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【ステロイドの副作用ガイド】外用薬や内服薬の種類・16の副作用・ムーンフェイスの解消法を徹底解説します!

筋肉増強のアナボリック・ステロイドとは男性ホルモンのことであり、アトピー性皮膚炎、リウマチや膠原病、喘息の治療に使われる副腎皮質ホルモンとは違います。副腎皮質ホルモンでも、目的によって種類や成分、投与方法(軟膏などの外用薬・パルス療法・注射)、副作用に違いがあり、一度に多量投与した場合と長期間投与した場合とでは注意すべき副作用が違います。ステロイドの様々な副作用、ムーンフェイス対策を紹介します。



ステロイドの副作用について

ステロイドというと、「副作用が強いらしい」「なんとなく怖い」というイメージを持たれている方もいらっしゃると思います。また、実際にステロイドの塗り薬を使用して副作用が出た、症状が悪化した、という経験をした方もいるようです。

しかし、問題が起こる場合の多くは、ステロイド外用薬の正しい知識がなかったり、使用法が正しくなかったことによるものだといわれています。また、ひとくちにステロイドといっても、内服薬・点滴と外用薬では事情が異なってきます。

外用薬は皮膚や毛穴から吸収されることで治療効果を発揮しますが、血管に吸収されるのは微量だとされ、全身投与時とは作用も副作用も異なるといわれています。そのかわり、外用薬特有の副作用に注意しなければなりません。

筋肉増強用のステロイドは、皮膚炎や疾病治療に用いるステロイドとは種類が違いますし、当然気を付けるべきことにも違いがあります。乱用者の未報告や闇取引によって副作用の正確な研究が難しい面もあるとはいえ、使用法や使用量によっては重大な副作用が現れることがあります。

今回はステロイドの種類と目的、それぞれの副作用、注意すべき症状についてまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

ステロイドにはどんな種類がある?

アナボリック・ステロイド

スポーツ関係者や筋肉トレーニングをしている人が「ステロイド」という言葉を使う際は、アナボリック・ステロイド(蛋白同化ステロイド)を意味します。薬物乱用問題で取り上げられる場合も、アナボリック・ステロイドを指すそうです。

アナボリック・ステロイドとは、男性ホルモン(テストステロン)と同じくらい、あるいはそれ以上に強力な蛋白同化作用をする、人工的に合成されて作られたステロイドとされ、筋肉増強剤として使用されることが多いといわれています。

※テストステロンとは、男性の生殖機能を維持するとされる性腺ホルモンです。

抗炎症生ステロイド

医学や薬学において「ステロイド」という言葉を使う場合は、副腎皮質ホルモンのうち「糖質コルチコイドまたはそれに似た物質を人工合成したもの」を意味することがほとんどだといわれています。

皮膚科で処方される塗り薬や、眼科で処方される抗炎眼薬に「副腎皮質ホルモン」と表示されているものがありますよね。副腎皮質ホルモンとは、副腎(腎臓の上にある器官)で生成されるホルモンのことで、糖質コルチコイドはコルチゾールともいわれます。

コルチゾールは、糖質代謝や脂質代謝の調節、免疫抑制作用・抗ショック作用(アレルギー反応抑制)、ストレス耐性強化作用などがあるとされています。

副腎皮質ホルモンは、体の中に水分を溜める作用(鉱質ホルモン作用)や、血糖値を上げる働き(糖質ホルモン作用)もあるため、多量に用いらければならない膠原病や関節リウマチでは使いにくく、実際の治療では、プレドニンやデガドロンといった合成ステロイドが使われているそうです。

最初は兵士のストレスを軽減するように開発されたといわれており、ストレス耐性を強化する働きがあるホルモンだとされています。そして、強い抗炎症作用や免疫抑制作用もあることから、さまざまな病気の治療に用いられるようになったといわれています。

抗炎症作用は、痛みや炎症を引き起こすホルモン、プロスタグランジンの生成を抑制することで、強い鎮痛・抗炎症効果を発揮するとされています。免疫抑制作用は、リンパ球などの免疫細胞の働きを抑制することで、自己抗体や炎症を軽減するとされています。

ステロイドは細胞内へ入ることができ細胞核の遺伝子に直接働きかけるため、効果が大きく持続時間も長いとされ、ステロイドを用いなければ死に至るような病気も多いといわれています。

ステロイドは人間の体にもともとある物質であり、病気の治療でも大きな効果があるものですが、反面、さまざまな副作用が出やすい諸刃の剣ともいえます。

アナボリック・ステロイドとは?

