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頭部打撲時の危険な症状5つとポイントを子供と大人で詳細解説!後遺症は残る?こんな症状大丈夫?そんな不安を解消しましょう!

頭部打撲時は、とても不安になるものだと思います。特に小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、転倒は多く起こりますよね。また大人では、交通事故に巻き込まれたりする可能性もあります。今回はそんな時の対処法や、危険な症状についてまとめてみました。是非最後までご覧ください。



頭部打撲の危険性を知っていますか?

すぐに症状が出ない事もある

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例えば体のどこかをぶつけたりすると、すぐにその部位に青あざが出来たりと目に見える変化がありますよね。しかし頭部打撲では、その症状が後になって出てくることがあります。一般的に頭部を打ってから24時間は注意が必要と言われているようです。

脳は、頭皮・頭蓋骨・硬膜・くも膜・軟膜によって守られています。このどこの部位に出血があるかで、症状や呼ばれ方が変わって来ます。よく聞くくも膜下出血は、名前通り、くも膜の下で出血が起きている状態です。

また頭部の外傷では、衝撃を受けた反対部位も損傷を受ける事があります。後頭部を強打した際は、反対側にある前頭部が損傷され、重症となる場合もあります。このような損傷には、ヘルメットを着用する事でかなりの予防が期待できるそうです。子供の場合、慣れない自転車などでは転倒の危険がありますので、ヘルメットをつけるようにしたいですね。

頭部打撲時の応急処置とは?

全身状態の確認

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頭を打った本人に意識がある場合は、最低でも24時間は体調の変化に注意してください。24時間を経過しても、数日後、または数か月後に症状が出る場合もあります。頭の痛みが強くなる・吐き気がある・手足のしびれ・うまくしゃべられないなどの違和感があった時は、病院を受診することをお勧めします。

1人暮らしなどで自分の異変に気付いてくれる人がいない場合は、家族や友人など頼れる人に、こまめに電話やメールなどの連絡をするように頼めば不安も軽減されると思います。

交通事故や高いところから落ちた時などは、周囲にいる人が対象者の全身状態をチェックする必要があります。この時に大事な事は、対象者をゆすったり激しく動かさない事です。頭部の外傷では、頸椎(首の骨)を損傷している場合があり、この部位を動かすことによって大変な麻痺を残すことになる可能性もあるようです。

また対象者が嘔吐をしたときは、顔を横に向かせて吐いたものが詰まらないようにすることも必要になります。

まずは意識を確認するために、声掛けをするようにしてください。日本では“Japan ComaScale”というもので、意識レベルを評価します。覚醒度を3段階に分け、さらにそこから3段階と分けています。その為、339度方式とも呼ばれています。

【Japan Coma Scale】

覚醒している(1桁の点数で表現)

  • 0 意識清明
  • 1 見当識は保たれているが意識清明ではない
  • 2 見当識障害がある
  • 3 自分の名前・生年月日が言えない

刺激に応じて一時的に覚醒する(2桁の点数で表現)

  • 10 普通の呼びかけで開眼する
  • 20 大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する
  • 30 痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する

刺激しても覚醒しない(3桁の点数で表現)

  • 100 痛みに対して払いのけるなどの動作をする
  • 200 痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする
  • 300 痛み刺激に対し全く反応しない

Japan Coma Scaleではこのように分類する事が出来るので、もし倒れている人などがいたら参考にして声掛けをしてみてください。また道路などでは周囲の安全を確保する事も必要になります。

異変があれば脳神経外科へ

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頭部の外傷で異変があった場合は“脳神経外科”を受診してください。脳神経外科と脳神経内科のどちらに行けばいいのか?と悩まれる方も少なくないと思いますが、手術などが必要な場合は脳神経外科に行くのが一般的なようです。

異変を感じた時は、自分で車を運転などをするのは大変危険な行為です。運転中に意識を消失する危険性もありますので、その際は救急車を呼ぶなどしましょう。また救急車を呼ぶことにためらいがある人も少なくないかもしれませんが、頭部の打撲では時間差で症状が現れる事もあるので注意が必要です。

東京消防庁による救急受診ガイドならインターネットでも見れますので、一度確認してみるといいかもしれませんね。しかし結果が大丈夫だったとしても、油断は禁物です。

頭部打撲後24時間は特に注意!

