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冷え性の悩みは漢方で解決!?冷え性の原因と症状に合わせた漢方薬の選び方!予防・対策法や副作用と注意点など徹底解説!

冷え性は漢方では「未病」といわれる症状で、西洋医学でも「病気」とは診断されません。それでも冷え性は、万病のもと。特に女性は婦人病の原因になりやすいので、「病気ではないから」と放置しておくと危険です。ここでは、なかなか治りにくい冷え性を漢方によって改善していく方法をご紹介します。



漢方の服用について

漢方は、もともと中国で発達し、それが日本に渡来し独自の発展をとげてきた伝統医学です。治療に使われる漢方薬は、草・根・木・皮を中心に、動物由来のものや鉱物などの天然成分、いわゆる「生薬」を組み合わせて作られます。

漢方はよく西洋医学と比較されます。西洋医学では、客観的な数値に基づいて、基本的にひとつの症状につき、ひとつの処方が原則になっています。しかし漢方は病名や症状が同じでも、体質や体型、抵抗力や自覚症状、その人の生活習慣などトータルにみて、患者一人ひとりの体質や状況を多角的に判断して最適な漢方薬を使い分けていきます。

よく間違えられるのが「民間薬」です。民間薬に使われている材料も漢方薬の中にはありますが、民間薬は1種類のみの配合です。その効果はあくまでも「伝聞」でしかありません。しかし漢方薬は原則として2種類以上の生薬を、決められた分量で組み合わせて作られたもので、漢方医学に基づいて、用いる条件も細かく定められており、治療効果のある医薬品としても正式に認められているものです。

冷え性の原因

血行不良

冷え性の最大の原因は血行不良によるものです。血液の流れの悪い人は、手足の末端に血液を十分運ぶことができません。そのため栄養不足となり、また老廃物もたまりやすくなるため冷えが起こります。

血行不良の一番の原因は「筋肉不足」です。筋肉の収縮は、血液を全身に送るポンプのような働きをします。そのため筋肉量が少なかったり、筋肉の動きが小さかったりすると血行不良になりやすくなります。冷え性が圧倒的に女性に多いというのも、男性よりも筋肉量が少ないためです。

その他の冷え性の原因として考えられるのは、貧血や低血圧、動脈硬化などで血液の流れが悪くなり、老廃物をためこみやすくなります。またピッタリしたジーンズや極端な薄着なども血行を悪くし、さらに体温調節がうまくできなくなってしまいます。

自立神経の乱れ

自律神経は体温調節をつかさどる神経です。自律神経がバランスを崩してしまうことによって、体温の調節がうまくいかず血液のコントロールができなくなり、血流が滞って冷えの原因を作ります。

自律神経の乱れの多くは、ストレスに関係してきます。人はストレスを感じると、アドレナリンというホルモンを放出します。アドレナリンは血管を収縮させる作用があるので、ストレス状態が長く続くと血管は常に収縮状態となり、血流が悪くなるのです。

またオフィスや室内での冷房の効きすぎも、自律神経が乱れる原因になります。通常は暑くなると血管を広げて体温を逃がします。寒くなると体温を逃がさないように血管を縮めます。しかし室内と室外の温度差が激しくなると自律神経による体温調節がうまくいかず、自律神経自体が疲れてしまい、いわゆる失調症に陥ってしまいます。

冷えのタイプ

瘀血(おけつ)タイプ

瘀血タイプの特徴は、寒がりで冬が苦手です。手足の先がしびれるように冷たくなり、温まりにくいことです。瘀血は「痛み」「しこり」「黒ずみ」が3大症状といわれています。舌が暗く紫っぽく、舌の裏の2本の静脈が浮き出て太く蛇行することがあります。また肩こり、頭痛、生理痛といった症状もよくあらわれます。

瘀血を放置しておくと、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣脳腫など婦人科系の病気にかかりやすくなるので、早めに改善しましょう。

気血(きけつ)タイプ

「気」と「血」は密接な関係にあります。相互に影響しあっており、気の作用によって血の流れもよくなってきます。普段から疲れやすかったり、食欲がない、風邪を引きやすいといった症状があらわれます。

平熱が35℃台と低い傾向にあり、体の芯が冷えているため、免疫力が低下してすぐに風邪を引きやすくなります。婦人科系としては生理が遅れたり、月経血の量が少ないという症状があらわれます。

気滞(きたい)タイプ

気滞タイプは、下半身は冷えているけれど、頭や顔がのぼせるというのが特徴です。自律神経の乱れからくることが多く、ストレスやイライラしやすい状態が続きます。ゲップやおならがよく出ることも多くなります。

