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チアノーゼは皮膚が青紫色になる病気なの!?赤ちゃんにも発症する?3つのチアノーゼの種類や7つの先天性疾患を詳しく解説!

チアノーゼとは、血中の酸素が不足することで皮膚が暗紫色に変色した状態をいいます。チアノーゼには中枢性チアノーゼと末梢性チアノーゼがありますが、それぞれ発症機序や原因となるものは異なります。その病態も、一刻も早く治療が必要なものもあれば、これといった医療処置は必要のないものまでさまざまです。そんなチアノーゼの種類や、チアノーゼをきたす機序、原因疾患などを詳しく解説します。



チアノーゼとは

皮膚や粘膜が青紫色に

チアノーゼとは、血中の酸素が不足することで皮膚や粘膜が青紫色に変色した状態をいいます。酸素が枯渇した血液(非酸素化血液)の色は青みがかった色をしており、毛細血管内を循環中の血液の色が皮膚や粘膜を通して透けて見えることで、それらが青紫色に見えます。

酸素と結合していないヘモグロビンを「還元ヘモグロビン」といいますが、この還元ヘモグロビンの血中濃度が高くなるとチアノーゼが出現します。そのため、一酸化炭素中毒(一酸化炭素は酸素よりも極めてヘモグロビンと結びつきやすく、酸素が全身に巡らなくなるために生じる中毒)や、重症の貧血(ヘモグロビンの数値が低い疾患)では、チアノーゼはみられません。

医学的定義

チアノーゼの医学的定義は「血中の還元ヘモグロビンや、異常ヘモグロビンなどの非酸化ヘモグロビンの濃度が5g /dl以上に増加することによって、皮膚や粘膜が暗紫色になる状態」と定められています。新生児は生理的にヘモグロビンの総量が多く、多血傾向にあるためチアノーゼを発症しやすいとされています。一方、貧血では発症しにくいため、低酸素血症に特異的な症状ではないため注意が必要です。

異常ヘモグロビンは、メトヘモグロビン血症などの疾患でみられます。メトヘモグロビンとは酸素と結合して運搬する能力が失われたヘモグロビンをいい、遺伝や中毒によって生じる疾患です。

チアノーゼの種類

中枢性(中心性)チアノーゼ

中枢性チアノーゼは動脈血酸素飽和度(SpO2)の低下が原因で生じるチアノーゼです。動脈血酸素飽和度とは、動脈に流れているヘモグロビンのうち、酸素と結合しているヘモグロビンの割合をいいます。動脈血の中にどの程度の酸素が含まれているかを示す指標となり、正常な動脈血の酸素飽和度は97%以上です。

動脈血酸素飽和度が低いと、中枢性チアノーゼが出現します。一般に動脈血酸素飽和度が90%をきるとチアノーゼが出現します。中枢性チアノーゼは主に口唇や顔面の中央部分、または体幹にチアノーゼが認められます。

中枢性チアノーゼがみられる場合、動脈血酸素飽和度が低下する原因疾患の特定が必要です。呼吸器疾患、循環器疾患、代謝性疾患、血液疾患、中枢神経系異常などさまざまな原因によって生じます。

赤血球が多い多血症の場合はヘモグロビンの数値が高いことに加え、血液の粘稠度が高まるために末梢の循環状態が悪くなるため末梢性チアノーゼもきたしやすくなります。

末梢性チアノーゼ

末梢性チアノーゼは四肢末端にのみ認められるチアノーゼです。動脈血酸素飽和度は正常値で、多血症の傾向にある新生児によくみられるものです。また、出生後の低体温などで末梢の循環が停滞すると、還元ヘモグロビンが末梢で増加するために末梢性チアノーゼが出現します。通常、末梢性チアノーゼは特別な医療処置は必要ありません。

先天性疾患によるチアノーゼ

先天性疾患によってチアノーゼがみられることがあります。先天性心疾患のうち、チアノーゼをきたす疾患を「チアノーゼ性心疾患」といい、チアノーゼがみられない「非チアノーゼ性心疾患」よりも比較的重症度が高い疾患です。

先天性心疾患のうちチアノーゼ性心疾患が占める割合は全体の30~40%と、非チアノーゼ性心疾患よりも数は少なくなっています。しかし疾患の種類は非チアノーゼ性疾患よりも多く、主なものだけでも20~30種類の疾患があります。

