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精索静脈瘤は男性の不妊症!10人に1人がなるってホント?7つの症状と原因、治療法や手術について徹底解説!

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)とは、どんな病気でしょうか。一般的にはあまり知られていない病気でしょう。この記事では、精索静脈瘤がどんな病気で、どのような症状がでるのか、治療方法はどのようなものがあるのか、など広範にご説明したいと思います。これを読めば精索静脈瘤についてご理解いただけると思います。



精索静脈瘤とは?

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)とは、どんな病気でしょうか。不妊治療でお悩みのご夫婦であれば、医療機関で病院の先生や看護師さんから説明されて、一度はお聞きになったことのある病名かもしれません。一般的にはあまり知られていない病気でしょう。

この記事では、精索静脈瘤がどんな病気で、どのような症状がでるのか、治療方法はどのようなものがあるのか、など広範にご説明したいと思います。この病気について知りたいと思っている方の一助になれば幸いです。

精索静脈瘤とは、どんな病気?

発症部位は睾丸

精索静脈瘤とは、精巣(睾丸)がぶら下がっている静脈(精索静脈といいます)の血が逆流して、うっ積しこぶ状にふくれる状態を言います。本来、精索静脈内の血液は、下(睾丸)から上(心臓)の方向に流れるのですが、それが逆流する状態で起こります。

男性の10人に1人がなる病気?

精索静脈瘤は、男性の10~20%にみられるとも、また、6人に1人にみられるという主張もあります。男性の不妊症の方の40%に精索静脈瘤がみられると指摘されることにあります。この少子化の時代で、女性の方にもいろいろな疾患が見られていますが、不妊の理由が男性にもあるという原因の一つです。

小児にみられることもある

精索静脈瘤の発症することは10 歳未満ではほとんどないようですが、まれに発症することもあるようです。小児精索静脈瘤と呼ばれています。子供の症状を見ていておかしいと思えばお医者さんへご相談ください。将来の不妊などにも関係してくることなので早期発見・早期治療をされることをお勧めいたします。

精索静脈瘤の症状

精巣周辺に静脈のコブができる

では、具体的には、どのような症状が出るのでしょうか。コブの正体は、静脈が膨れその中に血液が溜まった状態になったものです。精巣から心臓へ流れなくてはならない静脈が何らかの原因で、コブを作ると言われています。精索静脈は、左右の睾丸どちらにもありますが、精索静脈瘤は、左側に多く発生すると言われています。

その理由としては、左側のほうが右側より静脈が長いため逆流が生じやすいようです。

陰のう部に痛みがある

自覚症状としては、どのように感じられるのでしょうか。立ち上がった状態で力んだ際に、鈍痛や腫れが生じたり、違和感を感じたりするようです。疼痛(とうつう)と表現されるようなズキズキする痛みを感じることもあるようです。なんだか違和感があったり、痛みが続くようであれば他の病気も考えられますが、専門家へ早めに相談することが悪化を防ぐもとになります。

精巣の委縮

精巣(睾丸)は、34度から35度程度の体温より2度ほど低い温度が適切ですが、精索静脈瘤ができると37度以上の高温になることがあり、そのため精巣萎縮につながると指摘されています。精巣の委縮は男性不妊の原因になると言われています。

男性不妊

上記のようの精巣が委縮することで血流が悪くなります。血流が悪くなると男性器で作られる精子には異常が起こってきます。血液が運んでいるもののなかには酸素がありますが、循環が悪くなってしまって精子に十分に酸素が運ばれない事で、正常な精子が作られなくなります。

また、精子を作る為の機能そのものも低下すると言われています。さらに作られた精子も比較すると弱い精子が多くなり、妊娠しにくかったり、着床できたとしても流産してしまったり、遺伝子が破損してしまうなど様々なトラブルが出ると言われています。このように正常な精子が作られなくなることが原因といわれています。

精索静脈瘤の原因

内精索静脈を血液が逆流

上述のとおり、精巣(睾丸)がぶら下がっている静脈(内精索静脈)の血液が逆流することでおきるのが精索静脈瘤ですが、なぜそのような状態になるのでしょうか。主な要因として、二つが指摘されているようです。1つは、静脈弁の先天性不全、もう一つが、左腎静脈の圧迫です。