日常生活では、とにかく気持ちをリラックスさせることが大切です。半身浴や軽い運動をするなどストレスを発散させましょう。

腎虚(じんきょ)タイプ

腎虚タイプは腹部や腰回りが冷えている状態です。体を温める機能が弱まってしまっているので、夏でも携帯用のカイロが手放せないくらい重症です。見るからに華奢で体力がなさそうなタイプに多く、すぐに胃腸の調子が悪くなったり、生理痛や不妊症など婦人科に関する病気にかかることもあります。

このタイプの人は、できるだけ積極的に体を動かして、体力をつけることが大切です。そして腰回りを冷やさないように腹巻をするようにしましょう。

市販で購入できる漢方

人参湯(にんじんとう)

人参湯は腸の働きを高めて、食欲不振、胃痛、胃のもたれ、下痢などを改善する働きがあります。冷え性でも痩せ型で、体力があまりない人に向く漢方薬です。消化器の働きが悪くなると、食べ物が消化されず、エネルギーも効率よく生まれてこないため、手足が冷えやすくなります。

市販の人参湯に使われている生薬は、人参(にんじん)・乾姜(かんきょう)・白朮(びゃくじゅつ)・甘草(かんぞう)の4種になります。冷えが特に強いときにはこれに桂枝(けいし)や、附子(ぶし)が加えられ、桂枝人参湯(けいしにんじんとう)や、附子人参湯(ぶしにんじんとう)として使われます。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

冷え性、月経不順、更年期障害など女性の病気に関する症状で多く使われる加味逍遙散ですが、特に精神的に不安定な人に対して処方される傾向が強い漢方薬です。

不眠や不安、精神的な落ち込み、頭痛やイライラといった体調不良を訴え、検査をしても何の異常も示さないといったことが特に更年期の女性によく見られます。これを不定愁訴(ふていしゅうそ)といいますが、この状態がひどくなると更年期障害になります。加味逍遙散はこうした自律神経やホルモンバランスの機能失調によってあらわれた不定愁訴を改善してくれる漢方薬です。

市販の加味逍遙散に使われている生薬は、柴胡(さいこ)・芍薬(しゃくやく)・蒼朮(そうじゅつ)・当帰(とうき)・茯苓(ぶくりょう)・山梔子(さんしし)・牡丹皮(ぼたんぴ)・甘草(かんぞう)・生姜(しょうきょう)・薄荷(はっか)の10種類が配合されています。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は「血」に対する漢方薬として代表的なもので「瘀血」を改善するためによく使われる漢方薬です。生理痛、生理不順、不妊症、子宮筋腫、更年期障害などの婦人科系疾患などに対して、血行をよくして熱のバランスを整える効果も期待できます。

市販の桂枝茯苓丸に使われている生薬は、桂皮(ケイヒ)・芍薬(シャクヤク)・茯苓(ブクリョウ)・桃仁(トウニン)・牡丹皮(ボタンピ)の5種類が使われています。

当帰芍薬散(とうきしょくやくさん)

血の量が少ないとどうしても栄養不足になり、体のすみずみまで血液を送り届けることができなくなります。そうすると冷えがおこります。また血のめぐりが悪くなることで、老廃物がたまり、余分な水分がたまることで、さらに冷え症が進んでしまいます。当帰芍薬散は血行を促進させ、利尿作用で余分な水分を体外に排出させます。

当帰芍薬散に使われている生薬は、当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)・ 茯苓(ぶくりょう)・白朮(びゃくじゅつ)・沢瀉(たくしゃ)・ 芍薬(しゃくやく)の6種類が使われています。

漢方の副作用

発疹、かゆみ

漢方薬によって、発疹、かゆみなど皮膚にあらわれる副作用で、比較的あらわれやすい処方には人参(にんじん)・黄耆(おうぎ)を両方含む参耆剤(じんぎざい)、桂皮(けいひ)などの発汗作用のある生薬や、皮膚病に用いる軟膏である紫雲膏(しうんこう)などがあります。

特に紫雲膏は一度使って過敏症などを起こした場合、使うことが禁じられているので、医師にそのことをきちんと伝えなくてはなりません。患部がただれていたり、熱を持っている、化膿しているなどの症状がある場合は、かえって悪化させてしまうことがあるので注意しなくてはなりません。

食欲不振

漢方薬における副作用での食欲不振は、一時的なものであれば漢方薬独特の苦み、臭い、胃粘膜への刺激による反射性のものが多いので、しばらく様子を見るようにします。漢方薬は基本的に消化吸収をよくするため「食前」「食間」に飲むように指示されますが、胃に刺激を与えないように「食後」に変更できるかどうか医師に相談してみましょう。

