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【腸炎のときの食べ物と水分補給】予防には腸内環境を整えることが大事

腸炎といえば、細菌やウイルス、ストレスなどが原因で腸に炎症が起こり、下痢や腹痛、嘔吐などが起こる病気です。誰でもかかる可能性があり、ひどい下痢や嘔吐に悩まされている方も多い筈です。そこでこちらでは家庭での治療・ケアのポイントとして、食事の方法、水分補給、下痢止めなどについて、それから腸炎を予防するために、普段からどんな食事をするべきかについてもご紹介します。



腸炎を予防するために気を付けることは?

腸炎は細菌やウイルス、ストレスなど様々な原因によって腸が炎症を起こし、下痢や腹痛、嘔吐などの症状が起こる病気です。

下痢や嘔吐がひどい、症状が続くなどの場合は医療機関を受診することが勧められていますが、軽症の場合は、基本的に自宅で安静にしていれば自然に治ります。ただ水分補給を怠ると脱水症状を起こしたり、食事の方法が間違っていると、症状が長引く可能性もあります。

そうならないために、こちらでは腸炎にかかった時の水分補給や食事の方法について、それから普段の食事など、腸炎を予防するために気を付けることについてもご紹介したいと思います。

腸炎とは?

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腸の粘膜が炎症を起こす病気の総称

腸炎とは腸の粘膜が炎症・出血・壊死を引き起こす、様々な疾患をまとめて呼ぶもので、ひとつの病名を指すものではありません。

つまり食中毒のような細菌によるものでも、アルコールの飲み過ぎによるものでも、腸に炎症を起こし、その結果、下痢や腹痛を生じさせる病気をまとめて腸炎と呼んでいる、ということです。

大半は急性腸炎で、その他にも慢性、神経性、感染性などの腸炎があり、現れる症状は原因や炎症が発生した部位によって、多少の違いがあると言われています。

急性・慢性

腸炎は急性・慢性などいくつか種類があり、症状も様々で、自然に回復する軽い例から、入院治療が必要になるほど重症な場合もあります。

このように自然治癒~入院までと幅があるものの、多くの場合、下痢や嘔吐などの症状は4~5日で治まると言われています。ただ高齢者や子どもの場合は長引くこともあるため、特に注意が必要です。

胃腸炎と呼ばれることも

腸炎は胃腸炎と呼ばれることもあります。胃腸炎は胃や小腸の炎症がひどくなることで、下痢や嘔吐、腹痛や腹部の痙攣などの症状があるものを指し、腸炎は腸に炎症などを引き起こすことで、下痢や腹痛などが生じる病気の総称です。

この2つは一般的に、同じように扱われることが多いようです。

腸に炎症が起こる原因は様々ですが、胃の粘膜に炎症が起きる胃炎の延長で起こることもあります。胃炎の原因にはストレス、タバコの吸いすぎなどの生活習慣やウイルス、そしてピロリ菌があげられます。

腸炎の原因は?

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細菌

感染型の腸炎の原因として、まず細菌があげられます。細菌性の腸炎といえば、夏場によくおこる食中毒で知られていますよね。細菌性の腸炎の原因となる菌には、サルモネラ菌、腸管出血性大腸(0157)、腸炎ビブリオなどがあげられます。

サルモネラ菌は動物の小腸の中で生きています。そして、エンテロトキシンという毒素をまきちらしますが、この毒素を含んだ食品を口にすることで、食中毒が起こってしまいます。特に鶏卵の汚染で、飲食店などを中心に大規模な食中毒が発生することがあるそうです。犬や猫は症状が出にくいそうですが、人間にとっては怖い細菌です。

腸炎ビブリオは、サルモネラ菌と同じ、代表的な食中毒の原因とされています。海水温が高い場所で取れた魚介類に多く存在しており、漁獲後に市場に出回るまでや、また調理をするまでに不適当な扱い(冷蔵庫に入れずに常温で放置するなど)をすると、サルモネラ菌が増殖し、食中毒のリスクが高まります。

