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偏頭痛は病院に行っても無駄なの?頭痛との違いは何?8つの予防方法や対処法・処方薬について詳しく教えます!

日本人女性の5人に1人が悩んでいるという辛い「偏頭痛」。頭痛が来ると痛みによって集中力も途切れやすく、日常生活もままならなくなる人も少なくありません。でも、頭痛くらいで病院に行くのは…と躊躇されている方も多いのが現実です。偏頭痛について、専門の病院やお薬、日常から出来る予防方法などをご紹介します。



偏頭痛で病院に行くべきか?

現代日本においては、4人に1人が「頭痛持ち」として悩みを抱えているという説もあり、風邪よりも身近にある「つらいもの」であることは間違いありません。市販薬も様々な種類の薬が販売されていますし、頭痛のメカニズムを特集するテレビや雑誌、専門書も山程あります。しかし、痛みが慢性的になってしまうことが多く、「いつものことだから我慢するしかない」と考え、偏頭痛で悩んでいたとしても病院には行かないという方が半数以上いらっしゃいます。

きっとそれは、「ストレスが主な原因だろうから、医者に行っても意味が無い」「偏頭痛に薬はない」という「過去の医療概念」が刷り込まれているからではないでしょうか?

現代医学の進歩により、つらい偏頭痛のメカニズムはある程度解明され始めていて、実は特効薬まで出来ているのはご存知でしょうか。ここでは偏頭痛の仕組みや予防策、対処法に合わせ、病院で処方してもらえるお薬についてもしっかりとご説明したいと思います。

偏頭痛と「頭痛」の違い

偏頭痛とは

世の中には、「慢性頭痛」という症状が3種類あり、偏頭痛はその中のひとつです。主に女性に多く、早い人では10代から偏頭痛が始まったという場合もあります。現代においては、30代女性の5人に1人が偏頭痛で悩んでいる、悩んだことがあるという統計があるほど身近な症状です。

偏頭痛は、頭の中で何らかの刺激(光や音、ストレスなど様々)を感じて血管を拡張させます。この血管の周りには三叉神経という神経があり、拡張した血管がこの神経を圧迫します。圧迫された三叉神経は、その刺激によって「痛みの原因となる物質」である神経ペプチドという物質を分泌します。

神経ペプチドが分泌されたことによって、血管の周囲に炎症が起こり、その炎症を感じた血管は更に拡張しようとします。するとまた三叉神経が刺激され、刺激されたために神経ペプチドが……という「無限ループ状態」に陥ってしまうのです。

この無限ループ状態になってしまった脳の血管や三叉神経の状態を大脳が感知すると、「痛み」として全身に伝達します。これが偏頭痛のメカニズムという説が、現代医学では最も有力とされています。

残念ながら、個人差もあることなので「どのような刺激で血管が拡張するのか」の断定は未だ難しいのですが、このような共通の生体反応の部分、「起きてしまった頭痛」に対処することは比較的簡単になっています。

一般的な頭痛とは

俗に言う「一般的な頭痛」は、風邪やインフルエンザなど一過性の疾患に伴う随伴症状で、痛み止めを飲む、病状を改善させることで痛みは解決します。また、季節の変わり目や気候、気温の変化などによる一過性の体調変化に伴う頭痛も、すぐに収まりやすい傾向にあります。

しかし、偏頭痛を含めた「慢性頭痛」においては、それぞれの症状のタイプにあった投薬や生活習慣の改善を行わないと、何度も繰り返す、毎日頻発するなど日常生活に著しい影響を与えることがあります。原因がわかりにくい、解決に時間がかかるというものが慢性頭痛とも言えるでしょう。

偏頭痛と頭痛の相違点

「頭痛があるけど、これがどのタイプの頭痛なのかわからない!」という人も多いと思います。ここでは、3種類の慢性頭痛、そして風邪などで起こる一般的な頭痛について代表的な症状を比較してみます。

1.)一般的な頭痛…原因疾患が明確で、かつ一過性の症状です。頭全体が膨張するような痛み、頭部の熱感、耳鳴りを伴う痛みなど。風邪薬などを飲むと、一緒に痛みが収まるが、症状が悪化すると平行して痛みもひどくなる

