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”溶連菌”の原因と4つの治し方をご紹介します

溶連菌感染症という病気を聞いたことがありますか?溶連菌という細菌が原因で起こる病気で症状は風邪に似ています。感染力が強いので、溶連菌感染症と診断された場合は学校や幼稚園、保育園などは欠席しなければなりません。一般的にお子さんに多いと言われていますが、抵抗力が弱っていると大人も感染します。こちらではその原因や対策についてご紹介します。



溶連菌感染症とは?

風邪と間違えられやすい溶連菌による感染症

溶連菌感染症とは、のどの痛みや発熱など風邪に似たような症状から始まるので、風邪と間違えられやすい感染症です。のどや皮膚への感染力が強く、お子さんの間で流行します。インフルエンザは冬になると流行しますし、ヘルパンギーナなどは夏に流行する傾向がありますが、溶連菌感染症に関しては季節に関係なく起こります。

ただ、症状の現れ方に少し特徴があって、皮膚症状は夏ごろの多く見られ、喉の症状は冬場に多いということです。のどへの感染は主に扁桃炎や咽頭炎になりますが、特に食事が摂れないほどの痛みがあります。皮膚症状としては、脇の下やおなかなどの皮膚の柔らかい場所や顔などに発疹がみられます。

こういった症状がでる場所は、皮膚が弱いケースのほかにも、何らかの原因で皮膚が弱っているケースにも見れれます。発疹を破ってしまうと他の場所にも皮膚症状がでることになります(このことをとびひといいます)。発疹にはかゆみをともなうことがあるそうなので、お子さんが掻き毟らないように注意する必要があります。

溶連菌とはどんな菌?

一口に溶連菌と言っても、多くの種類があり、最も強いものは劇症型溶連菌(人食いバクテリア)と呼ばれています。一方では、常在菌として私たちの体に存在している菌でもあります。

ただ、一般的に溶連菌感染症の原因となるのは、α溶血とβ溶血2つのタイプの溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)で、ほとんどがA群β溶血性連鎖球菌と言われています。

溶連菌感染症の症状とは?

溶連菌感染症の主な症状は以下の通りです。多くの患者さんに発熱が見られますが、3歳未満では発熱がないこともあります。潜伏期間は2~3日と言われています。

咽頭炎、扁桃炎

多くの場合は38℃以上と高い発熱が見られますが、3歳未満の小さな子供の場合はそれほど高い熱が見られないこともあります。発熱と同時にのどの赤み、激しい痛みや、白い膿状のものがのど周辺にこびりついているのが確認できることもあります。

点状の出血斑

のどの赤みとは別に、上あごの周辺に小さな点状の出血斑ができます。ちょうど擦りむいたような内出血している赤みに似ていると言う医師もいます。

発疹

顔や体(特にわきの下、下腹部、太もも)に小さくて赤い発疹ができます。これは溶連菌の毒素によるものであり、時にかゆみを伴い、じんましんと間違えられることもあります。

皮膚の落屑(らくせつ)

他の症状が消失した後(5~6日目以降)に手足の指先からじゃがいものように皮膚がむけてきます。多くは3週間ほどで消失します。

イチゴ舌

舌ベロが赤く腫れて、舌の表面にイチゴのような隆起ができます。つぶつぶとした赤みが特徴です。

溶連菌の主要な症状が現れるのは、5歳~小学生くらいの児童に多く見られがちです。また、それよりも幼い乳幼児が溶連菌に感染すると、風邪のような軽い症状で、親が気付かないうちに治癒しているケースも見られます。そのため、乳幼児の溶連菌の場合は、他の要因から発症した上気道炎などと見分けがつきにくいのも特徴でしょう。

溶連菌に感染する原因は?

