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メトトレキサートの副作用って?4つの症状や注意の方法をご紹介!

リウマチの薬であるメトトレキサートは、毎日服用する薬ではありません。もともと抗がん剤として開発されていた薬がリウマチに効果があることから、現在はリウマチに対して使用されています。ガンの薬でもあることから副作用の多い薬のイメージですが実際はどうなのでしょうか?わが国で最初に発売されたメトトレキサートである「商品名リウマトレックス」の副作用報告データを参照しながらご紹介します。



メトトレキサートの副作用とは

どんな薬にも副作用があるのはご存じのことですよね。これから紹介するリウマチの薬、メトトレキサートもご多聞にもれず副作用が結構あります。その例を紹介しますと、「商品名リウマトレックス」の開発時、承認後の4038例の症例調査では、そのうちの810例(20.1%)で、なんらかの副作用が発現したというデータがあります。また、副作用による死亡例もある薬です。

薬の副作用は、個々の年齢、体質や持病、既往歴などによって、発現のしやすさや症状が異なります。もし気になる症状があれば処方医に相談の上、副作用のついて知ることが大切です。

メトトレキサートはどんな薬?

関節リウマチの薬

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メトトレキサートは関節リウマチの薬で若年性特発性関節炎に使われることもあります。メトトレキサートの服用方法は特徴があり、毎日服用する薬ではありません。メトトレキサートは1週間単位に飲む量が決まっていて、週に1回ないし2回から3回服用したあとに、6日ないし5日の服用しない休薬期間を設けます。ですから、毎週決まった曜日に服用するのが一般的です。

関節リウマチは自分の免疫機能が過剰に働いて骨や軟骨組織に障害を与えます。関節の腫れや痛みを伴い、ひどくなると骨の変形などの症状が出ます。メトトレキサートは免疫機能に関係しているリンパ球や、炎症に関係する細胞の働きを抑え、関節リウマチなどに効果をあらわすことが知られています。

もとは抗がん剤(葉酸代謝拮抗薬)

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関節リウマチで炎症を起こしている細胞は、細胞の働きが活発になっています。メトトレキサートは、ビタミンの一種である葉酸の働きを抑え細胞の活動を抑え、細胞の数が減ります。この細胞の活動を抑える働きは抗がん剤のメカニズムとしても利用されています。

もともとメトトレキサートは、1947年に合成され、白血病や悪性リンパ腫などの抗がん剤として使われてきました。その後、リウマチに有効であることがわかり、1988年にアメリカで抗リウマチ薬として認められ、日本では1999年にようやく抗リウマチ薬として使用することができるようになりました。今では、メトトレキサートはリウマチの治療には欠かせない薬です。

副作用の発生時期

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メトトレキサートの葉酸の働きをおさえる効能によって、体内の葉酸が足りなくなって起こる副作用、細胞の働きが抑えられて起こる副作用、免疫機能が低下することで起こる副作用などが考えられます。

メトトレキサートの多くの副作用症状は、飲む量が多ければ副作用があらわれやすい用量依存といわれています。また副作用の発現時期は投与開始から増量後6ヵ月以内が多くなっているようです。

メトトレキサートには、副作用症状を出にくくするための方法があります。メトトレキサートの服用する量が多い場合や葉酸欠乏の副作用症状がつらい場合に、副作用症状を軽減する目的で葉酸製剤を服用することがあります。

葉酸を服用して体内に葉酸を補うことは、葉酸の代謝をおさえるメトトレキサートの働きとは逆の効果になります。ですから、メトトレキサートを服用した翌日以降に葉酸製剤「商品名フォリアミン」を服用します。さらに葉酸欠乏症状が重く白血球減少などの症状が出たときは「商品名ロイコボリン」を服用することがあるようです。

メトトレキサートの副作用

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メトトレキサートの副作用としては、感染症、肺障害、血液障害などがありますが、時として重い副作用を起こすことで、致命的な経過を生じることがあります。また、排泄経路が尿中であることから、腎機能の低下は副作用を強めることになり兼ねません。

そのためには、緊急時に対応できる医療機関、そして、リウマチ治療についてだけでなく、メトトレキサートについて十分な知識を有している医師からの処方が大切になります。

先の副作用の症例810例のうちわけは、ALT(GPT)、AST(GOT)、ALPが上昇する肝機能障害(7.2%)、口内炎(2.2%)、倦怠感(1.3%)、吐き気(1.1%)、発疹(1.0%)となっています。

吐き気、嘔吐

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メトトレキサートを服用して消化管に副作用症状があらわれたという報告は、4038例中、204例(5.05%)あります。そのうち嘔気は44例(1.09%)、嘔吐9例(0.22%)となっています。また口内炎88例(2.18%)の副作用報告があります。

これらの副作用症状は葉酸欠乏症の症状と考えられていて、メトトレキサートを1週間のうちに飲む用量が多いほど副作用症状があらわれやすくなります。しかし、軽い副作用症状であれば前述の「商品名フォリアミン」を服用して様子をみながらリウマチ治療を続ける場合もあるようです。

骨髄抑制

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前駆症状として、発熱、咽頭痛、インフルエンザ用の症状が見られる無顆粒球症や、骨髄抑制の白血球減少、血小板減少、貧血などの他に再生不良性貧血、出血に関する異変(度々出血する・止まらない・痣・鼻・歯茎など)、風邪に似た咳、倦怠感、息切れ、口内のひどい炎症といった初期症状が現れます。

