女性に多いと考えられています。その理由は、胆石症を合併することが多いからです。では、どのような人が胆石症になりやすいのかを、まず見ていきましょう。

日本人のおよそ8%の人が胆石を持っていると言われています。原因は2つあるようです。まずは、食生活の欧米化により、脂肪の摂取量が増え、胆石ができやすくなったことです。胆石にはコレステロールが深く関わってくるためです。もう1つは医療技術の進歩により、小さな胆石も見つけられやすくなった、ということです。

疫学を見ますと、胆石を持っている人は中年以降に多く、また、男性よりも女性の方が多く、およそ2倍であるということも分かっています。

肥満や過食、不規則な生活など、生活習慣と強い結びつきのあるのが胆石症であります。女性の方は、更年期以降、閉経などでホルモンバランスが崩れがちですので、そういったことも胆石のできやすさに何かしらの影響を与えているのかもしれません。

胆石が出来てしまうと、胆嚢腺筋症を引き起こすため、胆石症にならないようにするのが最善の予防ということも出来そうですね。

胆嚢がんとの関係について

詳しくは、次の胆嚢腺筋症の分類の項目で説明しますが、胆嚢腺筋症には3つのタイプが存在します。そのうち1つのタイプで胆嚢がんができやすいという報告があります。札幌市にある手稲渓仁会病院消化器センターの多くの医師が執筆に携わっている論文を紹介します。

その論文でも考察されていますが、胆嚢がんと胆嚢腺筋症との関連性についてははっきりとしたことは分かっていないようです。胆道の狭窄による胆汁うっ滞が原因であるとする人もいますし、この胆嚢腺筋症自体が胆嚢がんのリスクになるとする人もいるようです。今後の研究に期待したいところですね。

胆嚢腺筋腫症の分類

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限局型(底部型)

日本消化器学会によりますと、病変の部位や広がりから3つの型に分けられています。限局型(底部型)は、胆嚢の底部に病変が存在します。

胆嚢というのは袋になっていますから、その袋の下の部分ということになります。底部にしか病変が存在しないため、限局型と呼ばれることもあります。胆嚢がんとの関わりは低い(およそ1%)という報告(2008、生天目氏ら「胆嚢腺筋腫症と胆嚢癌との関連」)もあります。

分節型(輪状型)

分節型(輪状型)は、胆嚢の頚部や体部といったところに全体的に壁の肥厚をきたし、内腔が狭くなっているタイプの胆嚢腺筋腫症のことを言います。

2008年の生天目氏らの論文「胆嚢腺筋腫症と胆嚢癌との関連」によりますと、このタイプは少し注意が必要です。分節型を有していますと、分節型を有していない場合と比較して、胆嚢がんの合併率が高くなる、という統計が得られたのです。

胆嚢の内腔が狭くなることにより、胆汁が排出されにくくなりとどまってしまう、胆汁うっ滞がその発生に関与していると推測されているようです。

広範型(びまん型)

限局型、分節型、と説明しましたが、全般型というのも存在します。胆嚢壁の全体にロキタンスキー・アショフ洞の増生が広がり、びまん性の肥厚を認める広範型というタイプも存在します。びまん性の肥厚を引き起こすので、びまん型と呼ばれることもあります。

こちらは、胆嚢がんとの関わりが低くなっているようです。全体的に肥厚しているため、本当にひどいとき以外は胆汁がたまりやすくなったりしないために、がんを発症しにくいのではないかと考えられているようです。

胆嚢腺筋症の症状

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腹痛

胆嚢腺筋症は基本的には無症状ですが、症状が表れる場合もあります。特徴的なのが腹痛ではないでしょうか。腹痛といえどもお腹の中心が痛くなるものとは違います。右側の季肋部と呼ばれるところが痛みます。季肋部とは、肋骨の下の部分と考えるのが良いでしょう。ややみぞおちに近いかもしれません。この痛みは右肩にも表れ、放散痛と呼ばれます。

さらに、脂肪食を摂取した後に生じる痛みもあるようです。これは脂肪分を摂取することにより、その脂肪を分解するための胆汁を出そうとして、胆嚢が収縮するためであると考えられています。

吐き気

胆嚢腺筋症で出てくる症状は胆嚢炎の症状とほぼ同じであると言われています。胆嚢炎に限らず、肝臓、胆嚢、膵臓の疾患では、吐き気を伴うことが多いようですが、そのメカニズムや原因は詳しくは分かっていないようです。

恐らく、胆嚢に炎症が起きたり、胆石が出来たりしますと、脂肪を分解する役割の胆汁が分泌されにくくなり、脂肪が分解能力を超えて、消化器官に存在し、吐きだそうとするのではないかと思います。

