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【生理的体重減少】体重が減っても大丈夫?黄疸が出ていたら注意が必要!?正常な体重減少と注意が必要な体重減少の違いを紹介!

赤ちゃんが生まれてからはわが子がしっかり大きくなっているのか、成長が気になるところですよね。ところが、おっぱいやミルクをしっかりあげていても、生後3日目頃になると出生時よりも体重が減少します。この、生まれて間もない新生児が出生時より体重が減少することを生理的体重減少といいます。しかし中には注意が必要な体重減少もあるため、その違いをおさえておきましょう。



生理的体重減少とは

新生児に起こる自然現象

赤ちゃんが出生後、一時的に体重が減っていくことを「生理的体重減少」と呼びます。一般的には生まれて3~5日経った頃がいちばん体重が減少し、その後は1日に20~30gずつ増加していきます。生まれて間もない新生児は、まだ哺乳力が弱く、母乳やミルクよりも排出(尿・胎便・汗など)が多いために体重減少がおこるとされています。

生後3~5日で5~10%減

では、具体的にどの程度体重が減少するかというと、出生してから3~5日目頃までに、出生時体重の5~10%ほど減少します。たとえば出生時体重が3000gの場合、200~300g程度の減少がみられます。

初めはどんどん体重が減少してびっくりするかもしれませんが、自然な現象なので心配する必要はありませんよ。生理的体重減少のピークを過ぎると、今度は排出よりも母乳やミルクを飲む量が増えるため、生後1~2週間ほどで元の体重に戻っていきます。

減少率の計算方法

生理的体重減少率は次の計算式にて求めることができます。

(出生時の体重−現在の体重)÷(出生時の体重)×100=生理的体重減少率(%)

たとえば、出生時の体重が3200gで、現在の体重が2880gだとすると、(32002880)÷3200×100=10となり、生理的体重減少率は10%となります。

この生理的体重減少率が5~10%であれば正常範囲といえます。赤ちゃんの体重減少が気になる方は、一度計算してみてもよいかもしれないですね。

生後1~2週間で戻る

生後、生理的体重減少によって減った体重は、今度は1~2週間ほどで元の体重に戻っていきます。生まれて間もない赤ちゃんは哺乳力が弱かったり、母乳やミルクの飲み方が下手だったりするため、うまく飲めないことも多いですが、それも日を追うごとにだんだん上達してきます。

またお母さん側も、産後すぐには母乳は出にくいかもしれませんが、それも赤ちゃんに吸われることで刺激となり、徐々に分泌されるようになっていくことが多いです。そのため、赤ちゃんが最初に減った体重はもとに戻るので安心してくださいね。

また、体重が出生時体重に戻った後の増加目安としては、1日に約30g、1か月で700~1000gほどとされているので、参考にしてみてください。

こんな時は要注意!

体重が減らない

体重が出生時体重よりも減少すると初めはびっくりするかもしれませんが、赤ちゃんにとっては自然なことです。むしろ体重減少がみられない、もしくは体重減少が少ない場合には何か病気が隠れているかもしれません。

生理的体重減少は、母乳やミルクよりも排出する量が多いためにおこりますが、体重減少がおこらないということは、排出がうまく行われていない可能性が考えられるのです。

体重が減らない場合は、尿や便がしっかり出ているかどうかを観察し、腎機能や腸など、内臓のはたらきに問題がないかどうかを診てもらう必要があります。自然分娩の場合、通常5日~1週間程度の入院となることが多いため、生理的体重減少の多くは産後の入院中に起こります。そのため異常があれば早くに気が付きやすいですが、気になる場合には早めに医師や助産師に相談してみましょう。

減っても戻らない

体重が減って戻らない場合にも注意が必要です。通常、生理的体重減少のピークが過ぎると、母乳やミルクが排出を上回るため、体重は増加します。しかし、体重がもとに戻らないということは、母乳やミルクが足りていないのかもしれません。そうすると赤ちゃんは脱水や栄養失調に陥ってしまう可能性があります。この時、特に問題となるのが、低血糖です。

赤ちゃんはお母さんのおなかの中にいたころは、胎盤を通じて水分や栄養分とともに糖分ももらっていましたが、脱水や栄養不足に陥ると、当然糖も不足してしまうため、低血糖になります。血糖は酸素と同様に、脳の活動のために重要な栄養分です。そのため、ひどい低血糖や、低血糖の状態が長時間続くと脳に影響することもあるため、注意が必要です。