下痢、吐き気

漢方薬の副作用で比較的多くあらわれるのが下痢や吐き気です。特に地黄(じおう)・当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)・山梔子(さんしし)・大黄(だいおう)・芒硝(ぼうしょう)などが配合される漢方薬でよくみられます。

漢方薬を服用したことで、一時的に腸内細菌のバランスが崩れて下痢を起こすことがあります。副作用と思える症状が出たらすぐに医師に相談しましょう。

漢方の選び方

身体の状態や体質に合うもの

「漢方薬は副作用がなく、体にやさしい」という思い込みはありませんか。そんな先入観によって「漢方なら自分で選んでも大丈夫」とドラッグストアやインターネットで注文する人も多いと思いますが、思わぬ副作用があらわれたり、全く効果がないという結果になる恐れがあります。

漢方薬は同じ病名や症状であっても、体質や体型、個人個人にあらわれる症状などによって処方される薬が違ってきます。また飲み始めて体質が徐々に変わってくるのに合わせて、さらに処方を変えなくてはならないケースも出てきます。

漢方薬はきちんと専門の漢方医か漢方に詳しい医師に診断を受け、さらに定期的に症状に合わせて見直しする必要があります。

冷え性の予防、対策

冷暖房は控えめに

夏になると、オフィスや店舗などで冷房が効きすぎて体調を崩す人が続出します。特に女性は、手足が冷えてひざ掛けやカーディガンなどで自衛している人も多いのではないでしょうか。夏の冷え性は、冷房の効いた部屋に長時間いることで悪化します。これは自律神経のバランスが崩れて、体温調節がうまくできなくなるからです。

冬の暖房の効きすぎにも同じ理由で、体温調節をする自律神経のバランスが崩れますから、冷暖房は控えめにし、夏ならできるだけ運動やお風呂などで汗をかく習慣を身につけ、冬はあまり厚着をしないように心がけましょう。

シャワーだけでなくお風呂に入る

「お風呂に入るのはめんどうくさいからシャワーだけで済ませる」という人が多くなっているようです。しかし冷え性の人はかえって体を冷やしてしまう可能性があるのでおススメできません。冷え性の人は、ゆっくりお風呂に使って体を芯から温めるようにしましょう。もし時間がなければ寝る前に足湯をするだけでも冷えの改善になります。

冷え性の人の理想的なお風呂の入り方としては、夏場は39℃くらいのぬるめのお湯で半身浴をしましょう。寒い時期は40℃くらいのお湯で肩までじっくりと20分くらい浸かりましょう。じんわり汗が出てくるまでが目安です。血液の循環が促され、冷えにくい体に改善していきます。

夜は寝る前、1時間から1時間半前にお風呂に入るように心がけましょう。入浴後に体温が下がることで眠気を感じてスムーズに入眠することができるので、疲れが取れやすく、冷えにくい体を作ることができます。

長い時間をかけて治療が必要

漢方の服用だけでなく生活改善

漢方は、冷え性という体質を徐々に変えていくものです。とはいっても、漢方だけで冷え性が治るわけではありません。冷え性の原因の多くは、生活習慣にかかわることです。

運動不足で筋力が衰えていたり、冷房が効きすぎた部屋に長く居たり、冷たい飲み物を飲み過ぎたり。こうした生活習慣を改善しない限り、漢方を服用しても効果はあまり期待できません。

冷え性の改善には長い時間がかかります。徐々に冷えを起こす生活習慣を改善しながら、漢方を続けていくことが大切です。

病院へ行くなら婦人科、内科へ

冷え性を改善するためには、いろいろな方法があります。それらの方法を試しても効果がなく、ひどい冷え性に悩まされて体調が良くないという人は病院で診てもらったほうがいいでしょう。

最近では、冷え性を「病気」とみて、専門治療する「冷え性外来」という施設も増えてきました。大きな病院では「女性外来」で冷え性を診てもらえます。身近なところでは、やはり婦人科、内科に行きましょう。

体に冷えを起こす原因として、何か別の病気が潜んでいるかもしれません。貧血の検査や女性ホルモンのバランスチェック、甲状腺ホルモンの検査、血圧の検査など、ひと通りの検査をして病気が原因でないことがハッキリしたうえで、漢方の専門医に相談したほうがいいでしょう。

まとめ

漢方薬は、化学合成された「西洋薬」とは違って、自然の植物や動物などの生薬を何種類か組み合わせて作られます。そのため「天然」というイメージから「副作用がない」「穏やかに効く」「即効性がない」といった誤った認識を持ちがちです。

漢方薬も症状に合わせて正しい処方をしたものを服用しないと、効果が得られないだけでなく、かえって症状を悪化させてしまったり、副作用があらわれることもあります。くれぐれも安易に、「自己判断」で市販の漢方を服用しないようしましょう。