筋肉増強剤として使用される

アナボリック・ステロイド(蛋白同化ステロイド)とは、男性ホルモンであるテストステロンと、それに似せた合成ホルモンを指すといわれています。筋肉の成長促進、筋力やエネルギーの増強などの作用があるとされ、スポーツ競争などで違法に使用されることもあります。

医療現場では、テストステロン低値(性腺機能低下)の治療に用いられることが一般的だとされますが、寝たきりの人や重い火傷を負った人、癌やエイズの患者さんなどに、筋力低下を防止するために用いられることもあるようです。

筋力増強の目的で使用する人のなかには、一定期間使用した後しばらく中断し、また再開するというサイクルを年に数回行うことがあるそうで、これはサイクリングと呼ばれています。

また、筋肉増強のために使用する場合は、複数の種類のステロイドを同時に使ったり(スタッキング)、さまざまな使い方(内服、注射、パッチ剤など)で使用することがあるようです。サイクルごとに量を増やす使用法はピラミッド法といわれ、その結果、使用量がきわめて多量になることがあるようです。

サイクリングやスタッキング、ピラミッド法は、「効果をより大きく、同時に副作用をより小さく」することを意図して行われることがありますが、そのようなメリットを裏付ける証拠はほとんどないといわれ、摂取量が極めて多くなる危険な使用法だといわれています。

アナボリック・ステロイドが医療現場で用いられる場合、問題が生じることがあまりないといわれていますが、筋肉増強目的で使われる場合は、医療用の10~50倍もの大量摂取がみられることもあるとされ、十分注意しなければなりません。

アナボリック・ステロイドの主な副作用は?

血圧上昇

アナボリック・ステロイドの副作用として、血圧が上がることがあるといわれています。高血圧だけでなく、高脂血症や糖尿病など様々な生活習慣病の発症リスクを上げる可能性があるとされています。

コレステロール値上昇

明らかな副作用として、コレステロール値の異常が現れるといわれています。

特に長期間使用した場合、赤血球が過剰生産されることで、いわゆる悪玉コレステロールとされる低比重リポ蛋白(LDL)が増加し、善玉コレステロールとされる高比重リポ蛋白(HDL)が減少することが報告されているそうです。

肝障害

明らかな副作用として、肝障害や肝機能異常が現れるとされ、浮腫みや黄疸などの症状の他、肝臓紫斑病などの肝疾患が生じることがあるといわれています。

実際、医療用アナボリック・ステロイドである「プリモボラン」の注意事項には、「長期間大量に摂取したところ肝腫瘍になったという報告がある」という但し書きがみられます。また、「長期間用いる場合は肝機能の定期検査を受ける必要がある」ともされています。また、肝疾患がある場合は慎重に服用すべきとされ、重大な副作用として、肝機能障害や黄疸のリスクが明記されています。

前立腺癌

アナボリック・ステロイドの副作用には、前立腺肥大や前立腺癌があるといわれています。「プリモボラン」の但し書きにも、「男性が用いる場合は前立腺の定期検査が必要」とあり、「前立腺癌などのアンドロゲン依存性悪性腫瘍の疑いがある人は服用してはいけない」、「前立腺肥大がみられる場合の服用は慎重に行うべき」ともあります。

また、前立腺癌や肝癌だけでなく、既存の癌の悪化や転移などの副作用もあるとされています。なお、妊娠中の人、妊娠の可能性がある人は服用してはいけないと明記されています。

心筋梗塞

ステロイドの長期間使用すると動脈硬化が進行するため、心筋梗塞のリスクが増加するといわれています。また、アナボリック・ステロイドの使用は、高脂血症や高血圧、糖尿病、肺炎などのリスクも上げるといわれています。

特に関節リウマチの患者さんは、通常よりも心筋梗塞を発症する可能性が高いことから注意が必要だとされています。リウマチの患者さんが治療にステロイドを用いた場合の心筋梗塞発症例は、他の治療法を用いた場合の1.37倍ともいわれています。

現在、運動の大会ではステロイドや興奮系薬物の使用が禁止されていますが、その規制は月日をかけて整えられてきました。1960年代にオリンピックで興奮剤を摂取したアスリートが死亡したことで、オリンピックでドーピング検査を行うことが決められたそうです。

当初の規定では麻薬や興奮剤が規制対象でしたが、1960年代からアナボリック・ステロイドも使われるようになったことから、1970年代にステロイドも禁止薬物になりました。