そして腸管出血性大腸(0157)、これはベロ毒素を産生して2次感染も見られる「指定伝染病」とされています。「O157」といえば牛が汚染源として知られていますが、これは血便や重症の溶血性尿素症症候群、脳症を引き起こして、最悪死に至ることもある恐ろしい菌です。細菌性の腸炎は、一般的にウイルス性のものより症状が重く、激しい嘔吐や下痢や長期間続くようです。食事もとれないほどひどくなるため、多くは入院をして治療することになると言われています。

カンピロバクター、病原性大腸菌

こちらでご紹介する、カンピロバクター、病原性大腸菌も細菌です。

カンピロバクターは、30度から45度で増殖すると言われており、主に動物の腸内をその住処としています。増殖の過程でエンテロトキシンやサイトトキシン、インベーシンといった毒素を産生し、発熱や嘔吐、下痢や腹痛などの様々な症状を引き起こします。

動物のお肉を調理する過程で不適切な扱いをしてしまうことで感染のリスクが高くなり、発症すると腸の機能不全を引き起こします。また、赤ちゃんがカンピロバクターに感染すると重篤な全身症状などを引き起こすことがあります。数年前に小学生が焼き肉屋さんでユッケを食べて死亡するといった痛ましい事故が起きたのも記憶に新しいところです。

そして病原性大腸菌、これは上でご紹介した腸管出血性大腸菌(Oー157)を含む菌です。大腸菌自体は健康な人の腸にも常に存在する菌ですが、その中には腸炎を引き起こす病原性大腸菌も存在します。これは出血性大腸炎の引き金になると言われ、最悪死に至ることもある恐ろしい菌です。

感染源は加熱が十分でない牛ひき肉、殺菌されていない牛乳やジュース、汚染された水などで、症状は軽い下痢、激しい腹痛と水様便、著しい血便から死に至る合併症を起こすものまでと様々です。強い腹痛と共に、血液そのものが出てくるような血便が見られることもあると言われています。

ウイルス

感染型の腸炎は、ウイルスも原因となります。ウイルス性の腸炎は冬場に流行することが多く、冬場の風邪とも呼ばれます。その原因となるウイルスには、アデノウイルス、ロタウイルス、ノロウイルスなどがあげられます。

それぞれのウイルスの特徴をあげると、まず「アデノウイルス」は、3歳未満の子どもの感染が多く、「プール熱」で知られているように、夏にみられることが多いようです。比較的軽症で発熱することは少ないと言われていますが、インフルエンザのような症状を起こし、高熱が出ることもあるようです。

次に「ロタウイルス」ですが、これは生後6ヶ月~2歳までに発症しやすく、重症化しやすいと言われています。1月初旬からインフルエンザよりも先に、乳幼児の間で流行する腸炎で、米のとぎ汁のように白い便が出るため、「白色便下痢症」とも呼ばれています。

そして「ノロウイルス」、これは耳にしたことがある方も多いでしょう。ノロウイルスは腸管系ウイルスで、子どもから成人まで幅広く感染し、嘔吐は90%の人に、39度以上の発熱が30%の人に起こると言われています。

毎年のように冬場になると爆発的に流行する感染症で、特に幼稚園や小学校などで集団生活をしている児童に多く見られます。原因としては牡蠣などの二枚貝が有名ですが、調理過程の不適切な扱いによって感染のリスクが高くなることも分かっています。

ストレス

腸炎は細菌やウイルスだけでなく、ストレスが原因になることもあります。これは胃や腸に違和感や痛みなどの症状があるのに、内視鏡などで検査をしても、炎症などの異常が見つからないというもので、神経性腸炎と呼ばれています。

もし胃もたれなどが週に数回、みぞおちに痛みなどの症状が週に1回以上あれば、神経性腸炎の疑いがあるそうです。日本人の4人に1人、あるいは8人に1人とも言われるほど多くの人が悩まされている病気だと言われています。

この神経性腸炎は、ストレスによって胃や腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れることで、胃酸が過剰に分泌され、その結果胃の収縮が起こり、胃の運動機能低下、蠕動低下による消化不良、膨満感などを生じると考えられています。

その他の原因

腸炎の原因は細菌、ウイルス、ストレスなど、よく知られているもののほかに、暴飲・暴食、アルコールの過剰摂取、抗生剤、アレルギーなどもあげられます。暴飲・暴食やアルコールの過剰摂取は胃腸を荒らすことから、胃炎の延長で腸炎にかかる可能性があると言われています。

