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胆嚢の痛みはどんな病気?背中の痛みは気を付けた方がいいの?食事療法などの3つの対処法と胆石などの5つの原因について解説

お腹の右上やみぞおち付近や背中に痛みを感じたら、胆嚢に原因があるかもしれません。胆嚢は肝臓で作られた胆汁を濃縮し、十二指腸に送って消化を助ける役割を担っていますが、普段意識したことはめったにないでしょう。そのため痛みがあっても、胆嚢と気づかずにいることも。しかし、手遅れになると命にかかわることもあります。胆嚢が原因の痛みについて調べてみました。



胆嚢が原因の痛みの場所とは

上腹部やみぞおち、背中の痛み

上腹部、特にみぞおち付近や右上腹部に痛みを感じたり、嘔吐や食欲不振などの時は、胆嚢に原因があるかもしれません。

胆嚢の存在は日ごろ意識しないので、腹部やみぞおち付近が痛くなったら、胃や腸、あるいは背中そのものに何か障害が出たのではと思うかもしれません。しかし、右上腹部の痛み、心臓病かと思うような胸の痛み、嘔吐などを感じたら、胆嚢が原因かもしれません。

胆嚢の場所と働き

胆嚢の働き

胆嚢は、肝臓で作られた胆汁を凝縮する器官です。作られたばかりの胆汁は薄い黄色をしていますが、胆嚢にいったん蓄えられ、凝縮されることで黒っぽい色に変化します。

その凝縮された胆汁には胆汁酸やビリルビン、コレステロールが含まれていて、それは胆管を通り十二指腸へ流されて、膵液と一緒になります。膵液とは膵臓がつくる消化液のことで、脂肪やタンパク質などを分解する消化酵素が多く含まれています。

胆汁はそんな膵液が持つ消化酵素を活発にさせる働きや、脂肪を水に溶けやすくする働きを持っているため、腸からの消化吸収を助けてくれます。

胆嚢ってどこにあるの?

胆嚢は肝臓の下にありますが、小指が右肋骨の下になるように右手を当てた時、その手のひらの奥に位置します。みぞおちと右のわき腹を結んだ線の真ん中付近の、奥の方と考えてよいでしょう。

大きさは、鶏卵大から握りこぶし程度です。

胆嚢の痛みの原因とは?

1.胆石

胆石とは肝臓で作られた胆汁が何らかの原因で固まり、石のような状態になったものを指します。これは胆嚢だけでなく、胆汁が流れる胆管などにできることもあります。症状は必ずしも出る訳ではなく、胆石を持っている人の23%は症状がないと言われています。

症状が出る場合も、人によっていろいろです。脂っこいものを食べた食後、数時間後に右上腹部や、みぞおち周辺の痛みが続いたり、または間欠的に痛みが起こったりします。

もっとひどい症状としては、疝痛(せんつう)と呼ばれる痛みがあります。これは「さしこみ」といわれる鋭い痛みで、周期的に起こります。

一般には15分から1時間の間に痛みが強くなり、長い場合は12時間、痛みが続きます。あまりの激痛に、通常は救急外来に運び込まれるほどです。その後、30~90分の間に激しい痛みは引いていきますが、その後に鈍い痛みが残ります。

2.胆嚢の炎症

胆嚢に菌が入るなどして、炎症を起こすもので、多くの場合は胆石症を合併しています。症状としては、右上腹部やみぞおちに痛みを覚えたり、さらに右肩が痛くなったりします。吐き気や嘔吐、食欲不振のほか、悪寒、発熱を伴ったり、黄疸が出ることもあります。

痛みの続く時間が、6時間以上、12時間を超えるような長時間にわたる場合も少なくありません。

3.胆管の炎症

胆嚢で作られた胆汁を十二指腸へ送るための胆管に炎症が起きるケースは、胆石が胆嚢から胆管に落下してきたり、胆管内に胆石ができたりしたことにより起きます。発熱、黄疸はじめ、胆嚢炎と同じような症状が表われます。

4.胆嚢がん

胆嚢がんは、60歳台が最も多く、女性の方がやや多いようです。

初期の段階では症状が出ないことがほとんどですが、胃の上部に疼痛がある、肌や白目に黄疸症状がある、発熱・嘔吐などあるような場合は胆嚢のがんかもしれません。

5.胆管がん

胆嚢がんと同じく、みぞおちや右わき腹の痛み、肌や白目の黄疸症状、発熱・下血などの症状があるような場合は、胆管がんの恐れもあります。

痛みの原因となる主な病気について

胆石

胆石とは肝臓で作られる消化液の胆汁が、何らかの原因で石のように固まったものです。胆石ができる原因は明確にはわかっていませんが、胆汁酸、コレステロール、胆汁色素のビリルビンなど、胆汁の成分のバランスが崩れることが関係しているのではないかと考えられています。

