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腸重積って何?再発することがある?赤ちゃんと成人の治療法や症状、手術と3つの原因などについて徹底的に解説!

赤ちゃんの腸重積は放っておくと腸が壊死して重篤な症状を引き起こす怖い病気です。この記事では赤ちゃんの腸重積について症状や原因を詳しくご説明をするとともに、診断方法や治療法までを詳細にご説明します。赤ちゃんの腸重積について知っておきたいお母さんに、この記事がお役に立てば幸いです。



腸重積の症状・原因・治療法

赤ちゃんの腸重積は放っておくと腸が壊死して重篤な症状を引き起こす怖い病気です。この記事では赤ちゃんの腸重積について症状や原因を詳しくご説明をするとともに、診断方法や治療法までを詳細にご説明します。また成人の腸重積についてもご紹介します。

赤ちゃんの腸重積に対しては、早期に受診することがとても重要です。赤ちゃんの腸重積について知っておきたいお母さんに、この記事がお役に立てば幸いです。

赤ちゃんの腸重積とは?

腸が腸に潜り込む病気

腸重積(ちょうじゅうせき)は、腸の一部が腸の中に重なって入り込んでしまう状態のことを言います。スライドさせて伸び縮みする望遠鏡を縮ませた状態でよく説明されることがあるようです。腸重積によって引き起こされる腸閉塞症を腸重積症を言います。

大腸につながっている血管は大腸の外側からつながっています。そのために腸重積で大腸に入り込んだ内側の部分は血流が悪くなります。この状態を腸重積症と言います。このままの状態で放置された場合、腸が壊死(えし)してしまうこともある大変怖い病気であると指摘されています。

原因はまだ特定されていませんが、小腸のリンパ組織がウイルスによって増殖した為や小腸自体に何らかの病変がある為ではないか等と言われています。また、術後腸重積症と言われる開腹手術後に腸管の活動が過剰に活発になることにより起こる腸重積によって腸重積症を発症することもあるようです。

男児に多くみられる

腸重積にかかりやすい年齢は生後6ケ月~2才までと言われています。体型の指摘もされており、生後3ケ月から1才で太目の子にその傾向があると言われています。男児に多く女児の2倍程度の頻度で発生するようです。またその差についてわずかであるという指摘もありますが、それでも男児の発症率が多いと指摘されています。

海外の調査事例では、日本と異なっており6才以上の子供の発症率が11.1%で、3カ月から1才未満は3.6%というように、低年齢児はあまりみられませんでした。また男女比に対しては、アメリカが男:女で2.58:1、スイス2.06:1、デンマーク1.84:1などとの調査結果もあり、だいたい日本国内と大差なく約2:1となっているとの調査結果があります。

赤ちゃんの腸重積の症状

明らかにいつもと違い機嫌が悪い

普段とは違う状況で不機嫌になるような状況でも腸重積を疑うべきとの指摘があります。腸重積は突然発症しますが、不機嫌にぐずったり落ち着いたりを繰り返す症状を起こすようです。これを間欠的な症状と表現するようです。このような症状が出たら注意が必要です。

お腹をさわったら硬いものがある

腸重積の症状を見て行きましょう。まず突然痛みで号泣します。痛みの波があるので軽減されると泣き止みますがまた痛みが強くなると泣き出します。腸重積は主に発症しやすい箇所は、おへそのやや右上くらいです。腸重積の赤ちゃんはここを押されるとしこりを感じたり、痛みを覚えて激しく泣くことがあるようです。

泣いたりぐずぐずしたり

腸重積の場合、上記のように急に不機嫌になったり落ち着いたりを間欠的に繰り返すのですが、このように周期的に泣いたり泣き止んだりするのが腸重積の特徴です。同時にミルクを吐いてしまう、うんちに血が混じるなどの症状が出るのが一般的であるとの指摘があります。その点をよく理解しておく必要があると言われています。

飲んだものは全て吐いてしまう

腸重積の主な症状として嘔吐(おうと)があります。嘔吐に行き着くまでには、痛みで機嫌が悪くなり泣き出すという兆候があるはずです。そして号泣の合間に泣き止んでぐったりしますが、再び号泣します。その繰り返しをするうちに嘔吐するようになり、次第に顔色が青白くなります。これらの症状が見られたら出来るだけ早めの受診をするようにしましょう。