さらに、ドーピング技術が合成ステロイドから天然ホルモンへと進化したことを受け、現在は人工的に合成したステロイドだけでなく、天然成分も禁止されるようになったそうです。また、2002年の日韓ワールドカップ以降は、尿検査だけでなく血液検査も導入されるようになりました。

男性化・女性化

ホルモン値が大きく変わることで、男女ともににきびが増えるといわれており、性欲が強まったり、稀に弱まることもあるようです。攻撃性や食欲が増すこともあるとされています。

男性の場合は、乳房が大きくなったり(女性化乳房)、精巣が萎縮し精子数が減ることがあるといわれています。女性化の副作用は、通常男性化の副作用(頭髪の喪失、陰茎肥大、持続性勃起)などの後に現れることが多いとされています。

女性の場合は、頭髪の脱毛、過剰な体毛(多毛症)、クリトリスの肥大、乳房の矮小化、膣組織の萎縮、声が掠れたり低くなるといった男性化がよく現れるようです。子供が服用すると、骨の成長が止まったり、性的早熟が生じることがあるといわれています。

また、生理が変わったり、無月経になってしまうこともあるようです。月経異常が早い段階で現れることも多いとされ、その場合はすぐに医師に相談する必要があります。男性化・女性化は元に戻らないこともあり、深刻な事態になる場合があります。

抗炎症性ステロイドには主に3種類の投与方法がある

ステロイド外用薬

ステロイド外用薬は皮膚の炎症やアトピー性皮膚炎などに使われており、効き目が強いものからA~Eの5段階にランク別されています。基本的にはCランクのものを、重い急性症状(結節、痒疹、虫刺され、火傷など)にはA・Bの強いステロイドを短期間使うことが多いようです。

顔や陰嚢などの刺激を受けやすい部位や、皮膚が薄い高齢者・子供などへがD・Eが第一選択とされています。顔は他の部位に比べ、塗り薬の吸収率が約10倍ともいわれるのに対し、毛穴がない手のひらや足の裏は約1/100~1/50倍の吸収率だといわれています。

慢性化した皮膚疾患には、強いステロイドを長期間用いることがあるようです。薬の形態は、ステロイド軟膏やクリーム、ローションやスプレー、テープやパッチなどがあります。皮膚疾患の他に、関節炎の外用薬として、皮膚から吸収されて関節へ届き炎症を抑える薬もあるそうです。

副作用の中には、全身性のもの、感染症の悪化、皮膚の病変などがみられ、効き目が強いものほど、さらに長期間、多量に用いるほど、副作用も強いといわれています。

ステロイド外用薬の処方は50年以上の歴史があることから、効果や副作用に関してよく分かっていることが多いとされ、他の外用薬よりも安心して使えるという捉え方もあります。しかし、種類や量を誤ると多くの副作用や重大な副作用が起こってしまう危険も意識しなければなりません。

代表的なステロイド外用薬として、以下の製剤が挙げられます。Aが最も強くなります。

A:デルモベート、ジフラールダイアコート

B:トプシム、パンデル、フルメタ、ネリゾナ、アンテベート、マイザー、リンデロンDP

C:メサデルム、リンデロンV、フルコート、エクラー、ボアラ、プロパデルム

D:リドメックス、キンダベート、ロコイド、アルメタ

E:プレドニゾロン

成分も作用も、効き目も異なるため、症状や病気の種類、年齢や部位に応じて使い分けるとされているため、自己判断で使ったりせず、医師の指示に従うことが大切です。

ステロイド内服薬

ステロイド内服薬(糖質コルチコイド)が大きな効果を発揮するとされる病気はいくつかあり、膠原病もそのひとつだといわれています。膠原病とは、リウマチ・自己免疫疾患・結合組織疾患の3つの病気が重なったものとされています。

細胞の結合組織の炎症、関節や筋肉の痛みやこわばり、免疫異常などが膠原病の主な症状とされ、遺伝性がない、悪性腫瘍でも伝染病でもなく抗生物質が効かないが、ステロイドは効くというのが特徴だといわれています。

膠原病の治療はステロイド内服薬を使うことが基本とされてれいますが、時と場合に応じて、パルス療法(点滴)や静脈注射、吸入、点眼や外用薬などを使い分けることもあるようです。突発性難聴の治療にもステロイド内服薬を用いるそうで、聴力の回復状況をみながら徐々に減らしていくのが基本とされています。

