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急性アルコール中毒の対処法7選!その対応が重症化を防ぐ!7つの症状と酔いのメカニズム5ステップまでご紹介

歓送迎会、お花見、BBQや忘年会、新年会など楽しい場ではお酒がおいしいですよね。飲む量もどんどん増えてしまいます。でも急性アルコール中毒については他人事のように思っていませんか。「自分はお酒に強いから」、「これぐらいの量では潰れないだろう」など思っている人に限って救急受診されているのです。こちらでは急性アルコール中毒が起こったときの対処方法について詳しくご紹介します。



応急処置が鍵となる急性アルコール中毒の対処法

ついついお酒が進む時期、楽しい気分で飲んでいるとお酒の量が増えてしまいます。特にお花見やビアガーデンなど屋外で飲む場合、気分も良くなってお酒の量は多いのに激しく運動したり騒いだり、さらにお酒が回るような行為をしてしまうことも。

お酒は飲むとアルコール成分が血液に入り、循環して脳に到達します。そして、脳の神経細胞に作用し、マヒさせてしまうのです。これが「お酒に酔った」という状態です。お酒に弱い人、強い人っていますよね。これは生まれつき持った性質にあります。実は日本人の約4割は飲めないタイプなのです。そのうち1割が「まったくお酒を受け付けない人」3割が「少しは飲めるが悪酔いをする人」だと言われています。

この体質の違いを決めるのは「ALDH2」という酵素のはたらきにあります。お酒に含まれるエチルアルコールは、肝臓で分解されると毒性の強い「アセトアルデヒド」に変化します。これは酔いの症状である頭痛や吐き気を引き起こします。このALDH2はそのアセトアルデヒドを分解する役割を持っています。

この酵素がうまく働かないとアセトアルデヒドが体内に溜まるため、頭痛や吐き気の症状がなかなか改善されません。よって勧められるがまま飲んでいると、悪酔いしてしまうのです。

一方、残りの約6割の「お酒に強い人」はこの酵素のはたらきでアセトアルデヒドがどんどん分解されるので、頭痛や吐き気などをあまり感じません。ですが、アルコール依存症や肝臓に障害をきたすくらいの量が飲めるので危ないとも言われています。

なお、急性アルコール中毒はこの体質にかかわらず、全ての人に起きる可能性があるのです。

「自分はお酒に強いから」、「これくらいの量ではまさかならないだろう」などと思って飲んでいると思わぬことにもなりかねません。急性アルコール中毒になってしまった人を助けるには応急処置が鍵だと言われています。まずはそれを見分ける症状からご説明します。

急性アルコール中毒の症状

吐き気・嘔吐

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短時間でアルコールが体内に大量に入ると、アルコールを代謝する力が追い付かなくなって血中のアルコール濃度が上昇してしまいます。強い酩酊になるとまずは吐き気や嘔吐が起こります。このときに意識がなくなると吐しゃ物をのどに詰まらせてしまうこともあります。

悪寒・冷や汗

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アルコールの作用によって、呼吸中枢のはたらきが低下し体温が下がるので、悪寒を伴っていることがあります。また、血圧が下がることで冷や汗が起こることもあります。体全体が冷たくなっているときは特に注意が必要です。体を温めるようにしましょう。

判断力・運動能力の低下

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記憶の中枢がマヒするので、今起こっていることが分からなくなり判断力が鈍ります。運動失調状態になるので、千鳥足になったりまともに立てなくなります。意識がはっきりしないこともあります。

血圧低下

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アルコールの作用によって血圧低下が起こることがあります。この影響で、冷や汗や気分不良なども見られます。

昏睡

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マヒが脳全体に広がると、さまざまな中枢が障害されるため昏睡状態になってしまいます。この状態になってしまうと揺さぶっても刺激を与えても起きることはありません。この場合、すぐに救急病院に搬送する必要があります。

