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扁桃腺が大きい人は要注意!扁桃摘出による7つのメリットデメリットとは?扁桃腺の病気と治療法をご紹介!

扁桃腺が大きいと悩んでいませんか?ここでは、扁桃腺の病気と治療法、そして、扁桃摘出手術のメリットとデメリットについてなど詳しくみていきましょう。



意外と多い?大きい扁桃腺持ち

喉にはいくつかのリンパ組織のかたまりがあって、体の免疫力を作り、また、鼻や口から細菌が気管や肺へ侵入するのを防ぐ働きをしています。これらのリンパ組織は扁桃といわれていて、一般に扁桃腺と呼ばれる口蓋扁桃のほか、アデノイド(咽頭扁桃)、舌根扁桃、耳管扁桃などが喉を囲んでいます。

扁桃腺とアデノイドは4~8歳の幼小児期に働きが最も活発になり、大きさも最大になります。その後、年齢とともに徐々に縮小し、大人ではほとんど認められなくなるのが普通です。ですが、扁桃腺が大きいままの人が結構いるのです。

扁桃は、細菌の侵入口にあり、また、表面に穴がたくさんあるため細菌の巣になりやすく、本来は感染を防ぐ役割を果たしているのですが、かえって感染源になってしまう場合があります。こうした感染を繰り返している扁桃は、大人になっても縮小しきれずに炎症が続き、ある程度の大きさを保っています。これは慢性扁桃炎といわれる状態です。

大きい人は要注意!扁桃腺の病気

扁桃炎

扁桃炎には慢性扁桃炎と急性扁桃炎があります。疲れがたまっていたり、風邪をひいて体力が落ちているときなど、いろいろな病原体に対して免疫力が不十分な場合、病原菌やウイルスが増えてしまいます。この際、喉の免疫器官の扁桃腺が病原体と戦い赤く腫れている状態が急性扁桃炎になります。

扁桃炎の症状としては、急に高熱や寒気、頭痛、全身の倦怠感、関節痛などの症状があらわれます。喉の痛みのほか耳の下から首にかけて腫れと痛みが出ます。喉の奥を見みると、両脇が赤くはれているのが見られ、扁桃炎の特徴的な症状です。

高熱と激しい喉の痛みで、食欲不振になることが多く、熱は2~3日で下がる場合もあれば、1週間程度続く場合もあります。もともと扁桃腺が大きい人が扁桃炎になると、呼吸困難やいびき、食事が食べにくい、といった症状もあらわれます。

症状がひどいと、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍に発展する場合もあり注意が必要です。

扁桃肥大

症状としては、一般的にはのどちんこの両側にある扁桃腺が大きく肥大していることを指します。いびきや摂食障害や呼吸困難、そして睡眠時無呼吸症の原因となりますが、そのような症状が無い場合には経過観察されます。

扁桃周囲膿瘍

急性扁桃炎の後に扁桃腺の周囲にまで炎症が発生し、咽喉の激痛を起こします。これを扁桃周囲炎といいます。これが発展すると扁桃のまわりに膿が溜まる扁桃周囲膿瘍となる場合があります。

炎症が起きた際の治療法

抗生物質の服薬・点滴

ウイルス性の扁桃炎の場合は、一般的に、風邪をひいたときと同様の治療が行われます。解熱剤の服用や積極的なうがいを行い、安静にすることで、1週間程度で自然に治ります。

細菌性の扁桃炎の場合では、一般的に、抗生剤の服用が行われます。しかし、症状が強い場合は抗生物質の点滴が行われます。また、症状を和らげるための解熱剤や消炎鎮痛剤、うがい薬などの処方がなされます。

切開による膿の摘出

扁桃炎が悪化して、高度の扁桃周囲膿瘍になった場合は、メスで切開し、排膿といって、膿を摘出する治療が行われます。この場合は、クリニックなどでも治療を受けることができます。

