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膝関節が痛い!膝関節痛の原因となる病気とは|女性がなりやすい変形性膝関節症の原因・症状・治療法や注意点!

膝関節が痛くなり歩きにくくなる変形性膝関節症。ここでは、膝関節の構造から、変形性膝関節症の原因・症状・治療法、そして、膝関節痛の原因となる病気について詳しくみていきましょう。



女性がなりやすい変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は、50歳代以上の肥満気味の女性に多くみられる疾患です。関節内で骨と骨が直接こすれ合わないように骨の表面をおおってクッションの役割を果たしている関節軟骨が、様々な原因から、膝関節にかかる負担に耐えられず、膝の関節軟骨がすり減ったり変形したりすることが原因で起こる、膝の痛みや障害です。

なぜ女性に多いかについてははっきりわかってはいませんが、女性ホルモンの影響や男性より筋力が弱いこと、中年になると肥満傾向があることなどが考えられています。

膝関節の構造

脛骨(すねの骨)

膝関節は、大腿骨、脛骨(けいこつ)、膝蓋骨(しつがいこつ)とその周囲を取り巻く靱帯(じんたい)や軟骨などで構成される関節です。膝関節は、屈伸と僅かな回旋により、歩行や運動をスムーズにし、衝撃を緩衝する作用があります。

脛骨は端が膨隆し、内顆(ないか)と外顆(がいか)を形成しています。脛骨の内顆と外顆は、その上面に浅い窪みを形成し、大腿骨内顆及び外顆の関節面を受ける関節窩(かんせつか)となります。

大腿骨(太ももの骨)

大腿骨は、その末梢端で脛骨の中枢端と関節し、膝関節を構成します。大腿骨の末梢端は、内顆および外顆と呼ばれる2つの大きな膨隆となり、脛骨の内顆と外顆の関節窩にそれぞれ関節しています。

大腿骨の内顆と外顆の間は溝状の窪みとなっています。その窪みの前面は、膝蓋骨と関節する関節窩の役割があります。

膝蓋骨(ひざのお皿)

膝蓋骨は、膝の前面に位置する種子骨(しゅしこつ)で、一般的には、膝のお皿の骨と表現されている部分のことです。 この膝蓋骨の前面は、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の腱に覆われるように内包されています。一方、後面は関節軟骨に覆われ、その関節軟骨部分は膝関節包 (ひざかんせつほう)の内部に位置しています。

この種子骨というのは、関節を通過する腱が屈伸運動などで骨との摩耗が起きる部分に有って、関節を構成する骨の上を走り、腱を摩耗から保護しながらスムーズな関節運動を実現しています。

膝蓋骨は、大腿四頭筋の腱と連結し、膝蓋腱(しつがいけん)を介して脛骨と連結しています。膝蓋骨の後面は関節軟骨で覆われた関節面が有り、大腿骨の膝蓋面と関節して、大腿膝蓋関節(だいたいしつがいかんせつ)を形成します。 この大腿膝蓋関節の滑走運動によって、大腿四頭筋の腱が大腿骨や脛骨との摩耗を防ぎ、円滑な膝の屈伸運動を可能にしています。

半月板

膝関節は、正面から見ると大腿骨と脛骨がしっかり噛み合っているように見えますが、側面から見ると大腿骨と脛骨の接触面積が非常に狭く、骨性の連結は不安定な状態です。

大腿骨と脛骨の関節面の間には、半月板という線維軟骨があり、大腿骨と脛骨の適合性を高めて膝関節の安定性の保持や衝撃緩衝作用、関節面の荷重の分散に関与しています。

半月板の内縁側の代謝は、膝関節の荷重負荷や関節運動により生じる関節内の圧力の変化を利用した、ポンプ作用的な方法で栄養の吸収や老廃物の排泄を行っています。そのため、寝たきりや極端な運動不足により廃用性の変性や壊死を生じやすい部分です。

変形性膝関節症の症状

動作開始時に痛みがある

最初はちょっとした動作から膝の違和感が始まります。膝が重たく感じ、膝の歯車がかみ合わない感じがします。起床直後、膝が動きにくかったり、長時間座ったままでいると、関節がこりかたまったりします。症状が軽いうちは、この症状は一時的なもので、こりをほぐすように少しずつ動かしていると軽減します。

最初は動作開始時に痛みがあり、一時的でしばらく休むと痛みがなくなる場合がほとんどです。初期症状を放置しておくと、徐々に進行して症状が悪くなる場合があります。痛みの頻度が多くなり、関節炎をおこして膝の周辺が腫れたり、熱をもったりします。

伸ばしたり曲げられない

痛みの頻度が多くなると、膝が完全に曲がりきらない(屈曲しにくい)、伸びきらない(伸展制限)状態が進み、正座やしゃがむ等の動作が苦痛になってきます。階段もつらく、特に下りがつらい、あぐらがかけない、走れない、長時間の立ち仕事ができないなど、運動や行動が思うようにできなくなります。

