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尾骨(尾てい骨)の痛みの原因は?骨折や打撲の可能性があるの?仙骨の病気や症状についても詳しく紹介

尾骨=尾てい骨の辺りが痛い。打った覚えはないけれど、だんだん酷くなって椅子に座っているのも一苦労。これは何とかしないと、マズイ。でも何科に行けばいいのかな?「お尻が痛い」って軽く思われがちですが、オフィスでも家でも、座るという行為が苦痛に満ちてしまっては、日常生活に支障が出てしまいます。そんな尾骨の痛みの原因と改善法をまとめました。早期の回復のために、参考にしてください。



尾骨(尾てい骨)が痛い原因と改善法とは?

いててっ、お尻が痛い。これは尾骨(尾てい骨)かな?転んでお尻を打った覚えなんてないけど。スノーボードで何度も転んでお尻を打ったせいか、痛むけど、これは骨折かなぁ。…と、お尻が痛いというだけで、色々な痛みが聞こえてきそうです。

よくある打撲と言っても、尾骨が変形していたり、ヒビや骨折という事もあります。妊娠したための痛みや、腫瘍が隠れていた痛みという事も。

見過ごすわけにはいかない尾骨の痛みの原因を色々と取り上げていきます。原因が違えば当然のように改善方法も違いますよね。その痛みの対処の参考にして頂けたらと思います。

そもそも「お尻が痛い」=「尾骨が痛い」なの?

尾骨の場所とは

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お尻のどこにあるのが尾骨かご存知ですか?人の体を支える脊柱の、後端部分にあるのが尾骨(尾てい骨)です。動物で言うと、しっぽの部分にあたります。尾骨のすぐ上にあるのが、仙骨です。尾骨と合わせて「仙骨」と呼ぶ人もいます。その上に腰椎があります。

お尻の外寄りにあるというイメージでしょうか。尻餅をつくと最初に地面に着くのが尾骨です。自分にしっぽがあったら、と考えると位置が浮かびやすいですね。

尾骨神経とは末梢神経のひとつ

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脊髄神経は末梢神経の一つです。脊髄神経は体の上部から順に、頸神経・胸神経・腰神経・仙骨神経・尾骨神経と分けられます。それぞれの神経は脊髄の間から左右に出ています。

つまり仙骨と尾骨の間から、仙骨神経、尾骨神経が出ていることになります。尾骨神経は一対あります。脊髄神経とは、脊髄の前後2か所から出ている細い糸の集まりによって成り立っています。脊髄の前側は、物を取る・歩くといった動作の情報を脳から筋肉へ知らせるための細い糸の集まりです。脊髄の後ろ側は、柔らかい・温かい・痛いといった感触や感覚の情報を脊髄から脳へ知らせるための細い糸の集まりです。このように動作、感触・感覚を感じ取るのが脊髄神経の特性です。

ですから尾骨神経に問題があれば、周辺への影響は小さくはないのです。

尾骨は痕跡器官という

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背骨からお尻に向かって触れると逆三角形をした平らな骨、「仙骨」があります。仙骨はお尻の上半分に位置していて、仙骨の下にあるお尻の中央付近にある骨が「尾骨」です。約3~6個の骨が集まって尾骨を形成しています。この尾骨を形成している骨を尾椎といい背骨の一部でもあります。また、その名の通り尾骨は尾っぽを意味していて、私達の祖先が人間になる過程で尾っぽはなくなりましたが名残として尾骨が残ってっています。

この尾骨のような、生物の体内にあって現在ではほとんど機能していない器官を痕跡器官といいます。クジラやヘビの後ろ足の骨のようなものです。人には、虫垂・耳を動かす筋肉・瞬膜・尾骨など、100個以上もあるといいます。

現在では機能していないと言われていますが、虫垂にも働きがあるとわかってきました。尾骨も、脊髄神経が出ていますから、担う機能があるのかもしれませんね。

尾骨の痛みの原因とは?

打撲

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転んでお尻を打ってしまった。これは尾骨の痛みの原因としてはわかりやすいですね。でも、打ち身で痛むのか、尾骨に何かあったのかは、調べなければわかりません。

尾骨は骨ですから、ヒビが入る事も骨折することもあります。軽い尻もちをついただけと思っていても、当たり所が悪くて骨が傷ついていることもあります。ですから、整形外科を受診して、骨に異常がないか、検査をする必要があるのです。

