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壊死性リンパ節炎は原因不明?彼女も苦しんだ?3つの症状や治療法をご紹介!

壊死性リンパ節炎は、若い女性に比較的多く発症する病気であることもあり、芸能人でもこの病気にかかった人もいて、病気の名前を聞いたことがある方は案外多いかもしれません。壊死性リンパ節炎の詳細について、症状などの特徴を知っていたくことを目的に、この記事を書きました。これを読めば壊死性リンパ節炎を知れる内容になっていますので最後まで是非お読みください。



壊死性リンパ節炎とは

壊死性リンパ節炎(えしせいりんぱせつえん)は、首のリンパ節の腫れと高熱がよく症状としてあらわれるとされる原因がわかっていない病気です。治療法も確立していないとされますが、一方で、1~3か月で良好な経過をとる良性のリンパ節疾患とされています。

壊死というのは、リンパ節内の血流が滞る状態のことを言うとされて、壊死という言葉だけから受ける印象とはだいぶ違う症状の病気ですが、つらい症状が1か月以上続き、また、同じような症状の重い病気があることもあり、この病気を疑われる方は少なからず不安を抱えていらっしゃることでしょう。

そんな壊死性リンパ節炎の症状や検査方法、治療法や、似た症状の病気など詳細に解説します。壊死性リンパ節炎が疑われている人や、まだ病院に行っていない気になる症状のある人の不安解消に、この記事が役立てば幸いです。

壊死性リンパ節炎をもっと詳しく

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高熱とリンパ節膨張をきたす

壊死性リンパ節炎は1972年に福岡大学・病理教室の菊池昌弘教授によって発見され、同年に藤本吉秀氏らによって報告された病気であるとされています。菊池病とも呼ばれています。

この病気は亜急性壊死性リンパ節炎(あきゅうせいえしせいりんぱせつえん)と呼ばれていましたが、近年では組織球性壊死性リンパ節炎(そしくきゅうせいえしせいりんぱせつえん)呼ばれることが多いとされていて、国際的にもこの病名が定着しつつあると指摘されています。

壊死性リンパ節炎は、前兆の症状として扁桃腫大(へんとうしゅだい)を伴う上気道症状(じょうきどうしょうじょう)があらわれるとされます。上気道とは、呼吸器(気道)のうち、鼻から鼻腔、鼻咽腔(びいんこう)、咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)までのことです。それらの症状に前後して、痛みを伴う主に頸部(けいぶ:首)リンパ節の腫大(しゅだい:腫れて大きくなる)がおきるとされます。

腫大リンパ節には壊死巣(血流が無くなる状態)が存在して、組織球と大型のリンパ球が増殖しているとされますが、好中球(こうちゅうきゅう:白血球の一種)などの浸潤(しんじゅん:次第に広がること)は見られないという特異な症状が見られるとされます。また約40%の症例に38度以上の発熱があると指摘されています。

患者の特徴

壊死性リンパ節炎は、若い成人に多く見られるとされます。世界的には東洋人に多くみられますが白人は比較的まれであり、黒人には極めてまれであることが明らかになっていると指摘されています。また全年齢にみられる病気ではあものの、比較的20~30才代の若い層に多く、男性1に対して女性2~3程度で、女性に多くみられる病気であると指摘されています。

原因

壊死性リンパ節炎の原因はいまだ不明とされています。血清学的には(けっせいがくてき:血液の検査分析の結果から)原虫のトキソプラズマや、エルシニア菌、種々のウイルス抗体値が上昇したという報告があるとされます。最近ではヒトヘルペスウイルス6型、8型との関連も指摘されているとようです。またアレルギー説、局所の異常免疫反応説など様々な説があるとされています。

壊死性リンパ節炎の症状

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発熱

壊死性リンパ節炎の症状を見て行きましょう。38度以上の発熱がだいたい1週間程度続き、風邪のような症状を伴うとされています。発熱は1カ月近く下がらない例もあると指摘されています。40%程度の症例において発熱があらわれるされています。

痛みを伴うリンパ節膨張

壊死性リンパ節炎では、痛みを伴い頸部(首)のリンパ節の腫脹(膨張)が起こるとされます。多くの場合は、片側に起きるとされ大きさは小指ぐらいであるとされます。脇の下(腋窩部:えきかぶ)のリンパ節が腫れる場合が、次に多いと指摘されています。

また、少数の症例に顎下部(がっかせん:あごの脇のところ)、そけい部(太ももとの付け根)のリンパ節の腫大が認められるとされています。腫大したリンパ節は一つ一つ分離できて可動性であるとされます。一方で、炎症が顕著な場合には、リンパ性腫大が互いに癒着(ゆちゃく)していることがあると指摘されています。

