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腰椎の骨折とは?ぎっくり腰との違いは?種類ごとの症状や治療法、後遺症やリハビリの方法まで徹底解説します!

腰椎の骨折といっても症状や原因はさまざまです。なかでも腰椎圧迫骨折は、スポーツや交通事故でのケガなどが原因で起こります。腰椎は身体にとっても大切な部分なので、症状によっては後遺症が残ることもあるんです。そんな腰椎骨折についてまとめてみました。



腰椎って骨折するの?

腰椎は5つの骨で形成されています。この部分の骨の間にはクッションのような役割を持つ椎間板という軟骨があります。この椎間板が圧迫されて生じる症状に「腰椎椎間板ヘルニア」などの症状がありますが、腰椎で生じる症状はこのほかにもさまざまで、そのひとつとして「腰椎の骨折」があります。

それでは腰椎の骨折の種類などをご説明していきます。

腰椎の骨折の種類

腰椎圧迫骨折

腰椎圧迫骨折は、転倒や交通事故などによって衝撃を受け、腰椎が圧迫されて潰れてしまう骨折のことです。

主な症状は、急性期には激しい痛みが生じますが、軽症の場合は腰痛などの症状が現れます。これらの症状はぎっくり腰の症状と似ているため、病院で診断を受けてもぎっくり腰と間違われてしまうこともあるそうです。また、場合によってはレントゲンを撮っても骨折を見落とされてしまうこともあります。

若い人ではスポーツや高所からの転倒などによって腰椎圧迫骨折を生じやすいのですが、高齢者の場合はそれら以外にも、骨粗しょう症によって骨折してしまうこともあります。骨粗しょう症は骨がもろくなって骨折しやすくなってしまう病気で、とくに閉経を迎えた女性に多いと言われています。

腰椎圧迫骨折については、このあとさらに詳しくご説明します。

腰椎横突起骨折

腰椎には、棘突起といって背中側に棘のように伸びている突起と、横突起と言って、横に伸びている突起の2つがあります。先に述べた腰椎の圧迫骨折は棘突起に起こることが多いのですが、腰椎横突起骨折とは、腰椎にある横突起と呼ばれる骨が折れることをいいます。横突起が骨折する原因にはサッカーやスノーボードなど、スポーツによるものもあります。

腰椎横突起骨折を起こした場合は、通常、麻痺やしびれといった神経症状が見られることは稀で、圧痛や可動痛、また腰痛などが主な症状となります。なぜかというと、腰椎の横突起は背筋に埋まっているという位置関係にあることから、骨折が見られた場合でも神経圧迫を起こすことがないからです。

腰椎圧迫骨折の症状

ここからは腰椎の骨折のなかでも、「腰椎圧迫骨折」について詳しくご紹介します。

急性期には寝返りもできないほどの激しい痛み

腰椎圧迫骨折の症状を一言でいうなら「激痛」です。それはそうで、骨を押しつぶすほどの外力がかかって起こる骨折なのですから、痛いに決まっていますよね。そのため、ちょっと動かしただけでも痛みが出ますし、棘突起が圧迫されることで痛みが増強するので寝ることもままならなくなってしまいます。そして、こういった症状は骨折から約1週間は続くそうです。

軽度の場合は腰痛を生じる

軽度の圧迫骨折の場合は、腰痛が症状として現れます。そのため、ただの腰痛やぎっくり腰などと間違われやすく、自分でも圧迫骨折していると思わない場合や、初期のレントゲンなどの場合は医師による診察を受けてもぎっくり腰などと誤って診断されてしまう場合もあります。

しかし実際には、腰椎に垂直方向からの力が加わって椎体という部分がつぶれてしまったことによって腰痛の症状が現れてしまっているので、治療を行わないままでいると腰が曲がってしまったり、麻痺や背骨・腰の骨のゆがみなどの後遺症が残ってしまう場合があります。そのため、正しい診断を受けて治療を行うことが必要です。

しびれ

痛み以外の症状としては、下肢のしびれや麻痺などの症状がありますが、人によって症状はまちまちで、ほとんど症状が現れないこともあると言うことです。しびれが出る原因は、骨折によってつぶれた椎体の破片によって神経が圧迫されることだそうです。

腰椎圧迫骨折とぎっくり腰との違いは?

