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あばら骨を骨折した?完治までどれくらいかかるの?4つの症状や治療方法、応急処置についてのまとめ

あばら骨を骨折したかもと思い当たることはありませんか?ここでは、あばら骨を骨折する原因と応急措置の仕方、病院での治療法、そして危険な合併症について詳しくみていきましょう。



あばら骨が骨折した場合は?

あばら骨とは、医学的には肋骨のことです。胸を覆う骨のことで、12対で計24本あります。あばら骨の骨折は比較的頻度の多い骨折です。けがや、スポーツ、日常の動作などで起こることもあります。

あばら骨が骨折を起こしていると、胸郭がふくらむ、つまり大きく息を吸うと肋骨の折れた部分に負担がかかり痛みがでます。

放置して治るものではないので、病院を受診して治療することが必要です。

あばら骨の骨折はどうして起きる?

外傷性骨折の場合

あばら骨は、背中の胸椎から前胸部の胸骨までかごのように胸腔を作っていて、その中に存在する心臓や肺、腹腔内の肝臓、脾臓、腎臓の一部を保護しています。

あばら骨の骨折は、胸部外傷の中で最も多くみられるものです。外傷性骨折の原因は机やタンスの角にぶつけたというような軽度の外力によるものと、交通事故や高所からの転落といった大きな外力によるものがあります。

大きな外力による場合には複数の肋骨が骨折することが多く、胸郭内の肺や心臓、大血管に損傷が及ぶことが多く、命に関わる場合があります。このような場合には、胸部外科での治療が必要となります。

疲労骨折の場合

あばら骨の骨折は、意外とスポーツやくしゃみなどの自分の力で骨折を起こしてしまうことも多いのです。肋骨は骨の中でも非常に薄く、繰り返しの力によって骨折を起こしてしまうことがあるのです。これを疲労骨折といいます。

高齢者が骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のために起こすことも多いのですが、若い筋肉のある人でも起こし、患者さんの年齢層が幅広いことが特徴です。

スポーツではゴルフなどの身体をねじるスポーツで多く起こします。マラソンのしすぎであばら骨の骨折を起こすことも多いそうです。

くしゃみや咳のしすぎで起こすこともあります。くしゃみや咳は力が入り、あばら骨に負担をかけるのです。最近問題になっているのは、接骨院やクイックマッサージなどによってマッサージを受けたことによって肋骨骨折を起こしてしまうことです。特に高齢者は強い圧力を受けることに注意が必要です。

あばら骨骨折の主な症状

疼痛

疼痛症状として、深呼吸や咳、くしゃみ、笑った時などに強い痛みが走ります。痛みのために深呼吸や咳、くしゃみがしにくくなります。手・足・体に力が入るだけ痛いことがあります。体をそらしたり、肩を動かしたりすると痛みが強くなります。

睡眠時に体を横にすると、あばら骨(胸郭・胴体)が体の自分の体重でたわみ、強い痛みがあり、寝れないこともあります。また、横になる動作の時に、あばら骨が体を支えきれず強い痛みがあります。

骨折側の腕を上げ、逆側に体を側屈すると、骨折したあばら骨が開いて痛みがでるそうです。

圧痛

骨折部を軽く圧迫すると軋轢音(骨折部で骨がきしむ音)がすることがあります。また、あばら骨上に限局性の圧痛があります。疼痛部に手を当てて、呼吸・深呼吸をすると「ポコッ、ポコッ」という骨折部がずれる音がすることがあります。

体を動かした時や、腕、肩を動かした時に、「ポコッ、ポコッ」と胸やわき腹、背中など骨折した部分で音がすることもあります。

腫脹

疲労骨折の場合は、骨折部位の腫れや隆起などがみられます。

また、一般に、骨折をすると、骨膜や骨髄などの出血によって起こります。そのため骨折部分を中心に、出血による顕著な限局性の腫脹が起こります。腫脹はやがて周囲に浸潤し、広範囲に広がります。

