TOP > 病名から探す > 骨・関節・筋肉の病気 > 骨折 > 若木骨折って何?8つの原因とその特徴からどんな危険性があるのか!重症化させないために知っておきたい知識を紹介!

若木骨折って何?8つの原因とその特徴からどんな危険性があるのか!重症化させないために知っておきたい知識を紹介!

子供の骨は柔らかいため、大人の骨折とはちょっと違います。若木骨折とは、子供の骨折のことで完全に折れてない状態のことをさします。今回は、この若木骨折について、特徴や原因、治り具合についてまとめてみました。また、子供の骨折の不利な点や有利な点や、また注意点についても解説していますので、若木骨折について基礎知識を身につけていただけたらと思います。



小さい子供に多いといわれる若木骨折について知ろう

子供の骨折は、大人の骨折とは異なる大きな2つのポイントがあります。

1つ目は、子供の骨は大人の骨より柔らかく、未熟な骨の成分が多い、という点です。2つ目は、成長軟骨と呼ばれる、レントゲンをとると骨の端に線上に映る成長線というものがあります。この2つの特徴があるために、子供の骨折は、大人とは違った骨折の特徴が出るのです。

骨が柔らかいことでおこる骨折ですが、骨が大人の骨のように硬くないために、完全に折れていない状態の骨折になることがあります。骨が若い木の枝を曲げたときのように、ポキッと折れはしないけれど、しなる感じです。若い木を曲げたときにしなっていても、へこんでいる方は連続性を保っていて、出っ張っているほうは裂けることがあります。子供の手首でよく起こるそうです。それが子供の骨で同じように起きているのが若木骨折です。

また、反対に出っ張っている側の連続性はそのままで、へこんでいる方に隆起ができたように折れることもあります。これは隆起骨折といわれており、こちらも若木骨折の一種です。

ちなみに、若木骨折ではありませんが、出っ張った方も、へこんでいる方も、連続性が保たれたまま、骨がプラスチックを曲げたように曲がることがあるそうです。これは、急性塑性変形と呼ばれています。骨折まではいかないのですが、骨が弓なりに曲がるという状態だそうです。

英語ではplastic deformityといわれており、軽度の場合ですと、外見上の腫れも少なく、子供の痛みの訴えのみが手掛かりで、レントゲンをとってもわからないこともあるそうです。ギプスなどの装具が必要でないものから、麻酔をかけて形を戻す必要のあるものまで程度は様々だそうです。

また、子供の骨には成長軟骨があり、それは力が加えられるととても弱い部分があります。その成長軟骨がある関節周囲では骨端骨折(骨端軟骨の離開)など子供に特徴的な骨折がみられるそうです。

そのため、大人では肘や肩が脱臼することはよくあることなのですが、子供の場合、純粋な脱臼はとてもまれなことで、ほとんどの症例は関節近くでの骨折になるそうです。なぜ子供は脱臼せずに骨折してしまうのかというと、脱臼させるくらいの力を子供の肘や肩に加えると脱臼する前に骨が弱いために先に折れてしまうためだといわれています。

若木骨折の特徴

ぽっきりといかない

大人の骨折のように、乾いた木がポキっと折れるような骨折ではなく、子供の骨折は部分的な骨折を伴って、千歳飴や針金に力を加えて曲げたときのように骨折することがあります。この部分的な骨折を不完全骨折といいます。骨が柔らかい10歳以前の小さい子供に多い骨折です。

この様に子供の骨は力を加えても、ぽっきりと折れないで、曲がって変形し、部分骨折をすることから、若木骨折と呼ばれるようになったとのことです。

痛みを感じない場合も

若木骨折はパッと見て、骨折した部分が、明らかに曲がっていると分かる場合や、なんとなく曲がっている場合があるそうです。症状が軽いと、骨折しているにもかかわらず、大きな痛みを感じないことも多く、2~3日経って、痛みがずっと続くのでおかしいと思い、受診してみると、骨折といわれてることもあるそうです。

