舌の腫れる7つの原因とは
ウィルス
ウィルスに感染することによって口の中の粘膜に炎症を生じて痛みが発生します。
口内炎
再発性アフタといわれる普通の口内炎によって口内の粘膜に炎症を起こして腫れが生じるもので、通常は1週間から2週間で完治しますが、今のところはっきりとした原因は分かっていません。
細菌
溶血性連鎖球菌(溶連菌)などの細菌に感染することによって口内に炎症を生じ、粘膜に腫れが出ます。特に免疫機能の不完全な乳幼児に多く見られます。
むくみ
水分代謝が悪いと舌がむくんで腫れることがあります。通常は気付きにくいですが、よく見てみると歯のあとが舌についていたりします。このような症状のことを歯痕舌といいます。
腫瘍
良性の腫瘍によって舌や唇、頬の内側の粘膜などにできる血管腫によって腫れが生じることがあります。そもそも首から上と言うのは、血管腫の最も出やすい場所だといわれています。
扁桃炎
扁桃には風邪を引いたときに腫れる口蓋扁桃のほかに、咽頭扁桃、舌扁桃などがあり、その舌扁桃が細菌やウィルスに反応して腫れることがあります。
癌
舌にできる癌によって腫れが生じているケースです。初期には口内炎との見分けがつきにくいので注意が必要です。
舌が腫れている時に考えられる7つの病気とは?
再発性アフタ
アフタ性口内炎とも言われるもので、原因ははっきりと分かっていませんが、ビタミンや鉄の不足、女性ホルモンの影響、ストレスや栄養障害、遺伝などが要因ではないかと考えられています。長期間治らない場合にはベーチェット病や悪性腫瘍の疑いもあるので、組織を詳しく調べることになります。
ウィルス性口内炎
ヘルペスウィルスが有名ですが、他にも帯状疱疹ウィルスや水痘、単純疱疹ウィルスなどが原因で口腔内に炎症が起きる疾患です。ヘルペスが原因のものを特に、ヘルペス性口内炎と言います。
扁桃炎
細菌やウィルスが口に入ってくると、扁桃ではリンパ球や抗体を産生して体を守ろうとします。このときに炎症が起きて腫れるのですが、これが扁桃炎です。舌にも扁桃が存在しており、この免疫機能の一翼を担っています。
血管腫
血管に似た良性の腫瘍によって起こる疾患です。特に首から上に起こりやすく、舌にも現れます。青紫色をした腫瘤がいつの間にかできていて、腫瘍と言うよりは組織の変性といったほうが近いようです。
小さいものに関しては保存療法で経過を観察するか、検査をするために除去してしまいます。比較的大きなものに関しては、レーザーメスなどで取り除いたりします。
ドライマウス
舌がむくんで歯痕舌(舌に歯の跡がついている状態)がある場合はこの疾患を疑います。口の中が乾いているのでやたらとのどが渇き、水分を摂りすぎることにより代謝が滞り、むくんで舌が腫れてしまいます。
女性に多く見られ、シェーグレン症候群などと言ったりもします。多くの場合で関節リウマチなど膠原病の疾患をあわせて発症することが多いようです。
舌癌
舌などの口腔内に出切る癌です。癌全体からみると2%程度ですが、命に関わる点では他の癌と変わりはありません。タバコやお酒、栄養不良や口腔内の不潔が要因になるのではないかと言われています。罹患するのは50歳以上が80%を占め、男女比は3:2で男性の方が多いです。
初期には強い痛みが出ることはなく、口内炎と見分けがつきませんが、口内炎の治療を行ってもなかなか治らない場合には注意が必要です。舌にしこりができたり、しびれて動かしづらいといった症状が出ることがあります。
溶連菌感染症
溶連菌とは溶血性連鎖球菌の略で、免疫機能の十分に発達していない幼児に特に多く見られます。特徴としては、熱や発疹のほかに口腔内に炎症を起こしたりします。くしゃみや咳などの飛沫感染によって流行します。
治療をすれば2,3日で快方に向かいますが、合併症の恐れがあるので、10日間ほどは抗生剤を飲み続けなければなりません。その後、尿検査をして菌が見られなければ完治とみなされます。
似たような病気に猩紅熱と言うものがあり、かつては法定伝染病で、隔離病棟に移されていましたが、現在では早期の治療により完治するようになったので通常の感染症として扱われています。
舌が腫れている時の治療法と対策
うがい
口内炎などの場合にはうがい薬を用いてうがいをするのが効果的です。口内が乾燥していると、細菌やウィルスが増殖する温床となってしまいます。
生活習慣の見直し
禁煙やアルコールを控える、口腔内を清潔に保つ、食習慣を見直すなど、病気の原因となる生活習慣を見直すことで、予防を行なうことが大事です。
薬物療法
溶連菌感染症の場合には抗生剤、口内炎の場合には軟膏を塗布するなどの薬による対処療法が行なわれます。
手術
舌癌や血管腫の大きな物に対しては手術という選択肢もとられます。また、扁桃炎をたびたび繰り返す場合にも取り除く手術を選択するケースがあります。
舌が腫れているときは何科に行くべき?
舌が腫れているときは通常は耳鼻咽喉科を受診します。子供の場合で熱や発疹を伴う場合はまず小児科を受診しましょう。自覚症状がない場合には歯科での治療で発見されることもあります。
まとめ
舌の腫れる原因と病気の可能性について見てきましたが、いかがだったでしょう。口内炎のほかにも色々な疾患があることが分かって頂けたのではないかと思います。すぐに治るものに関してはそれほど心配要りませんが、長引く場合やお子さんの症状の場合は早めに医療機関を受診してくださいね。