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冬季うつ病の症状をチェック!ライトで改善できる?体内時計を改善するなどの対策や診断された人の克服方法をご紹介

冬季うつ病とは秋口から冬にかけて、うつ病の症状や過眠過食といった症状が現れる精神疾患です。原因は日照時間の低下によるセロトニン不足や体内時計の乱れと考えられているので、治療には太陽光に近いライトが用いられます。冬季うつ病の予防、改善、対策には規則正しい生活がポイントとなってきます。冬にうつっぽくなる症状が現れる人は、この記事を読んで参考にしてみてください。



冬季うつ病は心の冬眠

冬季うつ病とはうつ病の一種で、季節性感情障害(季節性うつ病・冬鬱病・冬季うつ病)(SAD)とも呼ばれ、1984年に米国の研究者が新しい病気として発表しました。

冬季うつ病は、自然界の動物たちが食料を体内に蓄えて、活動を抑制する冬眠の状態と似ているため、心の冬眠とも呼ばれます。

冬季うつ病の症状をチェック

秋口から春まで症状が現れる

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冬季うつ病は、日照時間の短くなる秋口(10~11月)から冬にかけて症状が強くなり、春(2~3月)になると自然と良くなるという特徴があります。

冬季うつ病は、一般的なうつ病の症状と異なる点があるため、見逃されてしまうことがあります。

倦怠感や気力の低下を感じる

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冬季うつ病も、基本的な症状は一般的なうつ病とほぼ変わりません。

まずはうつ病の診断基準を見ていきましょう。

●気分が落ち込む

●今まで楽しいと思っていたことを楽しいと感じない

●食欲の増加または減少(1カ月で体重の5%以上の変化)

●不眠または過眠

●強い焦りまたは運動の静止

●倦怠感または気力の低下

●自分が必要のない存在に思える。また過剰な罪悪感を感じる

●思考力や集中力の低下

●死について繰り返し考えたり自殺を計画したりする

この項目のうち1と2のどちらかが当てはまり、全部で5つ以上の症状が2週間以上ある場合で、かつそれによって日常生活に支障をきたしている場合、うつ病と診断されます。

冬季うつ病の場合は、特に落ち込む理由がないのに、秋や冬になると上記の項目が出現し、春になると自然と良くなるという、季節に限定した症状が現れます。(最近の2年間で2回とも症状が出ている)特に、冬季うつ病では過眠や過食の症状が現れると言われています。

寝ても寝ても眠い過眠症状

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冬季うつ病では、過眠症状が現れるという特徴があります。冬になると朝起きるのが辛い、布団から出られないという方が多いかもしれません。しかし、冬季うつ病の場合は10時間以上寝てもまだ眠く、起きたくても起きれないという、日常生活に支障をきたすほどの症状が出ます。

なんとなく冬になると、引きこもりたくなるという心理とはわけが違って、本人は起きたくても起きれないのでとても辛いです。

これは、体内時計が乱れ、夜間熟睡できていないためと考えられています。

甘いものを欲する過食症状

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冬季うつ病では、過食症状が現れるという特徴があります。特に、甘いものや炭水化物などの、糖質を含むものを欲する症状が出現します。

冬は、甘いものが恋しくなったり、食欲が増すという方も多いかもしれません。しかし、冬季うつ病の人は、常識を超えた量のチョコレートやお菓子、ご飯やパンなどを、食べたくなったり食べたりする症状が現れます。この症状は、肥満してしまうこともあり、本人はとても辛いです。

うつ病の過食は、食べることにより血糖値をあげ、抑うつ感を和らげようとしている、無意識の自衛であると考えられています。

セロトニン不足が冬季うつ病の原因

セロトニンは安らぎホルモン

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セロトニンとは、体内において重要な役割を果たしている三大神経物質のひとつで、太陽を浴びると作られます。セロトニンは、心のバランスを保つ脳内物質で、心身の安定や心の安らぎなどに関与することから、幸せホルモンとも呼ばれています。

セロトニンは他にも以下のような働きをしています。

●自律神経のバランスを整える(朝はシャキッ夜はリラックス)

●しっかりと目が覚めている状態を保つ

●気分や感情をコントロールする

●痛みを抑える

●姿勢の働きを良くする(背筋シャキッ目パッチリ)