ステロイド点滴

膠原病の症状が重い場合や、緊急の処置が必要な場合で、内服薬では十分な効き目が現れないときは、多量のステロイドを点滴、または注射する方法を用いることがあるといわれ、これをパルス療法と呼ぶそうです。

パルス療法は一度の多量のステロイドを投与するのですが、量に比べて副作用はそれほど強くないとする説もあり、うまくいけば総治療期間が短くなったり、それ以後のステロイド投与量もある程度少なくすることができる可能性があるといわれています。

しかし、連続して行えない、心臓など多くの器官に負担がかかる恐れがある、などのデメリットもあるようです。また、感染症や消化性潰瘍がみられる場合、それらを悪化させてしまうリスクがあるため、パルス療法は禁忌とされています。

また、吸入タイプのステロイドは、喘息における気道の炎症を鎮める効果が強いうえ、副作用が少ないとされることから、世界的にも喘息治療の基本と位置付けられているそうです。

喘息は長引くことも多く、長期間ステロイドを用いるのは不安、という方も少なくないとは思いますが、吸入タイプは長期間使っても、通常の量であれば内服薬のような全身性の副作用の心配はないといわれています。吸入タイプでも、高用量を長期間使用する場合は注意が必要だとされていますが、喘息で高用量を長期にわたって使うことはほとんどないようです。

吸入タイプだと全身性の副作用が少ないのは、ステロイドを直接肺や気道に投与することで体内に入る量が少量で済むため、消化器や肺から入ったとしても大部分はただちに肝臓で分解されるため、というような理由によるとされています。

また、ステロイドには抗ショック作用や免疫抑制作用があることから、食べ物や蜂の毒針によるアナフィラキシーショックの治療に用いられることもあるようです。皮膚や粘膜の軽いアナフィラキシー症状には抗ヒスタミン薬を、呼吸器症状には気管支拡張薬を、症状が重い場合はステロイドが投与されることがあるとされています。

関節炎などに局部的に用いるステロイド注射もあり、強い抗炎症作用に加えて、関節に長く留まることができる性質から、関節リウマチなど重い関節炎などに効果があるとされています。

一般的には、炎症のある関節の数が少ないか、関節炎が重く日常生活に支障をきたしている場合などに選択されるようです。

ただし、注射針を刺すことによる感染や出血、軟骨損傷などの合併症、注射を繰り返すと起こることがあるステロイド結晶による滑膜炎、関節が崩れてくるステロイド関節症などのリスクも考慮しなければなりません。

したがって、リウマチに対してステロイド注射を用いる場合は、最初に抗リウマチ薬で関節炎が改善するかどうかみたうえで、必要な場合のみ用い、注射の間隔は2~3か月おくなどの配慮が必要だといわれています。また、強い抗炎症作用があることから、外傷や術後の鎮痛に用いられることもあるようです。

ステロイド外用薬の主な副作用は?

皮膚の菲薄化・毛細血管拡張

ステロイド外用薬はアレルギーを抑制すると同時に、皮膚細胞が増殖するのも抑えてしまうそうです。適切な効き目の薬を適量用いる分には問題はないといわれていますが、必要以上に効果が強いものを長期間使用すると、皮膚細胞の生成が抑えられ、皮膚が薄くなってしまうことがあるといわれています。

皮膚が菲薄化すると、その下の血管が透けることで、毛細血管が浮き上がってみえることもあるようです。これは、頬、前胸部、ひじ、指などに起こりやすいといわれ、長期間ステロイド外用薬を用いるときは、これらの場所に注意して副作用の有無をチェックする必要があります。

問題は、ステロイドの使用量や範囲の明確な安全基準が定められていないことで、どのくらいの量で皮膚の菲薄化や毛細血管拡張が生じるかは個人差があるようです。

ヘルペス、にきび、カンジタなど感染症に弱い

ステロイド外用薬は、アレルギー反応を抑えますが、同時に皮膚表面の免疫系の働きも抑制してしまうため、ヘルペスやカンジタなどの感染症や、にきびなどに弱くなることがあるといわれています。

顔は皮脂腺がたくさんあるため、毛穴が化膿しやすい人もいます。また、ヘルペスや乳児のカンジタに対してステロイドを塗ると、本来備わっている免疫が抑制され、かえって病状が悪くなることもあるようです。

ステロイド外用薬の副作用のうち、発症頻度が多く、特に注意すべきは「皮膚の菲薄化」と「感染症にかかりやすくなる」ことの2つだといわれています。

よく言われる「長期間使用すると効き目が弱くなる」「ステロイドが皮膚に蓄積する」「副腎が障害される」「骨が弱くなる」などの副作用は、外用薬では通常起こり得ないとされています。

その他の副作用として、傷の治りが遅くなったり、紫斑や多毛が現れることが報告されていますが、皮膚の菲薄化や易感染よりは頻度は少ないといわれています。

ステロイド内服薬の主な副作用は?