2.)緊張型頭痛…慢性頭痛のひとつで、ほとんどの「頭痛持ち」の人はこの緊張型頭痛によるものであるという統計がある。孫悟空の輪を締められているような、締めつけ感の強い痛み、後頭部にビリっとする痛みが走る。

3.)偏頭痛…緊張型頭痛の次に多いとされるのが偏頭痛。頭の片側に「ズキン、ズキン」という脈打つような痛みが起こり、こめかみや眼の奥がえぐられるような痛みを伴う場合もある。人によっては吐き気や嘔吐を伴うため、日常生活に影響が出る場合もある。

4.)群発頭痛…男性に多い傾向にある慢性頭痛のひとつ。症状が出ると、一定期間(1ヶ月~2ヶ月)継続して痛みが出て、急に痛みが消えたりする。別名は「自殺頭痛」と呼ばれることもあり、激しい痛みや耳鳴り、花粉症のような鼻水と目の充血が同時に起こる場合もある。

尚、慢性頭痛を複数のタイプ同時併発する人も中にはいます。緊張型頭痛と偏頭痛が両方起こりやすい人や、風邪など一般的な頭痛を引き金にして慢性頭痛の症状が起こるという例もあります。

偏頭痛の予防方法

サプリメント・ハーブ

平成17年3月に発表された慢性頭痛診療ガイドラインには、ビタミンB2、マグネシウム、フィーバーフューというハーブについて効果があるという研究が発表されています。

偏頭痛で悩む罹患者は、血中や脳内のマグネシウム濃度が低下している傾向にあり、これを補うことで予防効果が期待出来るとされているのです。

サプリメントであるため、継続して飲んでも危険性が少なく、かつ一般的に処方される「偏頭痛薬」は痛みが起きてから飲む、という「対処」であるのに対し、「予防出来る可能性」に期待して服用される方も多いようです。

尚、チーズやチョコレートなど、「チラミン」という物質を多く含んでいる食品は血管を収縮させる効果があり、かえって頭痛を誘発してしまうことがありますので、食べ過ぎには注意が必要です。

漢方薬

漢方医学において頭痛治療というのは珍しくない部類であり、体質改善や根本原因の改善を目指せることから、偏頭痛も漢方薬で予防・治療を希望する患者さんも多いようです。偏頭痛に効果的とされている漢方薬は「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」「桂枝人参湯(けいしにんじんとう)」「五苓散料(ごれいさんりょう)」「葛根湯(かっこんとう)」などがあります。

基本的に漢方薬は、「その人が持っている基礎体力や治癒力を引き上げる、働きかける」ものでもあるので、きちんと体や状態にあった物を飲む必要があります。漢方薬に興味がある場合は、漢方薬治療を取り扱っている病院やクリニックで一度受診を受けてみましょう。

ストレスを避ける

偏頭痛は過度なストレスでも誘発されることがあります。この場合、緊張型頭痛と同時併発することもあるために非常につらい症状が四六時中襲ってくるようなことにもなりかねません。

必要以上のストレスは極力避けるようにし、ストレスが溜まっている…と実感する「前に」気分転換などのストレス発散をして下さい。実感した後では、すでに頭痛が始まってしまっている場合も多いですし、体や心は自分が思っている以上にストレスによってダメージを受けていると考えることが大事です。

日光を浴びる

日光浴は、偏頭痛予防という面というより「ストレス予防」の面が強い方法です。

人間はストレスを感じると、脳内でセロトニンという物質を分泌し、精神の安定を図ろうとします。このセロトニンは血管を収縮させる作用があり、セロトニンの分泌が減少すると、一気に血管が拡張します。この時、拡張した血管が三叉神経を刺激し、神経ペプチド(痛みの原因物質)を分泌します。

朝日を浴びるなど、適度な日光浴は脳内のセロトニン分泌の量を安定化させ、一気に放出したり減少させたりする不安定状態を解消する効果があります。

ただし、「光刺激」によって頭痛を起こすタイプの人は注意が必要です。また、それ以外のタイプの方も、光を浴びすぎると逆にその刺激で血管拡張が起こる場合もありますので、毎朝15分~20分程度リラックスして朝日を浴びれば効果的です。