日照時間が短くなる冬場は、セロトニンの量が減り、抑うつ気分になりやすくなると言われています。

不足すると不安やイライラ

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セロトニンが不足すると、セロトニンによる5つの働きが弱まるので、以下のような症状が現れます。

●目覚めや寝付きが悪くなる(不眠や過眠の原因に)

●低体温、低血圧

●イライラしてキレやすい

●何かと不安になりやすい

●落ちこみやすい

●集中力がなくボーっとする

●気力がない

●疲れやすくだるい

●緊張しやすい

●ストレスを溜めやすい

このように、セロトニン不足は身体や精神面にさまざまな影響を及ぼしてしまいます。

食べ物でセロトニン生成を促せる

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セロトニンは朝日を浴びることで生成が促されますが、食物でも生成を促すことができます。

セロトニンは、食物の中に含まれている必須アミノ酸の一種、トリプトファンから作られています。トリプトファンを含む食材は、肉や魚、大豆、乳製品などで、最近流行のチアシードにも多く含まれています。これらをきちんと食べるように心がけ、セロトニンの生成を促しましょう。

また、炭水化物やビタミンB6を含む食材がセロトニンの分泌を促すことも分かっています。炭水化物やビタミンB6が多いバナナ、さつまいも、レバーなども一緒に食べるように心がけましょう。

冬季うつ病の予防と対策は?

朝の光で体内時計を改善する

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セロトニンは太陽の光を浴びると増えるので、朝起きたら太陽の光を浴びるようにしましょう。また、太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、睡眠と覚醒のバランスが整えられます。人の体内時計は、必ずしも24時間周期ではないので、日に日に誤差が生じてきます。なので、朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びるようにしましょう。

どうしても朝起きるのが辛い場合は、起きる時間帯に部屋の照明を明るくしたり、カーテンを開けたまま寝たりするなどの対策をとりましょう。特に冬場は日照時間が短いので、できるだけ多くの太陽の光を浴びるためにも、早寝早起きを心がけましょう。

3食規則正しく食べる

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食事も冬季うつ病の予防には大切なものです。忙しいからといって朝食を抜いたりしていませんか?朝食をとると血糖値が上がり、1日の活動エネルギーになるので、どんよりとした気分が解消されます。また、規則正しく食事をとる習慣も、体内時計をリセットすることにつながります。

食事は毎日決まった時間に、3食規則正しく食べて、冬季うつ病の予防に努めましょう。

身体を動かすことを心がける

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運動も冬季うつ病の予防には効果的です。運動をすると、脳から抗うつ作用のホルモンが分泌されます。また、運動を習慣化すると、体内時計のリセットにもつながります。最初から無理な運動はせず、ストレッチなどの簡単な運動から始め、徐々にウォーキングなど取り入れると良いでしょう。

運動を習慣化して、冬季うつ病の予防に努めましょう。

冬季うつ病治療の鍵はライト

2500ルクス以上の光を浴びる

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冬季うつ病の原因は、冬場に日照時間が減ることで、セロトニンが不足したり、体内時計が乱れたりすることが考えられるので、太陽光に近い人工的な強い光を用いて治療する方法がとられます。これを「高照度光療法」と言います。

実際の治療は、2,500~3,000ルクスの光を毎朝2時間ほど照射します。しかし、現実問題として、毎朝2時間も治療の時間をとることは難しいので、5,000~10,000ルクスの、より強い光を30分~1時間と短縮して照射することもあります。

この治療を受けると、おおよそ50~60%の人に効果が認められると言われています。

実際に冬場の日照時間が短いヨーロッパでは、冬季うつ病が一般的な病気として知られているため、公共施設で光療法を受けられる場所があったりするようです。

目から取り込み脳へ送る光療法

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光療法では朝に、2500ルクス以上の光を目から取り入れて、体内時計をリセットし生体リズムを整えます。2500ルクス以上の光を浴びると、交感神経の働きは活性化します。すると、血圧や体温が上昇し、身体が覚醒してきます。体を活動的にする準備が整い始めるというわけです。

光療法では、体に光を当てるのではなく、目から光を取り込むことが大切です。目に入った光が網膜を刺激すると、網膜から脳の体内時計の場所(視床下部の視交叉上核)に伝わります。