 

腰椎圧迫骨折の症状はぎっくり腰の症状と似ている部分があり、誤ってぎっくり腰だと認識してしまうこともあるので、注意しましょう。

ぎっくり腰は、前かがみになったり、重たいものを持ち上げようとしてかがんだりしたときに突然起こる急性の腰痛のことです。ぎっくり腰はこれといって大きな要因がないのにちょっとした動作などで生じるのが特徴です。また、疲れやストレス、寝不足などで自律神経に影響を及ぼし、それによってぎっくり腰になる場合もあります。ただし、ぎっくり腰の場合でも、外からの衝撃によって症状が現れることがあります。

急な衝撃によってぎっくり腰が生じる場合もありますが、腰椎圧迫骨折と違い、ぎっくり腰は日常のささいな動作によっても生じることがある症状です。また、ぎっくり腰になる人に男女差などもないと言われています。

腰椎圧迫骨折の原因

スポーツや事故での衝撃腰

腰椎圧迫骨折の原因となるのは、スポーツや交通事故などによって衝撃を受けたことです。とくに、若い人の場合は激しいスポーツによってケガをし、そのときの衝撃によって症状が現れることがあります。

体力があって若くて丈夫な人でも、交通事故などによって大きな衝撃が加わることで、腰椎の椎体という部分が圧迫されてつぶれてしまうこともあります。

骨粗しょう症で骨がもろくなったことによって骨折する場合もある

骨粗しょう症は女性に多く見られる疾患のことで、簡単にいうと骨がもろくなることです。骨粗しょう症になると、軽い衝撃でも、骨が折れてしまうことがあります。この骨粗しょう症に罹っている場合、ちょっとした転倒やしりもちをついただけでも、腰椎圧迫骨折が起こる場合があります。また、それによって腰や背骨の骨が曲がってしまうこともあります。

骨粗しょう症が女性に多く見られる理由は、女性ホルモンに含まれるエストロゲンという物質が閉経によって減少してしまうからです。エストロゲンは卵胞ホルモンと言って、女性の妊娠やつわり、月経や更年期障害に大きな影響を与えることが知られていますが、骨の形成にも大きく関わっています。

そのため、閉経によってエストロゲンの分泌量が減少すると骨粗しょう症になりやすいと言われていますし、月経不順がある場合にもそのリスクが高くなってしまいます。ただし、男性でも、加齢によって骨がもろくなってしまったり、糖尿病などの疾患によって骨が弱くなることもあるので、男性でも骨粗しょう症になるリスクはあります。

腰椎圧迫骨折の治療方法

腰椎圧迫骨折の治療方法では、安静にして患部を固定することが大切です。それでは具体的な治療方法をご紹介します。

コルセットなどを使って腰を固定する

子供の頃にお腹が痛いと、お母さんにお腹をさすってもらったりしませんでしたか?そうすると不思議とおなかの痛みが引いたことがあると言う方も多いのではないでしょうか。また、旧陸軍兵士は、長時間の行軍に及ぶ時に、ゲートルと言って脛を覆うサポーターのようなものを巻いていたと言うことです。

何がいいたいかと言うと、痛みに対しては圧迫することでそれを軽減することが出来ると言うことです。腰椎圧迫骨折の場合にも同様なことが言えます。つぶれた椎体が元に戻る訳ではありませんが、コルセットなどを用いて圧迫してあげると、2週間もすれば骨折部位の痛みが軽減しますし、数ヶ月経つと外すことも可能となるでしょう。

強い痛みがあるうちは極力身体を動かさない

腰痛圧迫骨折によって痛みなどの症状が強いうちは、症状を悪化させないためにも、極力身体を動かさないようにします。コルセットなどで腰部分を固定するとともに、ベッド上で安静にしていることが大切です。安静にしていないと椎体がさらにつぶれてしまう可能性もあります。

骨が固まるまでにかかる期間は約2ヶ月と言われています。椎体がさらにつぶれてしまわないようにするために、入院して安静にして治療を行う選択肢もあります。また、腰骨に垂直方向の力が加わって圧迫骨折を起こすので、同じ方向からの圧が加わらなうように気をつけましょう。

痛みが和らいで来たらリハビリを

強い痛みがある間は基本的に腰がずれないようにコルセットなどで固定し、ベッドの上で腰などを動かさないよう安静にしておく必要があります。しかし、長期間にわたってベッドで寝たまま動かない状態でいると、当然ですが筋力が低下することとなります。