チアノーゼ性心疾患は病状が重いものから軽いものまであり、生まれてすぐに手術が必要なほど重症なものから、ほとんど症状がみられないものまでその程度はさまざまです。一般にチアノーゼ性心疾患が非チアノーゼ心疾患よりも難しい病気とされるにはわけがあります。

まず、同じ病気の症例が少ないことが挙げられます。そのため、治療できる医療機関が限られるものも少なくありません。中には10,000人に1人という頻度の疾患もあり、治療方法や手術の方法が確立していなかったり、治療や手術が難しい場合もあります。

またチアノーゼ性心疾患の場合、心臓の形状が正常と大きく異なるケースが多いとされています。心房や心室の大きさのバランスが悪かったり、通常は心房2つ心室2つの計4つある部屋の数が足りなかったり、部屋の並び方が違っていたりする場合もあります。心臓の形が正常なものとかけ離れているほど、手術は難しいものになります。

心臓の形が通常と大きく異なるということは、それだけ心機能がうまく働かないということです。非チアノーゼ性心疾患では通常とは違う横道があっても、酸素を含む動脈血が静脈のほうに流れ入るためにチアノーゼは生じません。しかしチアノーゼ性心疾患では動脈に静脈血が混じってしまうため、動脈酸素飽和度が低下してしまい、チアノーゼをきたします。

チアノーゼになる原因

中枢性(中心性)チアノーゼの場合

中枢性チアノーゼを生じる原因は、動脈血酸素飽和度の低下です。動脈血酸素飽和度の低下をきたす疾患には呼吸器疾患や循環器疾患などありますが、具体的には以下のようなものが挙げられます。下記以外にも、代謝性疾患や血液疾患、中枢神経系異常などによってもみられることがあります。

【呼吸器疾患:肺疾患】

■呼吸切迫症候群

在胎期間が37週未満で出生した新生児の肺が、未熟であることによって引き起こされるものです。肺機能の維持に重要な肺サーファクタントが欠乏することにより、肺は広範囲にわたって無気肺の状態になります。その結果、炎症や肺気腫といった病態が引き起こされます。効率的な酸素交換がなされなくなるため、低酸素血症をきたします。

■胎便吸引症候群

胎児は酸素が欠乏した状態などによって、体内で胎便を排泄することがあります。その胎便を出生前から出生直後にかけて、肺に吸い込んでしまったことにより呼吸困難が引き起こされる病態です。胎便吸引症候群を起こした新生児は出生後に呼吸ができないため、チアノーゼがみられます。

■細菌性肺炎

細菌の感染によって肺に炎症をきたした病態です。重症例では呼吸困難をきたし、低酸素血症によりチアノーゼがみられることがあります。

■新生児一過性多呼吸

新生児の肺に過剰な液体があるため、出生後に一時的な呼吸困難をきたすものです。血中の酸素濃度が低くなるため、チアノーゼがみられます。新生児一過性多呼吸をきたした新生児の多くは2~3日以内に完治します。

■肺低形成

肺の発育形成不全です。肺胞や気管支、肺葉などの数が少なかったり、大きさが小さかったりします。死産の原因や、新生児の死因にもなり得ます。

【呼吸器疾患:気道疾患・閉塞・機械圧迫】

■気胸

肺から空気が漏れて胸腔内に貯留し、逃げ場のない空気が肺を圧迫して肺が収縮する疾患です。縮んだ肺は呼吸機能が低下するため効率的な酸素交換ができなくなり、呼吸困難を生じて低酸素血症をきたすことがあります。

■気道閉塞

分泌物や異物などが気道を塞ぐことによって正常な呼吸ができなくなり、低酸素血症によってチアノーゼをきたすことがあります。

■横隔膜ヘルニア

胸部と腹部を隔てている横隔膜に穴が開いている状態で、この穴から腹腔内の小腸・大腸・胃・脾臓・肝臓などが胸に入り込み、肺を圧迫する疾患です。生まれつき穴が開いている先天性のものと、交通事故などで穴が開いてしまう後天性のものがあります。