膝の関節を深く曲げると痛みが生じるため、意識的に曲げないようになり、やがて関節の動きが悪くなっていきます。このような状態を拘縮(こうしゅく)といいます。

膝を動かすとギシギシ音が鳴る

関節軟骨が完全にすり減って関節裂隙がなくなり骨硬化が進むと、膝を動かしたときに骨同士が直接こすれ合うギシギシ、ゴリゴリといった音が聞こえたりします。

関節が太くなる

膝に水が溜まる症状(関節水腫)がおきる人もいます。膝が腫れ、関節が太くなり、水のため膝を曲げようとすると張ったような感触を受けます。

変形性膝関節症の原因

肥満

変形性膝関節症は原因により一次性と二次性に分けられます。一次性は外傷もなくはっきりした原因もないのに膝の痛みが起こるもので、二次性は膝の骨折や靱帯損傷などの外傷が元で起こるものです。

体重が増えると膝の負担が増えることから、一次性変形性膝関節症の原因として、肥満が関連があると言われています。

歩行時には体重の3倍もの負荷が膝にかかっているそうです。体重が1Kg増えると膝の負担は3Kg増えるということになります。走ったり階段の上り下りなどする場合はそれ以上の負荷がかかります。

筋肉の衰え

一次性変形性膝関節症の原因として、筋肉の衰えが関係していると考えられています。

年を取ると脚腰の筋力が徐々に衰えますが、特に太ももの前側の大腿四頭筋は歩かなくなるとすぐ弱くなり、立ったり座ったりや階段の上り下りに支障が出ます。太ももの筋肉は膝の動きを調節し、また体重を受け止めて膝関節の負担を補う働きをしています。

太ももの筋肉が弱くなると膝関節が受ける負担が大きくなり関節軟骨が傷みやすくなると考えられています。また、中高年に多いことから一般に老化が関連していると言われています。加齢とともに関節軟骨の新陳代謝が衰え、摩擦に対して痛みやすくなっていくと考えられています。

膝蓋骨の脱臼

若い時にスポーツや事故などで靱帯損傷などのケガをした場合、それが変形性膝関節症の原因となることがあります。外傷や関節のかみあわせの障害などが原因で関節軟骨が痛み、変形性膝関節症が起こるものを二次性変形性膝関節症といいます。

膝蓋骨脱臼とは、ちょっとした運動などがきっかけで突然膝のお皿が外れてしまうものです。きちんと治療しないでいるとお皿が大腿骨と正常にかみ合っていないため軟骨の接合面が偏って負担が大きくなり、膝蓋大腿関節症になることがあります。

靭帯損傷

スポーツや事故などで大腿骨と脛骨をつなぐ靱帯に損傷を受けることを靭帯損傷と言いますが、特に前十字靱帯損傷はしっかり治療しないと膝くずれ(膝が亜脱臼のようになり急に不安定になる)を起しやすく関節に負担がかかってしまいます。

その他にも、スポーツをする人に多い関節内のクッションである半月板の損傷や繰り返し外力がかかると関節軟骨や骨の一部がはがれる関節軟骨損傷なども、変形性膝関節症の原因となることがあります。

変形性膝関節症の治療法

日常生活の指導

保存治療には、日常生活の指導も含まれます。

肥満により変形性膝関節症が発症している患者さんには、ダイエットが必要となり、運動や食事で体重を減らす治療が行われます。

運動療法は、減量して肥満による関節への負担を減らせるだけでなく、運動により、血流が改善して関節内の組織の新陳代謝が改善され、膝周辺の組織へ栄養分がいきわたり、老廃物が排泄することができます。

等尺性運動による筋肉トレーニングにより、筋力をつけて関節のぐらつきを軽減して膝への負担が減らせます。関節軟骨がすり減っていても、運動により軟骨細胞の新陳代謝がよくなると、細胞が活性化して繊維軟骨が再生されやすくなるそうです。

自宅でできる運動療法としては、大腿四頭筋訓練として、椅子に座って膝を持ち上げてピンと伸ばしたままで静止させ10~20秒維持する練習を左右交互に朝晩20回ずつ行います。また、仰向けで寝て、片足を膝を伸ばした状態で10cm持ち上げて静止させて10~20秒数える練習を左右交互に朝晩20回ずつ行う下肢伸展挙上訓練も同様な効果があるそうです。

その他、膝を伸ばす訓練、しゃがむ練習や正座の練習などの関節のストレッチ訓練や、30分以内のウォーキングなどもよいそうです。

薬物療法

処方される薬はいろいろありますが、病気そのものを治すためのものではなく、対症療法として、炎症を抑えて痛みを軽くして回復を助けるためのものです。

非ステロイド系消炎鎮痛剤として、短時間作用型のソレトン、ボルタレン、ロキソニン、オステラック等が処方されます。比較的短時間(30分位)で効果が現れます。一錠の効果持続時間は半日位なので、1日2~3回内服します。

モービック等の長時間作用型の場合は、1日1回の内服で効果持続時間は1日です。効果が現れるまでに時間がかかる(6~12時間)ので急な痛みには対応できず、慢性の痛みに適応があります。

