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胆嚢炎は中年女性が要注意!7つの原因とサインを見抜く6つの症状

胆嚢炎は胆嚢の炎症が起きて腹痛や発熱といった症状を伴う病気です。急性と慢性がありますが、特に中高年の女性に多い傾向があるといわれています。また食べるのが大好きで、お酒とおつまみが夕食代わりなんて方は予備軍かも?右のみぞおちの辺りが痛んだり、右肩が特に痛いといった症状があれば危険なサインかもしれません。ここでは胆嚢の役割から解説をしていき、胆嚢炎がどんなものかわかりやすく解説していきます。



女性に多い胆嚢炎とはこんな病気

胆嚢炎という病気はあまり馴染みがなく、よく知らないという方が多いと思います。そもそも、胆嚢は何をしている臓器なのかもよくわからないでしょう。胆嚢は目立たない存在ですが、大事な役目を担っている臓器です。胆嚢炎は単なる炎症にとどまらず、癌を合併している場合などもあるため怖い病気といえます。

胃が痛いときは感覚として胃が痛いのかお腹が痛いのか区別しやすいかもしれませんが、胆嚢が痛いというのはあまり実感しにくいと思いませんか?胆嚢炎の痛み方にはいくつかの特徴があるといわれています。その症状を知っておくと胆嚢炎の早期発見にもつながるので、ここで知っておくと良いでしょう。

すでに胆嚢炎と診断された方に対しても、治療法や合併症などについて役立つ情報をご紹介していきたいと思います。そして、胆嚢炎にならないようにするための食事方法などについても紹介するので、ぜひ参考にして予防に努めてほしいと思います。

胆嚢炎とは

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胆嚢が炎症を起こす病気

胆嚢炎は胆嚢に炎症が起きている状態をいいます。もともと胆嚢は肝臓で作られた胆汁を貯蔵していて、コレステロールや脂溶性ビタミン、脂肪などを腸から吸収しやすいように変化させる役割があり、全般的には消化吸収を助ける役割があります。

この胆嚢に胆石が詰まり胆嚢管をふさいで、胆汁が流れでるのをさまたげることで胆嚢が炎症をおこして、胆嚢炎になってしまうのです。肝臓と胆嚢、小腸をつないでいる胆道は複数の小さな管で構成されていますが、胆嚢炎になると胆汁が管をとおって肝臓から胆嚢、小腸へとスムーズに運べなくなるため炎症が起きます。

胆石はある場合、多くは胆嚢炎を併発することもありますので、既往のある方は経過観察しておくことが大切です。

中年女性に多い病気

胆嚢炎の好発年齢は、40~50代に多いようです。男女比では女性が男性の2倍多いと言われていて、そのうち胆石を持っている人に胆嚢炎が起こりやすくなります。これは日本の食生活が欧米化して、高脂肪高カロリーの食事を好むようになってから増加傾向にあるようです。

胆嚢炎は胆嚢がんに移行する可能性が高いので、早期発見早期治療がとても重要になってきます。基本的に胆汁の成分が固まってできる胆石は、胆嚢炎になりやすいので早めに胆石を発見して、治療しておくことも大切です。中年以降に多いのは、長年の過食やストレスなど生活習慣も影響してくると考えられているため、胆嚢炎は生活習慣病の延長線上にあるものだと考えられます。

急性と慢性に分類される

胆嚢炎には急性に起こるものと、気が付かず慢性化しているものがあります。どちらも痛み方は最初に胆嚢の付近が痛みますが、胆石が動いた時の痛みとは異なり、より激しく長時間起こるのが特徴です。

急性胆嚢炎はある時突然起こることがあります。胃のあたり胆嚢の付近に激しい痛みが生じることが多く、お腹を抱えるほど痛みが激しい場合が多いです。急性胆嚢炎の患者さんの95%もの方に、胆石がみられるので、胆石が出来た時に悪さをするような胆石は早急に治療しておくことで、胆嚢炎は予防することも可能です。

一方慢性胆嚢炎では、長期間胆嚢に炎症が起こっておりほぼ100%に近い確率で、胆石が原因となる疾患です。チクチクするような痛みが繰り返し起こったり、胆石疝痛と呼ばれる継続した痛みの発作が起こるのが特徴です。急性胆嚢炎の時点で治療ができていないと、慢性化することが多いです。