強い光を感じると、体内時計はリセットされるようになっています。生体リズムを作るには、光療法がひとつの手段と言えるでしょう。

光療法を上手に習慣化できれば、健康的な生活を送れるようになるでしょう。

毎日数時間 自宅で治療する

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光療法には2500ルクス以上の光が必要なため、専用の医療機器を用いて行います。そのため通常は医療機関で治療を受けることになりますが、毎朝行う治療なので、専用機器を購入して自宅で治療することも可能です。しかし、この明るさは自然から取り入れることもできます。晴れの日の昼間の太陽光はおよそ100,000ルクス、曇りの日でも25,000ルクスあると言われています。もちろん季節や地域では異なりますが、曇りの日でも窓際で空の光を見るだけでも十分効果があります。

毎朝決まった時間に30分~1時間ほど、時間のズレを感じなくなるまで毎日光を浴びるようにしましょう。

冬季うつ病で仕事はどうする?

休憩をこまめに取る

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冬季うつ病も普通のうつ病と同じで、ストレスも原因なのは同じです。強いストレスを感じると、セロトニンがうまく分泌されなくなるので、こまめに休憩を取るようにしましょう。また、好きな音楽を聴きながら散歩を楽しむなどして、うまくストレスを発散させましょう。

うつ病のことを考えすぎると、それ自体がストレスになってしまうので、あまり悩まずゆっくりすることを心がけましょう。

焦らずゆっくり確実に

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冬季うつ病の基本的な治療法は、光療法です。しかし、この治療は習慣化する必要があるので時間がかかります。症状が一向に改善しないと、焦りや不安を覚えるかもしれませんが、時間をかけて根気強く続けるようにしましょう。毎日同じ時間に、光を浴びて、ゆっくり確実に治していくようにしましょう。

病院で診断書を取得する

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うつ病の治療で一番大切なことは休養です。それは冬季うつ病も同じです。症状があまりにもひどい場合は、仕事を休養する必要もあるでしょう。その場合、精神科医の診断書が必要となるので、心療内科を受診し、診断書を取得しましょう。

冬季うつ病診断からの克服

朝シャワーで身体を温める

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朝に集めのシャワーで身体を温めることにより、交感神経が優位になり、血圧や体温が上昇します。目が覚めて、活動のスイッチが入るので、生体リズムを整えることができるでしょう。

日光浴しながらリズム運動

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単純なリズム運動をすることにより、セロトニンが分泌されるようになります。具体的にはウォーキング、ジョギング、スクワット、自転車などの同じ動作を繰り返す運動が良いでしょう。また、これらの運動は最低5分、長くても30分以内にとどめ、疲れない程度で終えるよにしましょう。

毎朝公園をウォーキングすれば、太陽を浴びることもできますので、冬季うつ病にはとても効果的と言えるでしょう。

楽しみにできることを計画する

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毎朝起きることが、楽しみになるようなことを計画し、早起きできる環境を作りましょう。前日に自分の好きな朝ごはんやデザートを準備しておくだけでも。起きるのが楽しみになるかもしれません。早起きをして、朝の日光を浴びるようにし、体内時計をリセットしましょう。

栄養バランスの良い食事

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栄養バランスの良い食事もうつ病を予防する上で大切になります。上記で述べたように、必須アミノ酸やビタミンB6、炭水化物は、セロトニンの生成を促すので、きちんと取り入れるよにしましょう。

通院し処方された薬を服用する

冬季うつ病では光療法以外の治療として、薬物療法が用いられます。用いられる薬剤は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などです。これらは、セロトニンやノルアドレナリンなどにピンポイントで左右するため、副作用が少ないと言われています。

また他に、ビタミンB12も治療に用いられることがあります。ビタミンB12は光の感受性を高める効果があるので、光療法との併用で相乗効果が期待できると言われています。薬の内服は必ず、主治医の指示に従うようにしましょう。自己判断での減量や中断は症状の悪化を招く恐れがあり、大変危険です。

まとめ

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冬季うつ病の原因は、日照不足によるセロトニンの分泌低下と体内時計の乱れです。これにより、生体リズムのバランスが崩れてしまうことで、冬季うつ病を発症してしまうようです。秋や冬にかけて、抑うつ気分を感じるようでしたら、この病気を疑い、朝日に当たるように心がけてみると良いかもしれません。

冬季うつ病を予防するためには、運動や食事などを生活習慣に取り入れ、規則正しい生活を送ることがポイントとなってきます。冬季うつ病にならないためにも、規則正しい生活を送りましょう。