お腹を激しく痛がる

腹痛も腸重積の典型的な症状と言われています。激しい腹痛を伴いますので、赤ちゃんが激しく泣くことがあると指摘されています。上記の嘔吐、粘血便と複数が腸重積の3大症状といわれることがあるようです。ただ、この3大症状が初診時に3つとも現れるのは10~50%程度との指摘があります。

早期に受診するほど3つがすべてそろう頻度は少なくなるようです。ですので、複数、嘔吐、粘血便がないからと言って、腸重積ではないと決めてかかることは良くないようです。

赤くてジャムのような便

腸重積の特徴として血便が出る時と言われています。赤ちゃんの場合は粘血便と言われるイチゴゼリーのような血便が自然に出る、あるいはそのような便が浣腸して出ることも、腸重積の典型的な症状との指摘もあります。

一方で、血便だけを腸重積の判断材料にしてはいけないといわれています。なぜなら発症してから、血便が12時間以内に出る事で異変に気付き受診するケースが多いようですが、実際に血便が自然に出ない事のほうが多いのです。便が出た場合でも、特徴として挙げられているジャム状の便ではなくやや血が混じったような状態もあります。このような事から、血便だけを目安にして考えてしまうのは避ける必要があります。

血の気がなく動くのも辛そう

赤ちゃんの顔色が悪くなる(血の気が引いて蒼白になる)状態で、ぐったりした場合も腸重積を疑ったほうが良いとの指摘もあります。

以上のような症状を確認したらとにかく早期に受診することが重要です。特に赤ちゃんの場合は、腹痛または不機嫌になったり泣き止んだりを周期的に繰り返す症状が出たらそれだけで腸重積を疑うべきであるとの指摘もありますので、とにかく早期の受診を心がけるほうが良さそうです。

赤ちゃんの腸重積の原因

腸内のリンパ節が腫れる

腸重積の原因を見て行きましょう。まず主な症状として多いのが、腸の中に腸が入ってしまい、それが次から次へと重なってしまうというもの。そして腸重積の原因として、なぜ入ってしまうかというと、腫れてしまった大腸のリンパ節が腸内に送り出され、はまり込んでしまうからではないかと言われています。

リンパ節がはれる原因としては、ウィルス感染などが指摘されています。

腸内のリンパ組織の増殖

食べ物を食べた時に腸のリンパ組織にあたってしまいそれが腸重積の原因ともいわれています。これはリンパ組織が増殖した影響で起こり得るものです。生後の免疫が発達する時期に、免疫力をつけるためにリンパ組織が大きくなるためと言われています。

また小腸ポリープや悪性リンパ腫、メッケル憩室、重複腸管、血管性紫斑病などが腸にみられることが原因とされることもあるようです。このような腸に病気の原因が明確に見られるのは腸重積の全体で3.9%程度であるとの調査結果が報告されています。

腸のけいれん

腸重積の原因としては、腸自体のけいれんが原因であるとの指摘もあるようです。

ここまでご説明しましたとおり、腸重積はいろいろな状況で起こるとされています。また原因は特定されていないとの主張も目立ちます。赤ちゃんの場合は特に、少しでもこのような状況に近く感じられたら、なるべく早期に受診したほうが良いでしょう。

胃腸炎

また、成人ですが病原性大腸菌O157に感染したことから腸重積が現れた例も報告をされているようです。ごくまれな例として報告されています。このようにウィルス性の胃腸炎から腸重積を発症することもあるようです。

赤ちゃんの腸重積の検査法

触診

赤ちゃんの腸重積の検査方法について見て行きましょう。赤ちゃんのお腹を触って触診する方法があるようです。腸重積の赤ちゃんのおへそのやや右上(右上腹部から上腹部にかけて)を触ったり押した場合、しこりの部分に当たっていると痛みを感じるので号泣するようです。

痛みには波があります。激しい痛みの間は触診を控えておき痛みが引いた間に行うと良いでしょう。赤ちゃんに恐怖感や不安感を与えないようにそっと優しく丁寧な診察をすることで、しこりの場所や状況を知る事が出来るようです。

腸重積は発症してから症状の進行が早いことや処置が遅れると重症化する為、迅速な診察が求められます。しかし赤ちゃんの場合、触診がやりにくいケースもあるのでエコー検査を用いて診断を行う必要もあるようです。