胆石も胆嚢炎も、実は自覚症状がほとんどないと言われています。見逃してしまうと胆石や炎症を起こして急性胆嚢炎になり、慢性化してひどい場合は胆嚢がんになることもあるので、早期発見のためにも、エコーで胆石があるかどうかを継続的に検査するようにしましょう。

胆嚢炎の症状

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腹痛

胆嚢炎の症状として一番多いのが、ご飯を食べ終わった後などに右上腹部に激しい痛みが生じることでしょう。この痛みは背中まで起こり、中には右肩に痛みが走ることもあるようです。胆嚢付近では、一時だけ胆道が詰まって閉塞してしまうので、軽い心窩部の痛みが生じたり吐き気がすることもあるようです。

また、痛みが持続していくと、右上腹部の痛みが強くなる傾向にあるようです。痛みが起きている時間はおよそ6時間以上続き、中には半日ずっと痛みの継続がみられることもあるようです。痛みが頂点に達する時間は、痛みが発生してからおよそ15~60分くらいだと言われており、その後は激しい痛みは緩やかになり、一定な痛みが続いていきます。

胆嚢炎はあちこち痛みが分散している感じですが、通常は胆嚢が存在している右上腹部に痛みが出ると言われています。医師の診断による触診で右肩腹部を軽く押すと、それだけで激しい痛みを感じることがあるといわれています。また深呼吸すると痛みが増強するのも特徴的です。

吐き気

胆嚢炎になると、胆道が閉塞したことによりさまざまな症状がおこりますが、吐き気や嘔吐も症状の一つになります。

症状の強さは個々により異なりますが、若い人が発症すると痛みが激しく起こるのに対して、高齢者の方が胆嚢炎を起こすと、全身症状が唯一の症状になります。食欲不振や嘔吐、疲労感や脱力感を訴え、炎症が起きているからといって発熱があるとは言えないようです。

発熱

急性胆嚢炎になると、その患者さんのうち3分の1の確率で発熱が生じるそうです。胆嚢炎の炎症で全身にも炎症症状が起こり、38℃くらいの高熱が徐々に出てきて、熱の出始めに悪寒がすることもあるようです。ただし、症状が比較的長期にわたる慢性胆嚢炎では、熱が出ることはあまりないようです。

食欲不振

胆嚢炎になると、消化機能が低下してきて食欲が減退することもあります。特に高齢者の方が胆嚢炎になると、胆嚢炎の他に合併症を起こしている場合もあるので、何となく食欲がわかないという程度でなく、激しい食欲不振が続くことがあるようです。

こういった食欲不振が原因となり検査すると、胆嚢炎が見つかることもしばしばあるようです。

疲労感や脱力

疲労感や脱力感などが出ることもあります。からだが何となくだるい、重いという症状にも注意が必要です。高齢者でははっきりとした症状がなく、疲労感や脱力感が出る場合もあるため観察しておくことが大切です。

黄疸

胆嚢炎になると急性や慢性に関わらず、黄疸が生じることがあります。皮膚や目の白目の部分が黄色に変色してきたり、便が濃い黄色や薄い色の便がでることもあるようです。これは総胆管に胆石が詰まり、肝臓に胆汁が充満してしまうことから、うっ血症状ができている可能性があります。こうした症状は膵炎でも起こる可能性があるので、診断の時に鑑別をしていきます。

胆嚢炎の原因

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胆石によるもの

胆嚢炎の原因は、胆石が影響していることが多いのは述べてきましたが、こういった胆石が出来る原因には、コレステロールが多い食生活で起こっていることが知られています。胆石は、肝臓から不必要に多く分泌されたコレステロールが、胆嚢内にあつまってコレステロールの結晶になってきます。

胆汁の中にコレステロールが高いものが多い場合や、胆嚢が収縮機能が下がったりしたときに、コレステロール結晶になりやすく、胆嚢に石が徐々に大きくなっていくのです。コレステロールは普通は水には溶けません。ですから次第に大きくなった胆石は、居場所を無くして移動していきます。

胆石の物理的な移動する時の痛みや、胆汁の中の胆汁酸による化学物質が刺激を与えて炎症が起こってしまうのです。こうした胆石は、時に細菌に感染することもあり、炎症がひどくなってしまうこともあります。

