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アナフィラキシーショックの7つの症状とは?5つの対処法で慌てず処置!

アナフィラキシーはアレルギー症状が強く出た場合を言い、それに血圧低下や意識霜害が伴うものをアナフィラキシーショックと言います。身近にあるものにより、短時間で生命に危険を及ぼす可能性がある怖い病気ですので、アナィフラキシーショックが起きた時に何をすれば良いのか普段から考えておきましょう。



アナフィラキシーショックの症状と対処法

日本のアナフィラキシー既往歴のある児童生徒の割合は平成25年度文部省の報告では小学生で0.6%、中学生で0.4%、高校生で0.3%です。また食物アレルギーによるアナフィラキシーで死に至る確率は患者10万人に対して0~19歳では3.25人、それ以上では1.35~2.71人です。死亡原因は医薬品が最も多く、次いで蜂に刺される、食品と続きます。

アナフィラキシーの特徴としては短時間で症状が出ることで、咳や喘鳴などの呼吸器症状が出た場合の1/3がショック症状つまりアナフィラキシーショックに至ると言う報告もあります。

自分のアレルギーの有無について把握し、症状が出た場合にあわてずに対処できるように、普段から考えておきましょう。

アナフィラキシーとは

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複数の臓器のアレルギー反応

アナフィラキシーとはアレルギーの中の1つのタイプで、アレルギー反応が短時間で全身に強く表れることを言います。定義すると「アレルゲンなどが体に侵入して、複数の臓器に全身性にアレルギー症状がおこり、生命に危機を与える可能性のある過敏反応」です。そしてアナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴うものをアナフィラキシーショックと言います。

似た症状で喘息・不安・パニック発作・失神等の症状がありますが、アナフィラキシーは次の3つのうちのいずれかの症状が当てはまる場合を言います。

1.全身の皮膚に発疹・痒み・赤くなると言う症状が出る又は唇・舌・喉の奥が腫れるなどの症状があらわれ、呼吸器の症状(呼吸困難・気道狭窄・喘息・低酸素血症)又は循環器症状(血圧低下・意識障害)のどちらか又は両方を伴い、数分~数時間という短い期間に症状が出る。

2.アレルゲンが体内に入り、皮膚・粘膜症状(全身の発疹・痒み・赤くなる・浮腫)又は呼吸器の症状(呼吸困難・気道狭窄・喘息・低酸素血症)又は循環器症状(血圧低下・意識障害)又は持続する消化器症状(腹痛・嘔吐)の中の2つ以上の症状を伴い、数分~数時間という短い期間に症状が出る。

3.アレルゲンが体内に入ったあと数分~数時間以内に血圧が低下する。

原因

私たちの体には異物が入ってくるとそれを攻撃する「免疫」と言う仕組みがあり、その「免疫」反応で自らの体を傷つけてしまう場合をアレルギーと言います。アレルギーの起きるシステムのひとつとして、IgE抗体が関与する場合があります。

まず体に入ってきた異物に対して作られるIgE抗体が血液に乗って全身にいきわたり、細胞の表面にくっついて待機します。その後、再度入ってきた異物に対してIgE抗体が反応し、細胞からヒスタミン、ロイコトリエンが放出されると即時型アレルギー反応を引き起こします。薬の場合はIgE抗体が関与せずに、直接細胞を刺激し、アナフィラキシーを引き起こすものもあります。

アナフィラキシーを引き起こす原因となる物は沢山ありますが、タンパク質が多いです。食品・ハチ毒・抗生剤等の薬等があげられます。薬によるアレルギーで重篤な状態を引き起こす、スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)がと言うものもあります。

その他にもラテックス(天然ゴム)に反応するラテックス・アレルギーや運動が引き金となっておこる運動誘発アナフィラキシー等があります。運動誘発アナフィラキシーの中でも運動をする前の食事によって誘発される食物依存性運動誘発アナフィラキシーと言うものがあるので、食後2時間は運動を避けた方が無難です。

どのような症状が現れるの?

