TOP > 病名から探す > 骨・関節・筋肉の病気 > 関節痛 > 先天性股関節脱臼はどんな病気?痛みを防ぐ子育て方法です!子供から大人まで見られる5つの症状と治療法を徹底紹介!

先天性股関節脱臼はどんな病気?痛みを防ぐ子育て方法です!子供から大人まで見られる5つの症状と治療法を徹底紹介!

先天性股関節脱臼とは、生まれながらに片方もしくは両方の股関節が脱臼もしくは脱臼しやすい状態にあることを言います。股関節の可動範囲が少ない、片方の場合は足の長さに左右差がある、股関節がポキポキと音がなるなどの症状がみられます。また、現在では先天性股関節脱臼の予防するための推奨された子育て方法も存在するようです。子供、大人のどちらにもあるこの病気の治療法もご紹介します。



先天性股関節脱臼とは?

股関節は骨盤側に凹みがあり、その凹み部分に大腿骨の骨頭と呼ばれる頭のような形をした骨がはまるような形の形状をしています。先天性股関節脱臼は、名前の通りその股関節が脱臼(関節がうまくはまっていない)状態のことを言います。

先天性という名前が付いていますがみなさんが想像するような奇形などの生まれながらに存在しているものではなく、生まれた時に不安定な関節が徐々に脱臼していくと言われており、現在は発育性股関節形成不全という名前に置き換えられているようです。

早く見つかった方が良いような印象を持ちますが、生後3~4ヶ月の検診で見つかったとしても治療には遅くないと言われています。股関節の動きが悪い、お尻や大腿ののシワが左右非対称であるなどの徴候で発見されることが多いようです。

先天性股関節脱臼の原因とは

先天性股関節脱臼は、1つの原因によって起こるものではなく、様々な因子が関係しているようです。

原因ではありませんが、女児に多く、秋や冬生まれの子供に多い、逆子に発生頻度が高いなどの特徴があると言われています。

他にも、新生児期や乳児期の習慣的な下肢の位置なども関係していると言われています。

自然な姿勢を妨げること

新生児期や乳児期の赤ちゃんは足をM字に開きよく動かすことが普通ですが、オムツを足を伸ばした状態でつけたり、また股関節の動きを妨げるようオムツやオムツカバー、衣類などは好ましくないようです。

特に冬の寒い時期に生まれたからといって、たくさんの着衣や足の動きの妨げになるような服を着せることも好ましくないと言われています。

また向きぐせと呼ばれるような同じ方向ばかりを向いてしまうのも股関節の動きを妨げ、股関節脱臼の原因になってしまうことも多いと言われているため、枕などをうまく利用して同じ方向ばかりを向かないようにするのが良いとされています。

また乳児期は抱っこの時に足を伸ばした状態での抱っこではなく、対面した状態で抱っこすると良いとされていてコアラ抱きと言われています。そうすることで、赤ちゃんの足をM字に保つことができるからです。

幼児期などの抱っこする際には腰骨のあたりに乗せるような脚を開いた状態の抱き方が股関節には良いようです。

外部からの過度な力

先天性股関節脱臼は以前より発生頻度は減ってきていると言われています。その要因の一つとして、以前のように妊婦さんが腹帯をきつく締めて仕事をしなくて良くなったことも関係しているのではないかと言われています。また、女性の体格も向上し、胎児のスペースも増えたことも低下している原因ではないかと言われていて、窮屈な胎内の環境で十分な股関節の運動が妨げられることも、先天性股関節脱臼の一つではないかと言われています。

また、生まれた後の新生児、乳児期のオムツ交換時に足を持ち上げるような行為も良くないとされています。その際には、お尻の下に手を入れ腰を浮かせて交換するなどの方法が望ましいようです。

先天性股関節脱臼には3つのタイプがある

股関節脱臼は、レントゲン写真などで完全に脱臼しているもの、レントゲン上関節は通常の位置にあるが動きなどによって脱臼しやすい位置にあるもの(亜脱臼)、骨盤側のくぼみがうまくできていない(臼蓋形成不全)の3つの種類があると言われています。

それそれどのような特徴と違いがあるのでしょうか。

股関節脱臼

足をM字の開脚位にしても股関節が通常の位置に収まらない状態またはM字に開脚できない状態のことを示しています。脱臼は個人によって程度があり、次に示す亜脱臼に近いものもあれば、高位脱臼という完全に関節から外れたものまで様々です。

脱臼の状態によって治療方法も違いがあるようです。

亜脱臼

亜脱臼は、足の位置によってはうまく関節の凹凸にはまらなくなっている状態です。股関節の位置や動かし方によっても脱臼しているかしていないかまたは脱臼のしやすさなどが変化します。

足をM字の状態にすると関節うまくはまっているが、たいていの場合は足を伸ばして背中の方に動かす(お尻の方に向かって)と脱臼したり、うまくはまり込んでいないことが多いようです。

