TOP > 薬を探す > 塗り薬 > アンテベート軟膏の効果と8つの副作用とは?ステロイドの強さを解説

アンテベート軟膏の効果と8つの副作用とは?ステロイドの強さを解説

アンテベート軟膏は、皮膚の赤みやかゆみを和らげたり、湿疹や皮膚炎の治療に処方されるステロイド外用薬です。ステロイド外用薬の中では比較的強い軟膏になりますので、自己判断で使ってしまうと、症状を悪化させることにもなりかねません。どんな症状のときにどのくらいの期間使用したらいいのでしょうか?副作用はどんなもの?アンテベート軟膏を使用しない方がいい人って?アンテベート軟膏のなぜ?を解説します。



アンテベート軟膏の効能と副作用

アンテベート軟膏とは一体どのような軟膏なのでしょうか?どういった場合に塗るのが最適であり、どのような効果や効能があるのか、ご存知でしょうか?もし、間違った使い方をしていると、症状が悪化してしまったり、肌のトラブルの原因になる恐れがあります。

また、軟膏といっても、副作用が出現することもあります。アンテベート軟膏を使用すると、どのような副作用が出るのかを知っておくと、副作用が実際に出現したときに、医師に相談しやすくもなります。今回は、アンテベート軟膏について、効能と副作用などについて解説していきたいと思います。

アンテベート軟膏とは

http://gty.im/906147630

ステロイド外用薬で、主に湿疹・皮膚炎の治療に用いる

アンテベート軟膏は、皮膚の赤みやかゆみをとったり、湿疹や皮膚炎の治療に効果があるといわれているステロイド外用薬です。

ステロイドときくと、なんだか副作用がすごそうなイメージがありますが、もともと、人間の体の中にも「ステロイドホルモン」が産生されており、体内でなんらかの炎症が起こった際にその炎症を抑制する作用をもっている、体の免疫を司る大切なホルモンなのです。

自分では炎症を抑制しきれなかった場合に、この人工的に作られたステロイドホルモンで、短時間で炎症を鎮め、腫れや赤みを取ることができ、かゆみや痛みを緩和させることができるといわれています。そのため、アトピー性皮膚炎や乾癬(かんせん)など、色々な湿疹や皮膚疾患に広く処方されています。

しかし、ステロイド外用薬は、症状をとる対症療法薬となりますので、病気そのものの原因を治すことはできません。皮膚をよりよい状態に保ち、かゆみなどでかきむしったりして皮膚の状態を悪化させる悪循環を断つという意味ではとても有用な軟膏といわれています。

アンテベート軟膏はどのくらいの強さのステロイド外用薬?

ステロイド外用薬は、薬の強さから5つに分けられています。

・弱め

・普通

・やや強め

・強め

・最も強め

大まかに分けると、この5つです。その中でも、アンテベート軟膏は4番目の・強めに属するステロイド剤で、大人では体幹部、子供では腕や足などに処方されることが多く、吸収率の高い顔や外陰部にはあまり使用されないとのことです。大人の場合ですと、連続使用は1週間以内にとどめ、子供の場合は数回に抑えて使用することが大切です。

ステロイド外用薬は、強さが強ければ強いほど薬の効果は高くなるのですが、扱い方を間違えると皮膚のトラブルが起きてしまう可能性も高くなってしまうため、医師薬剤師による使用上の注意はしっかり聞き、必ず守ることが大切です。

病院で処方してもらう

アンテベート軟膏は、ステロイド外用薬のなかでも2番目に強い薬ですので、処方箋を必要とする処方薬となります。そのため、日本では原則処方箋がない場合は、ドラッグストアなどでは市販されておらず、入手することができません。

アトピー性皮膚炎や皮膚湿疹、尋常性乾癬などの皮膚疾患に対して、よく保湿剤として使われるヒルドイドソフト軟膏とアンテベート軟膏が一緒に処方されることが多いです。

アンテベート軟膏の効能

http://gty.im/760158269

主に皮膚の痒みや赤みを緩和

アンテベート軟膏は、皮膚の炎症を鎮める作用をもっているため、皮膚にできた赤みやはれ、かゆみなどの症状を改善する効果があるといわれています。通常、湿疹や皮膚炎などの治療に処方される塗り薬です。