また抗生剤は細菌性の腸炎に有効ですが、これは腸内の悪玉菌、善玉菌を共に減少させるため、腸内のバランスが崩れることで、普段なら何も悪さをしない日和見菌が悪玉菌に変化して、更に腸炎を起こす恐れがあるそうです。

更にアレルギーも「アレルギー性腸炎」といって、特定の食物にアレルギー反応を起こすことで、腸に炎症を起こすことがあると言われています。このように腸炎は、細菌やウイルスだけでなく、普段の食事や服用する薬、体質など、あらゆることが原因になる可能性があります。

肺、心臓、肝臓など他の病気

腸炎の原因は、実は肺、心臓、肝臓など他の病気の可能性もあるそうです。例えば急性心筋炎や急性心膜炎の原因となるウイルスは、風邪や胃腸炎などを起こすウイルスと同じものが多く、そのため腹痛や下痢などの症状が出ることもあるようです。

また胃が痛い、というと胃炎など、胃の病気を疑うと思いますが、実は肝臓の病気でも胃のもたれや吐き気などが現れることがあると言われています。下痢や嘔吐、腹痛などが起こるとすぐに腸炎や胃腸炎と思ってしまいがちですが、必ずしもそうとは限らないのです。

自分で判断するのは難しいですが、不整脈や胸に痛みを感じるなど、下痢や嘔吐、腹痛以外の症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診することが勧められています。

腸炎の症状は?

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風邪の症状

腸炎になると、咳、鼻水、頭痛など、風邪によく似た症状が現れることがあります。こうした症状はウイルス性の場合によくみられるようです。ただ腸炎の場合、風邪とは違ってひどい下痢や嘔吐が生じるため、そこで区別ができるかと思います。

なお腸炎は細菌やウイルスに感染することや、風邪に似た症状が生じるということもあり、「お腹の風邪」と呼ばれることがあります。でも実際には、腸炎と風邪は同じものではなく、別の病気だと言われています。

風邪とは医学的には「かぜ症候群」と言われ、上気道に起こる炎症性の疾患を総称したもののことをいいます。上気道は、鼻、咽頭、喉頭といった空気の通り道のことを指します。風邪はその上気道に、細菌やウイルスが感染し炎症を起こした状態のことで、それに対して腸炎は消化器の病気、だから同じ病気ではないとされています。

腹痛・下痢

腸炎になると、ほとんどの方が下痢になり、それに伴って腹痛が起こることが多いようです。一般的に小腸に炎症が起こっている場合はへそ周辺の痛みが多く、大腸に炎症がある場合は、左あるいは右側腹部痛がみられると言われています。

更に吐き気・嘔吐を伴う場合は胃腸炎の可能性があります。胃腸炎の場合は夜中に突然起きて吐いた、という話は珍しくなく、個人差はあるものの、30分~1時間おきに吐き続けることもあるようです。

また下痢は水様便や、少し便がゆるくなる程度など様々ですが、便が白っぽくなることもあり、この場合はロタウイルスが原因である可能性が高いと言われています。

なお便に血が混じったり、血性の粘液便など、血便が出る場合は、ウイルス性よりも細菌性の腸炎が疑われます。細菌性の腸炎で血便が出るのは、原因である細菌が腸管内で増殖し、毒素を出すことによって腸管内がただれ、出血が起こるためと考えられています。

こうした下痢や嘔吐の症状は、感染した細菌やウイルスを身体の外へ出すために起こるものなので、これを無理に止めてしまうと、逆に症状を長引かせる恐れがあります。そのため、市販の下痢止めなどは使用しないことが勧められています。

発熱

発熱は感染性腸炎の場合によくみられる症状で、個人差はあるものの、37~38度くらいの熱が出ることが多いようです。細菌やウイルスに感染すると、その異物を排除する役割を持つ、血液中の白血球やマクロファージなどの免疫細胞が活性化します。この時に発熱作用のある「サイトカイン」と呼ばれる物質がつくり出され、それが脳に体温を上昇させるように指令を出すため、発熱が起こると言われています。

