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股にしこりができた時はどうする?痛い…かゆいなど、4つの原因や考えられる8つの病気と治療法まで徹底解説します!

股にしこりを感じた時、どのように対処したらよいのでしょうか。あまり痛みを感じない場合もあれば、強いかゆみがあることもあります。様々な原因からいくつかの病気が考えられます。女性は産婦人科の受診をためらうことも多いものですが、適切な治療を受け、悪化させないことが大切です。



股にしこりができる原因とは?

女性の外陰部は、尿や生理による出血、おりものなどに触れているため、炎症を起こしやすい部位です。そのためかゆみや痛みから始まり、おりものが増え、異物感やしこりを感じるようになることがあります。

外陰部の炎症には、石鹸や洗剤、下着による刺激で起こる非感染性のものと、細菌やウイルスによる感染性のものがあります。感染性の炎症にはいくつかの病気があり、ひどくなるとしこりが感じられることがあります。性行為で感染する病気もあります。

炎症性の疾患以外にも、いぼや腫瘍といった病気でしこりを感じることもあります。適切な治療をしないと長引いたり、何度も繰り返すことがあり、診断を受けることが必要です。

細菌感染による炎症

細菌感染による炎症として、外陰部皮膚炎(毛嚢炎)、バルトリン腺炎などがあげられます。炎症が起きた後、膿がたまり、しこりとして感じられる場合があります。

ウィルス感染によるいぼ(腫瘤)

いぼをしこりとして感じることがあります。いぼは体の色々な部分にできますが、外陰部にできるのが尖圭コンジローマです。陰部中心にいぼを形成します。

潰瘍、水疱

急性外陰潰瘍は、若い女性に多く、明らかな原因はわかっていません。外陰部に痛みを伴う深くえぐれた潰瘍ができます。性器ヘルペス症も、ウイルス感染により外陰部に潰瘍や水疱を形成します。外陰部に少し盛り上がった白斑ができるのが外陰ジストロフィーです。

悪性腫瘍

外陰部にできる悪性腫瘍(がん)があります。炎症性疾患やいぼをきっかけにがんが発生するという見方もあり、かゆみが続く際などは注意が必要です。パジェット病は扁平上皮にある腺細胞からなるがんで、乳房にできる場合と外陰部にできる場合があります。時には扁平上皮以下まで浸潤することもあります。

しこりが痛い、かゆい、長く続いている時に考える病気は?

上記した病気の詳しい症状、原因について紹介します。病気によって様々な症状が見られます。

感染性外陰皮膚炎(毛嚢炎)

細菌に感染することによって起こる、外陰部の炎症です。毛嚢炎は、毛穴から毛根中心に炎症が起き、毛穴を中心に赤く腫れるのが主な症状です。腫れた先端に膿を持ち、痛みや熱感があります。毛嚢炎のいくつかが癒合し大きくなったものはおできとも呼ばれます。ブドウ球菌などの化膿菌が毛穴に入りこみ、炎症を起こします。おりものや汗で外陰部が湿っていることも原因の一つで、湿疹の後にできることも多いです。

バルトリン腺炎

バルトリン腺はエンドウ豆ほどの大きさの分泌腺で、膣の後部にあり、性行為の際に分泌液を分泌します。その位置から細菌に感染しやすい特徴があります。淋菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌などが原因となります。またカンジタ、トリコモナス、クラミジアに感染することもあります。

バルトリン腺の排泄管に炎症が起き、開口部が腫れ痛みが生じます。開口部がふさがると内部に膿がたまり、膿瘍を形成します。このふくらみがしこりの原因です。特に座ったり、歩いたりすると痛みを感じます。

バルトリン腺炎には、急性のものと慢性のものがあり、通常片側に起きるため、両側の場合は淋菌の感染を疑う必要があります。慢性型は炎症が治まった後、分泌液が排泄管にたまり嚢胞を形成したものですが、症状は急性のものより軽く、歩行時や性交時の違和感程度です。

尖圭コンジローマ

性行為によって感染する病気の一つです。尖圭コンジローマを持つ人と性行為をすると、60-80%感染するといわれています。表皮の下にある基底層がヒトパピローマウィルスに感染し、いぼ(腫瘤)ができます。女性は外陰部、膣、子宮頸部の皮膚、粘膜にいぼができますが、殿部や太ももまで広がることはほとんどありません。

潜伏期が3週間から6カ月で、いぼが形成されます。尖圭コンジローマ自体はおりものが増え、いぼが気になるといった程度の症状ですが、ガンジダ膣炎やトリコモナス膣炎を伴うことが多く、その際は痛みやかゆみがみられます。

尖圭コンジローマのいぼは、角化が強いため固く、いぼの表面が突起で埋め尽くされています。大きないぼとなることもあります。がんとの関連はないといわれていますが、前がん病変であるボーエン様丘診症や外陰がんとの区別は大切です。

