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頭蓋骨を骨折した!大人と乳幼児別10の症状と検査や治療法と、やっぱり気になる後遺症にはどんなものがあるの?

頭蓋骨を骨折するってどんな時?頭をぶつけても、外側の変化がないなら様子を見ても平気?頭蓋骨は堅いけれど、その中にある脳はとてもやわらかく大切な臓器。そもそも、乳幼児の場合は、頭蓋骨も柔らかいため、大人とは違う症状が出現することも。頭を強くぶつけた時に起こる、頭蓋骨骨折をはじめとする症状について詳しくご説明します!



頭蓋骨骨折とは?どんな種類がありますか?

線状骨折

線状骨折とは、比較的平らなものが当たった場合におこる「ひび割れ線」が入る程度の骨折です。大人の場合には、骨が硬くギブスの役割を担うため、多くの場合は、治療対象にならず経過観察になります。

けれど、乳幼児の場合は、骨が柔らかいため、頭蓋骨同士がぶつかり合い進行性頭蓋骨骨折になる可能性や、骨そのものよりも脳への損傷が大きい場合もあります。

また、まれでではありますが、骨折した部位が中硬膜動脈などの血管を横日っている場合には、血管が損傷を受けて血腫を作ることもあります。

陥没骨折

陥没骨折とは、比較的小さなもの、とがったものなどにぶつかった場合に生じやすい骨折で、頭蓋骨が頭蓋内に陥没した状態のことを言います。

陥没骨折は、損傷の状態によって

  • 皮膚を破り骨がむき出しの状態になる開放骨折になりやすいこと
  • 頭蓋骨が複雑に割れて、骨片が脳に刺さって損傷を起こすこと
  • 陥没した骨がすぐ下の脳を圧迫して損傷をおこすこと

などの場合があり、開放骨折がある場合や、1cm以上の陥没を認める場合には、手術をして頭蓋骨を征服する必要があると言われています。

頭蓋底骨折

頭蓋底とは頭蓋骨の中心部で、脳を下から支ている部分ことで、顔面と頭部の最深部位に当たります。そのため、頭蓋底は、デコボコした多くの穴が開いていおり複雑な構造をしています。

頭蓋底骨折の原因は、

  • 頭蓋骨の骨折が、頭蓋底まで及んだ
  • 眉間部の打撲
  • 耳介部~後頭部の打撲

等による骨折部位への直接の圧迫によるものです。

頭蓋底骨折では、耳や鼻からの出血や、髄液が流れだしたり、頭蓋底の孔を通る神経が損傷し、脳神経麻痺を起こすことがありますが、見た目の印象よりも予後が良い骨折です。

頭蓋骨骨折の症状は?

鼻や耳から液が出てくるって何?

鼻や耳から液が出てくる状態は、頭蓋低骨折により、硬膜が損傷し、脳髄液が損傷した部位から流れ出ている可能性があることを示しています。

そのため、眉間や側頭部、頭蓋を強打した後に、鼻や耳から液が出ている場合には

  • 頭部を平らにして安静にする
  • 髄液が出ている部位から感染を起こさせないように清潔に保つ
  • 鼻から液が出ている時は、鼻をかまない

ことが大切です。

耳から出血

頭部外傷を受けた時、耳から出血を起こしている場合には、頭蓋底骨折を起こしている可能性があります。側頭骨を形成している一つに錐体部と呼ばれる部分があり、外耳道と耳管で外に通じています。この部分の頭蓋底を形成している骨が周囲の組織を傷つけて出血すると、耳から出血することになります。

また、耳から出血だけでなく、出血と一緒に髄液も流れていることもあります。頭蓋底は、頭と顔を支える骨のため、頭部を打撲して耳や鼻から何かが出ている時は、頭蓋底骨折を疑い、硬膜や脳神経が傷ついているかもしれないと考え、とにかく救急車を呼ぶことが大切ですね。