骨が傷ついていないとわかれば、打撲の手当てをしながら、安心して生活ができます。骨折を放置してしまい、回復が遅くなるような事態を防ぐことができます。

筋肉の疲労・コリということも

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「ソファに座っていると尾骨が痛くなる」という話を聞いたり、経験したことはありませんか?座るときの正しい姿勢は、坐骨と呼ばれる骨盤の一番下の骨がソファや椅子の座面に当たります。しかし、柔らかいソファに座ると腰が曲がり、尾骨に体重がのりお腹を突き出したような姿勢になってしまいます。長時間このような姿勢で体重を受け続けた結果、尾骨の形が崩れたり腫れて痛むことがあります。

これだけならば、腰を伸ばした姿勢で座るようにすれば、痛みは徐々に改善するはずです。しかし、尾骨周辺が痛んで困るという時、「きっと筋肉疲労だな」「お尻がこったのかも」と片付けてしまうのは、危険です。

先程の打撲の項でも触れましたが、尾骨の疲労骨折ということもあります。調べてみないことには、コリなのかはわからないのです。もっと重い病気が隠れていることもありますので、ぶつけた覚えのない痛みは、きちんと受診することをおすすめします。

尾骨のズレ

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尾骨周辺が痛む場合、尾骨のズレが原因であることがあります。以前に転んだ、尻もちをついたことがある、長期に渡って不自然な体形で長時間座る生活をしていた、などの理由から、尾骨が本来あるはずの位置からズレてしまうことがあるのです。

尾骨がずれれば、繋がっている仙骨にも歪みが出ます。仙骨が歪んだりずれたりすれば、腰椎にも悪い影響が出ます。そのために痛みが生じているのかもしれません。この場合も、レントゲン・MRI撮影などで、確認する必要があります。

また、「尾骨が出っ張っているのではないか」と心配な人も、一度整形外科で相談するといいと思います。生活に支障がない場合は、削るなどの処置はとらないことが多いようです。

痛みが腫瘍によるもの

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お尻を打った覚えがないのに、尾骨周辺の痛みがだんだん強くなる場合には、仙骨や尾骨の腫瘍や、腰椎や仙椎の神経周辺にできた「馬尾(ばび)腫瘍」の可能性もあります。

馬尾腫瘍は、腰痛と、夜間の強い痛み、寝た姿勢での痛みが特徴です。症状が進行すると、歩行障害や排尿障害がみられます。CT、MRI撮影で診断がなされます。できるだけ早く、整形外科で受診してください。

妊娠・出産後に痛むことも

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妊娠・出産を機に尾骨が痛むことがあります。お腹の中で赤ちゃんを育てる過程や出産のとき、赤ちゃんのスペースを確保するために骨盤が開きます。さらに赤ちゃんの成長と共にお腹が重くなるため、腰を反ったような姿勢になりやすくなります。すると、骨盤が前に傾いた状態になり座ったときに尾骨が座面に当たりやすくなります。

さらに、出産のときにも尾骨に負荷がかかりやすかったり、骨だけではなく尾骨の周りの靭帯や筋肉にも影響がでて痛むことがあります。また、出産後には赤ちゃんのお世話で抱っこする時間が長くなります。抱っこをしながらずっと座っていても尾骨に負荷がかかりやすく痛むことがあります。

尾骨痛の改善方法を紹介します

正しい姿勢を意識しよう

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尾骨周辺の痛みの原因が、つい癖になっている良くない姿勢である場合、日々の姿勢を正しくすれば、問題は解決できるはずですよね。

そう思うけれど、現実にはなかなか…つい、慣れ親しんだ姿勢に戻ってしまうものです。そこは、痛みが悪化すると嫌だな、という気持ちを利用してはどうでしょう。

パソコンを使用する時は、背筋を伸ばすと決める。あるいは姿勢が難しいならば時間を短くする。テレビを見る時はやわらかいソファは避けて、しっかり背中を伸ばせる椅子に座る、など少しずつでもいいですから、実行するといいですね。

ストレッチで体をのばす

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日常生活の姿勢や運動不足、仕事上同じ姿勢を取らざるを得ないなどの都合で、尾骨周辺の筋肉が緊張している、バランスが崩れているという場合には、ストレッチや軽い運動をするといいでしょう。

ただ、整形外科で診察を受け、尾骨や仙骨の骨折・ヒビなどの骨の異常がない、また、腫瘍・内科疾患がないと診断してもらってからにしてください。

隠れた病気に気づかずに、問題のある部位を圧迫したり、負荷をかけたりしてしまうのは危険な行為です。できれば、整形外科で紹介してもらった方法を実践するか、医師と連携している整体師に指導してもらうことが望ましいですね。

骨盤ベルトで矯正

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尾骨に痛みや、不具合を感じた時、「骨盤が歪んでいるのではないかな?」と一人で判断するのは待ってください。流行なのか、すぐに「骨盤を正さないと」と強迫観念のように考える人もいるようです。

