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複雑骨折は早急に救急車を!感染を起こす危険や予後に影響もある?7つの原因や症状から治療法、応急処置の基礎知識を紹介!

複雑骨折とは、折れた骨が傷口から外へ飛び出してしまった状態にある開放骨折のことを言います。今回はこの複雑骨折について、間違えやすい骨折の種類や、原因、症状や応急処置、治療、合併症について解説していきたいと思います。複雑骨折は感染しやすい状態にあり、一刻も早く治療することにより予後が変わってきます。充分に注意し、救急車を呼び、緊急手術を行うことが大切です。



複雑骨折とは?

複雑骨折ときくと、みなさんはどのように想像しますか?骨が粉々になってしまった感じでしょうか?ぐしゃぐしゃに折れてしまったような感じでしょうか?案外知られていない、知名度のわりにどんな骨折か、案外知られていないのが複雑骨折です。今回はこの複雑骨折について解説してみたいと思います。

実は、複雑骨折とは、折れた骨が傷口から外へ飛び出してしまった状態にある骨折のことを言います。複雑などという言い方では、先ほどのように誤解を生じやすいために、最近では開放骨折といわれるようになってきました。このことで、単純骨折と区別しやすくなったようです。

複雑骨折は、骨が身体の外側に出てしまったということは、単純骨折よりも、細菌にさらされる可能性が高くなったということで、感染の危険性が高く、緊急手術の対象となる骨折になります。もし、感染してしまうと、「骨髄炎」を引き起こすことになってしまい、治りが悪くなってしまう原因になるといわれています。

複雑骨折と間違えやすい骨折の名前

単純骨折

単純骨折とは、折れてしまった部分の皮膚が破れていないで、傷口のない骨折になります。もし、中で骨がぐちゃぐちゃに折れていたとしても、骨が身体の外に出ていなければ、それは単純骨折に当たります。単純骨折は、皮下骨折や、閉鎖骨折と呼ばれることもあります。

単純骨折は、骨折した部分がむき出しになっておらず、骨折部を覆う皮膚に傷口がないので、細菌などの感染症の心配が少ない骨折です。

粉砕骨折

そして、こちらの骨がぐちゃぐちゃに折れてしまったり、粉々にくだけてしまった骨折を粉砕骨折といいます。こちらが複雑骨折と間違えやすい名称となっています。しかし、この粉砕骨折も皮膚が破けて骨が出ていなければ、単純骨折に当たるというわけです。

疲労骨折

過度なスポーツや労働などが原因となり、特定の部位に継続的に力が加えられることによって、骨に小さなひびがたくさん入ってしまった骨折のことを言います。これも皮膚が破れていないようであれば、疲労骨折であり、単純骨折となります。

スポーツが原因でおこる疲労骨折は10歳代から60歳代まで、どの年代でも起こえることなのですが、発生頻度のピークは高校1年生、16歳頃だといわれています。骨の成熟がまだ未完成にもかかわらず、高校の部活で急に練習量が増えることが関係しているのではないかと考えられています。

複雑骨折の原因とは

非常に強い外力が加えられた時

複雑骨折にせよ、単純骨折にせよ、骨折の原因となるものは「外傷」だそうです。平らな地面で転んで起きた骨折など、弱い外力などが原因でおこった骨折ですと、骨折の程度も軽度で済むとのことです。

しかし、高速道路を走っていて交通事故にあったとか、建物から何かが落ちてきて事故にあったとか、高いところから転落・墜落したなど、非常に強い外力が加えられた外傷になりますと、複数の骨に重度の骨折を追う可能性があり、複雑骨折になる危険も増してしまうでしょう。

複雑骨折の症状

痛みと腫れ

骨は骨格をつくり、身体を支えるだけでなく、血液を作る場所でもあるため、骨と骨の周りには、神経と血管が豊富に存在しています。そのため、骨折しますと、その部位に痛みと腫れが出てくるといわれています。骨折が重症な場合ですと、その部分が痛みや腫れで動かせなくなったり、外見が変形する可能性も出てくるとのことです。

痛みの特徴として、骨折した部分に圧力を加えると、さらに痛みが強くなるそうです。骨折した部分の周りに触れても圧痛があるため、複雑骨折をしている場合は、感染に気を付けるためにもあまり触れないほうがいいでしょう。