白血球数減少

壊死性リンパ節炎では、ほとんどの症例で白血球の減少が見らえれるとされます。白血球数は4,000/mm3以下に減少するとされています。この状態は数日から数十日間にわたって続くとされていて、症状が回復するに従って正常値に戻って行くとされています。

壊死性リンパ節炎の診断方法

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血液検査

壊死性リンパ節炎の診断方法を見て行きましょう。血液検査では、以下の項目を検査するとの指摘があります。壊死性リンパ節炎では、一般の炎症性疾患と同様に赤沈(赤血球が沈んで行く速度を測定する検査)が亢進(こうしん)し、血清のCRP値(炎症や組織細胞の破壊が起こると増加する蛋白質の値)が上昇するとされます。

また肝機能を反映するGOT、GPT、LDHの値が上昇し、これらのなかでとくにLDHのレベルは、この病気の重症度(発熱、白血球減少、赤沈亢進、CRPの上昇、肝障害の程度)およびリンパ節の壊死(血流が無い状態)の程度と関連性が大きいとされているようです。

また壊死性リンパ節炎では血清フェリチン値が上昇することが多いとされます。一般に血清フェリチンのレベルは全身にわたる組織球増殖の程度を反映するとされていることから、この病気をふくむ組織球増殖性疾患では必ず血清フェリチン値の検査はしなければならないと指摘されています。

さらに、壊死性リンパ節炎では抗DNA、抗RNP、抗Sm抗体などの自己抗体(抗核抗体(こうかくこうたい)とも言います。抗体によって正常な人にはほとんど存在しない場合と、高率で存在する場合もあるとされます。)が一過性であらわれることがあるとされます。また微生物感染を示唆する抗体が有意に上昇することがあると指摘されます。

超音波(エコー)検査

壊死性リンパ節炎の診断では、超音波(エコー)検査で、リンパ節の血流を確認する検査が実施されることがあるとされます。超音波検査を実施すると大きめのリンパ節では血流のない壊死した領域を確実に確認できるようです。一方、小さなリンパ節でも血流の欠損が画像で判定できるようになってきており、初期の段階で局所的な壊死が始まっていることが確認できる技術が開発されていると指摘されています。

リンパ節生検

壊死性リンパ節炎の検査では、リンパ節の生検が重要であるとされます。生検とは、疑わしい病変の一部を切り取ったり、針を刺して皮下の病変の一部を採取して、検査することです。若い女性の場合は、美容上の理由で傷が目につきやすい箇所の生検は躊躇しがちであるが、そのような場合は、細針生検(針を刺して細胞を採取すること)が勧められるとの指摘があるようです。

壊死性リンパ節炎の治療

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対症療法が中心

壊死性リンパ節炎の治療法について見て行きましょう。一般的には抗生物質は効果が無いとされていて、ステロイド剤や消炎鎮痛剤により対症療法が中心になるとされます。

症状が重篤な場合

壊死性リンパ節炎では、発熱や頸部痛に対して対症療法として、非ステロイド系鎮痛解熱剤が投与されるとされます。また高熱が持続したりリンパ節痛が強い場合にはステロイド剤の内服で治療することがあると指摘されています。また入院しての治療となる場合もあるとされます。

自然治癒する場合もある

壊死性リンパ節炎は、軽症であれば予後は良好な病気で、ほとんどの症例では1~3ケ月で自然治癒すると指摘されています。一方で、まれに死亡例が報告されたことがあるとの指摘もあります。

再発の可能性もある

壊死性リンパ節炎については、時に再発するとされていて、数か月~数年後に約4~5%の症例で再発がみられたとする指摘があります。

壊死性リンパ節炎と鑑別診断される病気

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伝染性単核球症

壊死性リンパ節炎で起こるとされる、リンパ節腫脹については、様々な病気で起こり得るため、他の病気の可能性についても慎重に検査されるとされます。そのような考えられる病気について、見て行きましょう。

伝染性単核球症とは、ヘルペスウイルスの仲間のエプスタイン・バー・ウイルス(EBV:ヒトヘルペスウイルス4型)による感染症で、キスによる感染が多いので一般にキス病とも呼ばれるとされます。日本では2~3才までに70%が感染し、20歳代では90%以上が抗体を持っているとの指摘があります。

小児期の感染では、症状がほとんど出ずに抗体ができますが、思春期以降の感染では50%程度が発病し、ほとんどが感染後数週間で自然治癒するとされます。潜伏期間は30~50日、青年期以降に初感染すると、38度以上の発熱が5~7日程度続き、全身倦怠感のほかに、口蓋扁桃の発赤腫脹、咽頭痛、鼻詰まり、全身特に頚部のリンパ節腫脹、肝・脾腫(ひしゅ)などがあらわれるとされます。

これらの症状は、壊死性リンパ節とよく似ているとされます。また、合併症を併発すると重篤な症状があわられることがあるとされて、神経系合併症、血液性合併症、脾臓破裂、呼吸器合併症、肝合併症などがあるとと指摘されています。