【循環器疾患】

■チアノーゼ性心疾患

チアノーゼをきたす心臓の異常です。詳しくは後述の「先天性心疾患の代表例」をご覧ください。

■原発性肺高血圧症

心臓から肺に血液を送る肺動脈の血圧が高くなり、心臓と肺の機能に障害をきたす疾患です。

発症の原因は不明ですが、何らかの原因で肺の小動脈が細くなり、肺へ血液が流れにくくなることによって肺動脈内の圧力が高まります。肺動脈に血液が流れにくくなると、血液を送り込んでいる右心室に負担がかかって肥大し、右心不全をきたします。その結果、息切れ、胸痛、動悸などの症状が現れ、症状が進行すると低酸素血症を生じるようになります。

末梢性チアノーゼの場合

末梢性チアノーゼでは動脈血酸素飽和度の低下はみられず、末梢の毛細血管内の血流が滞ることによって生じます。心拍出量の低下によって末梢循環の血液量が低下する低心拍出症候群や、末梢血管の攣縮、また血液粘稠度が高くなる赤血球増多症(多血症)でも毛細血管の血流速度が低下するため、末梢性チアノーゼがみられます。

新生児における低血糖の症状としてみられることもあります。指先や鼻の頂部などの末端に限局してみられることが多く、粘膜には認められない傾向にあります。

血液性チアノーゼの場合

ヘモグロビンに異常があってチアノーゼがみられるものを「血液性チアノーゼ」といいます。メトヘモグロビン血症が代表的なもので、中毒性や薬剤性、先天性のものがありますが、先天性のものは稀です。中毒性、薬剤性のものでは、フェナセチンや硝酸薬、一酸化窒素の吸入によって生じます。

通常ヘモグロビンは、酸素と結合して酸素を全身に運搬します。その能力が何らかの理由で低くなっているものがメトヘモグロビンで、血中の割合は正常では2%未満です。しかしメトヘモグロビンの割合が15%を超えると、チアノーゼや頭痛、めまい、倦怠感などが生じ、50%以上になると意識消失をきたすなど重篤なものになります。

海外で報告例がある乳児のメトヘモグロビン血症は、中毒性のメトヘモグロビン血症です。窒素肥料に汚染された井戸水を摂取すると、胃の中のpHが高い乳児では亜硝酸塩に代謝されてしまいます。亜硝酸塩が血液中のヘモグロビンと結合することで、メトヘモグロビン血症を引き起こすとされています。

先天性心疾患の代表例

「心室中隔欠損」「心房中隔欠損」「動脈管開存」は非チアノーゼ性心疾患で、「ファロー四徴症」「完全大血管転位」はチアノーゼ性心疾患です。

心室中隔欠損

心室中隔欠損症は代表的な先天性心疾患の1つです。頻度は1000人に3人の割合で、先天性心疾患の約6割を占めます。心臓の中の左心室と右心室を仕切る壁に穴が開いている病態で、穴が小さなケースでは自然に塞がります。しかし穴が大きい場合は、血液の逆流を防ぐための手術が必要となります。

症状は軽いものもあれば心不全を伴うような重いものもあります。具体的な症状は呼吸が荒い、呼吸の回数が多い、ミルクの飲みが悪い、体重の増え方が悪い、活気がない、汗をかきやすいといったものです。

心室の中隔に穴が開いていても、圧力は右心房右心室より左心房左心室のほうが高いため静脈血が動脈に混じることはなく、一般にチアノーゼはみられません。そのため心室中隔欠損症は非チアノーゼ性心疾患の代表例です。

心房中隔欠損

心臓の中の右心房と左心房の間を仕切る壁に穴が開いたものをいいます。先天性心疾患の約5%にみられます。こちらも穴が小さければ自然に塞がりますが、大きい場合は手術が必要になります。最近ではカテーテルを使用して穴を塞ぐ治療もできるようになりましたが、穴の場所によってはカテーテルでは防ぐことができない場合もあります。

心房中隔欠損症では通常は左心房の血液が右心房に流れ込むため、乳幼児期に心不全症状が現れることはほとんどありません。3歳児検診や小学校入学時の検診で疑われ、発見されるケースが大半を占めます。心室中隔欠損と同じく非チアノーゼ性心疾患ですが、成人まで自然閉鎖せずに放置されたものでは、稀に右(静脈側)から左(動脈側)へ流れることがあります。

動脈管開存

胎児のときは肺呼吸をしないため、血液が酸素を受け取るために肺へ流れる必要がありません。そのため肺へ流れ込む肺動脈から、全身へ血液を送り出す大動脈を繋ぐ動脈管というものがあり、血液は動脈管を経由して肺動脈から大動脈へ直接流れています。

