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手根骨とは?骨折をしてもみつかりにくい?8つの舟状骨などの骨の種類や図を利用した解剖図やゴロの覚え方を 詳しく説明!

手根骨(しゅこんこつ)という言葉を聞いたことがありますか?手という文字が入っているので手の骨だとわかりますが、具体的にどの場所かわからないかたも多いでしょう。こちらでは手の骨の一部の手根骨について詳しく説明していきます。



手根骨について

手根骨(しゅこんこつ)についてこの記事でご説明します。手根骨は手首の8つの小さな骨の総称です。この記事では手根骨を説明するとともに、その位置関係の覚え方や手根骨に関わる病気の種類、手根骨が出題される国家試験の種類までご紹介します。

手根骨の種類

舟状骨

手根骨とは、どこの部分の骨のことでしょうか。手根骨をご説明する前に、手から前腕にかけての骨の構成をご説明したいと思います。まず手の骨は、親指以外の数は4本の骨で構成されています。爪に近い部分から、末節骨(まっせつこつ)、中節骨(ちゅうせつこつ)、基節骨(きせつこつ)、中手骨(ちゅうしゅこつ)と言います。

親指は中節骨がなく(他の指のように関節が3つなく2つです)、末節骨、基節骨、中手骨で構成されています。また親指の中手骨の上の部分(爪に近いほう)には種子骨(しゅしこつ)という小さい骨が2つあります。親指のほうから第一から第五と呼ばれ、例えば薬指の末節骨は第四末節骨と呼びます。

腕の前腕には橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃくこつ)という2本の長い骨があります。ちょっと前置きが長くなりましたが、それらの手を構成する骨と前腕を構成する骨の間に、手首を構成する小さい骨が8個あります。その8つの骨全体をさして、手根骨と呼んでいます。以下、8つそれぞれの骨の名称と位置を見て行きましょう。

一つ目は舟状骨(しゅうじょうこつ)です。舟状骨は親指側の橈骨に近い部分にあります。舟状骨は8つの手根骨の中でも手首の動きの中心になっている重要な骨と指摘されています。また舟状骨の骨折は見た目に大きく変形しないため、発見しずらいケースが多いとの指摘もあります。

月状骨

二つ目は月状骨(げつじょうこつ)です。月状骨は舟状骨の隣にあります。手根骨を構成する8つの骨のちょうど真ん中くらいで、前腕(橈骨と尺骨)に近い部分にあります。月状骨は周囲をほぼ軟骨で取り囲まれているため血行が乏しくし、血行障害で壊死するしやすい骨との指摘があります。

三角骨

三角骨は、舟状骨、月状骨と並んで手根骨の前腕側を構成する骨です。月状骨を挟んで舟状骨の反対側にあり、尺骨と近い部分にあります。

豆状骨

豆状骨(とうじょうこつ)は、三角骨の横にあります。手根骨を構成する骨で前腕に近い骨は、親指側(橈骨側)から舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨と4つ並んでいます。この前腕に近い部分を近位列と呼ぶようです。

大菱形骨

以上の近位列を構成する4つの骨に対して、これからご説明する4つの骨は、遠位列(前腕から遠く手に近い)と呼ばれているようです。一番目の大菱形骨(だいりょうけいこつ)は親指の根元にあり、親指の中手骨と近い部分にあります。遠位列の4つの骨では親指側の一番外側にあります。

大菱形骨の骨折については比較的まれな例で、早期に治療を行えば問題なく治るものの、診断が困難で捻挫として診断され、骨折に気が付かないケースも多いのと指摘があります。

小菱形骨

小菱形骨(しょうりょうけいこつ)は大菱形骨の隣にあり、人差し指の(第二)中手骨と節するような位置にあります。小菱形骨の骨折については非常にまれな例であるとの指摘があります。

有頭骨

小菱形骨の大菱形骨と反対側の横にあるのが有頭骨(ゆうとうこつ)です。有頭骨の骨折についてもまれな例として指摘させているようです。

有鈎骨

遠位列で最も小指よりの骨が、有鉤骨(ゆうこうこつ)です。

単純化して記載すると

(中手骨)第一(親指)、第二(人差し指)、・・・、第五(小指)

(遠位列)大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨

(近位列)舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨

(前腕の骨)橈骨、尺骨

以上のように並んでいることになります。

手根骨の覚え方

語呂で覚える

さて、この手根骨の位置関係を覚えるのに便利な語呂(ごろ)を使って覚える方法があります。ちょっと面白いので、ご紹介しましょう。まず英語で覚える場合の語呂をご紹介します。

(遠位列)大菱形骨(Trapezium)、小菱形骨(Trapezoid)、有頭骨(Capitate)、有鉤骨(Hamate)(近位列)舟状骨(Scaphoid)、月状骨(Lunate)、三角骨(Triquetrum)、豆状骨(Pisiform)