暴飲暴食などの食生活

胆石は普通に生活している場合は、あまり起こることは少ないようです。どちらかと言うと暴飲暴食が続いている、脂肪分を多く摂りすぎているといった食生活の乱れがそのまま胆嚢になって現れるのです。こうした生活を送っていると、余剰の胆汁が次第に固まっていき、コレステロールで作られた結晶になって胆嚢内に胆石という状態で存在してしまいます。

スナック菓子や加工冷凍食品などの悪い油で揚げたものを良く食べる人や、アルコール、コーヒーなどの嗜好品の摂りすぎも胆嚢炎になりやすい生活だと言えます。

暴飲暴食になると、十二指腸が炎症を起こしてしまいます。そしてそこに胆石があると十二指腸の乳頭部というところにある括約筋が弛みやすくなり、十二指腸液が胆管に逆流してしまいます。こういった時に細菌が胆管に感染しやすく、炎症がおこる引き金になっているともいえます。

便秘やストレス

便秘やストレスなどがあると胃腸の動きがよわまって胆嚢炎のきかっけとなるとも言われています。便秘は水分不足や、筋力の低下、ホルモンバランス、食物繊維不足などからも起こりますが、ストレスによっても胃腸のぜん動運動が弱まって便秘になるといわれています。

また、ストレスが溜まるとつい暴飲暴食に走りがちになってしまいます。ストレスの発散は食事に走らずに、なるべく適度な運動や趣味に没頭するなど、健康的な方法で行うように気をつけましょう。もし、何か食べないと気が済まないという方は、なるべく脂肪分が少ない食べ物で気分転換するようにしてください。

膵酵素の逆流

原因の多くは様々な原因による胆石が作られたことが胆嚢炎を引き起こすといわれていますが、膵酵素の逆流も原因になることがあるようです。膵臓の酵素が何らかの理由によって胆嚢へ逆流することが原因となるのです。

膵臓はリパーゼという脂肪分を溶かす酵素を分泌していて、脂肪分を取りすぎているとリパーゼも多く分泌されてしまいます。脂肪分の取りすぎは胆石の原因にもなるので控えることが大切です。

細菌感染

胆嚢炎を起こす原因には、細菌感染も関与しています。胆石が体の中にあるときに、胆管が詰まってしまい、その際腸内細菌などに細菌感染してしまうことで胆嚢炎が起こるのです。しかし、胆石を伴わないタイプもあります。こうした胆嚢炎は、手術後やほかの疾患によって胆嚢炎が起こっているものになります。

喫煙

喫煙することは、胆嚢の動きに影響を与えるという報告があります。そのため、胆石や胆嚢炎の発症に喫煙による影響もあるのではないかと考えられていますが、まだ詳細は明らかにはなっていないようです。

胆嚢や胆管の腫瘍

胆嚢や胆管に腫瘍がある場合にも胆嚢炎を引き起こす場合があるといわれています。胆嚢の腫瘍、胆管の腫瘍(胆嚢がん、胆管がん)の場合には、胆石がある場合が多いといわれおり、胆嚢炎の症状を起こしやすいためだとされています。また、胆嚢炎があると胆管癌にもなる恐れがあるため注意が必要といわれています。

胆嚢炎の検査と診断

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身体症状の有無

急性胆嚢炎などの胆嚢炎については診断を行うときに、ガイドラインに従って検査などを行っていくことになります。右上腹部やみぞおちの痛みなどの有無、発熱などがあるかどうかなどの身体症状の有無を確認していきます。また、黄疸の症状もないか確認するため、白目や皮膚が黄色いなどの症状があるかどうかを見ていきます。

血液検査

胆嚢炎を疑う時は、全身の炎症反応がどれだけあるのかを血液検査を通して行います。特にCRPは炎症性の反応があると高値を示しますから白血球といった他の血液検査とともに、炎症が起こっているのかの判断ができます。また栄養状態や肝臓胆嚢の様子もある程度予測が可能になります。

血液検査の他は、超音波検査で胆石の有無を確認したり、胆管の太さを計測したりします。超音波検査を行うと、肝臓や胆嚢の様子が画像を見て診断でき、血液検査と合わせて、胆管が閉塞しているといった機能的な異常を確認することが出来ます。

もし血液検査の結果で他の臓器に異常がみられる場合は、胆嚢炎になっているほかにも合併症が発見されることもあります。膵炎などはその筆頭で、膵酵素(リパーゼやアミラーゼ)といった値が高くなっていきます。白血球が多い時には炎症が起こっている事が多く、その他として膿瘍や壊疽、胆嚢に穴が開くという穿孔が起こっている状態が考えられます。