また、骨折部の周りの柔らかい部分の腫れも、数時間以内に始まってくるそうです。手足が十分に動かせないために、各関節の可動域が制限されたり、異常な方向に動く恐れもあるといわれています。骨折部位を動かすと、激痛がはしるといわれてるため、ひどい損傷がみられる場合は一刻も早く救急車を呼びましょう。

出血

複雑骨折の出血は、外傷による外から受けた傷による出血だけでなく、折れた鋭い骨が内部から皮膚を破って外に出ているため、神経や血管、筋肉など非常に多くの部位を傷つけている可能性があり、出血が多量に見られることがあるそうです。

ただの骨折だろうとおもって、間違った手当てや搬送を行ってしまうと、上記の複雑骨折が二次的におこる可能性もあるとのことです。

出血がひどいからといって、骨折した部分をもとに戻そうとはしないことが大切だそうです。骨折して鋭利になった骨折端が細かい神経、血管などをさらに傷つける恐れがあるので、そのままの状態で固定し、救急車を呼びましょう。これは複雑骨折だけでなく、単純骨折についてもいえるそうです。

複雑骨折の応急処置

複雑骨折が確認できた場合は、早急に、病院の救急外来を受診することです。出血がひどい場合に限らず、感染を予防するためにも救急車による移送が必要と考えてよいでしょう。医師に会う前に、以下の項目を実施できれば、行うとよいでしょう。

  • 患者を冷静にさせ、全身を安静にさせます
  • 身近なものを利用し、タオルや枕などを用い、けがをした腕や脚を固定します。
  • 寒がるようであれば、毛布などで全身を包み、保温します。
  • 患部を固定します。ただし、複雑骨折の場合、傷口には触れないことが前提です。感染の恐れがあります。できれば、出血や腫れを防ぐため、患部を高くしましょう。
  • 患部を締め付けているような衣服を着ているようであれば、脱がせるか、キズの部分まで切り広げましょう。
  • 固定後は、患者の最も楽な体位をにしましょう。
  • 腫れを防ぐために、骨折していない腕や脚も心臓より高く持ち上げるとよいでしょう。
  • 氷などをあてて冷やし、痛みや腫れをコントロールしましょう。
  • 痛みを和らげるためにアセトアミノフェン(カロナール)を服用してもらってもよいでしょう。

注意しておきたいこととして、アスピリンや他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は血液をサラサラにする成分が含まれているため、出血を悪化させる可能性があるので、服用しないことが大切だそうです。

複雑骨折の治療

手術

複雑骨折は、緊急手術を早急に行うことが大前提だそうです。手術にて、慎重に傷口を洗浄し、骨片の固定を行うとのことです。複雑骨折は、皮膚や筋肉、骨への血管など、大きな損傷があることが多く、この損傷が大きければ大きいほど、手術も難しくなるといわれています。

ただし、複雑骨折は、なにもりも緊急手術が治療の第一選択であり、この選択を誤ると、予後に影響を及ぼしてしまうため、受入可能な病院を選ぶのに困難を極める可能性があるといわれています。そのため、外科医が不在など止む得ない場合には、複雑骨折した部位を徹底的に洗浄した後、一旦創部を閉鎖し、感染する可能性を低くしてから、再度根治手術を行う可能性がある場合もあるとのことです。

感染対策

複雑骨折は、手術の際に、骨折部位をくまなく探索し注意深く洗浄し、折れた骨の端の部分を汚染している異物を完全に除去し、感染対策を行うことが大切になるとのことです。術後も感染の有無を常時確認しながら、治療を進めていくといわれています。

リハビリテーションと治療期間

複雑骨折には程度により、治癒には数週間から数カ月かかるといわれています。治療の結果は骨折がどのうな状態だったかと骨折部位によって異なってくるそうです。

多くの骨折の場合、治療により、最終的に機能は元通りに回復し、痛みや不具合などの症状はほとんどなくなるといわれています。しかし、特に関節と関連があった複雑骨折であると、治癒後も痛みやこわばり、あるいはその両方が残ることもあるそうです。