骨が「折れる」という感覚ではなく、不完全な損傷といった感覚になることがあるそうです。折れたという感じがないため、骨が折れた子供本人や周りで見ている大人も見逃してしまうこともあるのが子供の骨折なんだそうです。

代表的な若木骨折の部位

鎖骨骨折

高い所から転落してしまったり、転んだ時に肩やひじを強く打って、鎖骨が強く圧迫されて、折れ曲がるように若木骨折を起こすことがあるそうです。主な治療は、固定で大体3週間くらいしておくといわれています。包帯や専用ベルトを両方の肩にたすき掛けで固定し、胸を開き、両肩を後ろに引くような姿勢をとるようにするそうです。

固定を外した後は、リハビリなどの必要はなく、万が一、変形したまま骨折部分が修復されていていも、成長するにしたがって、自然に矯正が行われ、変形などの後遺症を残さないことが多いといわれています。予後は良好な骨折とのことですので、ご安心ください。

間違われやすい若木骨折ではない子供の骨折

上腕骨骨折

子供が、高い所から転落して手をつき、肘関節を骨折したときよく発生するのがこの上腕骨顆上骨折だといわれています。子供の肘関節周囲の骨折の8~12%を占める、とても頻度の高い外傷だそうです。その中でも上腕骨顆上骨折は、肘関節周囲の骨折の 75%を占める子供の骨折によくみられる骨折とのことです。

こちらは軽度から重度まであり、若木骨折ではなく、骨折は決して軽視してはいけない外傷であるといわれています。骨折後に脈が触れなくなっていても、骨折を直ちに整復することによって通常は循環障害が解消します。

合併症があり上腕骨顆上骨折に伴い、神経損傷、血管損傷、前腕骨骨折など他の部位の骨折を注意する必要があるといわれています。神経麻痺はしばしば一過性で、多くは 4か月以内に自然回復するといわれています。

骨折整復後も脈が触れにくく、白い手をしており、退色反応がないような場合、「フォルクマン疎血性拘縮」の危険があるそうです。整復後も気を付けて、患部を観察することが大切です。何かおかしいなと思うことがあれば、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。

子供が若木骨折した場合の不利な点

骨端線損傷の場合だと骨の成長が中断する可能性が

子供の骨だけがもっている成長線付近で骨折した場合のことを骨端線損傷、別名、骨端線離開といっています。この骨端線離開は、骨よりも軟骨の方が力学的に弱いため、骨の部分では骨折することなしに、成長軟骨の部分が骨折してしまうことが原因だとされています。

この折れ方には幾通りかあり、医学的には「ソルターハリス(Salter & Harris)」といわれる分類がよく使われているそうです。この分類は、成長軟骨の損傷程度で5つの型に分類されています。この中でも3、4、5型は後遺障害が起こりやすいとされているとのことです。

この場合、後遺障害というのは、成長軟骨が傷害されたことが原因で起こる成長障害や、関節近傍の骨折が原因で起こる関節機能障害などのことをいうそうです。成長障害の中でも、もっとも重症である場合だと、その部分で骨の成長が止まることがあるといわれています。そうなると、左右の骨の長さが変わってくるため、手術を行い、矯正する必要が出てくる場合もあるとのことです。

骨の部分的な成長に影響がでる可能性も

また、上記の骨の成長が止まることの他に、部分的に成長障害が起こる場合もあるそうです。

例えば、骨の内側は普通に成長し、外側の成長が悪い、といった具合です。

このような部分的な成長障害が起こると、内側だけの骨が成長しのびてくるので、骨が外側に向かって曲がってきて、骨折はまっすぐ治療されているのに、成長するにしたがって、だんだんと骨が曲がってくる、といった事態が起こることがあるそうです。

こうなると手術をおこない、骨を矯正する必要がでてくる可能性が高いといわれています。装具やマッサージ、体操など外からの力を加えただけでは、なかなか成長する方向を変えることは難しいといわれています。