減り続ける

体重が減り続ける場合はさらに注意が必要です。前項と同様、脱水と栄養不足から低血糖に陥ってしまう可能性が非常に高くなります。赤ちゃんがうまく飲めていないのか、母乳がうまく分泌されていないのか、はたまた別の病気が隠れている可能性も考えられるため、生後1週間を過ぎても体重が減少し続けるようであれば、早めに小児科医に相談しましょう。

体重減少の一因・生理的黄疸とは

肌や目が黄色くなる現象

体重減少の一因として、生理的黄疸との関連が指摘されて言います。生理的黄疸とは、赤ちゃんの肌や目が黄色っぽくなる現象で、生後1~2週間頃見られます。黄色っぽく見えるのは、血液中のビリルビンという物質が増えることが原因です。

赤ちゃんは、お母さんのおなかの中にいるときは、胎盤を介してお母さんから酸素を受け取っています。しかし、お母さんからもらえる酸素の量は、空気中で呼吸するよりも少ないため、少ない酸素を効率よく赤ちゃんの体全体にいきわたらせる必要があります。

そのため、お母さんのおなかの中にいる間は、酸素を身体全体に運ぶはたらきのある赤血球成分が多くなっているのです。そしてこの赤血球が壊れるときにできるのがビリルビンです。

赤ちゃんはお母さんのおなかの外に出ると、自分の呼吸で酸素を取り込めるようになるため、これほど多量な赤血球は不要となります。そのため、生後1~2週間をピークとして多量の赤血球がどんどん壊され、その代謝物としてビリルビンという物質が増加します。

新生児黄疸の症状は、お母さんの胎内で成長してきた赤ちゃんが外に出てきて、身体の機能が外の世界に順応していく一つの過程で起こりうることと考えても良いかもしれません。この過程の中で、生まれたばかりの赤ちゃんの肝臓は未熟であるため、多量に増加したビルビリンを処理しきれないために、肌や目が黄色っぽくなる黄疸という症状が出現する場合があるのです。

新生児の90%に起こる

生まれたての赤ちゃんが、だんだんと黄色っぽくなってきたら、びっくりする方も多いと思います。でも、この生理的黄疸は、新生児の90%に起こるといわれています。赤ちゃんはお母さんのおなかか外に出ると、赤ちゃんをとりまく環境が一気に変わります。それに順応していくサインだと思うといいかもしれませんね。新生児の生理的な特徴としては4つのポイントがあげられます。

まず1つ目としては先ほども述べたように、生まれたばかりの新生児の血液成分は赤血球が多いという特徴です。そして2つ目は肝臓の機能が未熟という特徴です。これらの特徴のため、お母さんのおなかの外に出た赤ちゃんは、不要になった赤血球を壊して、自分の肝臓で処理しきれないために黄疸となります。

赤血球は成人の場合、寿命がおおよそ120日程度と言われていますが、新生児はそれに比べて短めで80~90日程度であるのが3つ目の特徴です。そのため、赤血球が壊れるスピードが速く、ビリルビンの生産量が多くなります。それに対して肝臓は未熟であることから、肝臓での処理が追いつかないことも、生理的黄疸の一因として考えられています。

最後に4つ目として、ビリルビンの腸肝循環が盛んであるという特徴です。ビリルビンは肝臓から胆のうを隔て、さらに腸内に胆汁として排出され最終的には便として外に排泄されるのですが、一部は腸内でもう一度吸収されてまた血液中に取り込まれていく、「腸肝循環」という循環のもとで再吸収されていきます。

新生児は肝臓が未成熟であるため、この腸肝循環が生まれてしばらくの間活発だと言われています。そのため、再吸収されて体内でのビリルビンの量が多くなることも黄疸の理由として挙げられます。

このように、生理的黄疸が起こるのは、新生児の生理的特徴によるものなので安心してくださいね。ほとんどの場合、1~2週間で徐々に消えますよ。

長引く場合には別の原因も

生理的黄疸は、多くの場合2週間程度で消えます。しかし、完全母乳での育児である場合は2週間以上続く場合があります。これを母乳性黄疸といいます。

母乳にはエストロゲンとよばれるホルモンが多く含まれています。このエストロゲンには、肝臓でビリルビンを処理するための酵素のはたらきを弱める作用があります。そのため、母乳を飲んでいる赤ちゃんは、エストロゲンの作用によって肝臓でのビリルビン処理速度が遅くなるため、完全母乳育児での赤ちゃんは黄疸が長引く傾向にあります。