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全身に現れるアレルギー症状

アナフィラキシーの症状はアレルギー症状が短時間で全身に起こると言う特徴があります。その症状は頻脈・虚脱状態・発熱等多岐にわたります。まず初めに不安感が襲い、チクチクした感じとめまいが襲い、その後すぐにひどくなっていき蕁麻疹や呼吸困難等の症状が複数出たりします。

特にショック症状・意識障害・血圧低下が見られる場合はアナフィラキシーショックで、生命を脅かす危険があり、すぐにでも治療が必要です。次に体の部位別にアレルギーの症状をあげます。

咳や喘鳴または息苦しさ

アレルギー症状の初期症状で、よく現れる症状ですが、耳鼻咽頭のあたりに症状が現れます。

鼻水や鼻汁や鼻のかゆみ・鼻詰まり感やのどのかゆみ・喉がの閉塞感・声が出にくい・声が嗄れる・喘鳴・痰が絡まない咳が断続的に出る等の症状です。重症化すると呼吸が乱れ、胸が締めつけられるなどの呼吸困難の症状が出てきます。激しい咳や喘鳴・気管支痙攣が等の症状出て、顔や唇が酸素不足から真っ青になり、呼吸が停止する場合もあります。激しい呼吸器症状が出でいるときは、すぐに救急車を呼びましょう。

体全身の皮膚の発赤や発疹または粘膜の炎症

アレルギー物質が皮膚や粘膜などにつくと、発赤やかゆみ、蕁麻疹・血管浮腫・麻疹性発疹などが現れます。目の粘膜で起こると、目の結膜の充血・涙が出るなどの症状、口腔内で起こると口内炎・腫脹等の症状が出てくるといわれています。アレルギーが起こっている初期症状のため呼吸器などに異常が現れ、重症化しないかどうか観察が必要な状態といわれています。少しでもひどくなるようであればすくに病院へ行きましょう。

心血管系の異常による胸の痛み

呼吸困難などの症状と同様に強いアレルギー症状で、胸が痛くなったり、頻脈や不整脈または、動悸や血圧低下など起こってきます。

また、失神したり、失神することで、失禁したり、初期症状が出る前に急激な反応によって、ショック等の症状が考えられ、ひどいときは心停止を起こすこともあります。

嘔気、嘔吐や下痢または腹痛

比較的アレルギー症状では、遅くに出てくる症状で、アレルギー物質を吸引したり、食したりすることで、消火器の症状が出てきます。腹痛・吐き気・嘔吐などの上部消化管症状のほか、下痢などの下部消化管の症状が出てくるといわれています。

異常行動やめまい

アレルゲンに関係なく、切迫した破滅感や不安感に襲われる不穏な状態になる等の症状が考えられます。例えば子供であれば突然起こったり行動が止まったり、親にまとわりつく等の行動が変わるといわれています。また拍動性頭痛や浮動性のめまい、または、トンネル状視野等も神経によるアレルギー症状といわれています。

意識障害やけいれん

アナフィラキシーが重篤になってくると、血圧が低下して、意識障害や意識消失が起こります。また、突然けいれん発作を起こしたりすることもあります。このような場合は、すぐに救急車を呼び、患者の容体をよく見ておきましょう。

アナフィラキシーの対処法は?

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食べ物の場合

食事中にアナフィラキシーを起こした場合は、まずは、口の中に物が入っている場合は吐き出させます。

倒れた時などは、体を横にして口の中の食べ物を出させるようにしましょう。いきなり仰向けにすると食べ物を誤って飲み込んでしまい、気道に詰まった場合は危険なので、十分に口の中を確認します。自分で吐き出す事が出来ない場合は相手の背中を強くたたく方法で異物を吐き出させて下さい。

子供の場合は後ろから抱きかかえ、横隔膜の辺りを両手で強く圧迫して一気に吐かせます。但し意識がない場合は無理に吐き出させる必要は無いです。その後は、すぐにその場で仰向けに寝かせ、安静にさせます。

もし呼吸の症状が出ているときはかなり重篤の可能性があります。急いで救急車を呼びましょう。患者を移動させる必要が出来た場合も担架等を利用して、安静を保って運ぶようにしましょう。また、症状が回復したように見えても数時間後に再び症状が表れることがあるので、注意深く観察し、早めに医師の診断を受けてください。