病院で予防薬を処方してもらう

偏頭痛の頻度が多いために、予防や体質改善をしたくても追いつかない…という場合は、病院で予防薬を処方してもらう方法もあります。痛みが起きる前に飲むことで、頭痛の頻度を減らしたり、頭痛の質を和らげる効果にも期待ができます。

この予防薬の場合、毎日1~3回、2~6ヶ月間以上の継続した服用が必要となりますので、ある程度根気は必要です。また、妊娠期や授乳中の女性は服用を避けたほうが安全とされています。投薬予防法なので、副作用等が出る可能性もあります。必ず医師と相談し、適切に飲むようにしましょう。

偏頭痛の対処法

ツボを押す

偏頭痛が起きてしまったら、出来る限り早く楽になりたいと思いますよね。そんな時は、簡単に出来て以外に即効性のある「偏頭痛に効くツボ」を押すということもひとつの手段です。ツボを押すことで筋肉や神経が刺激され、痛みが緩和されたり血管の異常拡張・収縮が落ち着いたりします。

効果的なツボはいくつかありますが、簡単に出来る部位のツボをご紹介します。

■百会(ひゃくえ)…両耳の穴から頭頂部に向かうラインと、眉間の真ん中から頭頂部に向かうラインが交差する、「頭の天辺」にあるツボです。様々なツボに繋がっているとされる万能ツボなので、根本原因が分かっていない状態でも効果が期待出来ます。

■合谷(ごうこく)…親指の内側の骨と、人差し指の内側の骨がちょうど合流する部分の、少し人差し指側に上ったところです。押すと鈍い痛みがあるのでわかりやすいと思います。胃腸に作用するほか、自律神経を鎮めたりストレスを解消したりする効果があります。

■外関(がいかん)…外関は手の甲の最下部(手首)から指三本ほど肘側にあります。ゆっくりと2~3秒かけながら押し込み、2~3秒かけながら離しましょう。手のツボは人目を気にせず押せるのが魅力ですので、痛みを感じ始めたら押すようにして下さい。

カフェインを摂る

コーヒーに含まれるカフェインには、脳の血管を収縮させる働きがあります。一方、偏頭痛は基本的には「血管が膨張(拡張)」して起きていると考えられているので、適量のカフェインは血管の拡張を抑制するため軽い偏頭痛には効果が期待出来ます。

ただし、カフェインには若干の依存性がありますし、胃酸の分泌バランスを崩す場合もあります。頭痛が起きてから2~3杯程度飲む、1日にすれば3~4杯程度が適量とされていますので、飲み過ぎには注意しましょう。

遮光する

偏頭痛は、脳が様々な刺激を受けることによって血管の拡張、三叉神経を刺激してしまうことで起こると言われています。その元となる刺激については個人差はありますが、主に「光刺激」「音刺激」「ストレス」などが挙げられます。

つまり、この根本原因の光や音、ストレスを遮断することで神経系の過剰な働きが落ち着き、痛みが収まる可能性があります。アイマスクや耳栓など、そういった刺激を避けるためのケアグッズは豊富に販売されていますので、気軽な気持ちで試してみるのも良いでしょう。

冷やす

偏頭痛の原因である血管の拡張を、冷やしてなだめるのも効果的とされています。ずきずきしているこめかみや、耳の下などを保冷剤や氷などで数分間冷やしてみると、意外と頭や首に熱感があることがわかると思います。

ただし、緊張型頭痛、肩こりからくる頭痛などは「温める」方が早く緩和されることがあり、冷やしたら逆効果だった!という例もあります。自分の頭痛がどちらなのか判断出来ない場合は、専門医に相談して自分のタイプを見極めるようにしましょう。

市販の鎮痛剤を飲む

偏頭痛を持っている方は、少なからず市販の鎮痛剤に手を伸ばした経験はお持ちかと思います。基本的に、市販の薬でもそれで痛みが無くなる、軽くなるなら良いという医師も多いです。

ただし、市販薬は医師が処方する薬に対して薬効成分は半分以下の物が多く、効かないという場合も多くあります。また、効かないからと言って大量に飲んでしまったり、数ヶ月間毎日継続して飲むなど、用法を誤ってしまい「薬物乱用型頭痛」を引き起こしてしまう方もいます。

もしも市販薬を飲んでも改善されない、痛みが治まらないと感じたら、飲み続けずに医師に相談し、適切なお薬を処方してもらいましょう。痛みが早く治まりますし、体への負担も軽減されます。

病院を受診する

何科を受診すればいいの?