最悪の場合死亡

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応急処置されないままアルコール濃度が上昇してしまうと、脳全体にマヒが広がり呼吸が止まってしまったり、吐しゃ物をのどに詰まらせて窒息してしまうなど、最悪の場合は死亡してしまうこともあります。初めは意識があってもしばらく経って急変することもありますので、放置せず様子を観察することが必要です。

後遺症が残る場合もある

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アルコールが脳をマヒさせている時間が長期間に及ぶと、脱水や血圧低下によって脳梗塞を発症することがあります。その場合は後遺症が残ることもあります。

急性アルコール中毒の対処法

意識や脈があるかを確認する

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まず、おかしいなと思ったら意識や脈があるか確認しましょう。肩をたたいて名前を呼んだりつねって目を開けるか、声を出すかを確認します。同時に手首の内側の血管、もしくは首の頸動脈を触り、ドクドクと脈を打っているかを確認します。脈が触れない場合は心臓マッサージが必要になることもあります。

呼びかけにしっかり反応するようであれば、体を温めて様子を見ます。反応が薄い場合、ない場合はすぐに救急車を呼びましょう。反応がある場合でも酔いつぶれた人を放っておいてはいけません。

体を楽にさせる

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ベルトをゆるめたり、衣服のボタンを外すなど体を楽にさせるとよいでしょう。吐き気や嘔吐がラクになることもあります。皮膚が赤くなり、体温が高いような場合でも、しだいに体温が低下していきますので寒くないように毛布や上着などで温めるようにしましょう。

体を温める

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アルコールの作用により、呼吸中枢のはたらきが低下することで体温が下がったり悪寒があることがあります。毛布や上着などをかけて体を温めてあげるようにしましょう。ですが、このときはあまり体が窮屈にならないようにしましょう。

水をゆっくり飲ませる

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呼びかけに反応があり、意識がしっかりしていて本人が欲しがるようであれば水を飲ませてもいいでしょう。しかし、反応が鈍いときに無理に水を飲ませることはやめましょう。誤嚥してしまう可能性があります。

体を横向きに寝かせる

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寝かせるときはあおむけでなく横向きにしましょう。急性アルコール中毒の死亡原因の大半は窒息によるもので、あおむけに寝ていると吐しゃ物をのどに詰まらせることがあるのです。間違っても抱き起こして無理に吐かせるようなことはやめてください。

無理に吐かせない

http://gty.im/200301565-001

上にもありましたが、抱き起して無理に吐かせようとしたり、水を大量に飲ませて吐かせるようなことは窒息する可能性がありますのでやめてください。吐しゃ物をのどに詰まらせているような場合には、背中を強くたたいて出してしまうようにしましょう。

救急車を呼ぶ

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「すぐに救急車を呼ばなければならないとき」

○大きなイビキをかいて、つねったり叩いたりしても反応がない。

○ゆさぶって呼びかけても、まったく反応が見られない。

○体温が下がり、全身が冷たくなっている。

○急に倒れて、口から泡をふいている。

○呼吸が異常に速くて浅い。または、時々息をしていない。

以上のことがあれば躊躇せず、できるだけ早く救急車を呼びましょう。イビキをかいているといっても寝ているわけではなく、呼吸中枢が障害されていることもあります。このとき、反応はどのくらいあるか、脈は打っているか、呼吸はどのような状態かを聞かれることがありますので確認しておきましょう。

また、救急車を待っている間も急変する可能性がありますので、酔いつぶれた人を一人にしないでください。

酔いのメカニズム

爽快期

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まずは体内にアルコールが入ると、爽やかな気分や陽気になるなどいい気分の状態から始まります。これは理性をつかさどる大脳皮質という部分の活動が低下し、本能や感情をつかさどる部分の活動が活発になるからです。また、このときの血中アルコール濃度は0.02%~0.04%となっています。