体温を上昇させる理由は、その方が細菌やウイルスが弱まりやすく、逆に白血球やマクロファージは活発化するからで、つまり発熱は身体が侵入してきた細菌やウイルスと戦うために起こっているものと言えます。

そのため発熱を解熱剤などで無理に下げてしまうと、細菌やウイルスが生き残ってしまい、症状を長引かせる可能性があります。ですからあまりに高い熱は別として、むやみに解熱剤を使うことは避けた方がいいと言われています。

下痢が続くと

腸炎で下痢が続いた場合は、脱水症状に注意が必要です。腸炎になると下痢や嘔吐の症状がひどいため、水分や電解質がどんどん失われてしまい、場合によっては半日くらいで脱水症状を起こすこともあると言われています。

全身の脱力感、倦怠感がある場合は、脱水症状が疑われます。脱水症状に陥ることを防ぐには、こまめに水分補給をすることが大切です。下痢や嘔吐で食事がとれないという場合も、水分補給だけは怠らないようにしましょう。

重症になると

下痢や嘔吐によって脱水症状に陥った場合、重症になると意識障害、血圧低下、ショック症状が起こることもあります。脱水の症状には、全身の脱力感、倦怠感の他にも、尿の量が減る、唇や口の中が乾く、手足が冷たくなるなどがあげられ、更に皮膚の張りがなくなったり、目が落ちくぼんできたりすると重症です。

特に高齢者や子どもの場合は、命にかかわることもあるので、下痢や嘔吐を軽く考えてはいけません。脱水症状がひどくなると、自力で水分をとることが難しいため、点滴で血管から直接水分を入れることになります。

下痢や嘔吐がある場合は、しっかりと水分補給を行って脱水症状を防ぐこと、それから脱水症状が疑われる場合は病院を受診するようにしましょう。

腸炎の検査・診断方法は?

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軽症の場合

腸炎は軽症の場合、安静にしていれば自然に治るものだと言われています。特にウイルス性の場合、有効な抗ウイルス薬が存在しないため、病院へ行ったとしても対処療法になります。吐き気止めや整腸剤などが処方されて、あとは自宅で安静にする、というのが一般的のようです。

そのため3~4日腹痛・下痢が続けば病院へ行くことが勧められています。ただ腸炎以外の病気の可能性もあるので、症状が強い場合は自己判断せず、消化器内科や胃腸科など、病院を受診する方が無難かと思います。

診察・触診

病院に行った場合は、最初に問診表を書いて、それから診察・触診を受けるというのが一般的かと思います。それから症状の状態、食事について医師から尋ねられます。

これは原因を探るためなので、できれば診察室に入る前に、いつから、どんな症状があるのか、なにを食べたかなど、頭の中で整理しておき、すぐに答えられるようにしておきましょう。

血液検査

病院では血液検査が行われる場合もあります。これは末梢血管の白血球の数を調べることで、原因が細菌性・ウイルス性のどちらかを調べることができるからだそうです。

一般的に細菌性の場合は白血球が増えていて、ウイルス性の場合は白血球の数に変化が見られないため、この違いで判断すると言われています。

その他必要に応じて

病院では、炎症の程度を診る検査、検便、それから内視鏡検査が行われることもあります。こういった検査は症状や重症度など、必要に応じて行われますが、病院によっても違いはあるようです。

腸炎の治療法は?

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原因によって異なる

腸炎は細菌性、ウイルス性、ストレスなど、原因によって治療法が異なります。軽症の場合は自宅で安静にすることで、自然治癒が可能ですし、医療機関を受診した場合も、基本的に細菌性なら抗生剤、ウイルス性なら対処療法になるでしょう。

またストレスが原因の神経性腸炎の場合は、検査を行っても異常が見つからないため、心療内科を受診することが勧められることもあるようです。このように腸炎は原因によって治療法が異なりますが、下痢などは無理して止めない、という点は共通しているようです。

細菌性・ウイルス性

腸炎の場合、病院に行くと薬物療法になり、細菌性であれば一般的に抗生剤が処方されます。抗生剤はもう治ったからと自己判断で飲むのをやめてしまうと、病気がぶり返す恐れがあるので、出された薬はきちんと飲みきるようにしましょう。