胆石には様々な種類がありますが、その中でも最も発生頻度が高いと言われているのがコレステロール胆石です。これは胆汁のコレステロール濃度が高くなることでできると考えられており、胆汁を凝縮する働きを持つ胆嚢で多くみられると言われています。

コレステロール胆石は大きく3つに分類され、純コレステロール石、コレステロールにビリルビンカルシウムが混じった混合石、コレステロールをビリルビンカルシウムが囲んだ混成石があります。こういったコレステロール胆石は近年増加の傾向がありますが、その原因は食生活の欧米化により脂肪の摂取が増えたこととされています。また加齢や肥満、妊娠なども原因になるようです。

胆嚢炎

胆管に胆石が詰まるなど、なんらかの障害が発生して、胆汁の流れが妨げられることで発生します。突然発生する急性胆嚢炎と、長期間にわたって炎症がある慢性胆嚢炎などがあります。

急性胆嚢炎は、胆管が胆石でふさがれるために起こることが多く、約90~95%が胆石によるもの、残りは無胆石胆嚢炎といって、手術や外傷、長期にICUにいること、感染症などで起こることが多いとされています。

慢性胆嚢炎は長期にわたって胆嚢に炎症が起きている状態で、炎症が繰り返さることによって胆嚢壁が厚くなり、胆嚢は収縮していきます。

胆嚢がん・胆管がん

川島なお美さんが罹られたことで知られるようになった胆管がんですが、胆嚢がんとともに初期にはほとんど症状がなく、進行してくると腹痛、発熱、黄疸などが認められるようになります。

胆石症を合併しているケースも多く、胆石症の症状が出たために病院へ行って、胆管がん・胆嚢がんが見つかるという事例もあり、こうした場合は比較的早期に発見できます。

胆嚢がん・胆管がんとも、特有の症状があるというより、右上腹部が痛い、体重減少、食欲不振、黄疸など、ほかの病気でも見られる症状が見られます。

1.胆石の治療法

胆石の治療法には、手術をせずに薬を飲んだり、体の外から衝撃波を与えて石を砕くなどの内科的治療と手術を行う外科的治療があります。

1 薬による胆石溶解療法

薬を飲んで胆石を溶かしてしまう療法です。

手術でメスを入れなくてすむ治療方法です。しかし、薬で石が溶けてなくなる可能性は、15mm以下の結石を持つ人が2年間飲み続けたとしても、30%程度です。また、胆石が溶けてしまった後も、薬を飲まないでいると、約半分の人が5年以内に再発するともいわれています。

2 体外衝撃破砕療法

体外衝撃波粉砕療法とは、特殊な装置を使って体の外から胆石に衝撃波を当てることで、胆石を粉々に砕いて尿と共に排出させる方法です。皮膚にメスを入れる訳ではないので、体に傷ができることもありませんし、治療した当日から普段通りの生活を送ることができます。

治療時間は胆石の状態によって変わるものの、約1時間と短時間で済むようです。ただ胆石の大きさによっては、2回以上の治療を繰り返し行うこともあります。なおこの体外衝撃波粉砕療法は、腎、尿管結石、胆石症、総胆管欠結石の場合、健康保険が適応されるとのことです。

3 腹腔鏡下胆嚢摘手術

腹腔鏡下胆嚢摘手術はお腹に4ヶ所の小さな穴を開け、そこから腹腔鏡というカメラを挿入してお腹の中を観察しながら胆嚢を摘出する手術です。開腹手術とは違い大きくお腹を切る訳ではないので、術後の痛みも少なく、傷跡も小さく済みます。

なお腹腔鏡下手術にはもうひとつ、「単孔式腹腔鏡下手術」があります。これはおへそに小さな穴を開けて、細い器具を差し込み、その1ヶ所から胆嚢を摘出するという手術です。傷口がおへそだけで済むので、これまでの腹腔鏡下胆嚢摘手術よりも更に傷跡が目立たずに済みます。回復も早く、場合によっては日帰り手術もできるようです。

4.開腹手術

胆嚢の炎症が強い時や胆嚢周辺の臓器への癒着がひどいなど、腹腔鏡下胆嚢摘手術ができない場合は開腹手術を行うことになります。この手術はメスでお腹を開くので、腹腔鏡下胆嚢摘手術と比べると傷跡が大きくなりますし、術後の痛みも強く、回復も長くかかる場合が多いようです。

2.胆嚢炎・胆管炎の治療法

胆嚢炎・胆管炎の内科的治療

胆嚢炎・胆管炎は多くの場合、胆石が原因で起こります。胆石が胆汁の流れを滞らせることで、細菌感染などが起こり、それによって胆嚢や胆管に炎症が起きるようです。

胆嚢炎・胆管炎の治療はまず一時的に食事を中止して、水分やナトリウムなど電解質を点滴で補い、抗菌薬で炎症を抑えます。痛みが強いなど必要な場合は、鎮痛剤を用いることもあるようです。