確かに妊娠して腰を守りつつ支える必要のある人は、妊婦さん用の骨盤ベルトを使うと安心です。しかしそれですら、尾骨の痛みを感じていたら、自己判断で使用する前に、医師に相談した方がいいでしょう。

ベルトで強く締め付けると血の巡りが滞りやすく逆効果になることがあります。また、尾骨の形が崩れているときにベルトをすると、骨盤が押されてますます形が崩れてしまいさらに痛む恐れがあります。

尾骨周辺の痛みには、腫瘍が隠れていることもありますし、尾骨や仙骨が疲労骨折していることもあるからです。骨盤ベルトは使用目的によってタイプが選べます。異なるタイプの物を、人から借りて使用するなどのトラブルもあります。医師に相談してから着用してくださいね。

尾骨を守る

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椅子の背に体の上部をもたれかけていると、椅子のシートに当たるお尻の位置が変わります。

そのために本来体重を受けとめる坐骨ではなく、尾骨が受け止めることになります。その状態を長時間続けると、尾骨が変形したり、周囲が炎症を起こしたりします。

実際の治療は整形外科で行うのですが、普段の生活でできることはあるのでしょうか?まず、姿勢を変えて座ることですよね。姿勢よく座ると腰を伸ばして両方のお尻の奥にある坐骨で体重を受けることができます。

それだけでなく、尾骨が椅子のシートに触れてしまわないように、ドーナツ型クッションなどを使うとよいでしょう。パソコンの長時間使用の際に起こりがちなので、パソコン周辺の環境を整えるのも大切です。

尾骨を冷やす、温めるなどは、医師の指示に従う方が安心です。腫瘍などの有無を調べずに行うと、病状を悪化させてしまうことがあるからです。

尾骨に関する病気や怪我について

仙骨滑液包炎

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ちょうど上の写真のような姿勢で長時間座っていると、尾骨が床に当たったままになります。そのために尾骨と床の間に皮膚が挟まるような状態になります。

やがて、硬い床と硬い尾骨に挟まれた皮膚の圧迫された部分が、炎症を起こしてしまうことがあるのです。この炎症を滑液包炎といい、この場合は尾骨と繋がる仙骨も圧迫されていますから、仙骨滑液包炎といいます。

座って尾骨が硬い物に当たるたびに痛むので、尾骨部に体重がかからないようにドーナツ型クッションを敷いたり、後にもたれない姿勢をとるように心掛けます。もちろん、整形外科を受診して、レントゲンで骨折のないことを確認しましょう。

焼けつくような痛みは尾骨神経痛かも

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尾骨周辺が焼けつくような痛みで、夜眠れないことがある…。それは尾骨神経痛かもしれません。尾骨神経痛は、大きく腰下肢神経痛に含めて考えられています。腰より下部の神経痛です。

症状が長引くこと、痛み止めが効きにくいことで、神経痛を疑うことが多いようです。放置しておくと、徐々に痛む場所が広がるので、元々はどこが痛かったのかわからなくなってしまいます。

病院では血液検査やMRIなどの検査を行い、骨折、腫瘍などがないかもみていきます。神経痛ならばブロック注射が有効と言われています。

尾骨骨折の可能性も

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尾骨骨折は直接ぶつけた際に起こることが多いです。尾骨は仙骨についていますから、仙骨が疲労骨折を起こしていると、影響を受けます。また、尻もちをついた際に尾骨にヒビが入ることもあります。

ヒビ、或いは骨折を起こしていると、触っても動いてもくしゃみをしても響いて痛みを感じます。尾骨は体内にあるしっぽのようなものですから、ぶつけた際に変形して内臓を傷つけている場合も考える必要があります。ですから、骨折を疑うほど痛む時は早急に病院を受診しましょう。骨折ならば、治るまでにそれなりに時間がかかりますが、きちんと処置をして、後遺症などないように治したいですよね。

尾骨の存在って、痛くなって初めて知る人も多いのでは?

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転んだり、打ち付けたり、座り過ぎて痛くなったり…そうして調べてみて、初めて尾骨の存在に気づいたという人も多いのではないでしょうか。自分にもしっぽがあった(しっぽのなごりですが)と驚いた人もいるかもしれませんね。

痕跡器官と言われていても、立派な骨ですから、骨折も変形も起こります。痛みの根源になってしまうこともあるのですね。転んでしまった場合はしかたありませんが、姿勢や運動不足が原因ならば、解決するのは自分です。

医師の診断に基づいて、正しい姿勢で、こまめに体勢を変えたり休憩をとるなどして、尾骨痛を改善していきましょう。