蜂や虫などの場合

アシナガバチ・スズメバチ・ミツバチ等の蜂に刺された場合は、まずはすぐに針を抜くようにしてください。その際、毒のうにという、針の根元についている毒が入っている袋のようなものがあると思います。その毒のうを誤ってつぶしたりすると、毒が針を通して体内に入ってしまう可能性もある為、ピンセットなどを利用して、注意して針を抜いてから刺されたところを周囲から圧迫して毒を絞り出しましょう。

傷口は、すぐに水でしっかりと洗い流し、消毒をします。患部が腫れてきたら冷やし症状がひどいようでしたら、医師の診断を受けましょう。ただし、毒の強いと言われているスズメバチなどの蜂に刺された場合は、すぐに病院へ行かれる事をお勧めいたします。刺されるたびにアレルギーが重篤化する事がある為、注意が必要です。

蜂に刺されると、体内に抗体が出来て、2回目に刺されたときにアナフィラキシー症状が出ると言われています。必ずしもその通りではありませんが、蜂毒が一度にたくさん体内に入れば、1回刺されただけでもアナフィラキシー症状は出ますし、体の中に抗体が出来ていなければ症状は出ないと言われています。

蜂毒の抗体が体内にあるかは検査をすればわかります。蜂毒検査方法には血液検査と皮膚検査があります。この検査でもしも体内に抗体が出来ている場合は治療法として、アレルゲンを定期的に少しずつ体内に入れて慣らす減感作療法と自己注射薬を携帯してアナフィラキシーショックが起きた時に備えるといいでしょう。

毛虫の毛に触れてアレルギー症状が出た場合は毛虫の毛を取り除き、掻かないように注意させます。ムカデ等のその他の虫にかまれた場合も患部を真水で洗い流し、症状がひどい場合は医師の診断を受けましょう。

その他犬猫や野生動物にかまれたときは傷口を真水で洗い、出血がある場合は清潔なタオルで抑えて医師の診断を受けましょう。特に野生動物にかまれた場合は早い時間に受診した方が良いです。野生の動物やしっかり予防接種をして、飼い犬として買われていない犬や猫をむやみに触りにいかないようにしましょう。動物からしか感染しないウイルスや、狂犬病など死に至る伝染病を持っている可能性があります。

薬による場合

薬品によってアナフィラキシーが引き起こされる場合があります。使ったことのない薬を使用する際は慎重に投与されるか、少量を皮下に注射するテスト投与を受けてから、摂取されることが多いですが、投与してから、息苦しさを感じたり、粘膜が腫れてくる、体がかゆくなるなど何らかの症状が出た場合は、、直ちにその薬の使用を中止して病院へかかって下さい。

スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)の原因は医薬品が多いとされています。多臓器障害を引き起こし、死亡率も20~30%と高いです。

この場合原因と疑われる薬品の使用を中止するのは最も必要な事ですが、投与を中止しても重症化することがあるので、注意が必要です。それらの治療は、皮膚科の入院施設のある病院で行う必要があります。早めに医師の診断を受けてください。

アドレナリン薬を太腿筋肉に注射

過去にアナフィラキシー反応を起こしたことがある場合や、アナフィラキシーを起こすようなアレルゲンの抗体が体内にできている事が検査でわかった場合はエピネフリン自己注射用キット(エピペンⓇ)と抗ヒスタミン薬の錠剤を携帯し、症状が出たらすぐに対処した方が良いでしょう。

エピペンとは使用前後に針の見えない、安全性が向上した自己注射薬で、これにより82.2%が症状が改善しています。オレンジ色の先端を太ももの前外側に強く押し付けると、ばねの力で薬剤が注射される仕組みになっています。しかし、エピペンは一時的な補助治療剤なので、その後に必ず医師の診断を受けるようにして下さい。

急に動かさず安静な体位をとる

アナフィラキシー症状が出た場合はすぐにその場で安静にして仰向(仰臥位)けで寝かせるか、血圧が低下しているかも知れない場合は、足を15㎝~30㎝程高くするショック体位にして横たえます。その時人差し指と中指で顎を持ち上げるようにしながら額を押し下げるようにする「頭部後屈あご先挙上法」と言う方法で気道を確保してください。