皮下出血

骨折すると骨折部分を中心に、出血による皮下出血斑が生じます。この出血は、骨折部分を癒合、修復のために必要な現象です。

出血した血液の中には、 多量の線維が含まれており、その線維が骨組織を再構築する基礎となります。さらに骨を造り上げる骨芽細胞(こつがさいぼう)がその線維の中に入り込み活躍します。

形成された血腫内では、血液中の線維素から線維が作られ、休眠中の骨芽細胞が動き出して活発な細胞分裂を起こします。細胞分裂により増殖した骨芽細胞が骨様組織を形成します。骨様組織に無機質が沈着し、硬くしっかりした骨組織に変わっていきます。そして、仮骨が形成され、臨床上の完治ということになります。

あばら骨骨折の応急処置の仕方

災害時や事故時のあばら骨折に対しては、骨折部を絆創膏で固定します。絆創膏がない時は、ガムテープを使ってもいいそうです。呼吸困難が強い時は、胸腔内に空気や血液がたまる血気胸(けっききょう)に注意しましょう。

応急処置としては、呼吸運動に伴って胸痛が強まることから、幹部に厚手のタオルなどを当てて、軽く圧迫することで疼痛を軽くすることができます。胸腔内損傷を合併している可能性もありますので、早めに医師の診察を受けたほうがいいでしょう。

あばら骨骨折の治療について

診断方法

2週間以上にわたって胸の痛みを覚える場合、肋骨骨折や肋軟骨骨折の可能性があります。診断は胸部の触診とx線撮影(レントゲン検査)によって行われます。 骨折部のズレが著しいものでは骨折した箇所を触ることが可能なこともありますが 、レントゲン検査を受けても骨折線を確認できないことも少なくないそうです。

肺の影と重なったり、肋骨同士が重なったりするため、骨折が判明しにくい場合もあるのです。また、肋骨の前方部分は肋軟骨となっており、ここでの骨折はX線では確認できません。それでも骨折が疑わしい場合は、1~2週間後に再度レントゲン検査を行うように勧められることもあるそうです。

治療方法

治療は肺や心臓、血管の損傷を伴っていなければ、明らかな骨折、不全骨折(いわゆる「ひび」)、x線で骨折がはっきりしない打撲の場合でも、ほぼ同様です。疼痛が軽度な場合には、消炎鎮痛剤の内服と湿布などで経過をみます。

疼痛がやや強い場合には、バストバンド(胸部固定サポーター)やトラコバンドとよばれる固定帯、絆創膏固定、三角巾固定により通常3~4週間固定します。場合によっては、肋間神経ブロックなどを行うことで痛みが軽減されることもあります。

普段の生活では、重いものを持たない、痛みが強まるような姿勢を避ける、胴体を曲げたり捻ったりなど基本的に痛くなることは避ける、無理をせず安静にして治療に専念することです。

転位が高度な時など、手術が行われることもありますが、かなり稀だそうです。入院が必要とされるのは、痛みが強い場合や複数骨折している場合です。また、あばら骨骨折による合併症が疑われる場合は入院治療が必要となります。

治療期間

あばら骨を骨折した場合は、約3週間ぐらいで痛みがとれるのが一般的だそうです。10日~2週間で少し痛みが取れ、ちょっとずつ楽になって、3週間くらいであまり痛みが気にならなくなり、4週間すると治癒することが多いようです。

大人のあばら骨骨折では、3週間たってもレントゲン写真上で骨癒合(骨折部がくっついて治癒すること)がみられないのが普通で、骨癒合には、約1ヶ月半かかり個人差や骨折した部位により変わってきます。全治1ヶ月半というのが普通のようです。

あばら骨骨折の危険な合併症

血管損傷について

あばら骨骨折に随伴する損傷としては,大動脈、鎖骨下動脈、心損傷(一般的ではありませんが、特に第1か第2肋骨の骨折で起こり得ます)、脾臓または腹部の損傷(第7から第12肋骨のいずれかの骨折によります)が挙げられます。

特に大きな外力によりあばら骨骨折した場合には、大きな血管損傷の合併症を引き起こすことがあります。

肺損傷について

合併症として、気胸や肺挫傷(小児・若年成人)などの肺損傷が起こることがあります。気胸とは、肺または胸壁の損傷により、吸気時に空気が胸腔に入るけれども、呼気時に排出されないため胸腔の圧力が高まり、肺が虚脱するものです。突然の咳、呼吸困難の症状が現れます。