なおウイルス性の腸炎の場合は、有効な抗ウイルス薬がないため、対処療法になります。そのため吐き気止めや整腸剤を処方されることが多いようですが、細菌性だった場合のことを考えて、抗生剤が処方されることもあるようです。

脱水症状をおこした場合

腸炎で下痢や嘔吐の症状がひどい場合、特に注意が必要なのは脱水症状です。特に高齢者や子どもの場合は、自覚症状が現れにくいため、全身の倦怠感が強い、ぐったりしているなど、脱水症状を起こしていないか、注意しましょう。

脱水症状が疑われる場合は、できるだけ早く病院を受診する必要があります。なお脱水症状を起こした場合、病院では基本的に点滴治療を受けることになりますが、症状が重い場合は入院して持続点滴をすることもあるようです。

腸炎の家庭での治療・ケアのポイントは?

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水分補給を欠かさないようにする

腸炎は下痢・嘔吐で水分を失うので、脱水状態になるのを防ぐために、水分をしっかり摂ることが大切です。人間は体内の水分が2%失われるとのどの渇きを感じ、運動能力が低下し始め、4~5%で疲労感や頭痛、めまいなどの脱水症状が、10%以上になると、最悪死に至ると言われています。

それを防ぐためには、最低でも1日に約1000 ml~1500 mlの水分が必要とされています。とはいえコップでごくごくと一気に飲んでしまうと、また吐いてしまう恐れがあるので、状態を見ながらちびちびと頻繁に補給するようにしましょう。

目安はひとくちを、ペットボトルのキャップ1杯として、それを2~3口飲んで15~30分ほどしてから次を飲む、という方法をとると安全だと言われています。子どもの場合は、スプーンを使ってひとくちずつ飲ませるといいでしょう。

ゆっくり休む

腸炎の場合、まずは安静にすることが治療の第一歩と言えます。下痢や嘔吐の症状がある場合、体力が落ちてしまいますし、抵抗力が弱まっている状態だと完治まで時間がかかる可能性があります。無理をせず、ベッドに横になって睡眠をとるなど、しっかり身体を休めましょう。

また腹痛や下痢はお腹を温めると、症状の軽減に役立つと言われています。ただ腸炎など、お腹に炎症がある状態で、カイロや湯たんぽを使ってお腹を温めると、症状が悪化する可能性があります。お腹を冷やさないことは大切ですが、カイロや湯たんぽを使うことは避けましょう。

無理をして食べなくていい

腸炎で嘔吐が続いている場合、早く治すために体力をつけなくては、と無理に食事をとってもまた吐いてしまったり、弱った胃に負担をかけることになり、逆に症状が長引く恐れがあります。

脱水状態になることを防ぐために、水分を摂ることは必要ですが、食事については2、3日とれなくても問題ないとのことなので、無理に固形物の摂取(食事)はしないようにしましょう。また食事を再開する場合、生ものはNGです。必ず火の通った消化のいいものを食べること、それから新鮮な食材を使うことも大切です。

下痢を薬で止めるのはNG

既にご紹介しましたが、腸炎で下痢・嘔吐の症状が起こるのは、体内に侵入した菌やウイルスを排出するためです。これを市販の下痢止めを飲むことで無理に止めてしまうと、逆に治癒に時間がかかる恐れがあります。

また下痢に対して下痢止めを使用しても、あまり効果はなく、治療期間は変わらないという報告もあり、例え効果があったとしても、あまりにも早い段階で下痢を止めてしまうと、腸管内に細菌やウイルスを留めることになると言われています。

繰り返しになりますが、下痢・嘔吐の症状→菌やウイルスを排出、ということなので、病院で処方されたものなら問題はありませんが、市販の下痢止め等は飲まないようにしましょう。

飲むなら経口補水液を

腸炎は脱水状態に陥ることを防ぐために、水分補給を行うことが重要ですが、下痢や嘔吐では水分だけでなく、電解質(ナトリウム)も失われるため、どちらも補給する必要があります。

市販のスポーツドリンクには確かに電解質が含まれていますが、味をよくするために驚くほどの糖分も含まれています。そのため、水分の吸収が遅く、水分補給には不十分と言えます。

腸炎で水分補給をするなら、電解質と糖分を一定の割合で含む、経口補水液がおすすめです。

経口補水液のメリットは、その体への吸収率のよさにあります。また、体内に貯留される時間が長いため、点滴と同じ効果が得られると言われています。いわば「飲む点滴」の経口補水液は、OS1(オーエスワン)がCMでもお馴染みですね。経口補水液は調剤薬局やドラッグストアなどで購入できるので、水分補給にはこちらがおすすめです。

腸炎の時の食事のポイントは?