で、こんな語呂合わせがあるようです。

Some Lovers Try Positions That They Cannot Handle

近位列の橈骨(親指)側が前半(S.L.T.P)、遠位列の橈骨(親指)側からが後半

(T.T.C.H.)になります。

文書の意味は、恋人たちはいろいろな・・・ということみたいです。

並び順で覚える

同じように日本語でも語呂で覚える方法がよく紹介されています。こんな文書です。

父さんの月収は大小有るが有効に使えよ。

父(とう):豆、さん:三、月:月、収:舟、

大:大、小:小、有る:有、有効:有鉤

このように読み替えて、近位列の尺骨(小指)側から、ぐるっと一周して位置関係を覚えられます。

図に描く

もう1つご紹介しましょう。手根骨をこのように文章だけで表現するのは実は難しいです。手根骨は同じ大きさの骨が規則正しく並んでいる訳ではありません。

ですので、解剖図で実際に当てはめるのは、語呂だけ覚えても難しい場合があります。そんな時に利用できる図に書いて、この語呂を当てはめるということもよく紹介されています。以下のように単純化をした図とともに語呂を覚えます。

そうすると位置関係がわかるので、解剖図にも当てはめやすくなるかもしれません。ただし、この図の線の位置関係は間違えて覚えないようにしてください。図で接している骨どうしが解剖図でも接している骨になります。

例えば有鉤骨が接しているのは三角骨、月状骨、有頭骨です。ですので横線や斜め線の位置関係を間違えて覚えてしまうと、隣接して関節を構成する骨のペアを回答するような問題では間違えてしまいます。この図では舟状骨と有頭骨は接していて関節を構成していることがわかりますが、小菱形骨の下の斜め線を誤って月状骨につなげてしまうと間違えて覚えてしまいます。

手根骨の痛みを感じる病気

狭窄性腱鞘炎

さてここからは、手根骨の痛みを感じる病気について見て行きましょう。

狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)は、妊娠出産後や更年期年齢の女性、スポーツや仕事で手を使いすぎた人に起こる病気と指摘されています。母指狭窄性腱鞘炎、ドケルバン病とも呼ばれるようです。手首の母指(親指)側には、母指の関節を伸ばしたり、母指を外側に開いたりするときに使う腱があります。

その腱が入っている管のことを腱鞘と言い、この腱鞘が炎症を起こすことを狭窄性腱鞘炎と言います。手首を直角に曲げて母指を小指の方向に引っ張ったときに、手首の関節部分に強い痛みを感じる場合は狭窄性腱鞘炎であると診断されるとの指摘があります(この診断法をフィンケルシュタインテストというようです)。

治療法としては、ギプスなどで固定しての保存療法、投薬、ステロイド注射などがあるようです。また、手根骨の関節に整体による矯正を施す治療法などがあるようです。

月状骨軟化症

月状骨軟化症(がつじょうこつなんかしょう)はキーンベック病とも言われるようです。月状骨がつぶれて扁平化する病気で、原因はわかっていないと指摘されています。月状骨は周囲をほぼ軟骨に囲まれているために血流が乏しく栄養血管血流不全が起こるために、発症するのではないかとの指摘もあるようです。

手をよく使う仕事の青年期の男性の利き手に多く発症すると言われています。一方でケガなどの明らかな外傷がない女性や高齢の方にもみられることがあるとの指摘があります。症状としては手首び痛みと腫れが現れて、握力が低下し手首の動きが悪くなるようです。

レントゲンやMRI検査で診断しますが、初期で発見するのは困難であるとの指摘があります。初期ではギプスなので固定する保存療法で治療しますが発見できずに症状が進行すると、保存療法ではなく手術で治療することのほうが多いと指摘されています。

手術方法は月状骨にかかる力を軽減するために、橈骨短縮術などの手術が行われるようです。骨の壊死に進行する可能性があるため、整形外科を早期に受診することが重要との指摘があります。

手根不安定症

手根不安定症とは手根骨を構成する8つの骨をつなぐじん帯を、転倒した際に手をつくなどして損傷したことなどにより起こる症状を総称して呼ぶ呼称のようです。舟状骨と月状骨の間のじん帯が損傷してかい離する症状が多いと指摘されています。

また三角骨と月状骨の間がかい離することもあるようです。手関節の捻挫や骨折後に痛みが続く場合は、手根不安定症を疑う必要があると指摘されています。捻挫や骨折の修復手術後、数年を経て手根不安定症と診断される症例が報告されています。

このような場合は手術による治療を行う場合もありますが、大抵は進行しているため関節固定術(動作しやすい角度で関節を固定する手術)を試すことが多いと指摘されています。

手根管症候群

手根管症候群とは手首にある手根管と呼ばれる神経が通っている管が、何かの理由で狭くなり中を通っている神経を圧迫することにより起こる症状です。手根管の中には正中神経(せいちゅうしんけい)という親指から薬指の中指側半分を支配している神経と、指を動かす9本の腱が滑膜性の腱鞘(かつまくせいのけんしょう)と呼ばれる物質に包まれた状態で入っています。

この滑膜性の腱鞘が何らかの理由でむくんで手根管が狭くなり正中神経を圧迫することで、親指から薬指がしびれたり痛みなどの症状が起こるとされています。症状が進むと母指の付け根がやせて縫物などの細かい作業ができなくなり、OKサインを作れなくなってしまうとの指摘があります。