気胸は、自然になることもあり、これは自然気胸と呼ばれています。この場合は背が高く、痩せた若い喫煙者に多くみられます。軽度のものは安静にすることで改善されますが、重度の気胸や肺の虚脱が高度な場合は、持続脱気(チューブを肋骨間に刺して、胸腔に溜まった空気を抜く)や、手術で破れた部分や破れやすい部分の切除や縮縫といった治療がなされます。

小児や若年成人は胸郭が極めて柔軟性に富んでいて、胸部への強大な外力は胸郭に大きな損傷や変形を伴うことなく胸部や腹部内臓に高度の損傷を与えることがあります。特に小児の胸部外傷は予後不良のことがあり、十分な注意が必要です。

初診時あるいは経過中に激しい呼吸困難、チアノーゼ、発熱、血痰、血圧異常、脈の異常などがみられた場合は心損傷、気管損傷、横隔膜損傷、肺炎・胸膜炎などを疑って、応急処置を施した後、ただちに専門医を受診する必要があります

血胸について

血胸とは、胸腔内に血液がたまった状態で、心臓や大血管の損傷、肺損傷、胸壁血管損傷、肋間動静脈損傷などの出血が原因となり起こります。

交通事故や転落による胸部打撲やあばら骨骨折で発生することがあっても、咳によるあばら骨骨折で血胸が起こるのは非常にまれですが合併症の一つとして十分考えておく必要はあるそうです。

血胸はレントゲン検査で確認できますが、最初異常がなくても時間がたってから起こる場合があります。あばら骨骨折が確認された場合、入院が必要かどうかは気胸や血胸があるかどうかが条件の一つとなるそうです。

血胸の症状としては、胸痛、呼吸困難のほかに、皮膚や唇が紫色になるチアノーゼなどです。

大量の血液がたまることがあり、出血性ショックや血圧低下や意識障害、呼吸不全が急激に現れることがあるので注意が必要です。

その他

そのほかの合併症として、腎損傷や皮下気腫などがあります。

皮下気腫とは、皮下組織内に空気が入った状態です。あばら骨骨折や胸部打撲、胸部挫傷などのように、胸部への強い打撃・圧迫などが原因となり、皮膚の損傷による外部からの空気の侵入や壁側胸膜を損傷したことにより胸腔内の空気が洩れることなどによって生じます。

皮下気腫自体は痛むことはありませんが、皮膚が少しふくらんだ感じがあり、患部を押すと、握雪音(雪を強く握った時のような「ギシギシ」という音) や 捻髪音(髪の毛を指先でよじった時のような「ジリジリ」という音)を感じるそうです。

軽度の皮下気腫は自然と吸収されるため、とくに治療の必要はありませんが、膨らんでくるような進行性で高度な皮下気腫は、頚部を圧迫し循環障害を起こしたり、胸郭の拡張障害による呼吸困難などを起こすこともあるので、頚部や胸部の皮膚を切開して、皮下にたまった空気を外へと排出することがあるそうです。

あばら骨骨折の注意点

あばら骨が痛い状態を放置していると、骨折にしろ打撲にしろ、症状がひどくなり、また合併症を伴う可能性もあります。

痛みが続くようならば、病院を受診しましょう。あばらが痛い、骨が折れているかもしれないということで、内科に行く人も多いそうですが、レントゲンでもあばら骨の骨折は見分けるのが難しいので、骨折を疑う場合は、専門的な対応が可能な整形外科に行ったほうがいいそうです。

まとめ

あばら骨を骨折するのは、事故や高いところから落ちたりするばかりでなく、スポーツやくしゃみや咳などによる疲労骨折の場合もあります。

痛みが続くようならば、整形外科を受診し、適切な治療を受けましょう。合併症がない場合は、1ヶ月半ほどで完治するようです。痛みが強かったり、複数骨折している場合や合併症がある場合は入院が必要となるそうなので、早めに受診することをお勧めします。