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症状がひどく重い時期

腸炎で下痢や嘔吐などの症状がひどく重い時期は、無理に食事を摂らずに絶食することが勧められています。「体力を回復するためには、食べないと」と食事を摂ると、症状を悪化させたり、長引かせる可能性があります。胃腸が炎症を起こしている場合、食べながら治すというのは無理がありますから、まずはなにより胃腸を休めることが大切です。

また病院で整腸剤や胃薬、抗生剤などを処方された場合も、食事を摂ってからでないと飲めない、ということはなく、すきっ腹で飲んでも問題ないそうです。薬に関しては状態などによって変わることも考えられるので、詳しくは医師や薬剤師に尋ねるようにしましょう。

ただ絶食にして胃腸を休める場合も、脱水状態に陥ることを防ぐために、水分はしっかり摂る必要があります。上でもご紹介しましたが、スポーツドリンクは糖分が多いですし、それはジュースも同じです。お茶も利尿作用があるので避けた方がよく、牛乳にいたっては温めたものでもNGとされています。

水分補給には、水分、電解質のどちらも効率よく補給できる、経口補水液を利用しましょう。なお経口補水液は市販のものが便利ですが、家で簡単に作ることもできます。作り方は水の量に対して0.3%の塩と、2%の砂糖を入れてよくかき混ぜればハイ出来上がりです。

ただ冷たい状態で飲むと、胃腸を刺激してまた嘔吐する可能性があるので、冷蔵庫などで冷やさずに常温のものを飲むようにしましょう。

回復期・その1

あまり絶食期間が長くなると、腸粘膜が衰えて回復が遅れてしまうので、嘔吐が治まり、少し回復してきたら、消化にいいものから少しずつ食事を始めましょう。

とはいえいきなり固形物を食べると胃腸に負担をかけてしまうので、おもゆ・おかゆ、すりおろしりんごや番茶などから始めることをおすすめします。ただおかゆの場合でも、普段通りではなく、最初は三分粥から始めて、五分粥、全粥と、焦らずゆっくりと戻していくことが大切です。

また食事は少しでも胃腸に負担をかけないために、熱すぎず、冷たすぎないようにして、よく噛んで食べること、それから1回あたりの量を抑えるために、1日5~6回にわけて摂るようにしましょう。

回復期・その2

少し回復してきた場合の食事には、豆腐、ヨーグルト・ゼリーなどもおすすめです。ただ刺激のあるものはNG(柑橘系、カフェイン等)です。

腸炎で下痢や嘔吐が続いた場合、腸が傷んで栄養を取り込む力が弱まっているので、体力を回復させるためには良質なたんぱく質の摂取も欠かせません。そのためには豆腐やヨーグルトを摂るといいでしょう。ヨーグルトは腸内環境を整えてくれるので、胃腸が弱っている時にぴったりと言えます。

口あたりがよいゼリーは食べやすいのでおすすめですが、胃腸に刺激を与えてしまう果物(特に柑橘系など)がたくさん入ったものはNGです。消化しやすい果物を選ぶようにして下さいね。また、カフェインも弱った胃腸にはよくないので、コーヒーゼリーなどは避けるようにしましょう。

また冷たくすると口当たりがいいので食べやすいですが、胃腸にはよくないので、常温で食べるようにしましょう。

リハビリ期

少しずつ食事を再開して、だいぶ回復してきたら、徐々に普段の食事に戻していきましょう。

とはいえいきなり辛い物や脂っこいものを摂ると、胃腸に負担をかけてしまうので、刺激物は控える必要があります。お子さんをお持ちの方なら分かると思いますが、イメージとしては離乳食です。うどん屋雑炊など、消化に良いものから始めましょう。