副作用報告数は11例(0.42%)ですが、副作用症状の現れる頻度とは関係なく、骨髄抑制の症状は放っておくと重くなりますので、早く気が付けるように自覚症状に注意していましょう。

脱毛

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抗がん剤の副作用イメージは髪の毛をとかすと、ごっそりと髪の毛が抜ける脱毛かもしれません。メトトレキサートは4038例の症例中、13例(0.32%)の報告数にとどまっています。

腎機能・肝機能値の異常

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メトトレキサートの副作用報告数でもっとも割合が高いものが肝臓・胆管系障害です。4038例中、肝機能障害208例(5.15%)、血清ALT(GPT)上昇33例(0.82%)、血清AST(GOT)上昇28例(0.69%)となっています。

具体的には、劇症肝炎、肝不全、肝組織の壊死や線維化、さらに肝硬変などの肝臓障害が出現する場合が見られます。また、腎尿路領域では、急性腎不全や尿細管壊死、重症のネフロパチーのような重い腎障害の出現が見られます。

いずれにしましても、メトトレキサート服用中は定期的な血液検査を行うことが必須です。メトトレキサートでの肝障害の副作用は重くなることはめったにないようですが、自覚症状としてだるさ、吐き気、嘔吐などがある場合は肝機能が低下しているおそれがあるので、処方医に早めに相談しましょう。

副作用に注意する人

肝臓や腎臓の悪い人

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高齢者で肝臓や腎臓に障害がある方は、メトトレキサートの排泄が遅くなるために、副作用が強くあらわれる可能性があります。その上に、免疫機能が低下していることから、感染症に罹患する可能性が高いので、禁忌(投与しないこと)とされています。

したがって、投与する場合には、腎機能検査値のチェックと患者さんの状況を把握することが大切になります。

間質性肺炎の人

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関節リュウマチ患者さんは、基礎疾患として膠原病に罹患していることがあるため、間質性肺炎や肺繊維症などの肺疾患を患っている場合が多いのが普通です。そこで、メトトレキサート製剤を投与すると間質性肺炎等の発現リスクが高まるという文献報告もあることから、一層の注意喚起を図るため、このような患者は慎重投与する必要があります。

他の薬を服用している人

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メトトレキサートと飲み合わせが悪い薬があります。メトトレキサートの作用が強く出すぎてしまい副作用があらわれやすくなることが知られています。

その種類には、NSAIDs(解熱鎮痛薬)、プロトンポンプ阻害剤(胃酸を抑える薬)、シプロフロキサシンやペニシリン(抗生物質)など、リウマチの方がよく服用する薬もあります。リウマトレックスと一緒に処方されることもあり注意が必要です。

薬やサプリメントを服用する場合は、必ず医師・薬剤師に確認、相談しましょう。

服用中に注意したいこと

強い直射日光

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メトトレキサート服用中は強い紫外線に注意しましょう。メトトレキサートの副作用報告に発現頻度は不明ですが光線過敏症があります。

ポルフィマーナトリウム(商品名フォトフリン静注)という光の感受性を高める薬を使用した場合は、効果がさらに増強し光線過敏症の副作用が起こりやすくなり注意が必要です。

アルコール・タバコ

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メトトレキサート服用中はアルコールは最低限に控えましょう。アルコールは肝臓に負担をかけることから、メトトレキサートの副作用がおこりやすくなる可能性があります。

喫煙は、リウマチの症状を悪化させます。血管や肺に障害を与えることでリウマチ治療の妨げになるようです。

副作用を避けるためのその他の注意事項

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冒頭に記しました通り、副作用がない薬はありません。特に、メトトレキサートのように関節リュウマチに有効とされている薬であれば、なおさら副作用に注意を払うことが大切になります。

そこで、副作用をなくすためにメトトレキサート服用の注意事項を示しておきます。

*服用に際しては決められた服用時間を厳守します。飲み忘れた場合はその分をまとめて服用してはいけません。

*他の薬剤との相互作用がありますので、もし、他の薬を服用している場合は、その旨を主治医に相談します。サプリメント(特に、葉酸を含有しているもの)、漢方薬の服用については、薬の効果に影響をする場合があるので、それについても主治医に相談すようにします。

*妊娠中や授乳中は胎児に悪影響を与えることが考えられますので、これも主治医に相談します。特に、妊娠出産を希望する場合は大切なことです。

*稀にですが、吐き気、胃痛、食欲不振、下痢のような症状が出ることがあります。その場合は、直ちに服用をやめます。

*脱水状態での服用は副作用が出やすくなりますので、食事が摂れない場合などでは主治医に相談します。二日酔いの時も極力服用しないようにします。

このようなことに注意をして、副作用を起こさなようにしますが、余りにそのことを恐れて薬を服用しないようなことがあると、折角の効果が期待できないことになってしまいますので、注意するようにしたいですね。

メトトレキサートの副作用は正しい知識で

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メトトレキサートは、重篤な副作用の報告がありますが副作用の初期症状に早く気付くことで回復することが知られています。服用時には、体調の変化に注意しましょう。気になることがあれば早めに医師・薬剤師に相談しましょう。

リウマチの治療は長期にわたることが多いですから、上手に薬と付き合って症状を和らげ、日々の暮らしが少しでも快適に過ごせますように…。