通常は産まれた直後、肺呼吸がはじまると同時に動脈管は閉鎖します。しかしこの動脈管が開いたままになってしまっているのが動脈管開存症です。動脈管開存症は非チアノーゼ性心疾患です。管が小さなものでは無症状で、自然に閉じることもあります。

ファロー四徴症

ファロー四徴症は、チアノーゼ性心疾患で最も頻度の高いものです。「心室中隔欠損」「肺動脈狭窄」「右室肥大」「大動脈騎乗」の4つの特徴を合わせもったものをいいます。右心室と左心室を隔てる壁に穴が開いていて、肺動脈は狭窄しており、右心室の肥大がみられ、本来は左心室から出ている大動脈が右心室と左心室の両方に跨る形で出ています。

肺動脈狭窄があるために右室からの静脈血が肺へと流れにくく、右心室に負担がかかるため右室肥大となります。静脈血は騎乗するように右室に跨っている大動脈へ、あるいは心室中隔欠損を介して左室へと流入し、大動脈へ流れてしまいます。すると全身へ送り出される動脈血と混じって静脈血が流れてしまうため、全身の血液中の酸素濃度が低下し、チアノーゼをきたします。

完全大血管転位

本来、左心室からは大動脈が、右心室からは肺動脈が出ていますが、完全大血管転位症では右心室から大動脈が、左心室から肺動脈が出ており、大血管の位置関係が反対(転位)になっている疾患です。頻度は先天性心疾患全体の4~8%を占め、女児よりも男児に多くみられます。

新生児のときに高度なチアノーゼを認めますが、酸素を吸入してもチアノーゼは改善されません。しかし強い呼吸困難がないのが特徴です。出生体重は正常かそれ以上のことが多いとされています。

心室中隔欠損と肺動脈狭窄の合併の有無で、3つの病型にわけられます。心室中隔欠損を伴わないのが1型で、心室中隔欠損を伴うものが2型、心室中隔欠損と肺動脈狭窄を合併しているのが3型です。治療を施さなかった場合最も予後不良なのは1型で、1カ月で約80%が死亡します。2型は1カ月で10%死亡し、3型の自然歴が最も良いとされています。

単心室、三尖弁閉鎖、肺動脈閉鎖、左心低形成

その他、チアノーゼ性心疾患には以下のような先天性心疾患があります。

■単心室

体循環(心臓を出た血液が全身を巡ってまた心臓へ戻ってくる循環)と肺循環(心臓を出た血液が肺を通って心臓に戻る循環)の両方を、機能的に1つの心室に依存する疾患です。心臓の形態として、心室が1つしかないということを意味するわけではありません。

■三尖弁閉鎖

単心室症のひとつで、右心房と右心室の間にある三尖弁が閉鎖してしまっているものをいいます。全身を巡って戻ってきた血液は右心房に入り右心室へと送られますが、右心室・右心室間が閉鎖してしまっているため、心房中隔欠損または卵円孔を経て左心室へと流入し、動脈血と混ざってしまうために、大動脈へ流れる血液の酸素飽和度が低下します。

■肺動脈閉鎖

肺動脈弁や、その前後が閉鎖している疾患です。肺へ向かう肺動脈が閉鎖してしまっているため、生存条件として心房間の交通が必須であり、静脈血が左心房へと迂回します。また、肺血流は動脈管に依存しています。

■左心低形成

左心房と左心室の間にある僧房弁や、大動脈弁が狭窄、あるいは閉鎖しているものを左心低形成症候群といいます。血液が大動脈に流れることができないため、卵円孔や心房中隔欠損の穴を介して右心房へと流れます。血液の流入しない左室や大動脈は小さく、細くなっているのも特徴です。左心低形成症候群では、必ず動脈管や卵円孔の開存、もしくは心房中隔欠損が合併します。

新生児・乳児のチアノーゼ

原因

新生児や乳児にみられるチアノーゼは、中枢性チアノーゼの場合は前述した心臓疾患(心奇形)や肺疾患、ヘモグロビン異常などによって引き起こされます。新生児は一般にヘモグロビンが多く多血症であるため、チアノーゼを引き起こしやすい状態にあります。

末梢性チアノーゼは出生後の低体温などで末梢循環が停滞した場合にみられます。出産直後にカンガルーケアを行ったお母さんなら経験があるかもしれませんが、動脈血酸素飽和度(赤ちゃんの足に装着して測定されていたもの)が正常値であるのに、四肢末端が青紫色になっているのは末梢チアノーゼです。お腹の中と外界との温度差によって一時的にみられるものであり、病的なものではないため医療処置は必要ありません。