股関節臼蓋形成不全

子供の股関節臼蓋形成不全はレントゲンで確認すると、股関節における大腿骨のくぼみ部分や骨盤部分がうまくできていないことを示すもので、先天性股関節脱臼と同じく足をM字に開くことができないといった問題を持っていることが多いようです。

また幼少時にレントゲンで臼蓋形成不全だとと診断されても、自然治癒するケースもあるようです。

ただし大人の股関節臼蓋形成不全は、関節の軟骨がすり減り痛みを伴うことが多く、体重がかかると痛みを発生するため歩くときに歩行の異常が見られることがあるようです。その場合は杖などで荷重を減らすもしくは体重を減らして負担を減らすなど保存的に経過を見ますが、症状が悪化すると手術などの適応になる可能性もあると言われていますのでケアが必要ですね。

赤ちゃんにみられる先天性股関節脱臼の主な症状

では、実際にどんな症状があれば先天性股関節脱臼と診断されるのでしょうか。

先天性だから、出産直後からわかるはずだと思われるかもしれませんが、先にもお話ししたように出生後の股関節の動きを制限することでも起こると言われているため、生後3~4ヶ月の市町村での検診などで明らかになることもあるようです。検診で小児科医が膝のあたりを持って股関節の動きを確認しているのを経験したママさんはほぼ全員かと思いますが、この行為が股関節の動きをチェックしているようですね。

股関節の可動性が悪い、動かした時に股関節がポキポキと音がなる、左右の足の長さが違いなどの症状があれば、整形外科、小児科などでの診察を勧められることが多いようです。また、歩けるようになってからの歩行の異常でわかる場合もあるようです。

股関節の可動範囲が狭い

股関節が通常の位置にうまくはまっていないもしくは骨盤側の関節のくぼみがうまくできていないと股関節の動きは悪くなるのは容易に想像できるのではないでしょうか。

股関節の動きは前後、左右、回旋と自由度が高い関節の一つです。一番判断しやすいのは開排制限と言って足をMの時に開いた状態のときだそうです。この時に左右に差があったり、お尻や股関節周囲のシワの位置に左右差があるかどうかで判断することが多いようです。

ママさんならオムツを替える時などが一番、わかりやすいかもしれませんね。

足の長さが左右で違う

脱臼の種類でお話ししたように高位の股関節脱臼などですと、股関節の位置が上にずれるなどして足の長さが見た目に違ってきます。

また、むきぐせなどがあると同じ方向ばかりを向くため身体の歪みを伴い、そのために骨盤が傾き、見た目には左右の足の長さが違うように見える場合があります。実際には足の骨自体の長さには差はないのですが測定方法や見た目に差があるように見えることもあるようです。

股関節からポキポキと音がする

股関節を動かすとポキポキと音がすることをクリックと言います。

両膝を立てた状態から膝を外側に開いていくとカクっとなる感触や音を感じることを言います。これにより股関節脱臼が疑われ、レントゲンなどの検査をすることがあるようです。

大人にみられる先天性股関節脱臼の主な症状

では大人ではどうでしょうか。

大人の場合は先天性股関節脱臼自体が問題ではなくそれに伴い股関節が変形する変形性股関節症が問題となります。

先天性股関節脱臼の後遺症や股関節の形成不全(臼蓋形成不全など)などで変形性股関節症になることが多く、全体の80%ぐらいを占めているそうで女性に多く見られるのが特徴です。主な症状としては、歩行の異常、立ち上がりや歩き始めに股関節に痛みを感じる、かがんだり正座ができなくなる、足の爪が自分で切れないなどの日常生活に支障を生じます。

現在は高齢化社会の影響もあり、年齢とともに変形することもあるようで先天性股関節脱臼の後遺症ではない変形性股関節症も存在するようです。

股関節の痛み

股関節が変形すると骨と骨にある関節の軟骨が年齢や外傷、運動や荷重による負担などですり減ることにより、軟骨が破壊され変形が進むと言われています。軟骨が破壊されるもしくは骨が変形することにより骨と骨がぶつかって痛みを生じたり、また関節に炎症を起こしたりして痛みが生じることもあるようです。

変形性股関節症の場合の痛みは2種類あります。一つは立ち上がったり歩き始めといった運動開始時に起こる痛みと安静時の持続痛や夜間に起きる夜間痛の2種類があると言われています。持続痛や夜間痛は病気の進行とともに現れてくるのが特徴であると言われています。

初期の変形性股関節症では動作開始時に痛みを感じますが動作が持続しておこなっている間に軽快するのが特徴のようで、病気の進行とともに動作の持続中にも痛みが現れてきます。痛みを和らげる方法としては、杖の使用や関節に負担をかけない生活様式(洋式トイレやネベッドでの就寝など)、体重管理などが関節の負担を減らし、痛みの緩和と変形を遅らせることができると言われています。