効果のある症状

では、アンテベート軟膏は具体的にどういった炎症が生じたときに処方されるか紹介します。

・手湿疹、進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎を含む湿疹・皮膚炎群

・アレルギー性疾患

・虫刺され

・円形脱毛症

・肥厚性瘢痕・ケロイド

・多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑などの紅斑症

・乾癬

・ストロフルス、じん麻疹様苔癬、結節性痒疹を含む痒疹群

・アミロイド苔癬

・天疱瘡群、ジューリング疱疹状皮膚炎・水疱性類天疱瘡などの水疱症

・薬疹・中毒疹

などが挙げられます。比較的強い炎症が生じた場合に、処方されることが多いとされています。

しかし、原因がちゃんと判明していない場合の皮膚の炎症やかぶれ、湿疹などに自己判断でアンテベートを使用してしまうと、症状が悪化してしまう可能性も否定できないため、使用する場合は皮膚科医に相談してから使用するようにしましょう。

アンテベート軟膏の使用方法

Embed from Getty Images

適量を患部に薄く塗る

アンテベート軟膏の塗り方ですが、人差し指の第一関節分くらいの量を、両手の平を広げたくらいの範囲に塗ります。第一関節分の軟膏を5ヶ所くらいに点々をつけて分散させた後、叩き広げるようにして広げて塗っていきます。軟膏を塗り終え、ティッシュペーパー1枚をその皮膚の上に置いて、逆さにしてもしばらく落ちない程度が適正量の目安といえます。

皮膚は表皮の奥にある真皮で細胞分裂がおこり、新しい細胞が生まれて表皮になるまでに約3週間という日数を必要とします。湿疹などで赤みやかゆみをともなう炎症が数日間アンテベート軟膏を塗って治ったようにみえても、実際は皮膚の奥ではまだ炎症が続いており、塗るのをやめた途端再発する可能性もあります。軟膏は医師が指示した通りの期間を守って塗ることが大切です。

指を使った場合は手を洗う

患部が指である場合以外は、指で軟膏を塗った後はしっかりと手を洗って、指に軟膏が付いたままにしないようにしてください。万が一、目に入った場合は水で洗い流し、それでも何かおかしいと思ったら、眼科医に相談しましょう。

軟膏を塗った部分を覆わない

医師、薬剤師の指示がある場合以外は、軟膏を塗った患部をバンドエイドやガーゼで覆ってしまうと、薬効が強く出すぎてしまうことがあるため、患部を覆わないようにしましょう。

塗り忘れてしまっても、2回分を1度に塗らない

もし、医師から指示された時間に薬を塗り忘れたとしたら、気づいたときに塗るようにしましょう。もし、気づいた時間が、次の軟膏を塗る直前の時間だった場合は、塗り忘れた分を塗らないで、次に塗る分だけ塗るようにしましょう。くれぐれも2回分を1度に塗らないように気をつけましょう。

皮膚が敏感な場所は使用しない

医師から指示がある場合以外は、顔、鼠径部、外陰部、脇の下など、皮膚が薄い場所や粘膜には効果が強く出る場合があるため、塗らないようにしましょう。

アンテベート軟膏の副作用

http://gty.im/533672472

免疫力低下による症状

アンテベート軟膏は、ステロイド剤の中でも、強い効果のある薬に分類されるため、副作用が生じる可能性があります。基本的には、短期間使用する分には副作用が起きることはないとのことですが、長期にわたって使用をすると、副作用があらわれる可能性が出てくることを知っておくことが大切です。

まず、アンテベート軟膏に限らず、ステロイド剤を長期間使うと、免疫力が低下してしまい、副作用が出現する場合があります。

例えば、

・ニキビや吹き出物ができる

・爪に白癬(水虫)が生じる

・カンジダ症になる(女性に多い)

などが挙げられます。

特に、ニキビや吹き出物などの副作用はできやすいといわれていますが、アンテベート軟膏の使用を止めると症状は改善されることが多いとのことです。

皮膚萎縮

その他にもステロイド剤の長期使用は、皮膚の繊維を作ることが難しくなるために出現する副作用があります。

・皮膚が赤くなり細いシワが出来る

・血管が透けてみえる

・皮膚が薄い気がする

など、これらは皮膚萎縮といわれる副作用です。痛みなどはなく自覚症状が乏しいままこれらの症状が現れることが多くあるといわれています。皮膚萎縮の副作用もアンテベート軟膏の使用を止めると症状は改善されることが多いとのことです。