扁桃摘出手術

扁桃炎が繰り返す場合や、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍などの炎症を起こす扁桃は、膿が広がって生命に危険を及ぼす可能性があるので扁桃摘出手術をするのが良いとされているそうです。

また、扁桃肥大の程度が強く摂食障害や呼吸困難の症状が起こる場合にも、扁桃摘出手術が行われることがあるそうです。扁桃腺をとることを口蓋扁桃摘出術(こうがいへんとうてきしゅつじゅつ)といいます。口蓋とは口の入り口のことで、扁桃腺は半分以上肉の中に埋まっているので、この扁桃腺を丸ごと取るそうです。手術は全身麻酔で眠った状態で行われます。

手術自体は大がかりな手術ではないのですが、扁桃腺をぴっちりと縫合するのは難しく、術後出血のリスクがあるため、手術はクリニックなどでは行われず、病院で入院して受けることになります。そして外出中に出血したら危険なので外出は禁止で手術後1週間入院となるそうです。

こんな時には、摘出手術を

炎症(発熱)が続く

炎症(発熱)が続き、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍などの炎症をおこし、命の危険も脅かすような重症化する可能性がある場合は、扁桃摘出手術が行われることがあります。

扁桃炎による咽の痛みや高熱を繰り返すがあります。習慣性扁桃炎というのですが、年に4、5回以上繰り返す場合や、溶連菌(溶血連鎖球菌)による扁桃炎を繰り返す場合には、扁桃摘出が勧められます。

腎炎が疑われる時

扁桃炎の原因菌となりやすい溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌は、腎炎やリウマチ熱、心内膜炎、皮膚科的疾患などを引き起こすことがあります。

腎炎が疑われたり、まれにIgA腎症という腎臓の病気になったときには、腎臓の状況の悪化を防ぐために扁桃腺の摘出手術が行われます。

肥大した扁桃腺で呼吸が困難になった時

肥大した扁桃腺で呼吸が困難になったり、食事が困難になった場合や、大きくなって気道が狭まり睡眠時無呼吸症候群の原因になる場合は、扁桃腺摘出手術が行われます。

扁桃摘出手術のメリット

炎症の頻度が下がる

一回扁桃腺をとってしまえば今までの高い熱やひどく喉の痛むことはなくなります。ただし、扁桃腺が腫れることはなくなりますが、喉の粘膜が腫れて熱が出たり喉が痛くなることはおこります。

手術で喉の粘膜を全部とるのではないので、全く喉が痛くなることがなくなったり、全く熱が出なくなるのではありません。しかし、炎症の頻度が下がります。

重症化を回避出来る

扁桃炎が悪化して、扁桃周囲膿瘍になり膿が広がると命を脅かすこともあります。扁桃腺摘出により重症化を回避できることがあります。

また、腎臓の病気の原因が扁桃腺に潜んでいる溶連菌などの細菌が原因のことがあります。病巣感染といいますが、扁桃腺をとることで腎炎などの腎臓の病気が重症化するのを回避できる場合があります。

腎臓は体の中の不要な物質を尿中に出す大事な役割をしています。もし腎臓が機能を果たさなくなったら透析といって、週に何回か通院して何時間もかけて体の中のいらないものを取り除く治療を一生続けなければならなくなります。

呼吸が楽になる

扁桃肥大により、気道が狭まって呼吸が苦しかったり、呼吸困難になっている場合、呼吸が楽になる利点があります。

また、子供の睡眠時無呼吸症候群の多くは扁桃肥大とアデノイド増殖症が原因なので、扁桃摘出による効果が期待できます。大人の睡眠時無呼吸症候群の場合は扁桃肥大だけでなく、鼻炎や肥満など様々な要因が重なっていることが多いので一概には言えないのですが、重度の睡眠時無呼吸症候群でも扁桃摘出によって正常になる例もあり、呼吸が楽になるそうです。

