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膝蓋骨脱臼ってどんな症状?女性に多い?実は犬にも起こる可能性!5つの治療法やリハビリについて詳細解説!

膝蓋骨脱臼は、若い女性や小型犬に多く見られる病気です。先天的な要素が多く関係する病気ですが、今回はそんな膝蓋骨脱臼の症状や治療法、リハビリについて調べてみました。膝蓋骨を脱臼した際の症状などを把握して、違和感があった場合は病院へかかるようにしてみてくださいね。



膝蓋骨脱臼とは?

膝蓋骨脱臼の症状

膝蓋骨の脱臼は、ほとんどが外側に脱臼します。脱臼した時には、膝の関節に痛みや腫れが生じます。脱臼を繰り返す(反復性脱臼)ようになると、この痛みや腫れは少なくなります。その代わりに、膝が不安定に感じます。

亜脱臼

膝蓋骨は膝を輪切りにすると、大腿骨の正面の溝にはまるように位置しています。この溝を乗り越えてしまうと「脱臼」と言いますが、乗り越えるまではいかないが、ずれてしまうことを「亜脱臼」と言うそうです。

膝蓋骨の役割とは?

膝の曲げ伸ばしを効率よく行う

膝蓋骨とは、膝の関節よりも前方にあるもので、一般的には「膝のお皿」と言われている丸い骨の事を指します。膝蓋骨は、膝の動きを滑らかにする役割を持っています。膝を曲げ伸ばしする時に、この膝蓋骨が中心となって支えています。

膝蓋骨脱臼はどのような時に起こる?

運動中や打撲によるもの

膝蓋骨には膝を曲げる作用がある大腿四頭筋という筋肉があります。この大腿四頭筋は膝蓋骨を通り越して、すねの内側にある脛骨という骨に付着しています。ジャンプなどで着地する時に、この大腿四頭筋が強く収縮して膝蓋骨の脱臼が起きる事があります。しかし自然と元に戻ることも多いため、骨折が起きていない場合では見逃されてしまうこともあるようです。

大腿四頭筋の影響だけでなく、膝蓋骨を打撲した場合でも脱臼が起きてしまうこともあります。また10~20代の若い女性に多く、その後20~50%の人が繰り返し脱臼がおきる、反復性脱臼をきたすことがあります。

傷性膝蓋骨脱臼では、激痛と膝の変形が起きて動くことが出来ません。数分で膝関節に血液が溜まり腫れてくるのですが、この時膝蓋骨が持ち上がり、膝を伸ばしたままでいると自然と脱臼が元に戻ることも多いです。

またスポーツの復帰は、膝の痛みや腫れ、運動の制限がなくなって筋力が回復してからになるようです。通常は2か月以上かかります。手術を受けた場合は、手術の方法によって違いがあるようですが、3~6か月はかかるそうです。

先天性によるもの

膝蓋骨の脱臼は先天性によるものが多いと言われています。若い女性に多く、身体的な要因としてはX脚の人・膝蓋骨と向かい合っている大腿骨の溝が浅い・膝蓋骨の形成不全・膝蓋骨から5cmくらい下の突き出たところの脛骨粗面が、膝の中心よりも外にあるなどが考えられます。

診断方法とは?

レントゲン、CT撮影、MRI撮影

膝蓋骨を脱臼した場合は、レントゲンで骨折が起きているかを確認する必要があります。特に軸斜の撮影で骨軟骨が骨折していないかを有無を診断します。骨軟骨骨折を伴っている場合は、関節血腫が生じて膝蓋骨の外方不安定性が目立ちます。

CT撮影では関節の骨格上の不具合などが判断出来、MRIではMPFL靭帯の断裂や軟骨の欠損を見つける事が出来ます。このような方法で、どのような状態になっているかを診断します。

診察時には元に戻っている事も多い

外傷性の膝蓋骨脱臼では、側方からの強い外力で生じます。しかし脱臼してもすぐに自然に元の位置に戻った時や、膝蓋骨が変形したことに気付かないうちに戻った場合は、本人でも気づかない事があります。戻らない場合は病院で戻してもらう事になりますが、診断の前に元に戻っている事が多いようです。このような事から、骨折がない場合は診断が難しいようです。

治療法とは?