漢方薬の使用は少ないのですが、証(漢方医学でいう体質)が合えば効果を期待できます。変形性膝関節症では、水太りの体質の患者さんに、「防已黄ぎ湯」が痛みと水腫に効果があります。

外用剤として、 塗り薬、貼付剤、坐薬 が処方されます。経皮的消炎鎮痛剤(非ステロイド系)が配合されていて、皮膚から吸収され患部に到達して効果を発揮します。皮膚のかぶれ以外は副作用が少なく使いやすいですが、強い痛みには対応できません。

塗り薬はモビラートゲル、インテバンクリーム、ナパゲルンローション等が、貼付剤はセルタッチ、アドフィード、モムホット、ハリホット、ファルケン、モーラス等が処方されます。

坐薬は内服薬より吸収が早いので作用が強く早く効き(約20分)、胃腸障害も内服薬に比べ少ないので、内服薬で胃が痛む人や内服薬で効果が得られないほど強く痛む時に処方されます。ボルタレン坐薬、インダシン坐薬等があります。

膝関節注射としては、ヒアルロン酸注射、ステロイドの注入があります。ヒアルロン酸は、関節軟骨の被膜保護、潤滑改善、軟骨修復、消炎鎮痛作用があります。ステロイドは、抗炎症作用による強い鎮痛作用をもちます。ヒアルロン酸でも効果が見られない場合や痛みがひどい急性期に使うと効果的です。伏在神経ブロック注射というものもあるあそうです。

手術・リハビリ

保存的治療をを行っても症状の改善が得られない場合には最終手段として外科的療法も選択できます。手術をすれば痛みが改善して動ける可能性が高まり、その結果、活動範囲が広がり生活が明るくなります。

関節鏡視下郭清術(デブリードマン)は、関節の変形が高度でなく、半月板の損傷や滑膜炎が痛みの主な原因となっている場合に、痛んでいる半月板を部分的に切除したり、炎症性の滑膜を切除する手術です。術後、8割位の方は改善するそうです。

人工膝関節置換術は、関節が大きく変形し、痛みが取れなくて歩行が困難になった場合に行う手術です。

手術では破壊された関節面を切除した後に生体適合性のポリエチレンとコバルト合金からなる人工関節を骨に固定します。術後は1週間以内にリハビリして術後1ヶ月以内で退院可能なため、比較的短期間に痛みはほぼとれるそうです。

膝関節痛の原因となる病気

関節リウマチ

関節リウマチは原因不明ですが、免疫の異常が関係し、これにより全身の関節痛、関節の変形が生じる炎症性疾患です。血管、心臓、肺といった全身臓器にも障害が及ぶことがあります。中年以降の女性に多く見られます。

病気の原因は完全には分かっていませんが、関節内に炎症反応がひきおこされ、関節の内面を覆っている骨膜の増殖が起こり、痛みや腫れが起こり、関節液が増加し、軟骨や骨の破壊が進んでいくようです。

「朝のこわばり」と呼ばれる症状が出現し、朝起きてから、手をにぎることが困難になります。5~10分程度のこわばりは他の疾患でもみられますが、1時間以上も続くこわばりであれば関節リウマチ、または他のリウマチ性疾患の可能性が高いそうです。

症状が進むと、関節痛が起こるようになります。初期には手の指の関節や足の指の関節がおかされ、次第に手首、肘、膝など体の中心に近い大きな関節の痛みを感じるようになります。症状は天候に左右されることが多く、暖かく晴れた天気のときは痛みは軽く、天気が崩れ出す前や雨の日や寒い日には痛みや症状が強くなります。

膝関節水腫

膝関節の病気を診断・治療するには、関節穿刺(関節に麻酔をして針を刺す)をおこなって膝の関節液を抜き出して調べて、痛みの原因を特定します。

歩くと痛む、膝関節が腫れるなどの症状があり、骨折や変形性膝関節症でもない場合、関節穿刺が行われます。関節水腫(かんせつすいしゅ)とは、関節に水がたまることです。

何らかの原因により、無理な外力が加わったり、反復動作を繰り返したりすると、滑膜が刺激されて炎症が起こります。これにより滑膜が変性変化を起こし、滑液が多く分泌されます。分泌と吸収のバランスが崩れて滑液が分泌過多となり、関節に水がたまるのです。

関節水腫の原因は、関節の外傷や捻挫、関節に付着している靱帯の損傷、関節軟骨の損傷です。加齢や反復動作による筋緊張、O脚で膝関節水腫を発症することもあります。

まとめ

膝関節が痛い場合、変形性膝関節症による場合が多く、特に女性に起こりやすい疾患です。原因としては、肥満や老化による筋肉の衰え、怪我などがあります。

当てはまる症状があったら、病院を受診しましょう。軽度であれば、日常生活の指導や、薬物治療などで効果があります。重症になると手術が必要となりますので、早めの病院を受診することが大切です。

変形性膝関節症以外にも、膝関節が痛む疾患は、関節リウマチや膝関節水腫などがあります。早めに病院を受診することで、症状が悪化するのを防ぐことが可能です。