体調の急変

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頭部打撲後すぐには症状が出ない事があるので、受傷後24時間は特に注意が必要な時間になります。頭を打った後は元気にしていた人が、吐いたり意識がなくなって死に繋がることもあります。血のたまる速さなどによって、頭蓋内出血での症状の出方が変わっていきます。

本人が気付きにくい症状として、呂律が回らない・物をうまくつかめないなどがあります。

「あれ?なんだかおかしい」と思っても、病院に行こうとしない人も少なくないようです。その為、周囲の人も気をつけてあげる必要があります。

その他、吐き気や嘔吐・頭の痛みが強くなる・ボーっとしている・手足のしびれ・けいれん・熱が高くなる・瞳の大きさが左右で違うなどの症状が出ます。これらのサインは危険を示しているので、すぐに病院へ行かれることをお勧めします。

頭部打撲後に注意すべき症状とは?

頭痛の悪化

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脳が損傷を受けると、出血や腫れが頭の中で起こります。出血や腫れによって脳が大きくなっても、頭蓋骨は大きくなりません。その為、脳にかかる圧力が徐々に高くなってしまいます。この圧力が高まる事によって、症状は悪化します。特にくも膜下出血では、突然頭痛が起きるのが特徴でもあります。

頭蓋骨内の圧力が高まった場合の初期症状には、頭痛の悪化や思考障害、意識レベルの低下、嘔吐が見られます。脳の圧力が高まると、脳ヘルニアを起こす危険性があります。内圧が上昇する事によって脳は押し下げられ、脳組織が以上に突出してしまう状態です。どの部位に陥入するかによって予後は変わります。

言語や視界の症状が出る

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言語障害として、会話の内容がおかしい・言葉が話せない・呂律が回らない・言葉を理解できない・会話が成り立たないなどが見られます。言語の理解は側頭葉が司り、言語の表出は前頭葉が司ると言われています。また、言語はほとんどの人が左半球優位と言われています。その他にも、口のしびれなどの症状も出るようです。

また物が二重に見えたり、視界がぼやけるなどの症状が出て来ます。疲れているんだろうと思いがちな症状ですが、十分に注意する事が必要です。

特に言語障害や記憶障害・注意障害・遂行障害は、高次脳機能障害といった後遺症となることもあります。高次脳機能障害は目に見えない障害でもあります。例えば麻痺が残った場合、人は目でそれを認識する事が出来ます。

しかし高次脳機能障害の場合、例えば言語障害であれば、本人も自覚がないことがあります。

このような障害では、リハビリを行いながら社会生活に復帰出来るように目指します。

けいれんが起こる

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頭部に外傷が加わるとけいれんを起こす場合があります。この場合、受傷直後にけいれん発作が見られますが、一過性の為てんかんとは区別されるそうです。しかしこれがきっかけとなり、外傷性てんかん(けいれん発作)が発症し、後遺症となる場合もあるようです。

外傷が原因のけいれん発作は3種類に分類されます。

  • 受傷直後~24時間までの直後けいれん
  • 受傷1週間から1か月の早期けいれん
  • 受傷1か月以上経過した後に起こる晩期けいれん

直後けいれんは、脳の細胞レベルの電解質の異常や、酸欠状態などの全身障害により起こりますが早期に改善されます。また、その後てんかんへの移行は少ないようです。しかし晩期けいれんでは外傷性てんかんに移行する可能性が高いそうです。