胆嚢炎・胆管炎の外科的治療

胆嚢炎・胆管炎は黄疸がみられるなど、重症の場合は胆道ドレナージを行うようです。胆道ドレナージとは滞った胆汁を体の外へ排出する処置のことで、鼻から医療用チューブを入れる方法と、針を刺して肝臓から細いチューブを通す方法があります。この胆道ドレナージを行い、状態が落ち着いたら、時間をおいて手術で胆嚢を摘出する場合が多いとされています。

3.胆嚢がん・胆管がんの治療法

基本は手術療法

胆嚢がん・胆管がんの場合、基本は手術療法になります。どちらもごく初期の場合は、手術によって完治が期待できます。ただがんが進行している場合は、胆嚢の摘出に加えてリンパ節、肝臓の部分切除、更に胃や十二指腸など周囲の臓器も手術で一緒に切除する場合があります。なおがんが更に進行して、胆嚢の周囲に高度に広がり、リンパ節などに転移がみられるといった場合は、手術が不可能なため、抗がん剤を投与するなど、化学療法を行うことになるようです。

胆嚢を原因とする痛みを予防と対処法とは

食事療法で胆石の疝痛発作を防ぐ

疼痛発作は胆石の一般的な症状で、みぞおちを中心に激しい痛みが起こります。更に右肩や背中まで痛むこともあり、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。このような辛い疼痛発作は、脂肪の多い食事を摂った後や、食べ過ぎてしまった後の夜中辺りに起きやすいため、予防には食事の内容や量に注意することが重要と言えます。

特に脂肪分の多い食品やアルコールなど、コレステロールを増加させるものは発作を誘発することがあるため、意識して控えることが大切です。疼痛発作を防ぐために、暴飲暴食を避け、栄養バランスを考えた食事を摂るなど、毎日の食事の改善に努めましょう。

胆石や胆嚢炎を予防する食事

胆石や胆嚢炎を予防するためには、脂身の多い肉や洋菓子など脂肪分の多い食事を避けるだけでなく、食物繊維やビタミンCを多く含む食品を摂ることも大切です。

食物繊維はコレステロールを吸着して体外へ排出させる働きを持つ、水溶性のものを摂ることが勧められています。水溶性食物繊維は豆類、ブロッコリーや人参などの野菜類、リンゴやバナナ、グレープフルーツなどの果物類に含まれているので、意識して摂るようにしましょう。

またビタミンCは摂りすぎたコレステロールを胆汁酸に変化させ、体外へ排出する働きを持っています。これはオレンジやいちご、キウイ、カリフラワーやほうれん草、かぼちゃなどに含まれているので、こちらも積極的に摂るようにしましょう。

なお脱水も胆嚢を委縮させることで胆石の発生や痛みの原因になることがあるので、適度に水分を摂ることも忘れないようにしましょう。

規則正しい食事の習慣を

食事の時間が不規則だと、胆嚢からの胆汁の分泌も不規則になり、胆汁がたまって疝痛発作を起こしやすくなります。また、暴飲暴食は胆嚢炎の原因の1つです。決まった時間に、適量の食事をきちんととるという習慣を身につけましょう。

食べる時はドカ食いをせず、少しずつ、よく噛んで時間をかけて食べるようにします。一度にたくさん食べると、胆汁をたくさん出さなければならず、胆嚢が収縮して痛みを誘発してしまいます。

胆嚢が原因の痛みがある時は何科に行くべき?

内科

内科の中でも、消化器内科とか消化器科に行くとよいでしょう。

痛みの症状があって消化器内科に行くと、原因を突き止めるために血液検査、腹部超音波検査、CT(コンピュータ断層撮影)、MRCP(磁気共鳴撮影)、ERCP(内視鏡による造影検査)などの検査を行い、胆石や炎症など原因を見つけて、それらに対する治療を行います。

胆石、胆嚢炎など、胆嚢が原因の痛みは、脂汗が出て耐えられないほどの痛みに襲われることが多いですので、とにかくすぐに病院で診断してもらうようにしたいものです。

まとめ

いかがでしたか。胆嚢に原因がある場合の痛みは、胆石、胆嚢炎、胆管炎などによることが多いのですが、右上腹部やみぞおち、背中などに激しい痛みがあります。

こうした病気になる原因は、脂肪分やコレステロールの摂り過ぎということがありますから、すでに症状のある場合はいうまでもありませんし、そうではない場合も日ごろから食生活に気を付けて、肝臓や胆嚢に負担をかけないようにしたいものです。

もし、胆石や胆嚢炎が疑われるような痛みが出た場合は、速やかに病院で検査を受け、治療してください。