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トラゾドン錠、デジレル、レスリンはうつ病の治療に処方される薬です|服用時の注意点や減薬について

お医者さんにかかると、いろんな名前の薬を処方されます。でも、名前だけ見ても、意味が分からない横文字だらけで、どんな薬だかわかりませんよね。ここでは、「デジレル」「レスリン」「トラゾドン錠」という、同じ成分で同じ効用があるお薬について解説します。名前にこれらのカタカナが並んでいたら、是非ご
参照ください。



「トラゾドン」が処方されるとき

どんな時に処方されるの?

このお薬は、主に「(比較的軽めの)うつ病」に使われる薬です。多分「眠れない」「なんか不安」「気分が落ち込む」などの症状で、精神科か心療内科に診てもらいに行っってもらったと思います。

ひょっとしたら「頭が痛い」「なんか心臓が痛い気がする」みたいな症状で内科などで診てもらって、そこから紹介されて行った病院・クリニックでもらったかもしれません。

頭痛を見てもらった内科でも「悪いところはありません」、心臓を見てもらいに行った循環器科でも「問題ありませんね」などとどこに行っても調子の悪さの正体が分からず、わらをもつかむ思いで心療内科のドアをたたいた人もいるかと思います。

そこで処方される可能性があるのがこの「トラゾドン」の成分が入ったお薬です。そして、最初は1週間か2週間くらい後に予約を取って「指示通り飲み続けてどんな様子だったか教えてくださいね」と医師から指示が出るのではないかと思います。

参考:製品詳細情報

なんで3種類の名前があるの?

「なんか、タイトルで3種類も名前が出てきたけど、何で?」と思っている人はスルドイ人!「デジレル」と「レスリン」は「先発医薬品」といい、日本で最初に売り出した会社が出している薬です。厚生労働省が一定期間特許を出しているお薬です。

「トラゾドン錠」という名前がついている薬は「後発医薬品=ジェネリック薬」といい、特許期間が過ぎたお薬を、厚生労働省の許可を得て作った薬です。

トラゾドンというのは成分名で、正式には「トラゾドン塩酸塩」といいます。3つはこの成分を有効成分とした薬です。

だから、「つなぎ」になる、主要な成分以外のところがちょっと違うだけで、基本は同じ薬です。

ジェネリックは開発費などが抑えられているので、先発医薬品に比べて安く売られているのが特徴です。

どんな人が飲むの?

このお薬をもらった人は多くの場合「うつ病」か「うつ状態」と診断されているはずです。うつ状態とは、気分が暗く落ち込んでしまう状態です。

いままで興味や関心があったことに取り組む気持ちがなくなってしまったり、何もする気が起こらなくなってしまいます。

元気な時にも落ち込むことがあるとこんな風になりますが、うつ状態が「一日中ずっと、ほとんど毎日、2週間以上にわたって続いた」時に、他の体の不調がないことを確かめてからうつ病と診断されます。

他の脳の病気などでも似たような症状が出てしまうことがあります。他の病気が隠れていないことを確認して診断することを「除外診断」といいます。

うつ病と「トラゾドン」の関係

もっと詳しく「うつ病」のこと

うつ病とは、ストレス(心のストレスもありますが、「寒い」「暑い」「痛い」などの体のストレスもあります)をはじめとしたいろいろな原因でなる、脳の機能障害です。

よく「心の病気」と言われますが、今では「脳の病気」であることが分かってきています。この病気にかかると、脳内の物質がうまく機能しなくなり、否定的なこと、暗いことや、「自分はダメな人間だ」などといったことばかり考えてしまうようになってしまいます。

これはとっても辛い状態です。考え方が弱ってしまっているので、ちょっと元気がないときでも乗り越えられてきたことすら乗り越えられなくなり、また「自分はダメだ」に拍車をかけてしまいます。

また、何をしても楽しくないので、生きている意味が分からなくなってしまいます。

体にも辛い症状が出ます。「眠れない」、「食べられない」といったものや、頭痛・肩こりや、その他様々な辛さが襲ってきます。

この病気は治る病気だと言われています。お薬で症状を楽にしたら、ストレスの対処法を身につける「認知行動療法」などの治療を行い、元気になったら治療完了です。

ストレスを受けやすい人であることは間違いないので、お医者さんの手を離れても自分で気を付けて生活する必要があります。

トラゾドンは何で効くの?