爽快期のお酒の量はビール中瓶で言えば1本まで、日本酒であれば1合まで、ウイスキーであればシングル2杯までくらいと言われています。

ほろ酔い期

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「ほろ酔い期」とは、血中のアルコール濃度が0.05%~0.10%のことで、ほろ酔い気分で手の動きが活発になったり、理性が失われたりしてきます。また、体温が上昇したり、脈が速くなると言われています。ほろ酔い期はビール中瓶では1~2本、日本酒では1~2合、ウイスキーシングルでは3杯くらいの量に換算されます。

酩酊期

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「酩酊期」には血中のアルコール濃度が0.11%~0.15%の「酩酊初期」と0.16%~0.30%の「酩酊期」があり、脳への影響がこれらを境にして変わってきます。酩酊初期では、気が大きくなり、大声を上げるようになったり怒りっぽくなったりします。立てばふらつきはしますが、まだ軽い酩酊の状態です。こちらでビール中瓶では3本、日本酒では3合、ウイスキーダブルでは3杯くらいの量に換算されます。

一方、酩酊期では強い酩酊になり、小脳へマヒが広がり運動失調状態になります。よって千鳥足になったり、何度も同じことを話すようになったり、吐き気や嘔吐が起こります。お酒の量としてはビール中瓶4~6本、日本酒で4~6合、ウイスキーシングルで5杯くらいでこのような状態になります。

泥酔期

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まともに立てない「泥酔期」では、血中アルコール濃度0.31%~0.40%になってきます。意識がはっきりせず、ここまでくると言っていることもよく分かりません。

お酒の量に換算するとビール中瓶では7~10本、日本酒では7合~1升、ウイスキーボトル1本くらいになります。脳への影響としては記憶の中枢である海馬がマヒしてくるので、今起きていることを覚えていない状態になります。

昏睡期

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さらにゆすったり刺激を与えても意識がない「昏睡期」に進行すると、大小便が垂れ流しになったり、呼吸がゆっくりと深くなり、場合によっては死に至ることもある恐ろしい状態です。これは脳全体にマヒが起こるため、呼吸中枢も危ない状態となるのです。

血中アルコール濃度はさらに上昇し、0.41%~0.50%になり、ビール中瓶では10本以上、日本酒では1升以上、ウイスキーボトル1本以上飲むことでこのような状態になるとされています。

急性アルコール中毒を予防するには?

一気飲みをしない

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一気飲みは血中のアルコール濃度が急激に上がる一番の原因です。無理に一気飲みをさせることは「アルコールハラスメント=アルハラ」と考えられています。

飲んでいるときは大丈夫に見えても、しだいに脳にマヒが広がり意識をなくしてしまうこともあるのです。焼酎や日本酒などアルコール濃度の高い種類のお酒の一気飲みは命にかかわりますので絶対にやってはいけません。人によってアルコールの代謝速度は異なります。その場を盛り上げようとして一気飲みをすること、させることは絶対にやめましょう。

自分の飲める量を知る

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お酒が飲める、飲めないというのは個人差が大きいです。日本人の約4割はそれほどお酒に強くありません。特に、女性は男性より酔いやすいと言われています。少量だからといって急性アルコール中毒にならないというわけではありません。

そのときの体調や食事の量、運動量でも違ってきます。胃腸に何もない状態でアルコールを摂取すると酔いやすくなってしまいますのでできるだけ食べ物も摂りましょう。まずは自分がどれほどの量を飲めるか事前に知っておくことが大切です。それ以上の量を勧められても断る勇気、良い文句を考えておきましょう。

まとめ

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いかがでしたか?こちらの記事をご覧になっている方の中には、目の前に倒れた人がいるのかもしれません。救急車を呼ぶか呼ばないかの判断は命にかかわる重大な問題です。判断に迷ったときには救急車を呼ぶようにしましょう。そのときは窒息に注意し、酔いつぶれた人を一人にしておくのは絶対にやめてくださいね。

急性アルコール中毒は他人事ではありません。まずはそうならないために自分の飲める量を知り、宴会時には「一気飲みをしない、させない」を守りましょう。せっかく楽しい仲間と飲むのですから楽しいお酒になるといいですね。