腹部膨満感

お腹が張った感じがするといった腹部膨満感が表れることもあるようです。

胆嚢腺筋症の検査、診断

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画像検査

「CT」という言葉を耳にしたことがありますか?CTは、computer tomographyの略で、身体を何枚ものスライスにカットしたような断層画像を撮影するものです。全身を検査することができ、中でも胆嚢腺筋腫症の検査として用いられるのが、腹部CT検査です。腹部CT検査は、腹部にある臓器のなかでも特に肝臓や胆嚢、そして膵臓の病変を見つけるのに優れています。

このCT検査は、肝臓や胆嚢、膵臓など内視鏡で観察することが難しい腹部臓器の病変を診断する際に有効です。CT検査における画像の撮影方法は2種類あります。単純CT撮影と造影剤CT撮影です。腹部臓器の石灰化にともなう病巣や胆道結石、腎結石がある場合は、造影剤を注入すると見にくくなってしまいます。そのため、まず造影剤を身体に取り込まない状態で撮影します。

単純CT画像を見た後、医師が必要だと感じた場合は造影剤を静脈から注入し、そのうえでもう1度CT画像を撮影します。検査時間はおよそ20~40分です。

MRIでもそうですが、閉所恐怖症による混乱状態に陥る方もなかにはいるようですが、頭部CTではなく、腹部ですのであまり心配はいらないと思います。もし、閉所恐怖症をお持ちでしたら、恥ずかしがらずに技師さん、あるいは医師の先生に言うようにしましょう。

超音波検査

腹部の超音波検査では、X線のように放射線被ばくをする恐れがないのがその特徴です。組織の構成によってそれぞれのもつ基本的なパターンがあります。しかし、腫瘍、ポリープ、炎症、結石など本来ないものが存在した場合は、周囲の正常な組織と構成成分が異なるため、超音波画像では正常な組織との境界に白黒の濃さの違い、いわゆるコントラストが生じます。

調べられる臓器は、胆嚢、肝臓、膀胱、前立腺、腎臓などが挙げられます。医療機器の技術進歩により、食道や胃といった消化器官も調べられるようになってきています。

なかでも胆石や早期肝臓がんの発見に有用なのが、この超音波検査です。超音波検査はエコー検査とも呼ばれますので、聞いたことがある方が多くいらっしゃると思います。

検査を受ける際の注意点は説明されるかもしれませんが、一応書いておきます。空気が消化器官に入っていますと、見えにくくなるため、検査は絶食状態で行います。異常が見つかった場合は、血液検査をし、腫瘍マーカーなどの値を確認しながら、最終的な診断へと絞っていきます。

内視鏡検査

金沢大学がん研究所内科の岡井氏らの2011年の論文によりますと、胆嚢腺筋症における超音波内視鏡検査は他の病気(慢性胆嚢炎)との鑑別に優れているとありました。

慢性胆嚢炎と胆嚢腺筋腫症の超音波内視鏡像では、明らかな層構造の違いが分かるようです。胆嚢腺筋症でここまで詳しく調べるかどうかは定かではありませんが、もしかしたら他の疾患を除外する目的で行われるかもしれません。

胆嚢腺筋症の治療

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手術

検査をしたのちに、手術をするかどうかを決定しますが、胆嚢がんではないかをまず調べられます。CEAやCA199といった、いわゆる腫瘍マーカーというがんが出来た時に高い値を示す

ものを参考にしているようです。症状がない場合は、良性疾患ですので、無理に治療は行いません。

しかし、胆石や胆嚢炎を伴い、腹痛があるといった場合は、手術の適応となります。また、胆嚢がんを否定することが出来ない場合も手術が行われるようです。

手術方法には、通常の開腹による胆嚢摘出術と腹腔鏡を用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術があります。胆嚢壁や炎症の程度により手術方法を選択します。最終的に病理組織検査で、胆嚢がんの所見が出ず、胆嚢腺筋症と診断されれば、予後は良好です。

積極的な治療はしない場合も

胆嚢腺筋症であっても無症状の場合は積極的な治療は行わないことが多いようです。しかし、胆石症があったり、胆嚢炎を起こしている場合は手術が必要です。胆嚢腺筋症自体は良性の疾患と考えられていますから、症状がない場合は治療をしなくてもよいのでしょう。

とはいえども、胆嚢がんとの合併の話を聞かされたりしますとやはり不安になりますよね。ですから、定期的に検査を受けることであったり、食生活に気を遣い胆石が出来ないようにすることが重要になってきます。

症状が急に出てくる場合もなくはないようです。ですから、体調がすぐれないときは近くの医療機関を受診しても良いかもしれませんね。この場合は、消化器内科を受診するのが良いです。

症状が出てきたら医療機関へ

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胆嚢腺筋症の症状や検査について書いてまいりました。基本的には症状が出ない限り積極的な治療をしないということが分かりました。しかし、症状が出ないからといって安心してはいけません。胆嚢がんといった他の病気も同じところに発生しているかもしれませんので、定期的な検査が必要ですね。