応急処置と治療法

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気道確保

基本的な初期治療を行っても改善が見えない場合は速やかに救急医療に患者を任せましょう。患者に対して挿管して気道確保が必要な場合は経験豊富な医療従事者が実施する必要があります。

静脈路確保・輸液開始

重篤な症状になり心肺機能停止の危険がある場合は看護師により、速やかに静脈路確保と輸液開始が必要です。緊急輸液として乳酸リンゲル液又は生理食塩水を輸液します。それと同時に血管作動薬を投与します。それでも血圧が上がらない場合はグルカゴンを使います。ステロイドは即効性はありませんが、初期症状が改善した後に再び現れる二相性反応に対して有効となります。

赤ちゃんの食物アレルギーへの対策

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アレルギー検査を受ける

乳幼児期は体の中にIgE抗体が作られやすい上にタンパク質と結合して体外に排出してくれる物質である分泌型IgAが少なく、消化能力が弱いためアレルギーを起こしやすいです。アレルギー症状が出てしまった場合、それが慢性化して治療が困難になる前にアレルゲンを突き止めてそれを生活の中で避けるようにしましょう。

アレルギー症状がアレルゲンに出会ってからすぐに表れる場合は原因アレルゲンを突き止めやすいですが、そうでない場合は注意深く症状を観察する必要があります。出来るだけ早く医者に行き、検査・診断を受けましょう。

検査の方法には次の4つが考えられます。考えられます。

1.血液検査とは特異的IgE抗体検査で、血液を採って、検査したいアレルゲンのIgE抗体を調べます。

2.皮膚検査は皮膚にアレルゲンを付けてみて反応が出るかを検査します。乳幼児の場合はプリックテストと言って、皮膚に浅い傷をつけ、そこにアレルゲンを1滴づつ落とし、変化を観察する方法で行います。

3.除去テストとは食物除去試験で、食物アレルギーが疑われる場合に、その食物を数週間食べないでおいて、湿疹等が改善するかを見ます。

4.負荷試験とは食物負荷試験で、疑わしい食物を食べてみて、アレルギー症状が出るかどうかを観察します。除去食の解除のレベルを決定する為等に使います。強い症状が出る場合もあるので、必ず専門医の下で行ってください。

上記のテストを行い、アレルゲンとの関係をよく観察し、医師と相談しながら正しい診断・治療を受けることが大切です。

予防と治療の基本は食物除去

アレルギーを起こさないようにするには、基本的にはアレルゲンを体に入れない様にする事です。乳児期に作りやすかったIgE抗体も加齢とともに少なくなっていき、アレルギー症状を起こしにくくなってきます。乳児期に多い卵・牛乳・小麦等のアレルギーは3歳になると50~70%、6歳で90%の子供が耐性を持つようになり、食べることが出来るようになります。

1歳まではアレルゲンの食品は口にしないようにし、それ以降は食物経口負荷試験等で様子を見ながらアレルギーに対する耐性を獲得していく様に医師と相談しながら進めてください。

日常生活で大切な予防と対策

食品と違い、家ダニのIgE抗体はいったん作られると一生消えずに、色々な症状を引き起こす原因と成り得るので、掃除等を良く行い家ダニを吸い込ませない様にしましょう。

また最近では皮膚から食物抗体が侵入してIgE抗体を作ってしまう、経皮感作が注目されています。幼児期にアトピー性皮膚炎になると、皮膚の角質層を守る機能が弱くなり、アレルゲンが侵入して抗体を作ってしまう事があります。食物アレルギーの予防のためにも皮膚のスキンケアをしっかりと行ってください。

アナフィラキシーの知識を蓄えて万全に!

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アナフィラキシーは素早い対応が必要です。いざと言う時にあわてず対処できる様に知識を蓄え、普段から体の状態を観察する様にしましょう。また一度は症状が治まったように見えても再発する危険性があるので、早めに医師の診断を受け治療する様にして下さい。