TOP > 部位から探す > 下半身・泌尿器 > 子宮・卵巣 > 子宮の腫れはどんな病気?更年期や生理とも関係があるの?子宮筋腫などの3つの病気と症状、治療法をご紹介します

子宮の腫れはどんな病気?更年期や生理とも関係があるの?子宮筋腫などの3つの病気と症状、治療法をご紹介します

子宮の腫れを起こす婦人病をご存知でしょうか?良性の腫瘍の場合もありますが、なかにはがんに発展したり、不妊症の原因になることもあるんです。そんな子宮の腫れを起こす婦人病について、主な3つの病気とその症状などをご紹介します。



子宮はとてもデリケートな場所

子宮は洋なしをさかさまにしたような形をしており、胎児を育てるベッドのような役割を持っています。月に1回くる月経(生理)は、子宮の内側を覆う「子宮内膜」という粘膜が女性ホルモンの作用によって厚みを増し、その膜がはがれることによっておこります。

子宮はとてもデリケートなので、女性ホルモンやストレス、冷えなどの影響を受けやすく、きちんとしたリズムで月経が行われなくなったり、1ヶ月に何度も月経が来てしまうなどと言った月経不順を起こしたり、子宮やその横にある卵巣が腫れたり、腫瘍ができてしまうことがあります。

それでは、子宮(卵巣)が腫れてしまう原因となる可能性のある子宮の病気についてご紹介します。

子宮の腫れの原因となる可能性のある病気

子宮や卵巣などの腫れの原因となることがある病気についてご紹介します。

主な病気は以下の3つがあります。

  • 子宮筋腫
  • 卵巣腫瘍
  • 子宮内膜症

この3つの病気は、普段から耳にする機会も多い身近な子宮の病気です。

これらは、症状に気づかずそのままにしておくと不妊の原因となったり、子宮を摘出しなければならない場合もあります。

それではここから、この3つの病気について、症状と原因をご説明します。

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍のことです。成人女性のうち、4人~5人に1人の割合

で発生すると言われており、子宮系の疾患のなかでももっとも発生率が多くなっています。

子宮筋腫は基本的には良性の腫瘍なので、必ずしも治療を受けなければならないということではなく、筋腫が小さく日常生活に影響を与えていない場合などは、定期的な検診を受けるなどで済むこともあります。

しかし、筋腫が大きくなっていたり、複数発生している場合や、日常生活に影響を与えるような症状がある場合などは、治療が必要になることもあります。また、子宮筋腫が大きくなると不妊の原因となることもあります。

また、子宮筋腫はほとんどが良性の腫瘍ですが、まれに悪性の「腫瘍肉腫」というがんが発生することもあります。

症状

子宮筋腫による症状は以下のようなものがあります。

【月経での経血量の増加】

子宮筋腫が発生すると、今までと比べて月経での出血量が増えたり、レバーのような塊が混ざることがあります。

【月経の出血が長く続く】

通所なら5日~7日ほど続く月経が、10日以上も続いてしまうことがあります。

【貧血】

普段の月経では貧血の症状が現れなくても、子宮筋腫の発生によって月経量や血のかたまりが出てきたり、出血が続く日数が長くなることによって、貧血症状が現れることがあります。めまいや立ちくらみなどの症状は日常生活にも影響を与えやすいので注意が必要です。

【月経時以外にも出血がある】

月経のタイミングではないのに出血したり、普段のおりものとは違って茶色のおりものがでることがあります。

【生理痛・腹痛】

月経のときに痛みを感じたり、普段から腹痛などを感じることがあります。

【トイレに行く回数が増える】

子宮筋腫が大きくなると膀胱を圧迫することがあります。それによってトイレに行く回数が増えたり、尿意を我慢できなくなることがあります。

ただし、筋腫ができる場所によっては、筋腫が大きくなってもほとんど症状が現れない場合があります。子宮の内側に発生した場合には、小さな筋腫であっても症状が現れることがありますが、子宮の外側に発生した場合には、筋腫が大きくなっても症状が出にくいと言われています。

原因

子宮筋腫が発生する原因は、現在も詳しく解明されていません。

しかし、子宮筋腫は女性ホルモンによって大きく成長すると言われています。そのため、閉経を迎える更年期になると女性ホルモンの量が減少するので、筋腫があったとしてもサイズが小さくなることが多いようです。