病的黄疸には要注意

生理的黄疸は90%以上の赤ちゃんに起こりますが、中には病気が隠れている病的黄疸もあるため、注意が必要です。

まず1つ目として「溶血性黄疸」という黄疸があげられます。この黄疸は血液型不適合妊娠の場合に起こることがあります。血液型不適合妊娠とは、お母さんとおなかの中の赤ちゃんの血液型が異なり、さらに赤ちゃんの赤血球に対して、お母さんに抗体ができることでおこります。

そのお母さんの血液中の抗体が胎盤を通して、おなかの赤ちゃんの血液中に入ると、赤ちゃんの血液中で抗原抗体反応が起こります。これにより赤ちゃんの赤血球が大量に破壊されることで溶血がおこり、大量のビリルビンができてしまうことがあるため、この場合は黄疸が強くでます。

血液型不適合妊娠は、お母さんがO型であるのに対し赤ちゃんの血液型がA型、もしくはB型である「ABO式血液型不適合妊娠」と、お母さんの血液型がRh(−)であるのに対し、赤ちゃんの血液型がRh(+)である「Rh式血液型不適合妊娠」という二つに分かれます。

以前は、Rh式血液型不適合妊娠の方が特に強い黄疸症状が出る場合があると言われてきましたが、現在は有効な治療方法の確立や検査で早く対応ができることにより、重篤な症状が避けやすくなっているようです。

Rh式血液型不適合妊娠で、第1子の妊娠で溶血性黄疸が起こることはほとんどありませんが、第2子妊娠の際には、赤ちゃんに溶血性黄疸が出る可能性が高いため、お母さんがRh(−)でお父さんがRh(+)の場合は、医師に流産や死産なども含めて、何度目の妊娠であるかを正確に伝えるようにしましょう。

次に注意すべき黄疸として「新生児肝炎症候群」という病気です。これは何らかの原因で肝臓に炎症が起こっているために、ビリルビンをうまく処理できないことで黄疸が強く出るとされています。この場合は内科的治療が必要になる場合があるため、2週間をすぎても黄疸が収まらない場合は早めに小児科医に相談することをお勧めします。

もう1つ、注意すべき黄疸として「先天性胆道閉鎖症」という病気があげられます。この多くは生後2か月以内に発見されることが多い病気で、胆汁が流れる場所である胆道が生まれつき狭窄、または閉塞してしまっている病気です。

これは胆汁の流れが悪くなるために腸へ排出されずに滞ってしまうことで、血液中に胆汁が逆流してしまうために、黄疸が引き起こされます。

本来うんちが黄色がかった色をしているのは、この胆汁の色が反映されるためですが、胆汁が腸へ流れなくなることで、白いうんちが出てきます。そのため、肌や目の色が黄色っぽく、白いうんちが出てきたら新生児肝炎症候群が疑われることがあるため、毎日うんちの色はしっかりとチェックし、おかしいと思ったら早めに小児科医に相談しましょう。

黄疸の治療法とは

生理的黄疸の場合は治療は必要ありませんが、もし病的黄疸と診断されたら、それに応じて治療が必要になります。

生理的黄疸の場合、血液中のビリルビンの値は最大でも15mg/dl以下で落ち着く場合がほとんどですが、病的黄疸の場合、血液中のビリルビンの値は15mg/dl以上となることが多くなります。この場合、そのまま放置すると核黄疸になる恐れがあるため、ビリルビンの値を下げる治療が行われます。

血液中のビリルビンは、太陽の光や蛍光灯など、光にあたると値が減少することがわかっているため、まずは光線療法がおこなわれます。これは赤ちゃんをおむつ1枚にして、肌に青白い光や緑色の光をあてる治療法です。これにより、ビリルビンは肝臓で処理・排出されやすくなるのです。

そして、光線療法でビリルビンの値が落ち着かない場合には、赤ちゃんの赤血球崩壊がどんどん進み、造血が間に合わないために「溶血性貧血」という重症な貧血が起こる可能性があるため、交換輸血という治療が行われます。

交換輸血とは、赤ちゃんに流れる血液を、そっくり別の血液と置き換える治療法です。そのため、一方の管から血液をとりだし、もう一方の管から別の血液を輸血するといった治療が行われます。

まとめ

生まれたばかりの新生児のほとんどは生理的体重減少によって体重は減少します。これは、新生児がお母さんのおなかの中から出てきて、外の環境に適応しようとしているサインの1つなのです。

多くの場合、心配いらないものがほとんどですが、「おかしいな」と思ったら早めに誰かに相談してみるようにしましょう。お母さんが安心して育てられることこそ、赤ちゃんが1番うれしいことですよ。