手術をおこなった矯正方法には曲がった部分を直接まっすぐに矯正する方法と、伸びなくなった成長軟骨の一部を切り取り、成長のバランスを整える方法の二つに分けられるそうです。

過成長がでる可能性も

また、子供のふともも(大腿部)やすね(下腿部)が骨折した後に問題になることとして、過成長ということもあげれます。これは、文字通り、成長が過剰に起こってしまうことをいいます。

つまり、骨折を起こしていないふとももやすねと比較すると、骨折を起こした方のふとももやすねが長くなってしまうとのことです。左右の足の長さが変わるため、歩行に支障をきたしていまうそうです。一般的に、左右の足の長さが2cmを超すと手術治療を考えたほうがよいとされているそうです。

骨折を起こしていない人でも数mmの差がでることはありますが、1cmを超えるようなことは少ないといわれています。2cm以上ですと、歩く際に身体が揺れながら動かしているのが分かるそうです。過成長による左右の足の長さがどのくらいになるか計算で出す方法もあるといわれていますが、原則として成長が終わる思春期まで経過を観察しなければならないため、注意をしておくことが大切です。

子供の若木骨折のした際の有利な点

骨片のずれが少ない

若木骨折の心配点についてお話ししましたが、今度は安心点について述べます。

骨幹部の骨折では、子供の骨折はぽっきり折れにくいことは上記で説明した通りです。完全に折れる完全骨折ではなく、骨皮質が一部骨折せずに残るため、また、子供の場合は、完全骨折をしたとしても、骨膜が厚いため、骨膜の破損が少なくて済むため、骨片のずれ、いわゆる転移が少なくてすむそうです。

関節拘縮が少ない

子供の骨は、骨膜からの骨代謝が旺盛であるため、折れてしまった骨が癒合するのに必要な仮骨(かこつ)形成がすばやく、しかも大量に起こるといわれています。

さらに、骨幹部骨折をおこしてしまい、ギブスなどの固定がある程度時間がかかったとしても、骨折部の手足のこわばりがひどいなどの高度な関節拘縮はほとんどみられないそうです。

自家矯正が行える

子供の骨は横径成長や長径成長がとても旺盛であるため、若木骨折はもちろん、完全骨折で骨膜が完全に断裂し骨片が大きく転位していたとしても、自家矯正といわれるものが期待できるそうです。自家矯正とは、骨が自分の力で勝手にまっすぐになる能力です。

自家矯正は年齢が低ければ低いほど効果があるといわれています。年齢が高くなってしまった場合は、骨折した骨の成長がまだ2年間くらいは残っていないと、自家矯正は難しいそうです。骨が成長するまで、すなわち身長が伸び続けるまで、です。また、骨幹部中央の骨折より、骨幹端部の骨折のほうが矯正力は強いようです。

屈曲転位の場合、関節の運動方向と同じ方向の転位であると、矯正が行われやすく、10~20度くらいまでの矯正が可能だそうです。側方転位の場合、骨片同士が接しているようであれば矯正が可能といわれています。短縮転移の場合ですと、1cmまでなら矯正可能だといわれています。しかしながら、回旋(ねじれ)転位や関節内骨折の転位、骨端離開の転位の場合になると、自家矯正の期待はできないそうです。

若木骨折になる原因

子供の骨折は、過度な力が加わった転倒や転落、なにかに挟める、ぶつけるなどによるものがほとんどだそうです。骨折の中でも肘関節の周囲や前腕などの腕の骨折が約50%に及ぶといわれています。次に多いのが、鎖骨や足の骨折だそうです。

もし、このようなことがあって、お子さんが痛がる様子を見せていなくても、様子をみて腫れてくるようなことがあれば、早めに整形外科に受診するようにしましょう。

若木骨折した際の注意点

大人のような骨折の症状が出ない

子供から腕や足の痛みの訴えがあった場合、周囲の大人は「歩けるから問題ないだろう」、「関節が動くから骨折は起こしていないだろう」などと自己判断しないことが大切です。子供が痛がり、「触ると痛がって泣く」、「痛がるほうの手を使いたがらない」、「足に体重をかけないように歩いている」などのいつもと違う症状があれば、骨折を疑い、すぐに整形外科を受診するように心がけましょう。