超音波検査

胆嚢炎が疑われるときには、超音波検査は腹部のエコー検査を行いますが、胆嚢がある付近を上からプローブを当ててどのような状態であるのかを観察していきます。

超音波の検査では、胆嚢にある胆石や閉塞しているか否かをチェックしていきます。超音波検査は、胆石があれば、ほぼ100%の確率で石を見つけることができます。また、総胆管結石も90%くらいの確率で発見することができるという、痛みのない検査としては大変優れた検査方法です。

超音波検査は、体に害のない音波を当てて検査することができるため、経過観察として何度行っても体には負担の少ない検査です。しかし炎症が起きている最中は、プローブを当てるだけで痛みを訴える方もいらっしゃるので、注意が必要です。

超音波検査は、急性胆嚢炎でしばしばみられる胆嚢の周囲にある胆嚢壁が厚みを増している状態や、体液が貯留しているといった変化も見逃さずに発見することができます。しかし、炎症の度合いはエコー検査だけでは、確定診断はできませんので、血液検査や触診、問診の結果で診断をしていきます。

レントゲン検査

胆嚢炎を特定するために必ず必要とされてはいませんが、レントゲン検査を行うと、胆嚢炎以外の疾患を鑑別するために必要だと言われています。ちなみに、区別すべき疾患としては、腸閉塞や、胃や腸の穿孔などがあります。

コレステロール胆石はレントゲンには映りにくいこともあるので、胆石はやはりエコー検査でじっくり観察するほうが良いでしょう。

CT検査

CT検査はレントゲン検査と同じ放射線を利用した検査で、レントゲンと違うところは内蔵などを細かな断面にして画像をみることができます。体を少しずつ輪切りにしていきますが、検査中は痛みは全くなく、ある程度の時間はかかりますが検査はレントゲンより精密です。胆嚢炎がある時は、お腹の中に膿が広がってしまっていないか、胆嚢に穿孔が起きていないか、などを画像より診断していきます。

MRI検査

CTよりも更に細かな検査ができるのがMRIです。これもCT検査と同じように身体の断面を画像で見ることができ、磁気を利用した検査ですので検査の時は金属など磁気に吸い付くようなものは外して検査します。

胆嚢炎が疑われる場合はMRCPという検査も有効で、造影剤を使わずに映像で診断できるのが非常にメリットです。これにより総胆管に胆石が詰まっていたり、胆嚢の入口に詰まっていたりする様子を発見することができます。

内視鏡的逆向性胆道膵管造影

このほかには、内視鏡的逆向性胆道膵管造影(ERCP)という検査もあります。これは腹部に内視鏡を入れていき、十二指腸から総胆管の入り口までに造影剤を注入していきます。

そしてレントゲン検査を行うと、胆嚢の総胆管や胆嚢の様子が良くわかります。また胆石の有無も同時に発見できるのです。この検査では内視鏡を入れて造影剤を注入するので、麻酔をかけて行います。

胆嚢炎の治療

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投薬

急性胆のう炎では、抗生剤使って細菌感染を抑えていきます。投与は点滴で静脈内投与することがおおいようです。一般に抗生剤の投与が有効であることが多いといわれています。抗生剤が効いてくると炎症やまずは全身状態の改善が期待されます。その後、炎症や感染が落ち着いてから、必要に応じて手術治療を行なうことになるようです。

また、胆石症の場合には、胆石に対する治療が必要なこともあります。胆石の薬物療法については、ウルソデオキシコール酸などの胆石溶解剤などを使った治療が行われるのが一般的です。

胆嚢ドレナージ

胆嚢炎の治療の一つとして、ドレナージ術という方法があります。これは経皮的に胆嚢を穿刺して、X線で確認しながらワイヤーガイドでチューブを胆嚢内にいれていきます。そして入れながら超音波で胆嚢を観察していきます。

また、チューブから胆嚢内に溜まった余分な胆汁を外に排出させます。この方法は成功率が高く、その後も良好なので一般的な方法になっていますが、体に穴をあけて検査をするということから、出血したりお腹に入れるチューブがしばらく取れないという不快な感じがあります。しかしこの方法ではお腹の中には血や胆汁が漏れるというリスクもあります。

