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甲状腺が大きい時に考えられる病気とは?生まれつき異常がある場合があるの?手術などの3つの治療法や対策

甲状腺が大きい気がする、もしくは知り合いの甲状腺が大きく見えると思われたことありませんか?甲状腺が大きい場合には、様々な甲状腺疾患が考えられるのです。そこで今回は、甲状腺が大きくなる原因と考えられる病気、甲状腺が大きい時の治療法と対策、甲状腺が大きい時は何科に行くべきかについて紹介します。



甲状腺が大きくなる原因は?

甲状腺は、喉仏の下で気管の前にあって、代謝を正常に保つため、ホルモンを分泌し血液に流す大切な役割をしています。甲状腺が大きくなるのは、主に甲状腺疾患にかかっている場合が多いと言われているため、甲状腺が大きくなる甲状腺疾患の原因について紹介していきます。

1. 生まれつき甲状腺に異常がある

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生まれた時から甲状腺機能に異常が起こっている赤ちゃんがおり、様々な原因で甲状腺機能の低下が生じると言われています。早期に発見し治療することで、正常に成長すると言われていますが、成長しても治療を続ける必要があるそうです。

また、生まれつき甲状腺が大きい場合もあり、このような人の場合、甲状腺の大きさが大きくない人と比べると、甲状腺疾患にかかりやすくなるリスクがあるため、何か異常を感じた場合には、早めに病院の受診をしたほうが良いと言えます。

2. ヨード(ヨウ素)の過剰摂取

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ヨード(ヨウ素)の過剰摂取は甲状腺疾患の原因になると言われています。ヨードは甲状腺ホルモンの原料のため、たくさん摂取することでホルモンが増加して、体の調子が良くなると思われている人もいるのではないでしょうか。実際は過剰摂取してしまうと、甲状腺の働きを弱めてしまうため気を付けたほうが良いと言われています。

特に甲状腺炎や放射性ヨード治療などを受けた人は、甲状腺に異常がない人と比べると、甲状腺疾患になりやすく、甲状腺が大きくなりやすいと言われているため、ヨードの過剰摂取には注意しましょう。ヨードの過剰摂取は、イソジンうがい薬で毎日うがいする人などが該当すると言われています。

3. 遺伝により甲状腺に異常がある

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甲状腺疾患はある程度遺伝に関係があると言われています。自分の両親や祖父母、兄弟、親戚に甲状腺疾患を患っている人がいる場合は、自分も甲状腺疾患の可能性があることは頭に入れておいたほうが良いかもしれません。しかし、甲状腺の病気は遺伝だけで起こるわけではないので、心配しすぎないようにしてくださいね。

4. 出産を機に甲状腺異常が起こる

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甲状腺疾患は女性に発症が多いと言われていますが、出産を機に甲状腺異常が起こるというケースが多いと言われています。出産により、免疫を抑えるホルモンを分泌する胎盤が体外に出てしまうため、ホルモンバランスが急激に変化してしまい、甲状腺に異常が起こる可能性があるのです。

5. ストレスが原因になることも

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甲状腺疾患はストレスが関わっていると言われています。自分にストレスがかかると、脳が内分泌系のシステムにメッセージを送り、ホルモンを分泌して気持ちを落ち着かせる役割もしています。

しかし、何かしら甲状腺に異常があり、ストレスに対してホルモンを分泌しすぎたり、逆にホルモンの分泌が少なくなったり、ストレスに長い間さらされてしまうと、甲状腺疾患につながってしまうと言われているのです。

甲状腺が大きい時に考えられる病気は?

単純性びまん性甲状腺腫

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単純性びまん性甲状腺腫とは、甲状腺全体が大きくはれるという症状のみの病気です。腫瘍や炎症がなく、ホルモンの異常も特に見られないのが特徴と言われています。

単純性びまん性甲状腺腫は思春期に多く見られ、この状態だと何も異常がなく放っておきがちですが、将来甲状腺機能に何か問題が生じる可能性もあるため、定期的に病院を受診し、経過を観察する必要があると言われています。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

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甲状腺機能に異常が見られない人は、血液中の甲状腺ホルモンが適切な量に調節され、体の調子を整えています。しかし、甲状腺機能に異常がある人は、甲状腺ホルモンの量の調整が適切に行われず、血液中に甲状腺ホルモンが通常より多い状態になる場合があります。この状態のことを「甲状腺機能亢進症」と言います。