特に年齢の低い乳幼児になると、腫れがあまり出なかったり、骨折していないほうの痛みを訴えることもあるので、気を付けておくとよいでしょう。

捻挫や突き指と間違えやすい

子供の骨折は「折れる」という感覚ではなく、不完全な損傷といった感覚であるとお話ししました。そのため、捻挫や突き指とよく間違われ、湿布をはって様子を見ることも多いと思われます。

そのため骨折を疑ったほうがいい症状として、

  • 痛がって泣く
  • 損傷した皮膚の一部が腫れている
  • 損傷した皮膚に内出血がある
  • 腕や足に力がいれられない
  • 腕や足の向きがいつもと違う

乳幼児の場合ですと、抱っこしたり、寝かしつけるときに、いつもと違い、不自然な姿勢をとったり、ある方向を向けるだけで泣いたり、体の一部をあまり動かそうとしなかったりするとき、骨折している可能性があるそうです。

自覚症状の訴えがはっきりしない

さらに子供の場合、自覚症状の訴えがはっきりしないことが多く、本当に骨折した部位が痛くて泣いているのか、どこかを打ったことに驚いて泣いているのか、病院が嫌いで泣いているのか、親の注意を向けたくて泣いているのかわからないことが多くあります。

そのような場合も、大人が怒って無理やり症状を聞くのではなく、子供の訴えに充分耳を傾けつつ、いつもと違うのようなそぶりをみせるようであれば、骨折を疑い、受診するとよいでしょう。

若木骨折は全治どれくらい?

程度はあるものの1~2カ月たてば安定

関節周囲の骨折以外ですと、自家矯正が期待できるため、通常は徒手整復による保存療法が行わるといわれています。病院で、血管損傷や神経損傷がないことが確認できたら、ギプスなどで固定されます。成長期ですと、骨癒合により、程度はあるものの1~2カ月で安定するそうです。

治療後に変形が残ったり骨折部が離れていたとしても、軽度のものであるなら、心配の必要はないそうです。自家矯正力で自然に治っていく確率が高いからだそうです。

不安定な関節周囲の骨折や大きく転位した骨折になると、入院して持続牽引を実施したり、経皮ピンニング手術をする可能性もあるそうです。

医師の診察を受ける

骨折か、捻挫か突き指かという判断は、難しいとされています。少しでもおかしいと思うようなことがあれば、医師の診察を受ける事が大切です。また、自己判断せず、勝手に治療をやめることは避けましょう。

子供の骨は何度も申し上げている通り、成長にかかわる部分が傷ついてしまうと、変形したり、運動機能が損なわれる可能性も出てくるので、放置しないように注意することが大切です。

あなたができる応急処置

骨折か、捻挫か判断はつきにくい場合は、患部を骨折か確認しようとして、いじったり動かすことはしないことです。患部をそえぎで固定し、枕やタオルを使い、心臓より上に固定し冷やしましょう。そして、整形外科など病院に行く事です。

ちなみに、皮膚が損傷し、骨が見えていたら、感染予防のためにすぐさま救急車を呼び、適切な処置をしてもらいましょう。

まとめ

このように子供の若木骨折ですと、まだ成長する骨であるため、大人の骨折とは違った考え方をすることが大切です。今までお話ししてきた通り、成長途中であるために不利な点も有利な点もあります。

もし、骨が曲がったまま、くっついたとしても、時間とともに自然にまっすぐになっていくという可能性が高いので、担当した医師によく話を聞いて、今後の状態を予測しておくとよいでしょう。過度な心配は子供も不安になります。

あなたの心配以上に、子供の骨は、その子のために頑張ってくれていると言えるのかもしれません。心配ばかりしても、骨は自然とまっすぐにはなっていきません。子供の持っている力を信じて、心配しないで待ってあげることが、あなたがお子さんにできる一番の治療になるのではないでしょうか?