なぜこのような腱鞘のむくみが発生するのか原因ははっきりわかっていないようです。妊娠、出産時、更年期に出現することが多いため女性ホルモンの乱れなどが、突破性の手根管症候群の原因と疑われているようです。

また、糖尿病で透析をしている人や、腫瘍や腫瘤などが出来ている状態でも現れるともされています。手根管症候群を疑われる場合には、早目に整形外科で受診して医師の指示に従います。消炎鎮痛剤、ビタミンB12などの飲み薬や湿布、ギプスやサポーターなどでの固定具を持ちての安静、ステロイド注射などが治療法として指摘されています。

症状がひどい場合などは、腫瘤の摘出手術や手根管開放術と呼ばれるような手術も行われるようです。手根管開放術では、局所麻酔で約4分ほどの手術とされていますが、症状により手術時間などは異なると思われます。

手根骨が試験に出る国家資格

柔道整復師

国家試験で、手根骨が出題される試験を見て行きましょう。

柔術整復師は、接骨院や整骨院で、骨・関節・筋・腱・じん帯などに加わる急性、亜急性の原因で現れる骨折・脱臼・打撲・捻挫などの損傷に対して、手術をしない「非観血的療法」によって、整復・固定などを行います。

柔術整復師は、国家資格で厚生労働省の許可した専門の養成施設(三年間以上修学)か文部科学省の指定した四年制大学で解剖学、生理学、運動学、衛生学、公衆衛生学などの基礎系科目と、柔道整復理論、柔道整復実技、関係法規、外科学、リハビリテーション学などの臨床系専門科目を履修します。

国家試験(柔道整復師国家試験)を受けて合格すると厚生労働省大臣免許の柔道整復師となります。柔道整復師国家試験の試験項目には解剖学が入っていますので、手根骨の構成なども出題させる可能性があります。

理学療法士

理学療法士はPhysical Therapist(PT)とも呼ばれ、ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるように支援する医学的リハビリテーションの専門職です。

理学療法士は、4年制大学、短期大学、専門学校、特別支援学校(視覚障碍者が対象)で一般教養科目、専門基礎科目、専門科目、臨床実習の科目を修得して、国家試験(理学療法士国家試験)に合格する必要があります。

同じく国家試験の項目に解剖学が含まれています。また作業療法士国家試験も試験項目に解剖学が含まれます。

はり師

はり師は、はりを行う専門家です。はりとは一定の方式に従い、鍼(はり)をもって身体表面の一定部位に接触また穿刺刺入し、生体に一定の機械的刺激を与えそれによって起こる効果的な生体反応を利用し、生活機能の変調を矯正し保険および疾病の予防または治療に広く応用する施術のことを言います。

4年生大学または専門学校(3年間)で履修後、はり理論や東洋医学臨床論などを学び、国家試験(はり師国家試験)に合格すると、はり師の免許を得ることができます。試験項目には解剖学が含まれます。

きゅう師

きゅう師とは、きゅうを行う専門家です。きゅうとは、一定の方式に従いもぐさ等を燃焼させ、身体表面の一定部位に温熱刺激を与え、それによって起こる効果的な生体反応を利用し、生活機能の変調を矯正し保健および疾病の予防または治療に広く応用する施術のことを言います。

4年生大学または専門学校(3年間)ではり師同様の科目ときゅう理論を学び、国家試験(きゅう師国家試験)に合格すれば、はり師の免許を得ることができます(ただし同時にはり師国家試験を受ける場合は、きゅう理論又ははり理論以外の共通科目が免除されます)。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師とは、あん摩、マッサージ、指圧の専門家です。あん摩、マッサージ、指圧とは疾病の治療又は予防の目的をもって、人の身体の各部をおし、ひき、もみ、なで、さすり、たたく、などの施術をおこなうことをいいます。あん摩は古代中国におこり日本に渡来した施術、マッサージはヨーロッパにおこり体系化された施術です。

また指圧は古法あん摩、導引、柔道の技法を合わせ、大正初期にアメリカの整体施術の理論と手技を取り入れて体系化されたものです。4年生大学または専門学校(3年間)で医療概論(医学史を除く。)、衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論・経絡経穴概論、あん摩マッサージ指圧理論及び東洋医学臨床論 を学びます。

あん摩マッサージ指圧師になるためには国家試験(あん摩マッサージ指圧師国家試験)に合格する必要があります。この国家試験にも同世に解剖学が含まれますので、手根骨の構成についても出題させることがあると思われます。

まとめ

  • 手根骨とは、手首を構成する8つの小さな骨の総称です。
  • 舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨の8つです。
  • 手根骨の位置関係を覚えるのに語呂や図を使って覚えると便利です。
  • 手根骨部分の痛みを伴う病気には、狭窄性腱鞘炎、月状骨軟化症、手根不安定症、手根管症候群などがあります。
  • 手根管については、柔道整復師、理学療法士、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師

の国家試験では、解剖学が含まれていますので出題の可能性があります。