超音波検査

腸重積の診断においては、超音波検査が特に有用であるとの指摘があります。超音波検査をした場合は感度が高く(病気を検査で正しく見つけられる確率が高いこと)、特異度も高い(検査で正しく病気がないと判断できる確率が高いこと)と言われています。レントゲン撮影は放射線の心配がありますが、超音波にはありません。その為、信頼性と安全性が高く、赤ちゃんの体に負担をかける事なく検査を行うことが出来るとして評価されています。

また、超音波検査では、小腸ポリープなどの腸重積の原因になった病気も同時に見つけることが可能との指摘もあります。ただ超音波検査の設備がない病院もありますし、検査する医師の経験に検査結果が左右されることも事実であるとの指摘も同時にされています。

腸重積の超音波検査では腹部全体をくまなく丁寧に検査する必要があります。超音波検査の結果画像で腸の断面を確認した際に、的(まと)のようなものが映し出されたときに、腸重積であると確認されるとされていて、その的状の画像のことをターゲットサインとか、ドーナツサインと呼ばれているようです。

レントゲン検査

超音波撮影がより有用であるものの診察施設に設備が無い場合や、超音波撮影に精通した医師がいない場合などは、レントゲンを使用することもあるようです。レントゲンの場合は、撮影と同時に治療も行えるケースもあるようです。撮影時に造影剤と呼ばれる液体を肛門から注入しますが、その際に腸に圧力をかけて重積を治す事が可能なようです。

超音波撮影による検査が100%でないことも事実なので、腸重積が疑われて超音波撮影による検査で見つからない場合でも、第二の診断方法としてレントゲン撮影を行う場合もあるようです。その際に安全面を重要視しなければならず、大人の場合は造影剤としてバリウムを使用するのですが赤ちゃんの場合はまだ臓器が未熟な為、腹膜炎といったトラブルを起こしかねないという心配があります。そのような病院ではバリウムではなく生理食塩水などを使用するとの指摘がされています。

赤ちゃんの腸重積の治療法

高圧浣腸法

次に腸重積の治療法について見て行きましょう。赤ちゃんの体への負担を最小限に抑える場合に用いる方法として「高圧浣腸法」があります。この治療では整復を行うだけなので手術はしません。

肛門から造影剤としてバリウム、アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン(ガストログラフィン)、生理食塩水、空気、炭酸ガスなどを注入して入り込んだ腸を戻す方法です。レントゲンないし超音波検査の画像を見ながら整復を実施します。

8割から9割この方法で治ると指摘されています。数時間から数日で再発の可能性があるのとの指摘もあります。再発した場合も非観血的整復法で対応することが多いようです。

また、この方法によって、まれに腸に穴が開く(穿孔:せんこう)ことがあるとされていて、この方法になれた小児科、小児外科、放射線科での受診が必要との指摘があります。

開腹手術

高圧浣腸法(非観血的整復法)で腸が元の状態に戻らない場合は開腹手術が選択される場合があります。発症から長時間が経過して腸の壊死が発生している場合も手術が選択されるようです。また腸に小腸ポリープや悪性リンパ腫が出来たことが原因と考えられる場合は、その原因になっている部分を手術によって切除する必要があるようです。

最近では、腹腔鏡手術も行われるようです。

赤ちゃんの腸重積の術後

絶食

手術後は腸の回復が必要となります。食事を摂る事は禁止され、再発が起こらないように慎重に観察していきます。一般的にも嘔吐を伴うような状況では数時間から半日程度は、絶食してお腹の安静を保ったほうが良いとの指摘もあります。

脱水症状が改善して腸管機能が回復した後に経口摂取(けいこうせっしゅ:口から水や食べ物をとること)を開始するとされています。非観血的整復後に発熱や腸管麻痺が持続することがあるため、術後数時間は注意深く観察することが必要で、入院中であれば経口摂取が可能であり、排便すれば退院が可能であるとの指摘もあります。

入院

術後の管理のためにも、しばらく入院をして経過観察を行う事が多いです。術後に感染症を起こしたり、その他の病変が起きていないか確認が出来るまでは安心は出来ません。また、赤ちゃんの場合、容体が変化する可能性もあります。症状が再発することも考慮して自宅から医療機関までのアクセスが良い場合に帰宅を限るべきとの指摘もあります。