還元ヘモグロビンの濃度

中枢性チアノーゼ、末梢性チアノーゼともに、チアノーゼは毛細血管を流れる血液の還元ヘモグロビン濃度が5g/dl以上になると出現します。還元ヘモグロビンとは、酸素と結合していないヘモグロビンをいいます。

還元ヘモグロビンの濃度が5g/dl以上になるのは、毛細血管の酸素飽和度が67%以下になったときです。毛細血管の酸素飽和度が67%以下になるのは動脈血酸素飽和度が82%以下となったときであるため、心臓や肺の疾患によって動脈血酸素飽和度が82%以下の低酸素血症となった際に中枢性チアノーゼを生じます。

一方末梢性チアノーゼは、末梢の循環が停滞したために還元ヘモグロビンが還流されず、末梢で増加するために引き起こされます。末梢性チアノーゼでは中枢性チアノーゼとは異なり動脈血酸素飽和度は100%に近い正常値ですが、静脈血の酸素飽和度は33%以下となります。

予防法

赤ちゃんに中枢性チアノーゼがみられる場合、循環器や呼吸器に病的な異常がある可能性も否定できませんので、必ず小児科で詳しく検査してもらいましょう。もし異常が認められた場合でも、現代の治療技術は目覚ましく進歩していますので、適切な治療を受ければ良好な経過をたどるケースが増えています。

チアノーゼを起こしやすい赤ちゃんの場合、以下のような点に気をつけることでチアノーゼを予防してあげましょう。

・ミルクを飲むときにチアノーゼを起こしてしまう赤ちゃんの場合、ミルクは1回量をやや少なめにし、こまめにあげるようにしましょう。

・赤ちゃんは免疫力が低いため、風邪をひくと重症化しやすい傾向にあります。特にチアノーゼをきたす先天性疾患を有している赤ちゃんでは呼吸器感染症にかかる頻度が高く、感染すると全身状態が急激に悪化することがあります。風邪が流行しているような時期はできるだけ人混みを避けるようにしましょう。

・心臓病の赤ちゃんは全身への血液の流れがよくないため、手足が冷えることのないように気をつけてあげましょう。

・心室中隔欠損などで心不全状態にある赤ちゃんは、たくさんの汗をかきます。体が冷えることのないよう、こまめに肌着や衣服を替えてあげましょう。

・主治医から処方された薬はしっかりと飲ませましょう。ミルクの前に飲ませたり、少量のミルクに混ぜて先にあげたりして、薬を飲み残すことがないように工夫しましょう。

・ファロー四徴症などでチアノーゼが強い赤ちゃんは、長時間泣かせたり排便でいきんだりすると低酸素発作をきたすことがあります。必要以上に長い間泣かせないようにし、便秘とならないよう排便コントロールにも気をつけましょう。

対処法

チアノーゼをきたす基礎疾患がある場合は主治医の指示に従ってください。基礎疾患などない場合にチアノーゼをきたすものには、熱性けいれん、てんかん、脳炎脳症、泣き入りけいれんなどがあります。

いずれもけいれんによって呼吸が一時的に停止し、低酸素状態によるチアノーゼを認めることがあるものです。子どもが真っ青になってけいれんしている姿を見て慌てるなというほうが無理からぬ話ですが、できるだけ落ち着いて対処しましょう。

まずは衣服をゆるめて顔を横に向け、吐いた物で窒息しないようにします。舌を噛まないように物をくわえさせる必要は全くなく、むしろ口の中を傷つけてしまう危険性があるためやめましょう。特に指を口の中に入れたりしないようにしてください。噛まれて怪我をすることがあります。けいれんの続いた時間や、けいれんの仕方、体温などを測ってメモしておきましょう。それらは診断の際に有用です。

泣き入りけいれんでは、激しく泣いた際などに息を吐いた状態のまま呼吸を止めてしまうことによって、チアノーゼや意識の消失、全身の脱力などをきたす状態をいいます。最もよくみられるのは2歳頃で、5歳を過ぎると滅多に起こらなくなります。

泣き入りけいれん発作が始まったときは、冷たい布を顔にあてると発作を中断させることができる場合があります。この発作が起きないようにするには、子どもの気を上手に逸らしたり、かんしゃくを起こす状況を避けることです。また、鉄補給も有効とされています。