うつ病がどうして発症してしまうのかは、実は明確には「これ!」という研究結果は出ていません。

脳というのは、とても複雑で、様々な役割を持った部位が様々な物質をやり取りして体のあちこちを動かしたりモノを考えたりという動作をさせているということは分かっているのですが、すべては解明されておらず、うつ病についても「こうじゃないかな?」という仮説を立てて、それに基づいて製薬会社が薬を作っているのが現状です。

でも、効果がちゃんと確認されて薬の認可が出ているので、不安になることはありませんよ!トラゾドンは「セロトニン」という脳内物質のやり取りが、脳の中でうまくいっていないからうつ病が引き起こされる、という考えに基づいて作られています。この考え方を「セロトニン仮説」といいます。

「セロトニン仮説」って何?

うつ病になるのはセロトニンが足りないから、という仮説です。

ほかにも、他の物質が足りないからうつ病になるという別の仮説もありますが、トラゾドンはこの仮説でできているお薬です。

その仮説とは、こんなものです。脳の中ではセロトニンが活動することで、意欲をアップさせてくれたり、ものの見方のバランスを取ってくれたりします。

そのセロトニンを、シナプスという脳内物質をやり取りをするための器官が受け取ったり出したりしています。

セロトニンをシナプスがうまく受け取れないでとりこぼしてしまうと、必要なセロトニンをうまく使いこなせなくなり、結果としてセロトニンが足りない!と言うことになってしまいます。

そこで、トラゾドンは、脳の他の神経細胞にセロトニンが吸収されてしまわないようにブロックをする役目を果たし、結果シナプスがセロトニンをとりこぼす量を減らす、と考えられています。

服用時の注意点

副作用はどんなものがあるの?

まずは、眠気が出ます。

なので、眠っては絶対いけないことをしているとき…例えば、車の運転であるとか、危ない機械の操作であるとか(シュレッダーの前でうとうとしていたら長い髪が巻き込まれてしまった…とか、思わぬ機械がとんでもなく危なかったりします)、高いところでの作業であるとか、そういうものは服用中は避けてください。

お薬を増やしたり減らしたりするときに、精神的に揺れてしまうことがあるようです。抗うつ剤を飲んでいるのにうつっぽさが増したり、逆にイライラしてしまったりすることがあったら、医師と相談してください。

飲み初めに多い症状のようで、飲み続けることで落ち着くこともあるようなので、医師の指示に従うことが大事です。

ときに、やたらと喉が渇くことや、便秘になってしまうこともあるようです。抗うつ剤などの精神科のお薬にはありがちなことなので、医師に伝えれば手を打ってくれるはずです。

このお薬は副作用が少ないほうだと言われています。でも、お薬なので、副作用の危険はどのお薬にも含まれています。

上記のような症状は、自分で気を付けたり、主治医と相談したりしながら増やしたり、減らしたり、別の薬に変えたり、様子を見たりと調整できますが、のんびりしていてはいけない副作用もあります。

明らかにそれとは違う、もっと緊迫した感じの異変…例えば、気を失ってしまったとか、筋肉がこわばっているとか、意識が混乱して普通と違うようになってしまったとか、そういう重篤な副作用が、本当にまれですが起こることがあります。

本当に本当にまれなので「そんなの怖いから飲みたくない…」と思う必要は全くないのですが、万が一そのような症状が出てしまったら、迷わず救急車を呼んでください。

処方を受ける時の注意は?

お薬を処方される前に気を付けておかなくてはならないこととしては「医師に自分の状態をきちんと伝える」ということです。

症状を伝えることはもちろんのこと、他に何かの病気でお薬を飲んでいるのならば、それを医師にきちんと伝えてください。中には一緒に飲むと体に悪影響を及ぼす薬もあります。

医師に「この人にこの薬を出しても大丈夫かな?」という情報を伝えておかないと、自分の身が守れません。

他にも「前にこういう病気になった」「前に飲んだこの薬でアレルギーが出た」などの情報は大事です。初診の時に聞かれると思いますが、その時に思い出せなくても思い出した時には必ず伝えなくてはいけません。

診察室でいきなり言われても思い出せないとか、うつ病のせいでぼんやりしてしまってうまく伝えられないなどの時は、家で落ち着いていられるときに気になることを紙に書きだしておいて、それをもって診察に臨むと伝え忘れが減ります。

心療内科や精神科によっては、あらかじめ初診時に診察の前に書く、そういう情報を知らせるシートをインターネット上に公開し「お家で書いて持ってきていただいてもいいですよ」と言っているところもあります。活用してみてください。

服用中の注意は?

