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インフルエンザの予防接種の副作用はどんなもの?副作用がおきる原因と症状

毎年、12~4月にかけて流行するインフルエンザ。その予防対策としてインフルエンザワクチンの接種があります。ワクチンには、インフルエンザの発症を抑える効果が認められていますが、まれに副作用もあります。今回はワクチンの接種後に起こることがある、副作用について解説します。



インフルエンザワクチンの役割と効果

ワクチンを注射すれば、インフルエンザに感染しないというわけではありません。しかし、ワクチンにはインフルエンザの発症を抑えるとともに、合併症や命の危険につながる重篤化を防ぐ効果が認められています。小児や高齢者は合併症を起こしやすく、特にワクチンの接種が勧められています。

ワクチンがインフルエンザを予防する仕組み

ワクチンの役割は、体に侵入してきたウイルスに対して、防衛反応をおこなう免疫を利用した予防方法です。身体の免疫システムは、ウイルスに対して抗体を作って闘います。身体はウイルスと闘った経験が記憶され、同じウイルスが再び身体に入ってくると、素早く抗体を作り、身体を守ることができます。ワクチンが発症を抑える効果は、健康な成人で約60%です。

ワクチンは、その年に流行すると予測されたインフルエンザウイルスを、感染性がないように不活化ワクチンとして、化学処理したものが使われます。ワクチンを免疫に記憶をさせることで、ウイルスの感染を防ぎます。不活化ワクチンは安全に処理されていますので、ワクチンが原因でインフルエンザを発症することはありません。

インフルエンザワクチンの副作用

ワクチンを接種した後に、身体に異変があらわれ副作用を訴える人がいます。副作用は正式には「ワクチンの副反応」と呼ばれます。主な原因は免疫システムの働きにありますが、まれに命の危険にかかわることも。数日で治まる副作用から医療機関の受診が必要な副作用は次のようなものがあります。

インフルエンザワクチンの主な副反応

インフルエンザの予防接種を受けた人の中には、注射を打った部位が赤く腫れる、固くなる、痛みを感じる、熱をもつ、しびれる、などの訴えが10~20%。頭痛、悪寒、発熱、関節痛、筋肉痛、吐き気、目まい、リンパ節腫脹など、全身に反応がでる訴えは5~10%あります。

この症状は、身体に入ってきたワクチンに対して抗体を作る免疫反応が原因であり、通常でしたら2~3日で治ります。予防接種の後に体調不良になると誰もが不安になりますが、副反応はある程度は起こりうることなんですね。

重篤化するワクチンの副反応

ワクチンの副反応には、2~3日で治まる症状のほかに、非常にまれですが、重篤なものもあります。その病名は以下になります。

アナフィラキシー

アレルギーの過剰反応が原因で起こる副反応です。症状は、予防接種を受けてから30分以内に現れ、のどの腫れによる呼吸困難、じんましん、吐き気、意識レベルが下がるなど重篤な状態になる場合があります。アナフィラキシーはインフルエンザワクチンに限らず、ほとんどの薬の副作用として注意が必要です。

特に卵アレルギーの人は、ワクチンには鶏の卵が使われており、卵のタンパク成分が含まれています。過去に卵でアナフィラキシーショックを経験している場合は、命の危険につながる可能性もありますので、予防接種は受けない方がよいでしょう。

ギランバレー症候群

本来ならば身体を守る免疫システムが、神経細胞を攻撃してしまう病気です。おもに運動神経にダメージをあたえることから、手足に力が入らない、歩くことが困難になる、手足がしびれる、呼吸ができない、などの症状が現れます。ギランバレー症候群は、感染症が原因といわれますが、まれに医薬品投与によって引き起こされます。インフルエンザワクチンでは100万人に1人か2人の割合で発症するとされています。

発症時期はワクチン接種をしてから約6週間以内にみられます。初期は風邪に似た症状があり、徐々に手足に症状が現れますが、大半は回復していきます。以前にギランバレー症候群を発症したことがある人は、必ず医師に相談をしましょう。

急性散在性脳脊髄炎(ADEM)

急性散在性脳脊髄炎は、ウイルス感染やワクチン接種後にみられる、アレルギー性の脳脊髄炎の一種です。発症の確率は10万人に2.5人とされ、脊髄をはじめとする中枢神経に炎症がおこります。発症時期はワクチン接種後の1~2週にもっとも多く、4週後にみられることもあります。初期症状として頭痛、嘔吐、発熱、胸のむかつき、項部硬直などがあり、重症化すると呼吸困難の危険があります。

肝機能障害・黄疸

ワクチンが原因で、肝臓が機能低下して正常な働きができなることがあります。肝機能障害は、全身の皮膚や白目が黄色くなる黄疸(おうだん)を引きおこします。治療せずに放置すると、肝臓がん、肝硬変、肝炎につながる危険がありますので、異常がみられたら適切な治療が必要です。

喘息の発作

ワクチンが喘息(ぜんそく)の発作を誘発することがあります。しかし、喘息の持病がある人がインフルエンザに感染すると、重症化につながる可能性もありますので、基本的にはワクチンの予防接種が勧められています。持病を医師に伝え、2週間以内に発作が起きたり、4週間以内に強い発作を経験している人は、必ず相談をしましょう。

予防接種の前に気をつけたいこと

これまでにワクチンの摂取や、薬の服用、食事などでアレルギー反応を経験した人。妊娠中や持病がある人は医師に相談が必要です。予防接種の当日に37.5℃以上の発熱がある場合や、重篤な急性疾患の人は予防接種ができません。体調不良について必ず医師に伝えましょう。

アナフィラキシーは予防接種を受けてから30分程で症状がありますので、予防接種後に病院で経過をみることも一つの方法です。予防接種後の副作用の多くは、24時間以内に現れます。注射の痕の腫れや痛みなどの軽微な症状は2~3日で治まりますが、高熱や麻痺の症状が現れたら、速やかに医療機関を受診しましょう。