こういったドレナージ術は、内視鏡的胆嚢ドレナージ(EGD)と言って内視鏡を使用して胆嚢内にあるチューブを胆管・十二指腸・胃・食道を通して鼻から胆嚢内の胆汁を出していきます。ドレナージは経皮経肝胆のうドレナージ(PTGBD)、内視鏡的経鼻胆のうドレナージ(ENGBD)の2つの方法があります。

開腹手術

手術が必要となった場合、開腹手術か腹腔鏡下手術に分かれます。想定外の出血・炎症・癒着などによって腹腔鏡手術を途中で断念し開腹手術を行う場合もあるようですが、通常は腹腔鏡下手術で行うことが優先されているようです。開腹手術の場合は入院期間は1週間程度が見込まれます。また、普通の生活に戻れるまでには4~6週間くらいかかるといわれています。

腹腔鏡下手術

ドレナージ術では処置できないものでは、チューブを使用せず手術を行います。このように手術する時は、胆嚢を摘出するときに行います。手術では、胆石や胆嚢を一緒に取り除きます。手術時間は個人さはありますがおよそ60分ほどで、麻酔からの覚醒を含めても、手術のために必要な時間は1時間半~2時間もあれば終了します。

胆嚢炎を患った方の95%もの人が入院期間が2泊3日で行っており、胆嚢を取り除いた後も後遺症もなく元気になって痛みも段々消えていきます。胆嚢を摘出した後は日常生活は普通にしていて構わないようです。脂肪分の少ない食事をとり再発防止を目指しましょう。

胆嚢炎の合併症

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胆嚢ポリープ

胆嚢炎を患ったときに同時に発見される病気として、胆嚢ポリープがあります。胆嚢ポリープというのは胆嚢の内面にできる、ポリープ(限局した隆起病変)の総称です。基本的には良性のものがほとんどで長期間にわたりおとなしい病気といわれています。しかし、胆のうポリープの中には悪性のもの(=胆嚢癌)がある場合があります。

胆嚢ポリープと診断された場合は、専門の施設で精密検査を受けて鑑別をしてもらうようにしてください。ポリープには5つの種類があり、コレステロールポリープ、腺腫(せんしゅ)性ポリープ、過形成ポリープ、炎症性ポリープ、胆嚢癌があります。このうち、慢性胆嚢炎の場合に見られることが多いのは、炎症性ポリープがあります。

良性のポリープと悪性のポリープの鑑別は、腹部エコー検査やCT、MRI検査で鑑別されますが、一部には鑑別が難しいものもあるといわれています。特に、ポリープが大きくなってきている場合や、血液検査で腫瘍マーカーが上昇している場合は胆嚢癌を疑うことになります。胆嚢がんがある場合は、手術で胆嚢を摘出することがあります。

白血球数上昇

胆嚢炎があると、白血球数が増加してきます。胆嚢炎の場合は中程度の上昇といわれていますが、白血球数の著しい上昇がある場合には重大な合併症があることを示している場合があります。腹部の胆嚢付近に膿瘍(膿がたまったくぼみ)があるか、胆嚢穿孔が起きている場合があるため注意が必要ということです。

胆嚢壊疽

強い炎症が起きたことによって、胆のうの壁の組織が死んでしまった部分がみられ壊疽(えそ)となってしまう場合もあります。また、胆のうに穴があいて(穿孔)、胆汁がお腹の中にもれることがあるといわれています。膿瘍は組織が壊死して起こる壊疽から発生するといわれており、適切な処置が必要となります。

また、無石胆嚢炎では、何の症状もなく胆嚢の病気の徴候がない状態から始まって、突然上腹部に耐えがたい痛みが起こるのが特徴的だといわれている疾患です。この場合、炎症はきわめて重症であることが多く、胆嚢の壊疽や破裂を引き起こすといわれています。

胆嚢穿孔

胆嚢壊疽と同じ理由から、胆嚢に穴が開いてしまうことを胆嚢穿孔(せんこう)と言います。胆のうの壁の組織が死んでしまった部分ができると、胆のうに穴があいて(穿孔)胆汁がお腹の中に漏れてしまうことになります。