感染症が起こりやすくなる

副作用として、体の免疫力が低下することにより、風邪やインフルエンザ、肺炎などの易感染が起こるといわれています。ステロイド投与量が多い期間は感染予防薬を服用する場合もあるようです。

日常的には、手洗い・うがい、マスクの装着、人混みを避けるなどの予防対策が必要になります。

糖尿病

ステロイド糖尿病は、ステロイド内服薬の副作用のひとつとして挙げられますが、特に潜在性糖尿病がある人が発症しやすいようです。境界型などの糖尿病予備軍の患者さんにステロイドを投与すると、急速に糖尿病を発症するといわれています。

高齢者や、遺伝的に糖尿病になりやすい体質の人も、発症しやすいようです。ステロイド糖尿病は、空腹時の血糖値上昇がそれほど著しくなく、正常値であるケースが多いのが特徴だといわれています。

ステロイド内服によって、インシュリン(血糖値をコントロールするホルモン)の必要量が増加するので、1日の血糖値変動をみながらインシュリン投与量を調整しなければならないとされています。血糖値のコントロールに大量のインシュリンが必要となることもあるようです。

血糖値を下げる薬を併用する場合は、通常インシュリン注射も用いることが一般的とされています。ステロイド糖尿病の発見が遅れると非ケトン性高浸透圧性昏睡という意識障害が生じることがあるといわれ、しかも急速に発症する傾向があるため注意する必要があります。

高血圧

副腎皮質ホルモンの、体内に水分や塩分を溜めこむ作用(鉱質ホルモン作用)によって、高血圧や浮腫みなどの副作用が起こるといわれています。日常生活の中で塩分を摂りすぎないようにしたり、降圧薬や利尿剤を用いることもあるようです。

脂質異常症

ステロイド内服薬の副作用として、動脈硬化や高脂血症などの脂質異常症が生じることがあるといわれています。動脈硬化を促し、コレステロールや中性脂肪が高くなることがあるとされており、食事内容に気を付けたり、必要に応じてコレステロールや中性脂肪の降下薬を用いる場合もあるようです。

骨粗鬆症

ステロイド内服薬の副作用の多くは、薬の減量や中止で落ち着くとされていますが、骨粗鬆症の副作用によっていちどカルシウムが失われてしまった骨を元通りの状態に戻すことは至難だといわれています。

対策としては、日頃からカルシウムやビタミンD、蛋白質の豊富な食事を心がけることが大切で、カルシウム摂取量は600~800mg/日が良いといわれています。

摂取源としては乳製品が一番吸収率が良いとされていますが、動物性脂肪も多いため、同じく副作用である高脂血症が悪化しやすいという短所があり、低脂肪や無脂肪のものを選ぶといいようです。

小魚はカルシウムを豊富に含みますが、腸からの吸収があまりよくないといわれ、同時にビタミンDを摂取することで乳製品と同じ位の吸収率になるようです。

その他の対策としては、骨は常に負荷がかかることで強くなっていくため、長期間寝たきりでいると弱くなるといわれているので、安静にしていなければならない時や動けない時以外は、寝ずにできるだけ座るようにし、背骨に体重をかけるようにしたほうがいいそうです。

動ける場合は、歩行などの運動も良いと言われています。ステロイド内服薬のガイドラインは、アメリカやイギリス、カナダなどにもあります。

例えば米国リウマチ学会は、まず運動療法と食事療法が基本としており、ステロイド内服薬をPSL相当量で5mg/日異常(イギリス・カナダは7.5mg)服用するときは、カルシウムとビタミンDを骨を守るための薬として併用して処方することとされています。

また、骨粗鬆症は女性ホルモンの減少と深く関わるため、閉経後の女性にステロイドを投与する場合はホルモン補充療法を用いることもあるとされ、それ以外の人には骨粗鬆症の薬を処方する場合もあるようです。

