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耳垢塞栓って?難聴とは違う?耳掃除のやりすぎでなるって本当!?耳掃除の正しいやり方5つと予防法を紹介!

耳垢塞栓(みみあかそくせん)って聞いたことありますか?耳鼻科ではよく見られる症状で、毎日何人かは治療のために訪れるそうです。どんな症状が出て、どう対処すれば良いのかをご紹介したいと思います。もしかしたらあなたも耳垢塞栓かも知れませんよ?



耳垢塞栓のすべて

耳垢塞栓(みみあかそくせん)ってなんでしょう?字からすると耳垢がたまって、耳の穴が詰まることなのでしょうか?今回はこの聞きなれない疾患について、その原因や症状、予防法や、除去する方法までとり上げてみようと思います。

耳垢塞栓ってなに?

耳垢が詰まってしまう状態のことです

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耳垢塞栓とは、外耳道の分泌腺からの分泌物がほこりなどと混じることによってできる耳垢が、外耳道全体に詰まってしまう疾患のことを言います。この耳垢を分泌する分泌腺のことをアポクリン腺といい、この分泌腺は殺菌、清浄化作用があると言われていて、耳の軟骨部である外耳道にあります。

耳垢はその形状によって、湿性の耳垢(ベタベタしたもの)と、乾性の耳垢(カサカサと乾いたもの)の2つのタイプに分けられます。日本人には乾性の耳垢が多いとされ、約86%が乾性の耳垢と言われています。西洋人には湿性の耳垢が多いとされていて、耳垢塞栓は湿性の耳垢の人に多く見られます。

ちなみに、アポクリン腺は脇の下にも多く存在しており、湿性の耳垢の人は腋臭(ワキガ)を伴うことが多いです。ただ、乾性の耳垢だからと言って腋臭の人がいないわけではありません。湿性の耳垢の人に多いというだけです。

自然治癒することはありません

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耳垢塞栓は、必ず耳鼻科で治療してもらうようにしましょう。無理に取ろうとすると耳の中で出血を起こしたりします。また、耳掃除をやり過ぎることで、手前にあった耳垢を奥の方に押し込んでしまったり、外耳道を傷つけてしまうと、耳垢が大きな塊になってしまうこともあります。

乾性の耳垢の場合は、通常、あくびをしたり、食事の時の顎と動かす動作などで、勝手に耳から剥がれて外側にポロっと落ちてくるようになっていますので、必要以上に耳かきで耳の中を掃除することはやめた方がよいです。

耳垢塞栓になってしまった場合は、耳鼻科で治療することになりますが、耳鼻科に行ったらすぐに取ってもらえるというものでもありません。前処置として薬を使って予め柔らかくした後に耳鼻科で取ってもらうことになります。手間もコストもかかりますので、耳掃除には十分気をつけましょう。

耳垢塞栓の症状とは?

耳閉感があらわれる

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耳がこもるような感じや、詰まったような感じがすることを、お医者さんの使う専門用語では「耳閉感(じへいかん)」といいます。耳垢栓塞の時にあらわれる、代表的な症状の一つです。

難聴

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耳垢塞栓や外耳道炎になると、耳が詰まった感じがして、耳垢が大量にたまった場合には、耳鳴りや軽い伝音性難聴が起こることもあります。また、この時に自分の声が大きく聞こえる自声強調という現象も現れます。

痛みがでる

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耳垢塞栓を無理にとろうとしたりして外耳道を傷つけてしまうと、そこに細菌が繁殖して外耳道炎になる恐れがあります。初めは外耳道に軽い痛みやかゆみを感じる程度ですが、ひどくなると激しい痛みで夜も寝られないほどになります。

めまいがする

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耳垢塞栓によってめまいが出るというよりは、両方の耳の外耳道に耳垢がいっぱいに詰まっていて、鼓膜にも付着しているような場合、それを取り除いたあとにふらふらとめまいのような感覚を訴えることがあります。特に老人の場合は危険なので、片側ずつ処置を行うことが通例です。

若い人の場合でも、最後に吸引をしなければ取れないような場合、鼓膜を通して内耳から中耳への刺激があるため、処置が終わって診察台から降りるときにふらっとすることがあります。

無症状の場合もある

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完全に詰まっている場合には耳閉感や難聴が起きることがありますが、通常は無症状であることがほとんどのようです。その様な場合でも、耳掃除をしたあとやお風呂に入ったあとに急に症状が現れるケースが見られます。

学校での健康診断などで、無症状なのに耳垢塞栓を疑われて耳鼻科の受診を勧められることがあります。それは、耳垢が邪魔で鼓膜が診られなかったことを意味するので、いずれにせよ耳鼻科で耳垢を取り除いてもらって、改めて鼓膜の状態を確認してもらうことが大事です。

耳垢塞栓の原因とは?