車などの運転は控えるべきだということは上で書きましたが、大事な点です。中には車に乗ることが前提で暮らしている地域にお住まいの方や、車でお子さんや介護の必要なお年寄りの送迎をするような、車必須の生活をしている方もいらっしゃると思います。そうした場合も、家族などお願いできる方に運転を代わっていただかなくてはならなくなります。

それは大変なことだと思いますが、是非周りの方にお伝えください。車に乗ることをお仕事にされている方の中で、時々眠ってしまったり意識を失ってしまって交通事故を起こしてしまう話をニュースで見かけることがあるかと思います。ニュースの話はいろんな事情があって、他の病気だったり眠らないで車を走らせなくてはならない仕事だったりと、お薬と関係がないこともありますが、もしも薬を服用していて眠くなったら…ゾッとしますよね。

もしもお仕事で車の運転や機械の操作などをなさっている方がいらしたら「会社に言ったらクビになってしまう…」などといった不安が、うつ病に覆いかぶさるようにして生じると思います。

でも、死んでしまうかもしれないことを頭の中に置きながら、家族や会社と相談してください。

その他に気を付けなくてはならないことがあります。

お酒は飲まないようにしてください。

アルコールを一緒に服用すると、トラゾドンの効果が必要以上に高まって危ないことになることがあるそうです。

これは、精神科のお薬の他にもいろんなお薬で注意されることです。

このお薬は比較的軽いうつ病の方に出されることが多いお薬で、これを飲みながらもお仕事に通われる方も多いと思われます。

人付き合いがあるとどうしてもお酒の席が設けられてしまうこともあるでしょう。歓送迎会、納涼会、忘年会などなど…そういったときも、お薬を飲んでいる間はノンアルコールドリンクで乗り切ってくださいね。

トラゾドンと「サヨナラ」するとき

服用を終える時はどうなるの?

うつ病が楽になってくると、薬が必要ないと医師が判断すると思います。しかし、医師は「すぐに止めていいよ、もう来なくても君は元気になったから大丈夫だよ」とは中々言ってくれないでしょう。

なぜなら、薬を止める時にコツがあるからです。

トラゾドンがなんでうつ病に効くのかはお話ししましたが、トラゾドンは、元気な考え方の元となる脳内物質セロトニンをほかのところへやらないでちゃんとシナプスへ届けてあげることで元気を取り戻そうというお薬です。

脳は、その動きをお薬に助けてもらいながら徐々に元気を取り戻してきました。しかし、突然お薬の助けがなくなってしまったら…

例えば、骨折をした人が、今まで杖を突いて歩いていたのに、急に「あなたの脚は元気になりましたのでもう杖は突かせてあげません」と言われたら、杖ありきで歩いていた人はびっくりしてしまいます。

ひょっとしたら、杖のない歩き方を忘れてしまっていて、足がもつれて転んでしまうかもしれません。そうしたらまた杖が必要になってしまいます。もしくは、杖があったからこそ歩けていて、実は脚は治っていないなんていうこともあるかも…。

それと同じことが脳で起こってしまうと考えると分かりやすいかもしれません。このお薬は、医師の指導の下、少しずつ減らしていって最後ゼロにするという止め方をします。

少し減らして様子を見て、大丈夫ならばまた少し減らして、と加減を見て調節します。ですから、お薬の素人である患者が自己判断で急にやめてはいけません。

まとめ

うつ病は周りがみんな真っ暗に見えてしまう、とてもつらい病気です。前にも書きましたが、主治医の指示に従って服薬をして楽になってきたら、今度は「ストレスに弱い自分」を要領よく生きさせてあげるための訓練も必要になってきます。

うつ病は再発率が高い病気で、再発をするたびに再発率がさらに上がる病気です。

うつ病になったことを、自分の性質の棚卸をする、神様がくれたタイミングだと思って、しっかり治してくださいね。

もう真っ暗な世界に戻ってこないように。