シミ・体毛が濃くなる

アンテベート軟膏に限らず、ステロイド軟膏を長期間使用していると、ホルモンバランスが乱れてしまい、産毛が増えたり濃くなったり、シミが発生することがあるそうです。この症状は、女性や小さい子供などによく見られる症状といわれてます。気になり始めたら、アンテベート軟膏を処方した医師に相談しましょう。

皮膚線条(皮膚割れ)

ステロイド軟膏の長期間の使用により、皮膚の組織が分離、断裂し、赤紫色のひび割れのようなすじが見えることがあります。これを皮膚線条といいます。皮膚線条は、皮膚が伸び縮みしやすい胸、お腹、太ももなどに見られることが多いとのことです。

皮膚線条は皮膚萎縮とは異なり、皮膚のより深い部分である真皮が断裂して起こっているため、治療するのが困難だといわれています。

毛細血管拡張

ステロイド軟膏の長期間の使用により、萎縮していた毛細血管が弱くなり拡張してしまうことで、血管が透けて見えるようになる可能性があります。そのため、毛細血管が広がっている場所は、赤く腫れたようにみえることがあるそうです。一般的には顔でも特に頬でよく見られます。

酒さ様皮膚炎

ステロイド軟膏を顔に長期間使用することにより、赤みや熱を伴う潮紅がみられることがあります。これは、後にニキビのような膿疱をつくることもあります。この症状を「酒さ様皮膚炎」といいます。

酒さ皮膚炎を治すには、ステロイドの使用を中止することが必要になります。ステロイドの使用を急にやめてしまうと、症状が悪くなってしまう可能性があるため、医師に相談するようにしましょう。

全身性副作用

ステロイドを使うことで考えられる全身性の副作用としては、易感染症、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、満月様顔貌、白内障、緑内障、眼圧亢進など様々な症状があるといわれていますが、これらのどの症状も、ステロイド軟膏を使ったからといって、副作用としてひき起こされることはほとんどないそうです。

後ほど、説明いたしますが、ステロイド軟膏は、「アンテドラッグ」に分類され、塗った部分以外、体に副作用が現れることが少ない薬となっているそうです。

確かに、ステロイド軟膏を使ったら、これらのような病気が出現してしまう方はいらっしゃるそうですが、ステロイド軟膏との因果関係はほとんどないと考えられています。心配なようでしたら、皮膚科の医師に相談するとよいでしょう。

アンテベート軟膏使用時の注意事項

http://gty.im/760160269

細菌やウイルス、真菌などによる皮膚感染症と診断された方

細菌やウイルス、カビなどの真菌による皮膚の感染症にはアンテベート軟膏は原則使用されないそうです。この中でも特に、とくに、皮膚結核、梅毒性皮膚疾患、口唇・顔面ヘルペス、カポジ水痘様発疹症、性器ヘルペスなどの単純疱疹、水痘いわゆる水ぼうそう、帯状疱疹などは禁忌といわれています。

また、重いやけどや皮膚潰瘍、切り傷にも使用しない方がよいでしょう。これらにアンテベート軟膏を含むステロイド外用薬を使用すると、かえって症状が悪くなったり、治りが遅くなる危険があるからです。

鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎と診断された方

鼓膜に穴があいている湿疹性外耳道炎と診断された方も、穿孔部位の治癒が遅れる可能性や、感染する危険性があるので使用を控えましょう。

潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷がある方

潰瘍や2度以上の熱傷や凍傷がある方は、ステロイド外用薬を使用すると皮膚の再生が抑制され、治癒が大変遅れる可能性や、感染する危険性があるので使用しないようにしましょう。

高齢者

アンテベート軟膏に限らず、すべての薬において、高齢の方は皮膚代謝が遅く、薬剤が体内に残留する時間が長いので、薬が効きやすく副作用もでやすい傾向にあるといわれています。このため、薬効を始めは低めにし、徐々に強くしていくなど、慎重に用いることが大切です。長期大量使用の場合は、副作用が何かでていないか観察を行い注意することが必要です。