軽症の場合は、高次脳機能障害などの後遺症が残ることはあまりないようです。日本では、年間約515万人が外傷性てんかんを発症するという報告があるそうです。

熱が上昇する

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人の体温を調節する場所は、視床下部というところです。頭部外傷などによって、この視床下部に機能障害が生じた場合を脳性過高熱(中枢性過高熱)と言い、高熱が出てしまいます。この症状は初期ではなく、数日後に出てくることが多いようですので、風邪と間違うこともあるようです。

この場合の特徴として、解熱剤などの解熱効果が現れにくい・頭部付近は熱いのに手足は冷たい・発汗・意識レベルが徐々に低下していくことが多いなどが挙げられるようです。

数日後にこのような症状が出た場合は、ただの風邪だと油断せずに病院へ行かれることをお勧めします。

鼻血が続く、鼻や耳から水分が流れ出る

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鼻血が続いている場合や、耳からの出血、鼻から水分が流れている時は、頭蓋底骨折が疑われます。この水分は、脳脊髄液が漏れているものですので、すぐに脳神経外科を受診するようにしてください。鼻血がすぐに止まる場合は大丈夫のようですが、それでも油断は禁物ですので注意してください。

頭部の外傷が原因となって発症するものには、全く後遺症の残らないと言われている脳震盪、後遺症を残したり死亡する危険性のある脳挫傷や脳出血、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫などがあります。脳震盪のレベルは3段階に分けられ、レベル1の場合は一過性のものです。しかし数日間は安静にしてください。またほかの症状が見られた際は病院へ行かれることをお勧めします。

レベル2以上では脳内に異常が発生している場合があります。脳震盪の合併症として最も危険なものが急性硬膜下血腫と言われる病気です。この急性硬膜下血腫の発生原因は、ほとんどが頭部の外傷によるもだそうです。

急性硬膜下血腫は強い衝撃で起こるため、発症直後から意識障害が見られます。また、脳の障害は少なく、血管の障害が強い場合は意識障害が徐々に現れます。一度意識障害が見られると、予後は不良だと言われています。

次に急性硬膜外血腫も、頭部外傷が原因で発症する事が多い病気の1つです。脳損傷の程度により予後が変わると言われています。側頭部に発生した場合は、意識障害よりも片方の瞳孔がもう一方よりも大きくなっている状態である瞳孔不同が先に出現する傾向にあるようです。

出血速度が速いときでは急激に意識障害が進行し、不可逆的な変化をきたしてしまいます。

たんこぶが出来たときは?

たんこぶ自体は危険ではない

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たんこんぶは、頭をぶつけた時には軽度の物でもよく見られます。たんこぶは、頭皮が外から受けた衝撃と、固い頭蓋骨に挟まれたために出血したもので、血が頭皮の中やその下にある頭蓋骨の外に溜まっている状態で、頭皮化血腫と呼ばれています。これは自然と止血され、血腫自体は数週間程度の時間を経て、自然に吸収されて消えます。

たんこぶは、ぶつけてすぐに濡れタオルなどで軽く冷やすと、たんこぶが大きくなることや熱感を軽減する事が出来ます。またたんこぶを指で押すと、へこんだような感じがする経験をされた方もいると思いますが、心配なときは病院でレントゲンをとることで陥没しているかの判断をして貰えます。

たんこぶが出来た際に大事な事は、たんこぶ=危険と言う訳ではないという事です。あくまでも、脳内に損傷があるかで危険かそうでないかは変わって来ます。

内部に注意

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出来るという事は、頭部に衝撃が加わっている証拠でもあります。たんこぶが出来た時は安心といった言葉を聞いたことがありませんか?しかし実際にはこれは正しいとは言えません。なぜかというと、たんこぶ=強い衝撃の証拠でもあるからです。また、たんこぶにはぶよぶよと柔らかいものもあります。

このたんこぶが裂けている時は、縫合の必要も出て来ます。頭の皮膚は血流などがよく出血しやすいため、出血量が多いときは病院へ行かれることをお勧めします。

皮膚の下には頭蓋骨があるので、衝撃が強いと折れる事もあります。骨折には、ひび割れ線が入る程度の物・複雑に頭蓋骨が割れて陥没する物などがあります。このような事から、たんこぶ自体よりも内部に注意が必要となります。

幼児、小児の頭部打撲で気をつけることは?