全身エリテマトーデス

全身エリテマトーデスは、英語でsystemic lupus erythematosusといいます。その頭文字をとってSLEと略して呼ばれることがあるとされます。systemicとは全身のという意味で、この病気が全身のさまざまな場所、臓器に、多彩な症状を引き起こすということを指していると指摘されます。

男性1に対して、女性9と圧倒的に女性に多い病気で、小児までと高齢者では男女比はほとんどみられず、20~40才の女性に多く見られるとされます。近年やや発症年齢が高齢化してきているともされています。原因は特定されておらず、誘因としては紫外線(海水浴などによる)、風邪などのウイルス感染、怪我、外科手術、妊娠・出産、薬剤などが知られているとされます。

症状は、発熱、倦怠感、関節炎、発疹(ほっしん)、日光敏感症、口内炎、脱毛、臓器障害などがあらわれるとされます。以前から壊死性リンパ節炎が、SLEに先行したり続発したりする症例が、よく報告されていると指摘されているものの、明らかな関連性が示されるには至っていないと指摘されています。

結核性リンパ節炎

結核性リンパ節炎は結核の既往(きおう:すでに結核と診断された)者、初感染の人のいずれにおいてもみられ,数カ月~1年にわたる慢性的なリンパ節腫脹が症状としてわらわれるとされます。頸部に一つ一つ分離できる性質のリンパ節腫大が起こり、圧痛を伴わないことが多いとされます。

リンパ節の肉眼所見で内部壊死が認められた場合には、結核性リンパ節炎を疑うとされます。結核菌培養により結核菌の存在を確認し、polymerase chain reaction(PCR)検査,QuantiFERON(QFT)2G(結核特異抗原刺激に対する末梢血単核球インターフェロンγ遊離量測定)検査を行うとされます。肺結核を伴わない場合が多く、胸部X線で異常がなくても否定はできないと指摘されています。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、血液中を流れたり身体の中をめぐっているリンパ球という細胞が異常に増えることにより、頸部(首)や腋窩部(わきの下)のリンパ節がはれたり、身体の一部にしこりができる病気です。悪性と病名についていますが,治療により高い確率で治癒をめざすことができると指摘されています。

症状は、リンパ節の腫れが多くあらわれ、頸部、腋窩部の他に、そけい部などが腫れますが、壊死性リンパ節炎と違い、痛みを伴うことは少ないとされます。自覚症状として1.5cm以上の腫れがあることが一つの目安とされます。内臓や消化管に腫れができることもあるとされ、発熱、体重減少、寝汗が多くなるなどの症状がある場合もあるようです。

悪性リンパ腫が疑われる場合は生検や針生検を実施します。また骨髄検査や髄液検査などを実施して骨髄や髄液へのリンパ腫の転移を確認すると指摘されています。

血球貪食症候群

血球貪食症候群(けっきゅうどんしょくしょうこうぐん)とは、骨髄、リンパ節、脾臓(ひぞう)、脳脊髄液などに赤血球、血小板、有核細胞、リンパ球などの血球を貪食した細胞が、一定の程度以上に見出される病気の総称です。血球貪食リンパ組織球症とも呼ばれるとされます。

症状としては、38.5度以上の高熱が7日以上続き、肝脾腫があらわれる場合があるとされます(成人より小児の症例に多いとされます)。またリンパ性腫大が見られる場合があり(あらわれない場合もあるとされます)、小児では皮疹(ひしん)、意識障害、痙攣など中枢神経症状が多くみられるとされます。

さらに黄疸(おうだん)や毛細血管漏出症候群(もうさいけっかんろううしゅつしょうこうぐん)が症状してあわられることがあるとされます。原因となる病気がある場合が多いとされ、悪性リンパ腫、ウイルス感染症、全身性エリテマトーデスなどが考えられるとされます。

治療に際しては、原因となる病気を早期に適確に診断することと、それによる治療方針の違いが理解ができていることが重要であるとされます。

壊死性リンパ節炎:病名を確定する為にも受診を

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壊死性リンパ節炎は、原因不明の病気で、治療法も確立しておらず対処療法的な治療がほとんどとされますが、1~3か月で自然に治癒する場合が多いとされる病気です。ただ、首のリンパ節が腫れて、高熱が続くこともあるとされるため、この病気になった人は心配されるでしょう。

診断が難しい場合があり、また、似たような症状を呈する病気で、伝染性単核球症、全身エリテマトーデス、結核性リンパ節炎、悪性リンパ腫、血球貪食症候群など、内臓の疾患を伴う病気もあります。この記事を読んでいただいた方で、気になる症状がご自身やご家族にある場合は、一度、耳鼻咽喉科など受診して病名を確定しておくと、治療方針などが定まるので安心できるのではないでしょうか。