ただし、まれに更年期を迎えても筋腫が小さくならない場合や、大きくなってしまうことがあります。その場合は通院を行って治療を受ける必要があります。

まれに悪性の「子宮肉腫」ができることもある

子宮筋腫によく似ていますが、悪性のがんである「子宮肉腫」ができることもあります。

子宮にできるがんには「子宮頸がん」などが一般的によく知られていますが、それらと比べると発生する頻度は少ないものの、まれに子宮肉腫ができることがあるのです。

子宮肉腫の症状は子宮筋腫とほとんど変わらないので気づかないことも多いものです。しかし、子宮肉腫は急激に増殖するだけでなく、ほかの臓器へと転移してしまうので、とても恐ろしい病気です。また、抗がん剤なども効かないので治療も難しくなります。

子宮肉腫は、顕微鏡などを使ってより詳しく検査を行わないと筋腫と区別をつけるのが難しいと言われています。

ただし最近ではMRIを用いて子宮肉腫の検査を行うことができるようになっています。これによって肉腫や肉腫と疑われる筋腫などを区別し、それらをより詳しく検査することができるそうです。

卵巣腫瘍

卵巣は子宮の左右両側にある親指大の臓器で、腫瘍が発生しやすい場所だと言われています。その部分にできる腫瘍を卵巣腫瘍と言います。

腫瘍が小さな場合は症状がない場合がほとんどですが、腫瘍の付け根がねじれてしまったり腫瘍が破裂した場合には下腹部の激しい痛みを生じることがあります。また、腫瘍が大きくなると、子宮筋腫と同様に暴行を刺激したり、便秘などになることもあります。

卵巣腫瘍ではほとんどが良性のものですが、良性腫瘍と悪性腫瘍の中間的な「境界悪性腫瘍」と、がんになった「卵巣悪性腫瘍」もまれに発生します。

良性と悪性の中間である「境界悪性腫瘍」

境界悪性腫瘍は良性の腫瘍と悪性の腫瘍の中間的な腫瘍です。良性の卵巣腫瘍の場合と同じように、症状を感じない場合が多いと言われています。境界悪性腫瘍の場合も手術によって腫瘍の摘出などを行いますが、悪性の場合と違って、手術を行うことで完治することができるそうです。

悪性腫瘍(がん)の場合

悪性の卵巣腫瘍は、「沈黙の殺し屋」とも呼ばれるほど初期症状がない場合がほとんどで、多くはがんが進行してから発見されます。がんの種類は発生場所によって20種類以上にも分けられます。

悪性腫瘍の場合、卵巣良性腫瘍や境界悪性腫瘍と違って、手術を行っても予後が不良となる場合が多いと言われています。

子宮内膜症

子宮内膜は本来は子宮の内側にしか存在しません。そんな子宮内膜が卵巣など子宮以外の場所で増殖し、剥離を繰り返す病気のことを、子宮内膜症と言います。

子宮以外の場所で子宮内膜が増殖してしまうと、本来なら月経のときの出血として膣内から体外へと排出していくはずが、腹膣内にとどまってしまい、炎症や痛みなどを起こしたり、癒着してしまうのです。

できやすい場所は腹膜と卵巣、子宮と直腸の間のくぼみの3つだと言われています。とくに卵巣にできる子宮内膜のことを「チョコレート嚢胞」と呼ぶことがあります。

子宮内膜症は超音波検査などによって調べられ、卵巣が腫れていたり子宮が厚いような場合などに疑われます。

症状

子宮内膜症の主な症状は以下の通りです。

【月経痛、月経異常】

とくに、子宮内膜症の場合、薬を飲んでも痛みが引かないことや、年々痛みがひどくなったり、膣の奥のほうまで痛みを感じることがあります。また、月経のときの出血量が多くなったり、不正出血などがおこることもあります。

【性交痛】

子宮と直腸の間のくぼみの部分に子宮内膜ができている場合、性交渉の際に痛みを感じることがあります。また、排便時に痛みを感じることもあるようです。また、子宮内膜症によって不妊症になることがあります。