骨折部位のこわばりや筋力低下は、治療のため患部を固定しても、自然に生じる症状とのことです。ギプスで固定した腕や脚の関節は時間が経過するごとに、こわばりが進み、徐々に真っすぐ伸ばしたり深く曲げたりできなくなってくるといわれています。

筋肉も衰え、それが重度になることもあるそうです。たとえば数週間継続して脚にギプスをつけたままですと、最初はギブスと太ももの間に隙間がなかったのに、徐々に隙間ができはじめてくるそうです。最終的には手を入れられるくらいの隙間ができる人もいるとのことです。ギプスを外すと、筋力低下がより明らかになるそうです。

そのため、リハビリテーションがとても大切になってきます。リハビリテーションにより、日々の関節可動域運動と筋力強化運動をおこなうことで、こわばりと低下した筋力の回復を目指します。骨折を治療中でギブスをしていても、ギプスをしていないほうの関節の運動は可能であるので、医師の指示に従いどのくらいの運動ならしてもよいのか聞いてみるとよいでしょう。

ギプスで固定しているほうの関節は、骨折が十分に治り、ギプスを外すまで運動しないようにしましょう。骨折していないほうの関節を運動するときには、骨折した腕や脚の状態や痛みに注意しながら、最初はあまり激しい運動をせず、あせらずゆっくり運動するように心がける方がよいとのことです。

筋力低下がひどく、思った以上に関節を効果的に可動できない場合や、強い筋肉収になり骨がずれる危険のある場合などは、療法士が外から負荷を加える受動運動を行うこともあるそうです。最終的には、重力に逆らって負荷を加えたウエートトレーニングなどを行い、筋力低下した腕や脚の筋力回復を図ることが必要になることもあるといわれています。

複雑骨折の合併症

骨髄炎とは

骨髄炎とは、脚や腕の骨が複雑骨折により、骨が感染することが原因で、発熱し、ときには数日後に、感染した骨に痛みがでることをいいます。感染した骨の部分の皮膚をさわると痛みや熱感を伴い、腫れるとのことです。患者は体重が減少し、疲労感を感じやすくなるそうです。

また、隣接する軟部組織から病原菌が侵入し、感染が拡がったり、もしくは原因菌が直接侵入することで、骨髄炎を発症してしまう可能性もあります。その場合は、その骨の上の皮膚が腫れて痛みを生じるそうです。周囲の組織に膿瘍が作られることもあるといわれています。発熱しないこともあるため、注意が必要です。

骨髄炎であると、感染源である病原体に対しての、抗生物質による治療が行われるそうです。

呼吸器の合併症

複雑骨折をおこしてしまうと、動脈や静脈、あるいは神経が傷つけられる可能性があるそうです。

四肢を構成している上腕骨や大腿骨などの長い骨が複雑骨折してしまうと、多量の脂肪や骨髄の成分が放出されてしまい、血管を通して肺にまで運ばれ、そこで血管を塞ぐ危険性が出てきてしまうそうです。すると、呼吸器系の合併症が生じる可能性が出てくるといわれています。

コンパートメント症候群とは

コンパートメント症候群は、きわめてまれとはいわれていますが、腕や脚の骨折や圧迫による組織の損傷により挫滅したことが原因で、損傷を受けた筋肉に過度の腫れが生じ、腕や脚に重大な障害を与える危険のなる状態のことをいいます。

骨折によって周辺組織が腫れてしまうと、その周囲の血管や神経をも圧迫してしまう可能性がたかくなってしまいます。そのため血流障害や神経麻痺を起こし、最悪の場合、骨折が治っても、骨折部分の機能障害が残ってしまう可能性が出てきてしまうそうです。骨折の治療においては、早めにコンパートメント症候群を予防することが大切だと言えるそうです。

まとめ

複雑骨折は、皮膚が破けて骨が出てきてしまう、想像しただけでも痛い骨折だということがお分かりいただけたかと思います。このような骨折である場合、早急に救急車を呼んで、治療を行う必要があります。感染してしまうと、予後も悪くなりますし、後遺症を残す危険性も出てきてしまいます。

複雑骨折をすると驚いて慌てることもあると思いますが、こういう時こそ落ち着いて冷静に行動しましょう。あなたが慌てることで患者はさらに恐怖心でいっぱいになってしまいます。周りの力も借りつつ、周りにも冷静に動いてもらうことが大切です。