まず、どのような症状にも言えることですが、「何科にかかればいいのかわからない」という不安は病院に直接相談して大丈夫です!受付の人や、外来の看護師の方も、そのような質問は沢山受けていますし、その症状に適した案内方法も心得ています。

最も確実なのは「内科医」に聞くことです。内科を最初に受診し、つらい症状や状態を報告しましょう。内科医であれば、慢性頭痛なのか、それとも実は命に関わる頭痛なのかの初診を行うことが出来るので、その後適切な科や病院を紹介してくれます。

明らかな偏頭痛、慢性頭痛だという場合には、脳神経内科・脳神経外科や心療内科、ペインクリニックなどを受診しましょう。万が一別の科が適切と医師が判断した場合にも、専門医を紹介してくれるはずです。

受診するタイミング

頭痛の場合、いつ起きるのかわからないために、病院へ行くタイミングに戸惑うこともありますよね。

まず、ひとつの目安として、「元々よりも頭痛の回数が多くなった」「痛みが強くなってきた」「吐き気やめまいなど、違う症状が出てきた」というように、「慣れている症状がひどくなってきた」と感じたらそれは病院に行くサインです。

これまでの対処法や予防法では追いつかない状態になっているということですから、「最近頭痛が多いな」と感じたらきちんと医師に相談しましょう。また、頭痛が起きた日や回数などを手帳やメモアプリに記録しておくと、増加傾向や頻度などが自分でもわかりやすくなります。

頭痛外来とは?

近年の「頭痛持ち」の患者さんの増加や、「頭痛くらいで病院は…」と考えてしまう方がいるという背景などがあり、最近では頭痛専門の医師や看護師が揃っている「頭痛外来」を設ける病院が増えています。

頭痛についてのあらゆる知識や設備があるので、「何なのかよくわからないけど頭が痛い」というような漠然とした頭痛の訴えがあったとしても、原因や治療法、対処法を教えてくれる大変心強い病院です。お住まいの近くに「頭痛外来」「頭痛専門」という病院がないかどうか、是非調べてみましょう!

処方される薬

少し前までは、「偏頭痛は薬がない」と言われていました。しかし、現代では偏頭痛の根本原因にピンポイントで効果を出すとされる特効薬が開発されています。頭痛外来や、内科・脳神経科などでも、近年はこの処方を優先して選択する場合が多いようです。

代表的なイミグラン錠などの「トリプタン系薬剤」と呼ばれる薬には3つの作用があり、その作用が無駄なく偏頭痛に効果を出すことにより、早期の痛みの緩和、抑制が期待できます。

その作用とは、「脳の血管に作用し拡張を抑える」「三叉神経に作用し神経ペプチドの分泌を抑える」「三叉神経が受けてしまった痛みの刺激を大脳へ伝達するのをブロックする」というものです。近年わかってきた偏頭痛のメカニズムの無限ループを断ち切ってくれるというわけです。

また、トリプタン系薬剤が体に合わない、効かないという場合には「エルゴタミン製剤」というお薬を処方される場合もあります。エルゴタミンはピリン系成分とカフェインを配合し、血管の収縮を抑える効果のある薬です。

どちらも、「痛みが発現した時」に飲むというのが重要なポイントです。「予防薬」ではないので、痛みが無いうちから飲むのは避けましょう。もし予防したいという場合は、必ず医師に相談して下さい!

まとめ

つらい頭痛は「来ない」にこしたことはありませんよね。そのため、市販薬や病院での処方薬は心強い味方となるはずです。しかし、薬には用法や適切な使用量というものがあり、医師や薬剤師からも「必ず使用法を守って飲んで下さい」と注意を促すはずです。

頭痛から身を守りたいばかりに、大量に服用したり、過剰に飲む、予防効果を期待して頭痛が起きていないのに飲む、ということを繰り返すと、副作用の危険だけではなく「薬物乱用頭痛」という違った種類の頭痛を引き起こしてしまうことがあるのです。

頭痛から逃れたいのに、自分で頭痛を呼び込んでしまっては元も子もありませんよね。つらい思いを少しでも減らすには、医師などの専門家のアドバイスや注意をしっかりと守ることも大切です。