にきび、多毛

ステロイドを内服すると、外用薬を使用した時と同じく、多毛(産毛が太く濃くなる)、ステロイド挫創(にきびができる)などの副作用が現れることがあるといわれています。

ステロイドを内服すると皮脂の分泌が盛んになるため、オイリー肌になりにきびができやすくなるようです。また、眉毛やひげなどが濃くなることもあるといわれています。

精神症状

ステロイド精神病(ステロイドサイコーシス)といって、不眠症、不安神経症、抑うつ状態、幻覚や妄想、認知障害、多幸症、易刺激症などの副作用が現れることもあるとされています。

軽度であることが多いようですが、頻繁にみられるといわれています。

使用期間と量によって発症率に差があるとされますが、それにも個人差があり、発生率の報告も0~60%とかなりばらつきがあるそうです。一般的には使用量が多い患者に頻繁に見られるとされていますが、少量での発症事例もあるようです。

リウマチ治療などで用いる少量~中量での発症は、極めて少ないといわれていますし、ステロイドサイコーシスは一過性のものであり、ステロイドを減量することで後遺症なしに治まるとされています。対症療法として安定剤や睡眠導入剤を用いることもあるようです。

ムーンフェイス

一番気づきやすい副作用として、ムーンフェイス(満月様顔貌)という顔が大きくなる症状が挙げられます。ステロイドの代表的な副作用に中心性肥満があり、ムーンフェイスと手足の痩せが生じるといわれています。この副作用は少量の服用でも起こるようです。

ステロイド内服薬の副作用には、脂質異常や糖尿病、体重増加などが挙げられますが、腎機能の低下による浮腫みもあるとされるため、それらの悪因子が重なってさらに顔が大きくみえるともいわれています。

血栓症

ステロイドの作用によって、止血作用をする血小の働きが亢進されることで、血栓ができやすくなったり、血液が凝固しやすくなってしまうといわれています。また、血栓性静脈炎や血管の梗塞、血管壁の変化などの副作用が生じやすくなるようです。

血栓症の予防対策として、抗血小板薬(血液を固まりにくくしてサラサラにする薬)を併用することがあるそうです。

一度に多量の投与による副作用

感染症が起こりやすくなる

ステロイド内服薬を一度に多量投与した場合、免疫がかなり抑制されるため、真菌やサイトメガロウイルスなどに病原菌に感染しやすくなったり、カリニ肺炎や結核などのウイルス性の病気にかかりやすくなるといわれています。

糖尿病

ステロイドは肝臓での糖の生産作用を高め、また、インシュリン抵抗性を高める(インシュリンの働きが鈍くなる)ため、内服すると血糖値が上がるといわれています。

投与量が多いほど血糖値の上昇も大きくなるため、多量に投与した際は食事療法などによる予防が大切とされ、糖尿病の薬物治療が必要なこともあるようです。

ステロイド糖尿病の症状や検査の数値は、一般的な糖尿病と違いがないそうで、長く患うと様々な合併症のリスクがあるといわれています。ステロイドの投与量によって左右されるため、減量すると改善することが多いようです。

ただし、高血糖が長期間続くと、すい臓が疲弊してインシュリンを分泌する機能が低下したり、インシュリン抵抗性が生じたりし、ステロイドを減らしても糖尿病が続くケースもあるといわれています。

ステロイド糖尿病の治療は、一般的な糖尿病と同じく、食事療法と運動療法が基本とされています。改善がみられない場合は糖尿病の飲み薬やインシュリン注射を用いることがあるといわれていますが、薬は効きにくい傾向があるようです。

胃潰瘍

ステロイドを内服すると消化管粘膜が弱くなり、胃潰瘍などの消化性潰瘍ができやすくなるといわれています。予防方法としては、胃酸分泌を抑える薬や胃粘膜を保護する薬を併用したり、胃潰瘍や胃癌の一因とされるピロリ菌を除去するといった方法が挙げられます。

ステロイド内服によって新たにステロイド潰瘍ができるかどうかは賛否両論ありますが、すでに胃潰瘍ができている場合は治りが遅くなったり、重症化したりすることは明らかになっているそうです。

ステロイドには、傷の治癒を遅くする副作用があり、また炎症や痛みを引き起こすプロスタグランジンをいうホルモンの生成を抑える作用があるされています。

プロスタグランジンには胃粘膜を一定に保つ働きもあるため、生成が抑制されると胃潰瘍ができやすくなるともいわれています。

したがって、ステロイド内服薬を用いる際は、服用前に胃潰瘍の有無を確認する必要があります。また、服用中はバランスの良い食事を摂り、特に傷の修復を高める蛋白質を摂るようにしたほうがいいそうです。