元気に遊んでいるか

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子供は遊びに夢中になると、視野が狭くなったり、外での遊びでは転んだり交通事故に巻き込まれたりというリスクが生じます。子供が頭を打った時は、激しく泣いたりと、周りの大人も怖くなってしまうことも多くあると思います。

頭を打った直後に激しく泣いたとしても、その後に元気で遊んでいるのなら心配はないと考えられています。逆にあやしても反応がない、うとうとと眠りがちになっているなどの場合は、病院を受診するようにしてください。

子どもの変化を一番早くに見抜けるのは、お母さんやお父さんなど普段一緒に過ごしている大人です。頭を打った時は、普段と違った様子がないか注意する必要があります。

また頭部を打った時は出血する事があります。大人であればガーゼなどで圧迫すると止血出来ますが、子供の場合は大量の出血でショック状態に陥ることがあるので注意してください。

ご飯をいつも通り食べているか

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元気に遊んでいるかと同じことで、直後に激しく泣いたとしても、その後きちんと食事をとれているなら場合は様子を見ていいようです。また、吐き気や嘔吐がある場合は受診する目安になります。食事を食べれていても、もし嘔吐した!というときは病院へ行かれることをお勧めします。

また1~2回の嘔吐で、その後は元気である時は様子を見てもいいそうです。しかし24時間は様子の変化に気をつけるようにしたいですね。

子供らしい関心が充分にあるか

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子供らしい関心があるということは、正常な精神活動が出来ている状態です。これが低下している場合では、問いかけなどの反応を与えても応答しません。その為、子供がこのような状態であった場合は病院を受診するようにしてください。

また頭を打ってすぐに嘔吐をしたら危険と言われていますが、約1/3の子供が嘔吐するとの統計があります。子供は大人と違って、様々な部位が未完成の状態であることが原因と考えられています。

頭部打撲による後遺症は?

軽症の場合は特に残らない

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後遺症として考えられるものには、高次脳機能障害やまれにてんかんがあります。てんかんでは、受傷後時間が経ってから発症します。頭部外傷では、運動麻痺よりも高次脳機能障害の方が多く見られます。高次脳機能障害には様々なものがありますが、頭部外傷では特に以下ののものが目立つようです。

覚醒度低下(意識が低下し、声をかけても反応が乏しい)・脱抑制状態(気分や感情のコントロールが難しい)・自発性低下(自分からなにかをしようとしない)・注意力低下(何に対しても集中力が湧かない)・記憶障害(特に新しいことを覚えられない)・遂行機能障害(計画を立てたりが出来ず、臨機応変に対応する事が難しい)・病識の欠如(本人が病気だと認識できない)。

このような障害は目に見えない物なので、なかなか人には理解してもらえないものでもあります。例えば記憶障害の場合、何か約束をしていても忘れてしまう。忘れるならメモをすればいいと思われますが、メモをしても忘れてしまう、というものなのです。その為、日常生活で自ら工夫をしなければ生活がし辛い状態となります。

まとめ

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頭を打った時は、本当に不安になりますよね。特に歩き始めたばかりの子供では、転ぶことが多いと思います。いくら気をつけていても、少し目の離したすきに家具で頭をぶつけたりなんて経験をして不安になったお母さんたちも多いと思いますが、子供の様子を見て慌てずに判断をしましょう。

また大人では交通事故の目撃者になって倒れている人を介抱する可能性もあります。そんな時は慌てず対処するようにして下さいね。もちろん、自分が当事者にならないように安全に注意しながら生活しましょう。

そして頭を打った日は、入浴は控える・揺れる物に乗らない・アルコールや刺激物は避ける・嘔吐する可能性を考慮して食事は控えめにする、など留意してくださいね。