魚なら脂肪の少ない、タイ、カレイ、ヒラメ、アジ、スズキ、トビウオなどを、逆に貝類やいか、たこなど、消化の悪いものは避けましょう。野菜ならカブ、大根、キャベツ、カリフラワー、ほうれん草、白菜などが消化にいいのでおすすめです。

卵は半熟が最もよく、生やかたゆでは避けるべきだと言われています。肉類は脂身の多いものは避けて、鶏のささみや、豚のヒレ、牛のモモなどを小さく切るか、ひき肉にして摂るといいそうです。

ただ食材は少しでも胃腸に負担をかけないために、できるだけ細かく切って、普段よりよく煮こんでやわらかくして食べるようにしましょう。

このような食事は避けよう!

食事を始めた回復期に適さない食べ物には、レンコン、ゴボウなどの食物繊維が多いものがあげられます。他にもタケノコやキノコ、ふき、こんにゃくや海藻類などが該当し、これらは消化に悪く下痢を起こしやすいことから、避けるべきだと言われています。

またカレーやコーヒーなどの刺激物も、胃腸によくないですし、ニラやニンニク、セロリ、ミョウガ、ウド、セリなど、強い香りを持つ野菜も刺激が強いので避けることが勧められています。

腸炎の予防方法は?

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手洗い・うがい

腸炎の予防の基本は、手洗い・うがいです。これは感染型の腸炎の予防に欠かせないことなので、徹底して行うようにしましょう。外出先から帰った時、それから調理前、食事前の手洗い・うがいは必須で、石鹸を使って手の表面はもちろん、指の間や指先、手首までを時間をかけて丁寧に洗うことが大切です。

また手が濡れている時間が長いと、菌が増殖しやすくなるので、洗った後はしっかりと手の水分を拭き取るようにしましょう。なお家族の誰かが感染した場合は、タオルの共用をやめて、使い捨てのペーパータオルを使うことが勧められています。うがいは特に自宅以外のトイレを利用した場合は、どこで誰が吐いたかわからないので、しっかり行いましょう。

ただうがいと言うと、いきなり上を向いてガラガラとやってしまいがちですが、そうするとのどの奥に細菌やウイルスが流れる恐れがあるので、まず歯磨きの時に口をゆすぐように、口の中を30秒程ゆすいでから、天井を向いて、のどの奥までガラガラと20秒程度うがいをするようにしましょう。

暴飲暴食を避ける

腸炎の予防には、暴飲暴食を避けることも大切です。暴飲暴食は胃腸を荒らし、腸内環境を悪化させるので、身体の抵抗力が落ちて、細菌やウイルスに感染しやすくなるため、腸炎にかかりやすくなることが考えられます。

食事は限界まで食べるのではなく「腹八分目」に、アルコールは最初から何杯までと決めるなど、日頃から飲み過ぎ、食べ過ぎを防ぐことが大切です。特にストレスが溜まっていると、食べ過ぎや飲み過ぎに走る場合が多いので、くれぐれも注意しましょう。

便秘を防ぐ

腸炎の予防には、腸を健康に保つために便秘を防ぐことが大切です。そのためには水溶性食物繊維(バナナ、しいたけ、海草類)と不溶性食物繊維(さつまいも、ゴボウ)、この2つの食物繊維をバランス良く摂取しましょう。

水溶性食物繊維とは、水に溶ける食物繊維で、小腸での栄養素の消化吸収を遅らせたり、有害物質を吸着して身体の外へ運ぶなどの働きを持っています。これに対して不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維で、腸内の蠕動運動を活発にしたり、水分を含んで便の量を増やし排泄を促進するなどの働きを持っています。

食物繊維の1日の摂取量は成人であれば、1日に20g以上と言われ、腸の健康を考えると「不溶性食物繊維2:水溶性食物繊維1」の割合が理想的だと言われています。この割合を厳密に守る必要はありませんが、2つの食物繊維をバランス良く摂ることは意識しましょう。

消化によいものを食べる

腸には全身の約60%の免疫細胞が集中しているので、腸内環境が悪くなると免疫力が低下する、つまり腸炎など、病気にかかりやすくなってしまいます。これを防ぐためには、腸内環境をよくすることが重要で、そのためには腸内の悪玉菌を減らして、善玉菌が優位のバランスにする必要があります。