痛みは、直後だけとは限りません

頭蓋骨骨折を起こした時に始めに起こる症状に、痛みがあります。これは、骨折に伴う周囲組織の断裂や損傷によるものです。また、痛みと同時に組織の浮腫みも発生してきます。

出血が解放骨折部位から流れている場合には、内圧が上がらないため、痛みは見た目ほど感じない場合もあります。けれど、損傷部位が脳実質であったり、脳と頭蓋の間などにたまってしまう場合には、出血や脳の浮腫みが頭蓋内圧を高くしてしまい、頭痛として痛みを感じるようになります。

痛みは、頭蓋骨骨折を起こした直後に発症する場合と、出血が血腫となって頭蓋内圧を上げることによっておこる頭痛があります。頭蓋骨骨折が、時間の経過を見る必要性があることが、このことからも納得できますよね。

耳の後ろや眼の周囲にあざが出る

顔面や側頭部を打撲した後に、耳の後ろや目の周囲にあざがでることがあります。これも、頭蓋底骨折の疑いがある症状です。

顔面をぶつけた、側頭部を強打した、けれど外見上の変化は内出血程度でそれほどでもなく、頭痛も収まったのでそのままにして病院にもいかず放置してしまうと、数日後に頭痛やめまい、発熱等が出現し、緊急対応が必要になりこともあります。

頭をぶつけた時の自覚症状がそれほどでもなくても、頭蓋底は複雑な形や多数の孔があるため衝撃に弱い傾向にあります。目の周り、耳の後ろから頸部にかけて内出血を認めたら、迷うことなく病院にいって、脳外科を受診しましょう。

脳損傷

交通事故や転落、転倒等で頭に強い衝撃が加わると、脳そのものが傷ついたり、出血することがあります。これを、外傷性脳損傷、または頭部外傷と呼びます。

頭蓋骨骨折も、交通事故や転落・転倒等が原因で頭蓋骨や頭蓋底に骨折が起こることによって発症し、同時に骨折片などが、脳実質や脳を保護している硬膜・周辺の血管なども、傷つけることがあります。

頭蓋骨骨折により、頭蓋と硬膜との間に出血が起こり、開放性出血の場合には、目で見えますが、骨折しているけれど閉じている場合には、硬膜と頭蓋の間に血腫ができます。これを、硬膜下血腫と呼びますが、その固まりが脳実質を圧迫し、頭痛や局所症状を引き起こすこともあります。

また、脳の組織が衝撃や骨折などにより挫滅することを、脳挫傷と呼び、脳挫傷は周囲の組織の出血も伴います(手足をぶつけた時にできる内出血と同じです)。脳挫傷により出血した血腫が、硬膜の下にたまった場合は硬膜下血腫と呼びます。これは、外傷や受傷直後に出現しないこともが多く、注意が必要です。

脳は大切な臓器のため、硬い頭蓋で守られているため、逆に出血などが起こると、逃げ道がないため、様々は症状や障害が後々起こることがあることを、忘れてはいけないということですね!

赤ちゃん、子供の頭蓋骨骨折の症状は?

けいれん……が出ても、治療をすれば多くは一過性

頭蓋骨を骨折しただけでは、けいれんが起こるとは限りません。陥没骨折などにより、脳の実質が刺激され、脳に異常な電気信号が起こることによって、けいれんを起こすことになります。

頭蓋骨骨折が原因で急性に送るけいれんは、殆どが原因を取り除くことで、繰り返すことはないと言われていますが、まれに(1~2%程度)の子供に、後でけいれんを起こす場合もあります。

陥没骨折などを起こした早期(数時間~数日)にけいれんが起こった場合には、手術をして原因を取り除き、しばらく抗けいれん剤を服用して、異常な電気信号が発生することを抑えることが一般的です。