NAIDS(非ステロイド系抗炎症薬)などの鎮痛剤、アルコール、香辛料、カフェインといった刺激物をできるだけ飲食しないようにすることも重要です。

精神症状

ステロイド内服薬を一度に多量投与した場合、精神症状が副作用として現れることがあるようです。投与量に左右されるといわれていますが、副作用が生じるかどうかは個人差が大きいようです。

ステロイド精神病(ステロイドサイコーシス)は一過性のものであり、後遺症が残ることはないとされていますが、全身性エリテマトーデスの患者さんの場合は残ることがあるといわれています。したがって、全身性エリテマトーデスの患者さんで、ステロイド服用中に精神症状が現れた場合は注意が必要です。

不眠症状が強い場合は、ステロイド内服を朝だけか朝昼だけにし、夕方は飲まないようにすることもあるそうです。幻覚や妄想、不安症状などが強い場合は、抗精神薬を用いることもあるといわれています。

ムーンフェイス

ステロイド内服薬を多量投与した場合、食欲増進作用と脂質代謝障害によって、ムーンフェイスなどの中心性肥満の副作用が出やすくなるといわれています。ステロイドを減量したり、摂取カロリーを制限することで改善を図るそうです。

大腿骨頭壊死(無菌性骨壊死)

ステロイド内服薬の多量投与によって、稀に大腿骨頭壊死(無菌性骨壊死)が起こることがあるといわれています。頻度はあまり高くないようですが、極めて重大な副作用であり、注意が必要です。

発症の大半が、内服後数か月以内に、股関節の痛みで始まるといわれており、早期発見が何より大切になってきます。

大腿骨頭とは大腿骨の端のことで、股と繋がっている股関節にあります。大腿骨頭壊死とは、何らかの要因で股関節への血流が悪くなり、壊死してしまう病気だとされています。

大腿骨頭の骨折以外にも、ステロイドの内服、アルコール、高脂血症、尿毒症、喫煙、妊娠、腎障害、血液の過凝固など、様々な因子が関連していると考えられています。

ステロイドによって骨が壊死するメカニズムは、高脂血症によって血栓ができ血流障害が起こる、骨盤内で脂肪細胞が増えて血流障害が起こる、静脈の血管内壁に異常が生じることで静脈がうっ血する、といった仮説が立てられています。

ステロイドの合計投与量や合計投与期間よりも、初期の投与量が多いことのほうが骨壊死を引き起こす因子になるといわれており、さらに、ムーンフェイスなどの中心性肥満(クッシング症候群様外見)が現れた場合は、より骨壊死を生じやすいという報告があります。

全身性エリテマトーデスの患者さんでは、約30%に骨壊死が起こったというデータもあり、特にステロイドパルス療法(点滴)を受けた場合に多いようです。多量のステロイド内服薬を用いる場合は、血流障害の予防として、ワーファリンやコレステロール降下剤を用いることもあるそうです。

長期にわたる投与による副作用

副腎不全

病気治療に用いられるステロイドは、副腎皮質ホルモン、またはその類似化合物であるため、長期間内服しつづけると、副腎が萎縮して、ステロイドを自ら作り出す力が弱くなってしまうといわれています。

この段階でステロイドを急に中止してしまうと、副腎で作れなくなっているため、低血糖、血圧低下、倦怠感、頭痛、ショック状態、吐気、下痢、発熱など、命に関わる重篤な副作用を引き起こすことがあるといわれており、これをステロイド離脱症候群と呼びます。

非常に危険なので、長期間ステロイドを使用している方は、自己判断で急に中止することは絶対にしないでください。食欲不振、吐気や嘔吐などの症状が現れた時は、すぐ病院を受診するようにしてください。

骨粗鬆症

ステロイドの副作用による骨粗鬆症は、腰椎などの脊椎、肋骨などの胸椎における圧迫骨折が多いようです。例えばプレドニン投与では、7.5mg/日を6か月以上にわたり続けると骨折の頻度が高まるといわれています。

カルシウムやビタミンD・K製剤の併用、適度日光暴露(日光に当たることで体内でビタミンDが生成されるといわれています)、適度な運動によって骨粗鬆症を予防する必要があります。

高脂血症

ステロイドの内服を続けると、血中のコレステロールや中性脂肪の値が上昇し、高脂血症になることがあるといわれています。また、インシュリン抵抗性を高めるとされ、高血糖の状態が続きがちになるとされています。