扁桃摘出手術のデメリット

術後の痛み

扁桃摘出術で最も注意しなければいけないのは、術後の出血ですが、全身麻酔下で止血されます。

手術後数日間、特に大人で喉の痛みが強い場合があるようです。しかし、徐々に良くなっていくそうです。

全身麻酔のリスク

扁桃腺を摘出するためには全身麻酔での手術が必要なので、リスクが生じます。そのリスクよりも扁桃腺を取ることでのメリットが上回る場合は手術が検討されます。

全身麻酔の合併症や偶発症としては、肺炎(誤嚥性肺炎)、吸入麻酔薬の刺激や使用薬剤のアレルギー反応で気管支痙攣(喘息発作)を起こす可能性、麻酔や手術の消毒などで使用する薬が体に合わなくて、蕁麻疹や呼吸困難、麻酔薬により筋肉が硬直したり高熱が生じたりする危険な状態になる遺伝的な異常である悪性高熱症が起こる人もいます。

手術に際しては、同意書のサインが必要なので、どれくらい扁桃炎で生活に支障が出るか、抗生物質の投与では効果がないかなどをよく検討して同意しましょう。

味覚障害、空嘔吐、声変わり、頭痛、喉の違和感等の後遺症が出る場合がある

手術操作による神経損傷や、開口器(扁摘しやすいように口を大きく開く器械)による舌の圧迫などによって、味覚障害が起こることがあります。

扁桃腺の大きい症例では、鼻に通った声に声変わりすることがあるそうです。形態が変わることによって、共鳴構造が変化するのです。

扁桃摘出後、残りのリンパ組織が代償性に肥大することにより、喉の違和感が出ることがあります。そのほか、空嘔吐や頭痛の後遺症などが出る場合があるようです。

抵抗力の低下からの再発や感染症

扁桃は免疫に関係する臓器なので、手術で摘出してしまうと、免疫の機能に影響がでるのではないかということが危惧されます。この点に関しては、扁桃摘出術やアデノイド摘出術を行った子供たちと手術を受けていない子供たちとでの比較を行った、いくつかの研究があります。

これらの研究では、確かに、アデノイドや扁桃を摘出すると、検査上の免疫に関する数値が、わずかに低下するようです。しかし、これらの値は、時間の経過とともに元のレベルに回復することが確認されているそうです。

また、感染症などにかかる割合を比較すると、手術を行った子供たちと手術を受けていない子供たちとの間に、差は見られないということも報告されています。これらのことから、扁桃を摘出する手術を行っても、免疫が下がるといった心配はないと考えられ、再発や感染症の心配もないものと思われています。

子供の摘出手術は慎重に

子供の場合、適応年齢は、通常4~5歳以上だそうです。しかし、睡眠時無呼吸症候群などで適応がある場合は、もっと低年齢でも摘出手術を行うことがあるそうです。

扁桃腺は免疫を担当する臓器ですが、成人と同様に小児でも、免疫機能は扁摘前後でほとんど差がないという報告が多くあります。幼児期になると他の扁桃組織が十分発達しており、扁摘を行っても代償されるからと考えられています。

扁桃摘出は、扁桃周囲膿瘍のような特殊な場合を除けば緊急を要することはなく、全身状態が良好な時期に行うべきで、麻疹(はしか)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、百日咳などの伝染性疾患に罹っている時はしてはいけないことになっています。幼児期に罹りやすい疾患ですので、子供の摘出手術は慎重に行われます。

まとめ

扁桃腺が大きい人は、慢性扁桃炎の可能性があります。そして、扁桃に病原菌が常在している場合、疲労などで体の抵抗力が弱った時や、新たな細菌の侵入を受けた時などに、扁桃炎が再燃してしまいます。

扁桃炎を繰り返したり、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍などを起こしたり、腎臓などの病気を発症する可能性があります。また、扁桃肥大で、食事が困難になったり、呼吸が困難になったり、睡眠時無呼吸症などのおそれがあります。

扁桃腺が大きい人は一度耳鼻科を受診してみるとよいでしょう。そして、扁桃摘出手術が必要になった時には、メリットやデメリットを考えてから判断しましょう。