いずれの場合も、チアノーゼが生じるような状態がみられたときは必ず小児科を受診し、医師の診断を仰ぐようにしてください。

チアノーゼが出やすい場所

チアノーゼはメラニン色素が少なく、表皮が薄い場所や毛細血管が豊富な場所など、毛細血管の血液の色を反映しやすい場所に出やすい傾向にあります。

爪床(爪の下の皮膚)や指先はチアノーゼが確認しやすい部位です。一般に末梢性チアノーゼでは四肢末梢に、中心性チアノーゼでは爪床にみられることが多いとされています。

鼻尖部(鼻の先)もチアノーゼが見られやすい部位です。特に末梢性チアノーゼでみられる傾向にあります。

口唇や口腔粘膜のチアノーゼは、中心性チアノーゼで認めやすいとされています。

チアノーゼの検査と診断法

パルスオキシメータによる動脈血酸素飽和度(SpO2)

血液中を流れるヘモグロビンは酸素と結びついている酸素化ヘモグロビンと、酸素と解離している還元ヘモグロビンにわけられます。動脈血酸素飽和度は動脈血中を流れる全てのヘモグロビンのうち、酸素化ヘモグロビンの割合を示す数値で、パルスオキシメータによってリアルタイムにモニタリングできます。

パルスオキシメータによって測定した動脈血酸素飽和度は「SpO2」と表記し、正常値は100%に近い数値で、80%をきるとチアノーゼがみられるようになります。パルスオキシメータは通常手や足の爪部にセンサーを取りつけるだけで測定できますので、非侵襲的に数値を知ることが可能であり、呼吸管理に欠かせないモニターです。

動脈血ガス分析

動脈血ガス分析は動脈の血液を採取する検査です。動脈血酸素飽和度だけでなく、動脈血中に含まれる二酸化炭素の量や血液のpHなどを知ることができます。動脈血酸素飽和度だけであればパルスオキシメータの数値でよいのですが、より詳しい値を知るためには必要な検査となります。

動脈に針を刺すことは医師でなければ行えませんので、医師が採血を行います。採血する場所は手首や肘、太ももの付け根など、触れると脈を打っている場所です。

検査値の単位はトール(Torr)で、正常値はそれぞれ酸素分圧 (PaO2)が80~100トール、二酸化炭素分圧 (PaCO2)が35~45トール、pHが7.35~7.45(弱アルカリ性)です。動脈血ガス分析による動脈血酸素飽和度は「SaO2」と表記されます。

その他

中枢性チアノーゼが認められた場合、その原因疾患を特定することが必要となります。そのためには基本的なバイタルサインの測定や血液検査の他に、胸部X線や心臓超音波検査(心エコー)などの画像診断、心電図、場合によっては心臓カテーテル検査など、必要に応じた検査方法が選択されます。

チアノーゼの治療法

チアノーゼの治療法はそれぞれチアノーゼをきたす疾患によって異なります。先天性疾患によるものでは手術が必要になることもあります。

まとめ

チアノーゼは皮膚や粘膜が暗紫色を呈する状態で、還元ヘモグロビンの血中濃度が高くなることによって生じます。チアノーゼには中枢性チアノーゼと末梢性チアノーゼがあり、中枢性チアノーゼは主に低酸素状態になることで生じるチアノーゼで、動脈血酸素飽和度の低下によって生じます。一方末梢性チアノーゼは末端の毛細血管の血流が滞ることで生じるものです。新生児は生理的に多血症であるため、チアノーゼが生じやすい状態といえます。

チアノーゼをきたす疾患はさまざまですが、中でも先天性心疾患は病状によっては重度のチアノーゼをきたすものとして知られています。先天性心疾患は非チアノーゼ性心疾患とチアノーゼ性心疾患にわけられますが、ファロー四徴症や完全大血管転位などはチアノーゼ性心疾患の代表例です。しかし無治療では予後が厳しい場合も、現代の小児医療の発展により助かる命は確実に増えています。

チアノーゼが見られる場合は呼吸器や循環器に何らかの異常が隠されている可能性があります。また異常ヘモグロビンの増加によってきたされるチアノーゼもあります。治療の必要性がないチアノーゼもありますが、いずれの場合もまずは病院を受診して、確かな診断を仰ぐようにしましょう。