ステロイドには食欲増進作用もあるとされており、体重やコレステロールが増えないように栄養管理したり、適度な運動を心がけることがとても大切だといわれています。

高血圧

ステロイドを内服している人の約2割に高血圧が認められるといわれていますが、そのメカニズムはよく分かっていないそうです。ある研究報告では、20mg/日の投与を1年以上続けた場合、血圧・ステロイド量・投与期間の関係性は認められなかったとされています。

しかし、同じ研究報告によると、中用量~高用量のステロイドを使用した場合は、服用が長期間になるほど高血圧の傾向が認められるとされています。また、ステロイドを1日置きに投与すると高血圧を引き起こしにくいとする説は、根拠に乏しいようです。

筋力低下、筋肉痛

ステロイドの内服を続けていると筋力が低下してしまうことがあるとされ、その副作用はステロイド筋症と呼ばれます。中容量以上服用している人に多く、ステロイドを減らすことで改善するケースが多いようです。

筋肉痛や関節炎などの副作用が現れることもあるといわれています。また、ステロイドによってミオパチー(筋ジストロフィーや筋萎縮性側索硬化症などの筋疾患)が起こるとする説がありますが、研究は少ないため実態は明らかにはなっていないそうです。

ステロイドによる筋疾患が疑われるケースでも、もともと筋炎や関節炎があった場合は、原因の特定は困難だといわれています。筋電図や血液検査は正常でも、尿中クレアチンが高ければ、ステロイドミオパチーの疑いが考慮されるようです。

ミオパチーは筋肉組織の生検で炎症がなく、萎縮が認められることで診断できるそうです。危険因子や予防方法は分かっておらず、早期発見が重要だといわれています。

白内障・緑内障

ステロイド内服薬の副作用として、白内障や緑内障を発症することがあるといわれています。ストロイド白内障によって白内障(視界が白濁する)の進行を早まることがあるといわれており、長期間服用するときは眼科で定期健診を受け、必要に応じて眼薬で予防するとされています。

また、ステロイド緑内障によって、眼圧が上がる緑内障を発症することもあるようです。緑内障は自覚症状がほとんどないといわれ、眼圧測定をして検査する必要があります。ステロイドの内服開始から数週間以内に生じ、薬の減量や中止で改善されるといわれています。

女性が気になるムーンフェイスの対策は?

リンパマッサージ

顔の浮腫みには、リンパマッサージよりも静脈マッサージのほうが効果的とする説があるそうです。浮腫みの原因である余分な水分のうち、リンパに流れていくのは約10%、残りの約90%は静脈に流れるのだそうです。

また、静脈はリンパよりかなり太いため、マッサージの効率も良いといわれています。顔の水分と老廃物はすべて、耳の後ろから首筋に沿って鎖骨へ流れる太い頸静脈を通って排出されるといわれ、この静脈が停滞すると浮腫みが生じやすくなるようです。

まずはこの頸動脈を上から下へ優しく流すようにマッサージしましょう。小顔ローラーを使うのもおすすめです。首や肩の凝りがある方は、首のストレッチを時々行い、血行を良くするようにしましょう。

頸静脈の停滞解消マッサージをしたら、右のえらのやや手前に左の指三本を当て、鎖骨まで流します。これを左右交互に5回ずつ行います。小顔ローラーを使うのもおすすめです。

摂取カロリーを抑えた食事

ステロイドの副作用とされる中心性肥満の是正や糖尿病・高脂血症対策も、ムーンフェイスの対策になるといえます。摂取カロリーや糖質・脂質を抑えるように食事内容を工夫しましょう。

また、電解質異常(ナトリウムと水分の過多)と低カリウム血症によって、浮腫みが生じ、それもムーンフェイスの一因となることから、減塩をしたり、カリウムの豊富な食品(野菜や果物)を積極的に摂ることも大切です。

適度な運動

適度な運動を心がけることは中心性肥満の対策にもなりますし、ムーンフェイスの一因とも考えられる糖尿病や高脂血症などの肥満因子の対策にもなります。また、筋力低下や骨粗鬆症を予防する効果も期待できます。

無理のない範囲でウォーキングなどの運動を習慣にするのがおすすめです。ただし、あくまで無理しない程度にしましょう。

まとめ

ひとくちに「ステロイド」といっても、いくつかの種類や薬剤の形態によって、気を付けるべき副作用も異なるということがお分かりいただけたかと思います。ステロイドは効果が高いぶん副作用があるため、医師の指示のもと用法・用量を守って使用することが大切です。