そうなると、腰椎圧迫骨折が治ったとしても、以前のように歩けるようになるまでに時間を要することとなってしまいます。また、下肢の筋力が低下すると歩くのが難しくなるだけでなく、呼吸器疾患など身体のさまざまな部分に影響を及ぼすことがあります。なぜなら、足は第2の心臓ともいわれており、全身の血液循環にも影響を与えているからです。

こういった二次的な被害を事前に食い止めるためにも、歩けないまでもベッドの上で少しずつ体を動かすようしたり、ベッドの上に起き直ったり、足首を曲げ伸ばししたりすることが、早期回復への近道となります。

骨粗しょう症が原因の場合はその治療も必要

骨粗しょう症によって骨がもろくなったことが原因で腰椎圧迫骨折が起こってしまった場合には、骨粗しょう症の治療も行う必要があります。

骨粗しょう症の治療は食事療法・運動療法・薬物療法の3つの治療方法があります。主な治療方法は薬物療法で、骨の形成を促して密度を高めるための薬などをを使用します。また、女性ホルモン剤やビタミン剤なども使われます。食事療法においても、カルシウムやビタミンなどを多く含む食品を積極的に摂っていきます。また、軽い散歩などを日常生活に取り入れ、筋肉量を増やすことも大切です。

腰椎圧迫骨折の後遺症について

背骨の曲がり・ゆがみ

とくに、高齢の女性でホルモンバランスの崩れなどから骨粗しょう症に罹っている場合、腰椎圧迫骨折が起こりやすくなります。それだけではなく、複数個所を圧迫骨折することによって、背骨が曲がったり、ゆがんでしまうことがあります。また、骨粗しょう症にかかっていなくても、男性でも腰椎圧迫骨折によって腰骨が曲がったり、背骨がゆがんでしまうことがあります。

神経麻痺・歩行障害

圧迫骨折によって神経症状が起こることがあります。症状としては、足がしびれたり排尿障害が見られたりといったことが挙げられますが、これは、骨折の時に剥がれた椎体の破片によって、腰部の神経が圧迫されることによって起こります。そういった場合には、手術療法が検討されることもあると言うことです。

すぐに麻痺などの症状が出なくても、数ヶ月経ってから麻痺の症状が現れる場合もあるそうです。ヘルニアの症状と同じような症状が現れることもあります。

逆流性食道炎

腰椎圧迫骨折によって背骨や腰の骨が曲がってくると、お腹側や胸のあたりが圧迫されるようになり、胃などの内臓にも影響を与えることがあります。それによって起こる症状のひとつが「逆流性食道炎」です。

背骨が曲がることによって胃が胸のあたりまでせり上がり、胃酸が食道に逆流して粘膜を傷つける逆流性食道炎が生じる可能性があります。逆流性食道炎になると食事量が減り、症状が悪化すると食道がんなどの病気に発展してしまうこともあるので、治療を行う必要があります。

このほかにも、背骨や腰の骨が曲がることによって肺や心臓なども圧迫され、呼吸障害や胸痛などの症状が現れることもあります。

膀胱直腸障害

腰椎圧迫骨折の後遺症としては、膀胱直腸障害のそのひとつに挙げられます。脳から出た神経は脊髄と言う大通りを通って体の各部へと繋がっていますが、その大通りに圧迫が起こることによって神経症状が出てしまいます。神経が向かう先が膀胱や直腸だった場合には、排便障害や排尿障害が現れることとなります。

症状を分かりやすくいうと、おしっこをしたいと思っているのにそれが脳から膀胱へと伝わらず失禁してしまったり、逆におしっこがうまく出なかったり、また便秘になったりします。こういった症状が見られる場合には、緊急にレーザー光線などを使った手術を行うこととなります。

終わりに

腰椎の骨折は転倒や事故などが原因で起こるだけでなく、骨がもろくなってしまう骨粗しょう症などの病気によっても起こります。治療では安静にしていることが求められますが、それによって筋肉量が減り、リハビリが必要になってくることもあります。

骨粗しょう症は女性に多い病気ですが、男性でももちろんかかります。日常生活に適度な運動を取り入れて筋肉量を増やし、毎日の食事にカルシウムやビタミンなどを含んだ食材を取り入れ、骨を丈夫にする習慣を作りましょう。