静脈弁の先天性不全

血管には血液の逆流を防ぐ弁があり、精索静脈にもあります。この弁の機能に先天性の障害があり血液の逆流が起こるのが原因のひとつとされています。

左腎静脈の圧迫

精索静脈は左右に差があります。左は長く右は短くなっています。左側は腎臓や腸間膜などの静脈や動脈に挟まれ込み入ったところを通っているため、圧迫を受けて、静脈が狭窄し血液が逆流することがあるようです。この現象を、血管が挟まっていることを比喩で表現して、ナットクラッカー現象というようです。

精索静脈瘤の手術

精索静脈高位結紮術

精索静脈瘤高位結紮(こういけっさつ)術とは、腹部を横に切開し、後腹膜腔より精巣静脈を結紮する方法です。半身麻酔か全身麻酔で2泊3日程度の入院を必要とするようです。

手術方法としては比較的には難しくないとされているようですが、静脈と動脈の区別がつきにくく誤った動脈を縛ったり、必要な静脈を縛れなかったりしてしまうことがあるといわれています。

こちらの術式の場合は健康保険が適用されます。費用は相場としては70,000~100,000円程度とされています。ただし医療機関によって、また術後の経過などによっても変動するものなので、詳細な費用については手術をする病院や担当医師にお問い合わせてしてください。

手術後、安静下での日常生活は可能です。しかし過剰な運動や激しい刺激を与える行為などは、傷の治り具合にもよりますがおよそ1ヶ月弱は控えたほうが安全とされています。担当医師の指示に従うようにしてください。

腹腔鏡下精索静脈瘤手術

腹腔鏡(ふくくうきょう)下精索静脈溜手術とは、腹部を切るのではなく、数ヶ所の穴をあけて内視鏡をいれ内視鏡を見ながら手術を行うという腹部またはそけい部の精巣静脈にクリップをかける方法です。(精索静脈高位結紮術と同様の箇所)全身麻酔で、2,3日の入院で済むとする病院も、1週間程度の入院が必要とする病院もあるようですので、手術する医師、病院によく確認をする必要がありそうです。

手術時間が比較的短時間であること、動脈の損傷のリスクが他の手術に比較して少ないことなどをメリットとして指摘されています。一方で、全身麻酔が必要でないことや、不確実なところがあるとデメリットを指摘する声をあるようです。保険適用になるかどうかは、医療機関により異なるようですので、こちらも手術をする病院に問い合わせする必要があるでしょう。

顕微鏡下精索静脈低位結紮術

顕微鏡下精索静脈低位結紮(ていいけっさつ)術とは、精巣の近くで静脈の流れを止めるという方法です。血管も多く、顕微鏡を使った細かい作業となります。

静脈を一つずつ縛っていきますが、誤って動脈を縛ることはないといわれているのでそれほど心配する必要はないようです。手術の方法としても他の方法より失敗が少ないといわれています。手術時間は約1時間とのことで、麻酔は局所麻酔で日帰り手術が可能とのことです。

ただし、本来日帰りではなく専門医による全身麻酔下で、この手術は行うことが望ましいとの指摘もあります。保険適用には通常ならないようですが、医療機関によっては保険を適用することもあるようです。費用は、200,000~450,000円程度とされています。※費用については、手術をする病院にお問い合わせてしてください。

手術翌日から、日常生活に復帰が可能となるようです。ただし、くれぐれも無理をしないという意識が回復を早めますので、激しい運動などは医師からの許可が出るまでは行わないようにしてください。

精索静脈瘤に効果的な漢方薬・サプリ

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

比較的に軽度な精索静脈溜に対して処方される漢方薬、サプリメントなどをご紹介します。主に不妊治療薬として処方されるようです。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、ケイヒ、シャクヤク、トウニン、ブクリョウ、ボタンピなどが含まれる漢方薬です。特にホルモンに作用するといわれているため、月経に問題がある人や月経が終わったい人に起こる症状にも使用されます。そのほか、肩や頭痛やめまい、皮膚症状 などに効くとされていいます。桂枝茯苓丸は、東洋医学で「お血」と呼ぶ血の流れが悪くなる状態を改善するも言われています。