保存療法

膝蓋骨の脱臼が起きた場合、病院に行く前に自然と元に戻っている事も多いですが、戻らない場合は病院で戻してもらう必要があります。またすぐに治った場合でも、その後再脱臼が起きる可能性もありますので、一度病院へ行かれることをお勧めします。

初回脱臼で骨折がない場合は、脱臼を元に戻し固定するなどの保存療法が行われます。また膝蓋骨を脱臼した後、20~50%の人で再脱臼が起こると言われています。また、再脱臼にならなくても、半数以上の人で痛みや膝の不安感などの症状が残るようです。その為、再脱臼を予防する事も大事な治療となります。

この場合は、リハビリや運動用の装具によって治療を行います。リハビリでは、膝蓋骨が外側にずれてしまうことを防ぐために行います。膝蓋骨の内側についている筋肉を筋力トレーニングや電気刺激によって強化・膝蓋骨を外側に引き寄せる筋肉、靭帯の柔軟性をストレッチによって高める・脱臼をしやすい姿勢や動作を防ぐ運動のパターンを練習するなどの方法が取られます。

運動用の装具は、膝蓋骨が外側にずれてしまうのを防ぐ作りになったものを使用します。このような装具は脱臼したばかりの頃では日常生活でも使用し、その後もスポーツをする時には一定期間使用します。

手術療法

初回脱臼でも、脱臼しやすい素因が明らかで反復性脱臼になる可能性が高いときなどは手術治療が勧められるようです。膝関節には、MPFL(内側膝蓋大腿靭帯)とLPFL(外側膝蓋大腿靭帯)という膝蓋骨が横へ脱臼しないように支えている靭帯があります。

手術療法には、内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)再建術というものがあります。このMPFLが切れてしまった場合、縫合で治すことは困難で強度も得られません。なので、膝の内側にあるハムストリングス腱を取って移植する方法や、人工靭帯を使い再建術を行います。

再発を繰り返すとどうなるの?

反復性脱臼および習慣性脱臼

言葉のニュアンス的に同じように感じられる言葉ですが、反復性脱臼と習慣性脱臼は異なるものです。反復性膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨が外側に外れやすい状態です。その為、膝を曲げた状態で力を入れると、膝蓋骨が脱臼してしまいます。階段の昇り降りやスポーツの最中に障害をきたします。

また、常に亜脱臼位にある場合では膝蓋軟骨硬化症による膝の前面に痛みがあります。外傷以外でも膝蓋骨の脱臼が起きるので、適切な治療が必要になります。

習慣性膝蓋骨の脱臼は、先天的な要素が強い病態です。反復性脱臼では”外れやすい状態”でしたが、習慣性膝蓋骨脱臼は、膝を曲げると常に膝蓋骨が真横に脱臼しています。膝を曲げている状態では、大腿四頭筋の力がバランスよく伝わらないので、立ち上がるときに支えがないと立てない・転びやすいなどの運動障害が目立ちます。

軟骨損傷

膝蓋骨を脱臼すると、同時に膝蓋骨や大腿骨の軟骨が損傷されてしまう場合があります。軟骨が損傷されると「変形性膝関節」や「骨軟化症」になるリスクを高めてしまいます。軟骨は一度すり減ると、完全には元の状態には戻りません。その為、生活に支障が出ないように治療を進めていく必要があります。

リハビリの方法とは?

ストレッチ

受傷後3~6週間はテーピングや装具で固定し、固定除去後にリハビリを開始します。膝蓋骨は外側に脱臼する事がほとんどなので、それを防ぐために膝蓋骨の内側についている筋肉を強化する必要があります。

更に膝蓋骨を外側に引き寄せる筋肉や靭帯の柔軟性を高めるためにストレッチを行います。体幹や股関節周囲の筋力も強化する必要があります。また、脱臼を誘発するような姿勢を回避する為の運動パターンの練習も行います。

テーピングの方法

テーピングは装具と同様の原理で、外側方向の力を抑える目的で使用します。膝のテーピングの巻き方については、以下の動画を参考にしてみてください。

犬の膝蓋骨脱臼とは?