嘔吐したら、安静を保って病院へ

乳幼児の場合には、骨折などがなくても、頭を強くぶつけると、脳震盪のような状態になりやすいため、嘔吐が見られることがあります。

頭を打って吐いてしまったら、安静にしながら病院に連れて行くようにします。嘔吐=脳に何か起こっているとは限りませんが、経過を見ることが大切です。

嘔吐で気をつけたいのは、受傷直後では見つからなかった骨折や損傷が、徐々に血腫を形成することです。この場合は、受傷後に嘔吐や頭痛などを症状を起こすこともあります。子供は頭が重く視野も狭いので、結構頭をぶつけますから、”そういうこともあるのか”という程度で良いので、覚えておいてください。

頭痛を聞き出すのが、難しいのが乳幼児

乳幼児の場合、うまく「頭が痛い」と表現できないこともあります。泣いたり、頭をさすったり、ということでしかうまく表現できない場合も方が多いかもしれません。

頭痛を尋ねるというよりも、元気がなり、食欲がない、頭を押さえる、頭に触ろうとすると嫌がるなどの、子供が全身で発しているサインを手掛かりにした方が効果的と思われます。頭蓋骨の骨折が疑われているのに外見上に変化がない時は、表情や仕草、活気、食欲、皮膚の状態などを手掛かりに、時間の経過でどう変化しているのかがとても大切です。

顔色が悪い、意識がはっきりしない

頭部骨折をした後、泣いてもケロッとしていれば、多くの場合問題はありません。けれど、顔色が悪い、嫌な汗をかいている場合には、頭の中で出血している可能性もあり、急いで対処する必要があります。

頭部をぶつけて、徐々に返事が緩慢になった、何となくぼーっとしている、顔色が悪い、いつもより手足が冷たいなどの症状が見られた場合には、外見からははっきり判らない骨折がおきており、その骨折片などが原因で硬膜内や頭蓋内で出血を起こしている可能性があります。この場合には、「寝ているから明日、連れて行こう」ではなく、早く病院を受診することが大切です。

元気がない、様子がおかしい

乳幼児は、自分から「椅子から落ちてここを打ったから、病院に連れてってください」とは言いません。周囲の人が見ている前で、頭部を打撲した場合には、大人も注意しますが、目が離れている時や、いたずらをして頭をぶつけた時は、子供自身が隠して言わないこともあります。

そのため、「いつもの違うなあ、元気がないな」とか、頭を押さえたり、落ち着きがなかったりした場合には、頭部を触ったり、「頭ぶつけたりしなかった?」と優しく尋ねてみて下さい。

乳幼児は自分でうまく表現できません。いつもと違うこと、そのものがサインになります。風邪でもなく、お腹の症状でもなく、「元気がない、様子がおかしい」と感じたら、もしかしたら頭蓋骨骨折や頭部外傷の可能性があることも、念頭に置いて症状の変化を良く観察して下さい。

頭蓋骨骨折の検査は?治療は?

レントゲン、CT検査、MRI検査……必要に応じて追加します

頭蓋骨骨折を疑われたら、まずは単純のレントゲン写真を撮って、頭蓋骨にひび割れや陥没がないかを調べます。

子供の場合には、レントゲン上に特に問題がない場合には、経過観察をすることが多いです。CTやMRI歯時間がかかり同じ体位で撮影しなければならないため、眠らせて検査をする必要があります。そのため、検査をするベネフィットが高いと判断された時にCT検査やMRI検査を行います。

硬膜下血腫や脳実質の血腫などが疑われる場合にはCT検査を行い、血管や実質の状態や血管像を知るためにMRI検査を行い、骨折後に起こった脳の状態を診断していきます。

入院による経過観察

頭蓋骨骨折によって、硬膜外血腫や硬膜内血腫が生じる可能性が高い時や、脳実質が腫れて、頭蓋内圧亢進症状が出現する可能性が高い時に、1~2日、入院で経過を観察することがあります。

特に、乳幼児は、自分で症状を訴えることができないため、暗線を保つ意味でも念のため、入院で経過をみることもあります。

頭部骨折による脳への急性の症状はおおよそ24~48時間以内で発症することも言われています。その期間を安静にして、特に症状の変化がなければ、多くの場合は問題ないと考えて良いということにもなりますね。