「甲状腺機能亢進症」にはいくつか病気がありますが、代表的な病気がバセドウ病と言われるものです。バセドウ病は、20代~30代の女性に発症が多く見られる病気と言われており、全身の新陳代謝が異常に早くなってしまい、いろいろな症状があらわれます。

バセドウ病の症状として代表的なものが、動悸や息切れがする、汗っかきになる、手がふるえる、脈拍が増える、倦怠感がある、イライラする、食欲が増すのに太らない、月経不順、首がはれ大きく見える、目が飛び出す、不妊などがあります。

食欲があるのに太らないなど男性に起こりやすい症状もあります。

上記のような症状があるのに、治療をせず放っておくと、心臓に負担がかかったりして重症化するのでとても危険です。適切に治療すれば、甲状腺ホルモンの働きが正常になるため、症状はおさまると言われています。

甲状腺機能低下症(橋本病)

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「甲状腺機能低下症」は、甲状腺機能亢進症とは逆で、甲状腺機能に異常があるため、甲状腺ホルモンの量の調整が適切に行われず、血液中に甲状腺ホルモンが通常より少ない状態のことを言います。

「甲状腺機能低下症」にはいくつか病気がありますが、代表的な病気が橋本病と言われるものです。橋本病は、20代後半~40代の女性に発症が多く見られる病気と言われており、甲状腺に慢性的に炎症が起きる病気のため、慢性甲状腺炎とも呼ばれています。

橋本病は甲状腺ホルモンが不足するため、新陳代謝が悪くなり、いろいろな症状を引き起こすと言われています。橋本病の症状として代表的なものが、寒がり、肌の乾燥やかゆみ、体のむくみ、やる気が出ず体が重い、食欲がないのに太る、月経の期間が長くなる、首がはれ大きく見える、不妊や流産などがあります。

橋本病の症状はうつ病や更年期障害、皮膚病などに似ており、それらの病気と間違われたまま治療されてしまうこともあり、一向に症状が改善されないということがあります。適切に治療をすれば、甲状腺ホルモンの働きが正常になるため、症状はおさまると言われています。

亜急性甲状腺炎

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亜急性甲状腺炎とは、甲状腺が大きくなり痛みがある病気で、鼻やのどの炎症によるウイルスの感染が原因ではないかと言われています。

亜急性甲状腺炎は30代~40代の女性に発症が多い病気で、甲状腺が大きくなるとともに、痛みや発熱があります。甲状腺の左右どちらかがはれて見え、押すと痛みが出ると言われています。

また、バセドウ病のような動悸や息切れなどの症状があらわれる場合もあり、その時には血液中の甲状腺ホルモンが通常より多くなりますが、バセドウ病とはメカニズムが違うため、バセドウ病のような甲状腺ホルモンの異常は長く続きません。

治りやすい病気とも言われており、適切な治療を行えば再発もしない病気のため、早めに病院を受診して治療するようにしましょう。

結節性甲状腺腫(腫瘍性疾患)

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結節性甲状腺腫(腫瘍性疾患)とは、甲状腺が部分的にしこりのように大きくなる、はれることを言います。20代~50代の女性に多く腫瘍性疾患があらわれ、しこりがあるだけで他に自覚症状がないのが特徴です。甲状腺の腫瘍性疾患は、良性と悪性があり、悪性の場合には甲状腺がんなどを指します。

甲状腺にしこりがある場合は検査を行い、良性か悪性かを識別する必要があり、仮に悪性で甲状腺がんと診断されても、他臓器と比べると治しやすいがんだと言われています。適切な治療に臨めば治すことができるので、過剰な心配はしないほうが良いでしょう。

良性腫瘍の場合、腺腫と言われており、甲状腺の左右どちらか一方にしこりが1つできるのが特徴と言われています。腺腫は触ると分かる大きさから、下が向けなくなるほど大きなものまでありますが、どんなに大きくても呼吸が苦しかったり、飲み込みにくいというような症状はほとんどありません。

腺腫に似たものもあり、腺腫様甲状腺腫と言われています。左右の甲状腺に大小様々なしこりがいくつもでき、このしこりがたくさんできると首全体が大きくはれたように見えます。腺腫様甲状腺腫は本来良性ですが、一部にがんが含まれている場合があり、しっかりと検査を受けることが大切です。

また、悪性腫瘍の場合、甲状腺がんと言われており、乳頭がんや悪性リンパ腫なども甲状腺がんに分類されます。甲状腺がんは、進行が遅いため治りやすいものが多いと言われています。