溶連菌感染症の原因~大人の場合~

溶連菌感染症の多くは家族やお子さんから感染します。主な感染経路は飛沫感染ですので、咳やくしゃみからうつる場合が多いです。家族に溶連菌感染症の方がいる場合は、マスクを着用したり、手洗いうがいをこまめにするなどして対策をとりましょう。

溶連菌感染症は繰り返すことがあります。その原因として、この細菌は種類が多いために十分に抗体ができないこともあり、大人でも流行っている時期などは一度かかっても再び感染する恐れがあります。扁桃腺の中に菌が残っていて、薬を飲み終えた後に溶連菌が増えてきて再び症状が出てくることもあります。

いろんなタイプの溶連菌があるので、違うタイプの溶連菌に感染する場合もあります。また、溶連菌に汚染された食品から感染することもあります。

溶連菌感染症の原因~子どもの場合~

溶連菌感染症の原因となる細菌は感染力が強いので、抵抗力がまだ未熟なお子さんの間ではすぐに感染します。きょうだいや親しい友達の間で感染者がいると、唾液やタオル、食器の共用などでも感染しやすくなります。

特徴的な症状として咳やくしゃみなどはありませんが、日常的に起こる咳やくしゃみなどを通して感染します。特に乳幼児などの小さいお子さんでは特徴的な症状が出ないこともあり、ただの風邪と判断されることも少なくないため、感染を未然に防げないこともあります。

また、抗生剤を内服すると2~3日で症状がおさまってきて安心してしまいがちですが、きっちり菌を退治するには5~10日間内服を続ける必要があるとされています。

溶連菌感染症の検査

迅速検査キットでは15分で診断できます

通常の風邪ではのどが赤くなりますが、のどに白いものがつくことはありません。他の症状から見て溶連菌感染が疑われるときは迅速検査キットで検査を行います。以前は培養を行わなければならなかったため、検出に数日かかっていましたが、今では結果がすぐに分かるようになっています。

このとき、抗生剤を事前に飲んでいないことが条件となります。綿棒でのどの菌を採取し検査します。15分ほどで結果が出ます。

扁桃腺が溶連菌に感染する原因

体の免疫力が細菌に負けてしまうため

細菌感染の原因は溶連菌ですが、これは体の免疫力が菌の感染力に負けてしまうために起こります。免疫力が高ければ感染した場合でも症状は軽く済むのです。周囲で溶連菌が流行していても必ず全員がかかるわけではありませんよね。それはそれぞれ体内の免疫力に個人差があるからでもあります。

ですので、日ごろから規則正しい生活を行い、バランスのとれた食事や睡眠を心がけて免疫力を高める必要があります。

溶連菌に感染する原因はストレスでも起こる?

ストレスと溶連菌感染症に関する直接的な関連は明らかにされていませんが、ストレスが溜まると体の免疫力が弱まります。その影響で、体の免疫力が落ち溶連菌に感染して発症してしまうという場合があります。

溶連菌が原因とされる感染症の治療法とは?

抗生剤の内服

溶連菌が原因とされる感染症と診断されれば、ペニシリン系やセフェム系の抗生剤を内服する必要があります。このとき、内服を始めて2~3日すると症状が和らぎ良くなっていきますが、合併症を防ぐためには5~10日間内服を続ける必要があると言われています。

その合併症とは、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などのことを指します。

リウマチ熱

発熱やのどの痛みで始まり、関節痛や舞踏病と呼ばれる手足の異常運動、心臓の弁膜に障害が生じる心炎を起こすことがあります。

急性糸球体腎炎

腎臓にある糸球体というろ過装置に炎症が起こり、血液のろ過が滞っておしっこの量が減り体内に老廃物が蓄積されてしまいます。その結果、腎不全のような状態になります。血尿(ウーロン茶のような色のおしっこ)、むくみなどが見られた場合には直ちに受診しましょう。

溶連菌にかかった時に気になるのは、他のお子さんなどへの二次感染ですね。それを防ぐには抗生剤を一日服用することで大丈夫だとされています。ですが、薬が効いているかどうかを判断するには抗生剤を飲んで2,3日程度の経過観察が必要です。経過を観察してみても、回復が見られない場合は再度受診してみましょう。

塗り薬

顔や体の発疹にかゆみがある場合は塗り薬が処方されます。

安静

うつりやすいので、溶連菌感染が疑われたら自宅で安静にするようにしましょう。風邪などと違って放置していてもなかなか良くなりません。

発疹が出る頃になると他の症状が落ち着いていますので他の人に感染することもなくなると言われています。様子を見て学校や幼稚園、保育園に行けるようになります。通常は3日目くらいには行けるようになるでしょう。