成人の腸重積について

原因

赤ちゃんだけでなく、成人も腸重積になることはあります。成人の場合原因のほとんどは、腫瘍などができることによるとの指摘があります。約90%が腫瘍が出来たことなどが原因で、腸管内のポリープなどの良性腫瘍が35.0%,悪性腫瘍が52.8%とういう調査結果もあるようです。

症状

成人の腸重積では、便秘のような排便障害が起こるとの指摘もあります。腸重積の3大症状として、腹痛、嘔吐、血便とありますが、成人の場合は慢性症状で多様であるため、腹痛、下血があれば腸重積を疑っておく必要があるとの指摘もあります。

治療法

大人の腸重積の治療法は、ほとんどが手術による開腹を行う事が多いようです。その理由としては、子供に見られるような腸重積の原因とは異なる場合があり、悪性腫瘍やポリープから引き起こされているケースもあるからです。腸の治療と共にそれらの除去も必要となるので手術を行うのです。しかし体への負担を考えてすぐに手術ではなく症状を見極めてから行う傾向にあるようです。

腸重積で気を付けること

再発

腸重積は再発しやすい病気であるとの指摘があります。再発率は10%程度とも言われています。数時間から数日で再発することもあると言われており、高圧浣腸法などで修復した後でも入院を勧められるのは、再発を予防するという理由も大きいようです。

ロタウイルスワクチン

ロタウィルスワクチンを摂取すると腸重積症のリスクが高まるという指摘があります。ロタウイルスとは、冬場に多くみられる胃腸炎で低年齢児が発症する傾向があります。主な症状は発熱と激しい嘔吐下痢です。特に下痢は激しく脱水症状を起こすとも言われています。

現在、ロタリックス(Rotarix)とロタテック(Rotateq)という2種類のワクチンがあります。このワクチンはロタウィルスに対する高い防御効果がある一方で、ロタウイルスワクチンの初回接種後に、腸重積が発症するリスクが高まると報告されている国があるようです。

日本では現在(2014年3月現在)、調査実施中とのことでまだはっきりと因果関係が認められた訳では無いようです。ただし、リスクを意識してワクチン接種を制限する医院などがあります。(詳細はワクチン接種を実施する病院におたずねください。)

自然には治らない

腸重積が起こった腸では次第に血流が悪くなり組織が壊死して行きます。一過性で自然治癒する場合も報告されていますが、激しい痛みや嘔吐などを繰り返すなど、自宅の安静で回復を目指すことは困難だと思われます。早期の受診が重要でしょう。

早期に治療する

このように腸重積は、重篤な症状に発展する可能性のある大変恐ろしい病気です。時間がたてばたつほど腸の壊死など、危険性が増すと言っていいでしょう。少しでも疑われる症状が出たならば、早急に受診することが重要でしょう。夜間に症状が出た場合などは救急車を呼ぶなどして早期に対応しましょう。

まとめ

・腸重積は腸が腸に潜る込む病気です。生後3ケ月から6才くらいまで、特に2才くらいまでに多く発症すると言われています。

・赤ちゃんの腸重積では、おなかにしこりがある、ミルクを吐きだす、不機嫌になる、周期的に泣く、粘血便がある、腹痛がある、顔色が悪くぐったりする、などの症状が現れるようです。

・赤ちゃんの腸重積に原因は、はっきりしない場合が多いのですが、腸内のリンパ節が腫れる、腸内のリンパ組織の増殖、腸のけいれん、胃腸炎などが原因として起こることもあるようです。

・赤ちゃんの腸重積の検査法としては、触診、超音波検査、レントゲンなどがあります。赤ちゃんの腸重積の治療法としては、高圧浣腸法、回復手術がありますが、高圧浣腸法で、8割から9割は回復するとの指摘もあります。

・赤ちゃんの腸重積の術後については、絶食して入院することが多いようです。

・成人の腸重積についても症例はあり、腸に腫瘍などができることが主因として考えられ、腹痛、嘔吐、血便の腸重積の3大症状や便秘を起こすなど症状は様々なようで、手術によって治療することが多いようです。

・腸重積は再発することが多い病気ですので注意が必要です。タロウィルスワクチンを接種すると腸重積になりやすい可能性があると指摘されています。

・自然に治癒する場合もあるようですが、激しい腹痛を伴うことも多く、腸の壊死など重篤な症状になる場合もありますので、とにかく早目の受診することを心がけてください。