また痛みを生じると運動しなくなり筋力も弱くなります。筋力の低下は歩行などの日常生活にも影響を及ぼしますので、股関節に荷重がかからない方法での筋力トレーニングやプールなどの水中運動も良いと言われています。

他にも、温めることで血行を良くし痛みの軽減を図ったり、薬などでの痛みのコントロールも可能ですが、痛みが取れると無理をして、関節に負担がかからないように注意することが必要ですね。

股関節の違和感

痛みではないけれど違和感があるという訴えの方も多いようです。前項にでてきたクリック音なども違和感の一つです。

また日常生活においては靴下を履く、足の爪が切れない、和式トイレにかがむ時などに股関節が曲がりにくく動作が困難となることもあり可動性の制限とともに違和感を感じる方も多いようです。また長い時間の立ち仕事などでも同様の違和感を感じると言われています。

先天性股関節脱臼の治療法

乳児期の先天性股関節脱臼には装具療法、牽引療法、徒手整復法、手術などの方法があるようです。それぞれ、脱臼の程度によって適応も異なるようですが、最も簡易的な方法は装具療法と言えます。装具療法で脱臼の整復が得られなかった場合や高度の脱臼などでは手術に至ることもあるようです。

大人の先天性股関節脱臼に関しては脱臼そのものより関節が変形してしまう変形性股関節症により痛みや歩行障害などが起こるようです。変形が進めば手術適応となる可能性もあるため、関節への負担を最小限にすることが重要とされているようです。

装具の着用

先天性股関節脱臼は乳児健診などで発見されることが多く、生後3ヶ月前後が最も症状がはっきりしていてわかりやすいと言われています。

先の脱臼の種類でお話しした亜脱臼や比較的程度の軽い脱臼にはリーメンビューゲルという股関節をM字に開く状態を保つ装具を治療方法として用いることが多いようです。運動を妨げることもなく股関節を自然に整復することができると言われています。

整形治療

先天性股関節脱臼、変形性股関節症のどちらも整形外科での治療対象となります。

先天性股関節脱臼は、整形外科でのレントゲン写真で脱臼の程度を分類し、大腿骨の頭の部分の壊死を起こしやすい症例や生後10ヶ月以降に発見された例、高度の脱臼などでリーメンビューゲルなどの装具では整復不能なものに対して、牽引療法という治療法が存在します。

股関節が通常の位置に戻るように、重りと結びついたバンドを滑車を介して足に装着し整復する方向へ引っ張る機械を使うことで整復を試みる方法のようです。整復ができたら、その位置で安定が得られるまでキプス固定を行うのが治療の流れのようです。

変形性股関節症には整形外科での治療として投薬による痛みの緩和、杖などの処方、運動療法などのリハビリなども治療法として行われることがあります。また、痛みがひどくなる、歩行困難などの症状がひどくなってきたら、整形外科での手術が治療法として選択されることが多いようです。

手術療法

子供が大きくなるにつれ、下肢の筋力も強くなり、制服を施してもすぐに元の位置に戻ってしまうため困難になってくると言われています。特に年長以降だと筋力も強くなり牽引や装具での整復は困難なため、手術療法が選択されることが多いと言われています。

成長により股関節への負担も増えてくるため、3~8歳ぐらいを目処にその程度に合わせて、大腿骨の形態を修正する内反骨切り術や骨盤骨切り術などが行われ、正しく股関節が成長できるようにする手術が行われることがあるようです。

大人の先天性股関節脱臼の場合は骨の変形やなどが伴うことがあり程度に合わせて手術方法が変わります。まず関節の変形などの程度が少ない場合には、筋肉の一部を切って股関節の圧力を減らすことにより、動きやすくします。この方法は筋解離術と呼ばれています。根本的な治療ではないため、再発することもあるようです。

他にも臼蓋形成不全には浅い受け皿を補助するように股関節の上部に骨を移植する棚形成術や骨盤を切って回転させたりスライドしたりして股関節のくぼみを作る回転骨切り術やキアリ骨盤骨切り術なども初期の変形性関節症には有用であると言われています。

軟骨が完全にすり減り変形が末期になると人工関節置換術が行われることが多いようです。痛みは無くなりますが、人工物なのですり減ったりと寿命があるため、60歳以下の手術は慎重に判断して行われるようです。

まとめ

いかがでしたか?先天性股関節脱臼は、様々な兆候と治療がありますね。生まれながらではなく、乳児期に気をつけることでリスクを減らせるようです。子育て中のママさんたちは実践の価値があるのではないでしょうか。

また、大人になっても気をつけることで変形なども予防できるようですね。杖には少し抵抗ある方も、ご自分の骨を長持ちさせるというメリットのために考えて見られるのもいいかもしれませんね。

股関節は歩くときに大切な関節の一つです。しっかりとケアすることでリスクも減らせるようですから、気をつけたいものですね。