症状が改善しても完全に菌がなくなるまで抗生剤は飲み続けなくてはなりません。こちらはお医者さんの指示に従いましょう。

食事の注意点

口の中が痛い場合が多いです。熱いもの、辛いもの、酸っぱいものはしみますので避けるようにしましょう。お子さんの場合、熱いものは十分冷ましてから与えるようにしてください。逆にのどごしがよいものは食べやすいです。(ゼリーやプリン、アイスクリームやポタージュスープなど)

また、食欲がないこともあるので、消化の良いものを食べるようにしましょう。(おかゆ、雑炊、豆腐、茶わん蒸し、よく煮込んだうどんなど)発熱が見られる場合はいつも以上に体内の水分が不足していきますので、水分補給に注意してください。

溶連菌感染症を防ぐための対策とは?

手洗い、うがいで感染予防

周囲の人や家族に溶連菌感染が見られた場合は、飛沫感染によってうつる可能性が高いので、手洗いうがいをきっちり行うようにしましょう。もし、同じような症状が出た場合は早めに病院を受診するようにしましょう。

免疫力をつける

上にもあったように、感染症の対策の基本は体内の免疫力を上げることにあります。

そのためには、早寝早起きを基本とし、十分な睡眠、バランスの摂れた食事をしっかりとること、ストレスを溜めず適度な運動をすることが大切です。

大人の方にとっては時間が取れず難しいこともあるかもしれませんが、健康は予防が一番です。少しでも心がけるようにしましょう。

妊婦が溶連菌感染症にかかってしまったら

A群β溶血性連鎖球菌の場合

もし、家族や周囲で溶連菌感染症の方がいたら、出産を控えている方は特に注意しましょう。万が一出産を控えている女性が、溶連菌が原因とされる感染症にかかってしまった場合、おなかの赤ちゃんに影響する可能性があります。

もしこの病気が疑われる場合は産婦人科に問い合わせて相談するようにしましょう。(突然受診すると周りの妊婦さんに感染する可能性があるのでまずは問い合わせて判断を仰いでください)

B群溶血性連鎖球菌(gbs)の場合

gbs検査は妊婦さんで行う検査のうちの1項目ですが、これも溶連菌感染症の一つです。その原因は膣の中に常在することがある細菌で、一般的には問題となることは多くありませんが、出産時に新生児に感染した場合重大な感染症を引き起こすことがあると言われています。

新生児に感染した場合は、肺炎や敗血症、髄膜炎の発症の可能性が考えられます。そうでなくても、髄膜炎はワクチンで予防接種が義務付けられているように、新生児だけではなく乳幼児にとっても命にかかわる問題になることがあります。また、最悪の状況を免れたとしても、聴力や視力にハンデを負ってしまうことで、運動や学習に支障が出てしまうことも考えられます。

妊婦さんでも膀胱炎や子宮に起こる感染症(羊膜炎や子宮内膜炎)が起こることがあり、ひどい場合ではおなかの赤ちゃんが亡くなるということもあるとされています。

もし、gbs(B群溶血性連鎖球菌)に感染していることが分かったら抗生物質の点滴を行うことによって予防的に治療しなければいけません。

まとめ

溶連菌感染症の原因はほとんどがA群β溶血性連鎖球菌です。これらは飛沫感染というせきやくしゃみなどで広がります。よって、周囲でこの病気が流行している時期は手洗いうがいをこまめに行うことが大切です。

お子さんの間で多く見られる病気ですが、抵抗力が落ちているときなどは大人でも感染します。また、抗体がつきにくいため何度でもうつる可能性があります。特に妊婦の女性はおなかの赤ちゃんに影響する恐れがありますので注意が必要です。

これらの細菌感染を防ぐには日頃から体の抵抗力を高めるため、バランスの良い食事、睡眠をしっかりとっておくことが重要になってきます。もしこの病気が疑われた場合は、抗生剤を飲めばよくなりますので早めに病院を受診するようにしましょう。