細菌感染が起きて、壊死および穿孔を起こしてしまった場合、もし治ったとしても,胆嚢は線維性となって収縮してしまい胆汁の濃縮や適切な排出ができなくなってしまうこともあります。胆嚢炎を放置した場合、患者の10%が限局性の穿孔を起こし、1%が遊離穿孔および腹膜炎を起こすとされています。胆嚢炎については重症化する前に適切な処置を受けることが大切です

膵炎

胆嚢から通過した総胆管結石が膵臓の膵管を閉塞させたり、狭窄(狭くすること)または炎症を起こして膵炎(胆石膵炎)を引き起こすことがあるといわれています。膵炎がある場合には、血液検査で膵酵素(リパーゼやアミラーゼ)が高値になることがあります。

イレウス

急性発作が続くと、腸管の規則的な収縮運動の中断、つまりイレウスができることがあります。腸管の正常な蠕動(ぜんどう)運動の中断がおこるイレウスでは、膿瘍、壊疽(細胞の壊死)、胆嚢穿孔があることを示している場合があるといわれています。

胆嚢炎の予防

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バランスのよい食生活

胆嚢炎は食事が偏っていることが原因で起こる場合が多いといわれています。万が一、胆嚢炎になってしまった場合は、脂質の多い食品や卵などの食品を制限し、胆のう、胆管の収縮をなるべく起こさないようにして発作を予防したり、膵液分泌の刺激を抑えていく必要があるといわれています。

栄養は炭水化物・タンパク質、脂質のバランス良く摂ることが大切です。どれに偏っても、どれかが不足してもよくありません。脂質を減らした代わりに炭水化物を過剰に摂取すると肥満になりやすくなります。

また、肉類、魚類などのタンパク質の少ない食事はビリルビンで作られた胆石の成長を促してしまうと言われているので、しっかり摂取するようにしましょう。ビタミンCとEは、胆汁酸の排泄を増加する働きがあり、胆石を作りにくくします。野菜類や果物などをきちんと摂るようにすると良いでしょう。

脂肪やコレステロールを減らす

コレステロールを多く含む食品はコレステロール結石を生成しやすいので胆嚢炎を起こした人は摂取に注意が必要となります。また、食物繊維を多く摂取すると血中のコレステロールの排泄を促しますので、積極的に食事に取り入れると良いといわれています。

脂肪を分解して消化させるのに、胆のうからは胆汁が多量に分泌されます。これを防ぐには、脂肪が多く含まれている食事をしないことが大切です。また、食べ過ぎを控えて脂肪の過剰な摂取を抑えることが大切です。 魚介類などに多く含まれているタウリンは、コレステロールでできた胆石を大きくならないよう助けてくれます。コレステロールの多い肉類を控えて、魚介類を食べたほうが良いそうです。

暴飲暴食をしない

胆嚢炎はお酒や脂っこい食べ物を好む方が特になりやすい病気といわれています。暴飲暴食はしないように気をつけましょう。お酒の席ではついつい酔いがまわると食欲が刺激されて食べ過ぎてしまいがちです。

もしお酒を飲むときに食べるおつまみのメニューとしては、揚げ物や肉類ばかりにならないように、えだまめ、海藻サラダ、豆腐などを取り入れてバランスよく食べるのがポイントです。

特に、揚げ物、肉の脂身(バラ肉、鶏皮、ベーコン、ソーセージなど)、脂ののった魚(鯖、秋刀魚、鰻など)、バター、洋菓子(アイスクリーム、ケーキ、クッキーなど)、卵、乳製品などは食べ過ぎないようにきをつけるようにしましょう。

胆嚢炎の前兆を見逃さず早目の受診が大切です!

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腹痛が起きたとき、自分ではどこが痛むのかはっきり特定できないことがあると思います。もし、右上腹部が痛んで、発熱や黄疸のような症状を伴う場合には胆嚢炎を疑って早めに医療機関を受診することをおすすめします。

万が一、胆嚢炎になると食事に制限ができて、全く食べられなくなることもあります。さらに膵炎などに進行した場合にも同様に食事を楽しめなくなってしまうでしょう。もともと好き勝手に暴飲暴食をしていたような方が胆嚢炎にかかってしまうと精神的にも大きなダメージがあって辛い思いをしてしまいます。

つまらない思いをしないで済むように、胆嚢炎にならないよう普段からバランスの良い食事を心がけて、予防を始めてみてください。病気を患わうことなく、いつまでも食事を美味しく食べていけるように、日頃の小さな積み重ねが大切といえるでしょう。