原因

子宮内膜症の原因は、子宮筋腫などと同じように、現在も詳しく解明されていません。

仮説としては、生理のときの血液が卵管に逆流し、排出されないままとどまってしまうという説があります。しかしあくまでも仮設なので、原因はよくわかっていません。

また、子宮内膜症にかかりやすいのは20代から40代の女性や、月経の期間が長い人などがなりやすいと言われています。

治療方法と対処法

子宮内膜症の治療には低用量ピルを使うことも

低用量ピルは排卵を抑制し、子宮内膜の肥厚を抑えることができるので、子宮内膜症の進行を遅らせることができるなどの特徴があります。低用量ならば長期的な服用が可能になります。

また、子宮内膜症による生理痛は市販の薬を飲んでも引かないことがありますが、低用量ピルを服用することで生理痛を軽くすることができるそうです。

ただし、避妊効果も持っているので、妊娠を望んでいる場合には向いていません。また、まれに血液が血管のなかで固まってしまう、血栓症に罹ることがあります。

子宮筋腫・卵巣筋腫は手術で摘出することも

子宮筋腫は基本的に良性の筋腫なので、症状がない場合は治療は不要だと言われています。貧血などの症状がある場合には、止血剤や鎮痛剤、漢方薬などを使って治療を行うことがあります。また、手術によって筋腫を摘出することもありますが、場合によっては子宮全摘出手術を行うこともあります。

卵巣腫瘍でも、良性の場合は、腫瘍の大きさが一定以上になった場合に手術で摘出などを行います。生殖年齢の場合は腫瘍だけを摘出する手術が行われますが、卵巣は片方だけになっても妊娠することができるそうです。

普段から月経の経血などを確認する習慣をつけよう

子宮の腫れや卵巣の腫れなどは症状が現れにくいことも多いのですが、普段と月経のときの経血の量が違ったり、不正出血や性交痛、排便痛などを感じることがあります。

普段から月経時の症状や経血の量、おりものの状態などを確認する習慣をつけておきましょう。それによって、症状の現れにくい子宮の病気が早く発見できることがあります。

毎月来るものなので生理が来れば以上はない思う人もいるかもしれませんが、生理が来たからと言って異常がないとは限りません。

  • 経血の量が多く、下着が汚れてしまうことがある
  • 経血のなかにレバーのような血の塊が混ざることがある
  • 不正出血がある
  • 排便痛や排尿痛などがある
  • 貧血症状がある
  • 以前と比べて生理痛がひどくなった
  • 性交痛がある
  • 生理のとき以外でも下腹部が痛むことがある

こういった症状に当てはまる場合は、子宮筋腫や内膜症などの可能性もあります。これらに当てはまる場合や、少しおかしいなと思うことがあったら、医師による診察を受けてみましょう。

子宮の腫れは産婦人科へ

産婦人科では問診以外にも内診を行うこともある

月経出血の量が普段より多かったり、月経痛や性交痛などがひどい場合には、子宮内膜症や子宮筋腫などに罹っている場合があります。

症状が現れない無症状の場合もありますが、普段と月経の経血が違うなと思ったり、違和感を感じたら、まずは産婦人科などを受診してみましょう。

産婦人科では、問診のほかにも、内診などを行うことがあります。はじめて内診を受ける場合は少し抵抗があるかもしれませんが、内診によって病気が発覚したり、膣内の異常が見つかることもあります。

妊婦だけでなく、若い女性でも産婦人科を訪れていますので、月経異常を感じたら、気軽に産婦人科を受診してみましょう。

産婦人科は定期的に受診しましょう

産婦人科は妊娠を希望する女性や妊娠中の女性が診察を受ける場所だと思う人もいるかもしれませんが、月経異常や月経痛などの治療のために中学生や高校生などの若い女性も訪れることがあります。

婦人病は症状が現れにくいので、気づいたときには症状が進行していたり、がんができていることなどもあります。

また、治療を行わずそのままにしていると不妊の原因にもなってしまうことがあるので、妊娠を望んでいる場合にも、産婦人科を定期的に受診するのがおすすめです。

まとめ

子宮の腫れは自分で確認することができないので、症状が進行してから気づくことがほとんどです。しかし、定期的に産婦人科を受診して診察を受けることによって、子宮内の異常にいち早く気づくことができます。

また、普段から月経での症状や経血の状態などを自分でチェックしておくことで、月経異常にも早く気づくことができます。月経異常などは周りの人から見てわかるような病気ではないので、自分の身体は自分でチェックして、普段から状態などを把握しておくことを心掛けましょう。