症状

犬の膝蓋骨脱臼は、症状が伴わないことがほとんどで、身体検査で偶然見つかるということも少なくありません。外傷で起こる場合もありますが、先天性や発育に伴って発症する事が多く、遺伝的な要因が強く影響していると考えられています。特に小型犬の内包脱臼の発生が多く、両足とも脱臼しているケースが多いようです。

無症状の場合が多いですが、時々足をあげたり、スキップのような歩き方をしたりといった症状が出る事もあります。酷いときには完全に足がつけなくなります。また重症の場合は、骨格が変形して足が使えなくなります。

Singletonの分類というものを使い、グレード1~4で重症度を評価します。グレード1の場合は時々症状が出る程度のものですが、グレード4になると膝蓋骨は常に脱臼しており整復することも出来ません。

犬の膝蓋骨脱臼の原因とは?

先天性及び後天性

先天性は小型犬に多いもので、出生時では脱臼は見られないかもしれませんが、脱臼の原因となる解剖学的な異常はこの時点で存在するようです。発生の70~80%は内方脱臼で、トイプードルやチワワ、ポメラニアン等の小型犬に特にみられるようです。

また外方脱臼は小型犬にも見られますが、ラブラドールやゴールデン等の大型犬で多く見られます。後天性に分類されるものは、外傷で起きた物を指します。

犬の膝蓋骨脱臼の治療方法とは?

治療法

治療には、保存療法と手術療法があります。根本的な治療では手術しかありませんが、グレードが低く症状が軽い場合には保存療法での管理も出来るようです。また、ある程度の年齢の場合は手術を見合わせる事もあります。保存療法では環境や生活の改善、投薬で症状を抑える事で骨関節炎の進行を抑制します。

若ければ若いほど、将来的にグレードが進行してしまい脱臼を整復する事が出来なくなってしまうので、手術が必要になるようです。一般的にはグレード3までが手術の対象となるようです。また、外方脱臼の場合は内方脱臼以上に強い症状が出る事が多いため、手術が必要になるようです。そして、術後の再脱臼も外方脱臼の方が多くみられるようです。

膝蓋骨脱臼があっても、無症状のまま過ごせている犬も多くいます。しかし気付かずに肥満にさせてしまったり、過度な運動をさせてしまうと将来的に異常をきたす可能性が高まります。その為、早期に発見して早期治療を行うことが予後を左右させます。

犬の膝蓋骨脱臼の予防方法とは?

生活環境を整える

先天性の場合では、出生時には解剖学的な異常がすでに見られます。その為、普段からの予防が重要となります。まずは滑りやすいフローリングを避けて、お風呂マットやじゅうたんを敷きましょう。また段差や階段なども避けるようにして下さい。

次に、体重が増えてしまうと症状が出やすくなってしまいます。その為、体重管理も重要です。かかりつけの獣医さんと相談して、減量が必要な場合は適切な原料を心がけましょう。

また滑らないように足裏の毛はこまめにカットしましょう。階段などの段差はよくないので、平坦な道を散歩して筋力が落ちないように気をつけて下さい。関節軟骨の保護の為に、サプリメントの投薬を行うこともあります。きちんと獣医さんの指示に従って投薬を行いましょう。

手術費用は?

ペット保険で負担額が減らせる

膝蓋骨脱臼の場合、15万円前後の手術費がかかるようです。近年では、様々なペット保険がありますので、犬を家にお迎えする時は後々の事も考慮して保険に入っておくのも1つの選択肢になります。手術費に関しては、かかりつけの獣医さんとよく相談してみてくださいね。

ペット保険も様々なものがありますので、特性などを考えて補償内容を検討してみてください。ペット保険に加入する事で、負担額が1割になったりもします。病院にかかると1度で済むことはなかなかないですので、先々の事を考えても加入する方がお得かもしれませんね。

まとめ

膝は人が生きて行くうえで必ず使う関節ですよね。そんな部位だからこそ、もし脱臼などが起きてしまった場合はきちんと病院へ行くようにして下さいね。早期に発見して、適切な治療を受ける事で先の生活も変わって来ます。

また膝蓋骨の脱臼は人間だけではなく、犬にも起こり得る病気です。大事なわんちゃんが膝蓋骨を脱臼してしまうと元気に走り回ることが出来ません。それを見るのもとっても悲しいと思います。ですので、生活環境の改善などでわんちゃんの足に負担がかからないよう、是非工夫をしてみてくださいね。