手術が必要な場合

陥没骨折では、開放骨折であったり、1cm以上へこんでいる場合には、手術を行うことが一般的です。これは感染予防のためと、けいれん発作が反復化しないためでもあります。

また、骨折などにより急性硬膜外血腫ができた場合には、意識障害や麻痺などの神経障害や、CT検査で1cm以上の血腫が認められた時には、手術をして血腫を取り除き、脳の圧力を取り除きます。これは、受傷後数週間から数か月後に発症する慢性硬膜外血腫でも同じ対応になります。

骨折により頭蓋内の出血や血腫も、血腫の大きさと麻痺や意識障害、けいれんなどの症状に応じて、緊急手術を行って、血腫や骨折片を除去することが多いと言われています。

頭蓋骨の骨折の手術は、骨折そのものよりも、骨折にとってどれだけ、脳に影響を与える可能性があるかによって手術を行っているとも考えられますね。

頭蓋骨骨折の後遺症

てんかん

先程もご説明したように、頭蓋骨骨折が原因で、脳実質が損傷した場合に、けいれんを起こす事があります。原因を取り除いた後でも、ごくまれに、けいれん発作が反復化し、てんかんと診断されることがあります。

けれど、現在は、抗けいれん剤を服用することで、てんかん発作を起こさずに日常生活を送ることができますし受傷時にけいれんを起こした場合には、予防的に抗けいれん剤を服用し、異常な電気信号が起きないようにするなどの対処も行われています。

手足のまひ

脳実質の血腫や、頭蓋低骨折による脳神経の圧迫で、手術をした後も手足のまひが残ることがあります。けれど、今はリハビリテーションを受傷後早期に始めることによって、麻痺を固定化させず、残存機能を維持することで、手足のまひも回復可能になってきています。また、補助具もさまざなに工夫されたものが多くあります。

リハビリテーションは辛いですが、あきらめないで続けることが大切です。そのためには、本人の頑張りを支える家族のサポートも重要になります。

高次脳機能障害

脳は、外部からの刺激(目に見えるもの、聞こえるもの、触れるもの等)を、記憶や感情などから意味づけを行い統合し、意味のある言動や行動を瞬時に行っています。この機能高次機能と呼びます。この機能を司る脳の一部が骨折や脳挫傷等が原因で損傷を受けたことよって、認知機能に障害が起こることを高次脳機能障害といいます。

高次機能障害は、記憶ができない、注意力がなくなる、物事の計画を立てたり実行することができない、突然暴力をふるったるするなどの症状や、視覚の一部が欠損したり見えているものが何かを判断できないなど社会生活を送ることに不自由な障害が起こることになります。

頭蓋骨骨折や頭を強く打った後に、性格や行動、認知障害がある時には、高次機能障害が起こっている可能性があります。「何か変だな」と感じたら一度検査を受けに行くことをおススメします。今は、高次脳機能障害の方を支援する窓口も増えています。早めに診断を受けてリハビリを開始することが大切です。

まとめ

いかがでしたか?頭蓋骨骨折の種類と症状、治療についてご説明してきました。参考になりましたでしょうか。

頭蓋骨は堅いけれど、その中にある脳はとてもデリケート。頭蓋骨に受けた衝撃が、脳を振動させたり出血させたりすることもあります。骨が陥没した、血や液が出ているといった見た目に変化があれば、誰もが救急車を呼んだり、病院に連れて行きますが、脳内部だけで起こったことはすぐには見えないからこそ、注意が必要なんです。

頭をぶつけた、高いところから落ちた、転んで頭を打った、だけどとりあえず元気に見える乳幼児や高齢者の方には、周囲に人がその後の症状の変化に注意を配ってほしいと思います。もちろん、これは、あなた自身にも言えること。頭を強くぶつけたら、念のために病院を受診することをおススメします。