急性外陰潰瘍

痛みを伴う潰瘍が、外陰部に1個から数個できる病気です。若い女性に多く、性行為とは関係なく痛みを伴います。外陰部だけではなく、膣の中や子宮頸部にもできることがあります。多くは発熱を伴います。口腔内の潰瘍を伴うこともよくあります。

傷あとを残して、多くは2-4週間で治りますが、月経時に繰り返すこともあります。細菌感染を伴わないように、清潔の保持が大切です。原因はわかっておらず、自己免疫疾患であるという見方が強くなっています。

外陰ジストロフィー

外陰部に起こる白色病変で、かゆみを伴います。細胞異型を伴うものと伴わないものがあり、外陰がんの場合も白色病変を伴うことがあり、注意が必要です。外陰上皮内腫瘍ともいわれます。

外陰部の表層の細胞で、角化の異常、ケラチンの増加、メラニンの脱出などが起こります。そのため、外陰部や肛門周囲に委縮性の白斑や、やや肥厚した灰白色の白斑が見られます。

性器ヘルペス症

単純ヘルペスウイルスが、性器に感染して起こります。性行為による感染が多い病気です。急性型は、感染から多くは1週間以内に、外陰部の強い痛みから発症します。

痛みの前にかゆみや違和感を感じることもあります。発熱を伴うことも多く、強い痛みのため歩行や排尿が困難となり、入院治療が必要となることもあります。外陰部の浅い潰瘍、水疱で診断され、大陰唇、小陰唇に左右対称にでることが多いのも特徴です。

ヘルペスウイルスは感染すると完全には排除されず、神経節に残っています。そのため、疲労や月経をきっかけに、神経を通り皮膚や粘膜に再び水疱を形成することがあります。再発を繰り返すこともありますが、再発の場合は比較的症状が軽くすみます。症状が軽い場合でも、治るまでは性行為を控える必要があります。

外陰がん

がんの中では比較的まれですが、50代以降の女性に多く発生します。しつこいかゆみとしこり(腫瘤)からはじまり、がんが進行し腫瘍が形成されると痛みや排尿時の灼熱感を感じることがあります。ヒトパピローマウィルスの感染や炎症性疾患が元になり発生するとの推測もありますが、原因ははっきりとはしていません。

外陰パジェット病

外陰パジェット病は多くは、閉経後の女性が発症します。長く続くかゆみや痛み、変色、灼熱感といった様々な症状があり、診断には切り取った組織の病理検査が必要です。病変は赤く盛り上がり、湿疹のようにみえます。原因ははっきりとしていませんが、汗を産生するアポクリン腺という器官に由来する細胞が悪性化したものともいわれています。

外陰部の病変に腫瘤がある場合は上皮から下まで浸潤していることもあり、予後に関わってきます。またパジェット病は、他の臓器にがんがある可能性が高いため、全身の検査を受ける必要性があります。

股にしこりが出来た時の治療法と対策

毛嚢炎に対しては抗生剤の内服と抗生剤含有軟膏の塗布が行われます。膿がある場合は切開し膿を出すこともあります。陰部の清潔が大切です。程度が軽ければ、清潔にしていると、治癒する場合もあります。

尖圭コンジローマは、いわゆるいぼなので、外科的切除、冷凍療法、レーザー蒸散が行われ、最近は外用薬での治療も可能です。バルトリン腺炎については原因菌に対する抗生剤の投与が行われます。慢性化し、膿瘍を形成した場合は切開し、膿を出す簡単な手術療法を行います。

急性外陰潰瘍は、抗生剤の軟膏の塗布、痛みを和らげる抗炎症薬の内服などの治療が行われます。外陰ジストロフィーは、小さい病変は切除が可能で、大きな病変になるとレーザーを用いた治療や副腎皮質ホルモンの塗布が行われます。6週間以内に治癒し、再発することも少ない病気です。

性器ヘルペス症には、抗ウイルス薬の内服や注射、軟膏の塗布があります。再発では、病変が小さいことが多く、軟膏の塗布程度で十分な場合がほとんどです。外陰がんや外陰パジェット病は、がんの進行の程度によって治療が行われます。外陰部の切除や化学療法が行われます。

何科にかかるべき?

外陰部に痛みやしこりがあり、違和感が続く場合は、産婦人科を受診し、適切な治療を受けましょう。手術にて外陰部の切除などがおこなれた時は、皮膚科や形成外科などが関わってくることもありますが、まずは産婦人科での内診が大切です。

バルトリン腺炎などは慢性化することもあり、早期に治療することが大切です。外陰がんについても、婦人科受診に抵抗があることから進行してしまうことがあり、早期発見が大切です。

まとめ

股にしこりができた時、なかなか人に相談しにくいですね。清潔にしていても、性行為や疲労など様々な原因で炎症などの病気は起こり、しこりとして感じられることがあります。痛みやかゆみが続く場合は不快感がありますし、放っておくとより病気が悪化してしまうこともあります。放置せず、思い切って産婦人科を受診し、適切な治療を受けましょう。