妊婦・産婦・授乳婦等

妊娠中・産婦・授乳婦の方は、全身への影響がでるほどの長期にわたるステロイド軟膏の大量使用は避けたほうがよいといわれています。通常量の範囲でしたらまず心配はないそうです。

妊娠中は、飲み薬よりも副作用が少なく安全であるといわれている外用薬が処方されることが多いといわれています。ステロイド外用薬の一般的な用法・用量ですと、体内への吸収量は無視できる位の量で、胎児に影響を及ぼすことはないそうです。

しかし、万全を期すのであれば、長期にわたる大量使用は避けたほうが良いとされています。ここで言う長期とは数カ月以上のことを指し、大量とは両腕全体への使用や、1日に10gチューブをすべて使い切るような量のことを指します。通常の範囲でしたらまず心配はないと言っていいでしょう。

小児等

赤ちゃんの皮膚は薄く、とてもデリケートなので、ステロイド軟膏が処方される場合には、重症度に応じ、ステロイド軟膏の薬の強さや、使用量、使用期間を医師が慎重に考えたうえで処方されます。とくに乳児期のアトピー性皮膚炎は、とびひが合併されやすいので、適切に対処することが大切になってきます。

オムツで軟膏を塗った部分を覆ってしまうと、局所作用が強まり、より体内に吸収されやすくなり副作用も出やすくなるため注意が必要です。

医師の指示がある場合以外は、12歳以下の子供にも使用しないでください。まだ、安全性と効果が明らかになっていない部分もあり、危険を伴う可能性があります。

アンテベート軟膏のジェネリック薬品

Embed from Getty Images

サレックス軟膏

先発医薬品と比較し、ジェネリックは薬価が安いのが特徴です。これがジェネリックを希望する最大のメリットです。デメリットとしては、先発医薬品に比べて薬のあたりはずれがあるという点です。これは先発品の特許が切れても、先発医薬品と全く同じ添加物を使用できないというルールが存在するため別の添加物を入れる必要があり、薬の効き目に強弱がでる可能性があるそうです。

鳥居薬品からでているアンテベート軟膏が先発品で、薬価は31.9円です。サレックス軟膏は岩城製薬から出ているもので、薬価は15.2円になります。

アンフラベート軟膏

こちらは、前田薬品からでているジェネリックで、こちらも薬価は15.2円となっています。

ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏

こちらは、日本ジェネリックからでているジェネリックで薬価は15.2円となっています。

アンテベート軟膏は「アンテドラッグ」

Embed from Getty Images

「アンテドラッグ」は副作用が少ない

アンテベート軟膏などのステロイドの塗り薬は、飲み薬のステロイドとは異なり、「アンテドラッグ」という薬になります。これは、内服薬ではなく外用薬として使うことで、心配なステロイドの副作用を大幅に軽減する効果をもつ薬のことをいいます。

アンテドラッグでは、ステロイドの薬剤が塗った皮膚以外は、皮膚からステロイド薬剤が血管に入ったとしても代謝作用により薬としての効果や副作用があまり起こらないように作られています。つまり、ステロイド外用薬を塗った部分は薬としての効果を発揮しますが、体内に入ると、薬は不活性化され、薬効はほとんど無くなるというものです。

ですので、必要以上にステロイド剤だからと心配して、医師の指示より少なめに塗るなどしていると、治りが遅くなったり、効き目が悪いからと、さらに強力なステロイド剤に変更になる可能性も出てきてしまいます。

まとめ

Embed from Getty Images

皮膚疾患の症状が医師の目から見てひどいと判断されたときは、まず強いステロイドにあたるアンテベート軟膏を炎症の「火消し役」として処方されることがあります。これは、すばやく炎症を和らげることが、治療の第一歩といってもよいからです。

ステロイドの強さが強いからといって、不安になって躊躇しないほうがいいでしょう。中途半端な使い方は、中途半端に治療を長引かせることにもつながってしまいます。医師から指示された十分量を使用し、早く治すようにしてください。その後、維持療法があれば、様子を見ながら弱いものに切り替えてもらっていけば大丈夫だそうです。