精索静脈溜を「お血」ととらえて、この漢方薬を処方されることがあるようです。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)は、トウニン、ケイヒ、ダイオウ、カンゾウ、ボウショウなどが含まれる漢方薬です。女性ホルモンに関連する月経関係のトラブルや、腰や頭や肩のコリ、血圧が高いときなどに効くとされています。桂枝茯苓丸を服用しても、精液検査をして改善が見られない場合は、こちらを持ちいる場合があるようです。

血府逐お丸(けっぷちくおがん)

血府逐お丸(けっぷちくおがん)は、頭痛、頭重、肩こり、のぼせ、動悸などに効くとされます。トウキ、シャクヤク、センキュウ、サイコ、ジオウ、カンゾウ、トウニン、キキョウ、コウカ、ゴシツ 、キジツなどが含まれています。男性不妊に対応する漢方薬として、お血の改善薬として勧められることもあるようです。

冠元顆粒(かんげんかりゅう)

冠元顆粒(かんげんかりゅう)は、コウカ、シャクヤク、センキュウ、コウブシ、モッコウ、タンジンなどを配合する漢方薬です。頭痛、頭重、肩こり、めまい、動悸、などに効果があるとされており、血府逐お丸と同様に、精索静脈瘤にも効果があると処方されることがあつるようです。

コエンザイムQ10

精索静脈瘤よって、活性酸素による酸化が起こり造精機能障害になることに対して、コエンザイムQ10が細胞の酸化を防ぐといわれているようです。たとえば、精子の抗酸化作用を防ぎ、精子の総合的な能力を高め妊娠しやすい状態になったという報告があります。他にも精子を活性化させるためにビタミンなどのサプリメントを使用されるようです。

注意したいこと

早期受診

精索静脈瘤が疑われる場合は、男性不妊専門医(泌尿器科専門医かつ生殖医療専門医)を受診しましょう。以下、自己検診の項目をあくまでも参考に記載しています。

  • 立ち上がったときに、精巣に違和感や鈍痛を覚える。
  • 精巣が片方だけ大きい
  • 精巣が左だけ小さい
  • 陰嚢が片方だけ大きい
  • 陰嚢が通常より下がっている
  • 陰嚢の表面がいびつな形になっている
  • 精液の検査で異常所見が出る。
  • 二人目を妊娠しない

以上は参考です。上記記事をお読みいただき、少しでも気になるところがあれば、早急に男性不妊専門医を受診するようにしてください。

放置しない

精索静脈瘤には、進行性があるとの指摘があります。妊娠ができない男性は3割ぐらい、2回目以降の妊娠ができない男性は7割くらいといわれています。このことから精索静脈瘤は、放置すると進行する病と考えられるのです。ですので、精索静脈瘤を疑われる場合は、早目に受診することが大切だと言えるいえるようです。

まとめ

  • 精索静脈瘤とは、精巣(睾丸)がぶら下がっている静脈の血液が逆流することで、静脈にこぶ状のうっ積ができる状態を言います。
  • 男性の10人に1人程度が、精索静脈瘤であるとの指摘もあるほど、発症頻度の高い病気です。
  • 精巣に鈍痛が出たり、精巣の委縮、男性不妊になることがあります。
  • 治療は手術か、軽度の場合は、不妊治療として漢方薬などの薬剤で行う場合もあるようです。
  • 手術の場合は、顕微鏡下精索静脈低位結紮術を日帰りで行うことも一般化されつつあるようです。
  • ただし、顕微鏡下精索静脈低位結紮術を日帰りで行うことについては、医師の間でも賛否がありますし、保険適用が難しいケースもあるようですので、医師や病院と充分に相談することが必要です。
  • 精索静脈瘤は、放置すると状況が悪化すると考えられています。
  • 精索静脈瘤の特徴を正しく理解して、もしかしたらと思ったら、すぐに医師の診断を受けましょう。