埃や汗を含んだ耳垢

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外耳道の外側3分の1は軟骨からできていて、そこを覆う皮膚には耳毛と耳垢腺という一種の汗腺があります。そこからの分泌物の程度によって耳垢がカサカサだったりベトベトだっだりするのですが、これは体質の問題であって病気ではありません。また、耳ダレでもありません。

ベトベトした耳垢にほこりが付着したり、またプールやお風呂に入ったときに耳垢がぬれてしまった場合に、それが外耳道に詰まることによって、耳垢閉塞の原因となります。

外耳炎

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耳かきのやりすぎのやりすぎだったり、無理やり耳垢を取ろうとした時、また子供の場合だと、耳におもちゃや虫などを入れたりすることで、外耳道の表面を傷つけてしまうと、そこに細菌が繁殖して外耳炎(外耳道炎ともいう)を惹き起こします。

耳の皮膚はとても薄くできているので、ちょっとした刺激で簡単に傷ついたり、荒れたりしてしまいます。傷が付くとかゆくなるのでまた触り、そしてさらに傷つけてまたかゆくなり…を繰り返すので、特に固い耳かきで掃除するのはやめましょう。そうこうしているうちに耳垢が奥へ奥へと追いやられて、耳垢閉塞につながりかねません。

外耳道の湿疹

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外耳道へのなんらかの刺激によって、外耳道の皮膚が炎症を起こすと、湿疹ができてかゆくなります。強いかゆみをともなうため、気持ちいいからとさらに刺激することで炎症が慢性化し、皮膚が弱くなってカビが生えたり、炎症が長く続くことになります。なるべく我慢をして、外耳を清潔に保つことが大事です。

加齢

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外耳道にはもともと自浄作用があるので、あくびをしたり物をかんであごを動かすことによって、耳垢を自然に外に押しやる働きがあります。この働きのことをマイグレーションと呼びます。それによって、耳の中にたまった耳垢は、自然と外にポロッと出てくることが多いのです。

ただ、年をとってくると、外耳道の皮膚が老化することにともなって、このマイグレーションの働きも低下するようです。「最近耳が聞こえにくい」というお年寄りの中には、耳の機能の問題ではなく、ひどい耳垢塞栓になっているケースも見受けられます。

耳垢塞栓の治療はどうやるの?

耳垢をふやかす

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耳垢塞栓になった場合、耳鼻科に行ったらすぐに耳垢を除去してもらえるわけではありません。長い期間かけてたまった耳垢は、コルク状に固くなっているので、まず耳垢水(じこうすい)といわれる、耳垢を柔らかくする薬を用いて事前の処置をする必要があります。

耳垢水は、炭酸水素ナトリウム(いわゆる重層)と、グリセリン、それに滅菌精製水を1:5:10(~15)の割合で混合したもので、耳垢を柔らかくする方の耳を上にして横になり、1回につき5、6滴を点耳します。点耳したあとは5分から10分そのままの姿勢でいます。耳鼻科での処置の前に、自宅で何度かこれを繰り返します。子供の場合、嫌がるケースがあるので大人が押さえ込む必要があります。

耳垢の除去をする

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事前の処置が終わったら、鉗子や吸引管を使って耳垢を取り除いていきます。両夫の耳にひどい耳垢塞栓が見られる場合、一度に両耳の処置をするとめまいやふらつきが出ることがあるので、片方ずつ行います。

また、子供の耳垢を取り除く場合、頭と体を固定することが大事になります。なぜかというと、外耳道の皮膚はとても薄くて傷つきやすいので、処置をしている時に子供が暴れたりすると意味がなくなるからです。

特に乳幼児の場合は、なかなか言って聞かせておとなしくなるものではないので、子供一人の処置をするのに大人が多人数で押さえ込むこともあります。大人の手が何人分かかっても、治療の点数は一緒なので耳鼻科の先生には頭の痛いことです。

耳垢塞栓を予防する方法はあるの?

定期的に耳垢を取る

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基本的に外耳道には自浄作用があるので、それほど頻繁に耳掃除をする必要はありません。特に乾性の耳垢の場合は放っておいても勝手に耳の外に出て行きます。

湿性の耳垢の人で、耳垢塞栓になりやすい人の場合のみ、定期的に耳の掃除をすると良いですが、その場合にも固い耳かき棒などは避け、綿棒でやさしく耳の外側をぬぐう程度にしましょう。

定期的に耳鼻科で検診を受ける

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通常、歯医者とは違って耳鼻科を定期的に受診することは少ないと思いますが、耳の疾患にかかったことがある場合や、複数回なったことがある人は定期的に耳鼻科で検診を受けるとよいでしょう。

安全な耳垢の取り方

綿棒を使う

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健康な人で乾性の耳垢の場合には掃除の必要はほとんどありませんが、湿性の耳垢や代謝の早い子供、これ医者や外耳道がもともと狭い人の場合には、定期的な耳掃除が必要になります。その場合にも固い耳かき棒などは外耳道の皮膚を傷つけてしまうので、綿棒を使用しましょう。

優しくふき取るように

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耳掃除を言うと、耳垢をほじくり出すようなイメージがあるかもしれませんが、外耳道の皮膚は傷つきやすいので、綿棒でやさしくぬぐう程度で十分です。

奥までやらない

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耳の掃除をする外耳道は、耳の外側の3分の1に過ぎないので、入り口付近をやさしくぬぐう程度で十分です。奥のほうへ綿棒を差し込むと、かえって耳垢を押し込んでしまうことになるのでやめましょう。

月に一回、2、3分程度

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耳垢の掃除は月に一度、2、3分もやれば十分です。耳の奥には迷走神経が走っていて、そこを刺激すると気持ちがいい感じがして、ついついやりすぎてしまいがちですが、耳にとってはダメージになるので控えましょう。

耳鼻科で取ってもらう

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湿性の耳垢の人や高齢者、耳の疾患(慢性中耳炎など)を治療した人などは、2,3ヶ月に一度、耳鼻科で耳の状態を見てもらうとよいでしょう。

まとめ

http://gty.im/97612037

耳垢塞栓について見てきましたが、どうでしたか?たかが耳垢、されど耳垢ですよね。耳掃除のやり過ぎがかえって耳の状態を悪くすることが分かっていただけたと思います。「なんだか耳が聞こえにくい」という時には早めに耳鼻科を受診してください。耳掃除は気持ちいいですが、くれぐれもやり過ぎないようにして下さいね。