腸内の善玉菌を増やすためには、ヨーグルト・納豆・チーズなどの発酵食品、漬物などを食事に取り入れましょう。特にヨーグルトは善玉菌の代表と言える「ビフィズス菌」と「乳酸菌」のどちらも摂れるので便利だと言われています。ただ全てのヨーグルトにビフィズス菌が入っている訳ではないので、購入する時はビフィズス菌が入っているかどうか確認しましょう。

またビフィズス菌と一緒に「オリゴ糖」を摂ることも勧められていて、これはビフィズス菌のエサになって善玉菌を増やし、酸性化を促して悪玉菌の増殖を抑える働きを持っているそうです。オリゴ糖はりんご、バナナ、玉ねぎ、ゴボウ、にんにく、アスパラガス、大豆、寒天、キャベツ、はちみつなどに含まれています。

更にビタミンCやオレイン酸、マグネシウム、カリウムなども取り入れると、腸内環境の改善に役立つそうです。

これらの食品を意識して摂ることで、腸内細菌の働きを活発にすると、腸内の免疫力が向上するので、外部から入って来た有害な物に対抗できるようになります。それが腸炎の予防に繋がるので、日々腸にいい食事を意識して摂ることをおすすめします。

腸内環境を乱さない

腸内環境を悪化させる食べ物には、ファーストフードやコンビニ、スーパーなどで売られている、揚げもの系のお惣菜などが挙げられます。これらは悪玉菌の好むものなので、そういったものばかり食べていると腸内環境が悪化してしまいます。そして消化が滞ると、腸内で毒素が産生される結果となってしまいます。

すると更に腸内環境は悪化することになりますが、実はそれだけでなく、毒素は大腸の粘膜から血中に入り、様々な炎症や病気の発生原因になると言われています。これは毒素で血液の流れが悪くなり、新陳代謝がスムーズに行われなくなると、その人が生まれつきもっている、遺伝的に弱い臓器や組織が刺激を受けるからだと考えられています。

もしおならが臭い、便秘や下痢、お腹が張る、口臭がするなどの症状がある場合、悪玉菌が優勢になっている可能性があります。改善には、揚げてから時間の経った油料理、動物性食品など、腸に悪い食事は避けて、上でご紹介した食物繊維や発酵食品の多い食事、つまり腸にいい食事へと変えていくことをおすすめします。

ストレスをためない

腸炎の予防にはストレスをためないことも重要です。これはストレスが、全身の器官や臓器に細かく行き渡っている自律神経の乱れを引き起こすからで、そうなると胃液が過剰に分泌され、それが腸にまで到達すると粘膜を荒らしてしまいます。すると免疫力が低下して、細菌やウイルスに感染しやすくなるなど、腸炎の原因になることが考えられます。

そのためストレスをためないことが大切ですが、日々の生活でストレスを避けるというのは難しいので、自分なりの方法でうまく解消する必要があります。

ストレス解消法は例えば、ゆっくりお風呂に入る、好きな音楽を聴く、自然の中でくつろぐ、スポーツをする、友人と遊ぶ、ゲームをする、テレビや映画を観る、本を読む、絵を描く、楽器を演奏する、カラオケで歌う、庭いじりをする、料理をつくるなどいくつも考えられます。腸炎の予防のためには、ストレスをためないことが重要なので、自分にぴったりのストレス解消法を見つけて、しっかり解消するようにしましょう。

腸内環境を整えて、腸炎を予防しよう!

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いかがでしたか?腸炎の原因は細菌、ウイルス、ストレスなどよく知られているものの他にも、暴飲暴食や抗生剤、他の病気など、あらゆることが引き金となります。

予防法としては、普段から手洗い・うがいを徹底する、生ものはできるだけ食べない、肉や魚介類を調理する時は中心部までしっかり火を通す、まな板や包丁などの調理器具も熱湯や塩素系漂白剤などで殺菌する、といったことがあげられます。

それから腸内環境が悪いと、免疫力が落ちて細菌やウイルスなどに感染しやすいため、普段から腸にいい食事をとることも大切です。腸内環境をよくして、腸炎を予防するために、こちらでご紹介した腸にいい食事、悪い食事などを参考にして頂ければと思います。