甲状腺が大きい時の治療法と対策

1. 抗甲状腺薬・甲状腺ホルモン薬の服用による治療

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薬を服用して症状を良くする方法があります。バセドウ病や橋本病、結節性甲状腺腫の良性腫瘍に対して、薬を服用して症状を改善させます。抗甲状腺薬はバセドウ病に効果があり、甲状腺ホルモン薬は橋本病や良性腫瘍、甲状腺摘出手術後の甲状腺ホルモン補充に使用すると言われています。

抗甲状腺薬にはMMI(薬名:メルカゾール)とPTU(薬名:チウラジール/プロパジール)の2種類があり、甲状腺ホルモンの生合成を抑制する働きがあります。MMIのほうが効果が持続するため、第1選択薬として処方されますが、近い将来妊娠を希望する場合には、母乳に影響のないPTUを処方されます。

甲状腺ホルモン薬はT4製剤(薬名:チラーヂンS)、T3製剤(薬名:チロナミン)などがあり、甲状腺ホルモンの補充として使われると言われています。T3製剤よりもT4製剤を服用したほうが、継続的に効果が維持されるので、一般的にはT4製剤が用いられます。

2. 放射線内照射(アイソトープ)による治療

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放射線内照射(アイソトープ)治療は、放射性ヨウ素を取り込み、甲状腺の細胞を減らすことで、甲状腺のはれを縮小し、過剰に分泌される甲状腺ホルモンの量を減少させ正常化させる方法を言います。アイソトープ治療は、バセドウ病や結節性甲状腺腫の悪性腫瘍に対して行う治療になります。

バセドウ病は服薬治療でも改善しますが、人によっては薬を服用することで副作用があったり、薬の服用では完治が望めない場合にアイソトープ治療か手術を勧められます。アイソトープ治療方法は、放射性ヨウ素の入ったカプセルを服用する方法になり、傷や痛みがないため手術の時より負担が少ないのも特徴です。

しかし、アイソトープ治療は人によって甲状腺の細胞数が減りすぎて、甲状腺機能低下症になる可能性があるため、注意が必要と言われています。

また、悪性腫瘍の治療は手術が基本になりますが、甲状腺の一部を摘出した後、もしくはがん細胞が転移した場合にアイソトープ治療を行う場合があると言われています。

3. 手術

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手術は、バセドウ病、結節性甲状腺腫の良性腫瘍、悪性腫瘍に対して行われます。バセドウ病は服薬治療で副作用などが出た場合に、アイソトープ治療か手術を勧められます。手術を選んだ場合には、甲状腺ホルモン産生組織を切除し、残存している甲状腺組織を刺激しても、甲状腺ホルモンが過剰に出ないようにします。

良性腫瘍は基本的に経過観察の場合がほとんどですが、悪性の可能性がある場合や大きくなる傾向がある、気管を圧迫する大きな腫瘍の場合には手術をする必要があると言われています。良性腫瘍の場合には、腫瘍を含む甲状腺のみを摘出する手術を行います。

悪性腫瘍は手術を行って摘出することが基本になると言われています。腫瘍範囲や予想されるリンパ節転移の範囲によっては甲状腺の摘出に加え、リンパ節の切除も行う場合があります。手術後は再発抑制のため、甲状腺ホルモン薬の服用を行うこともあると言われています。

甲状腺が大きい時は何科に行くべき?

甲状腺が大きい時には内科もしくは内分泌科または甲状腺科に行きましょう

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甲状腺が大きい時には、甲状腺疾患の疑いがあるため、血液検査や血圧・心拍数検査などを行います。このような一連の検査は内科で行われるため、かかりつけの内科を受診してみましょう。大きい病院では内分泌科、甲状腺科が設けられている場合があるため、このような診療科に行くと速やかに検査してくれます。

内科で甲状腺疾患と判断された場合には、内分泌科や甲状腺科を勧められる場合があるので、早めに専門医を見つける必要があります。甲状腺疾患は治療が長引くことが多いので、自分に合った専門医を見つけてくださいね。

まとめ

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甲状腺が大きくなる原因や考えられる病気、治療法などについて紹介させていただきました。甲状腺が大きい時には、甲状腺の病気の場合がほとんどのため、何か症状が出た時には早めに病院を受診することをおすすめします。そして、根気強く治療を続け、病気を治してくださいね。